城平京のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ作者の方が原作をされている「スパイラル 推理の絆」という推理漫画が好きだったので、読みました。「小人地獄」という完璧な毒薬をめぐる2篇の話。
1話目はまっとうなロジック推理。1話目も十分に楽しかったが、2話目を読むと、1話目は状況説明の前座にすぎなかったのか!となる。2話目が本編。
スパイラルでも感じたちょっとファンタジー要素(スパイラルにおける「ブレードチルドレン」本書における「小人地獄」という存在)がありつつ、ダークで救いのない話でよかった。救いがないんだけど、物語の余白があるので、自分なりの空想で結末後彼ら・彼女らがどうなっていくのか想像しがいがある。
城平京さんは、主人公(探偵役 -
Posted by ブクログ
ろくろ首の葵と良助のエピソードは印象が二転三転するミステリ然とした内容だったなぁ…
82話で描かれた内容は『雪女のジレンマ』を思い起こす要素と見え、異類婚姻譚として申し分のない逢瀬と思えた
なのに真相と共に明かされるのは、ただの妖怪を恐れる人間、人間を祟ろうとする妖怪という昔話として嫌な意味でよく聞く話
というか、葵の正体がバレてしまった時に良助の中から愛情よりも恐怖が勝り、良助の裏切りを知った時から葵の中で愛情が消え去ったというのは哀しくは有るのだけど、それによって二人が辿ったのが復讐であり計画殺人だった点も併せて『雪女のジレンマ』とは別の意味で人間と妖怪が共に生きる難しさを見た気がするよ -
Posted by ブクログ
1. はじめに
2部構成の本格ミステリ。
1部では童話に見立てられた猟奇殺人を名探偵が鮮やかに解決する。
そして第2部、二転三転する状況下で名探偵の前に現れるあまりにも美しい真相と悲しい事実に心突かれる作品だった。
2. あらすじ
「小人地獄」という非現実的に作られた毒物を中心に物語が進み、シンプルな殺人事件を奥深く流れて行くような作品で面白かった。
3. 心に残ったポイント・印象的なシーン
物語の冒頭「小人地獄」の製造過程のシーンで多くの生まれたての子どもが犠牲となり作られているシーンは想像に絶えうる内容で中々出会わない設定だと思った。
また「小人地獄」に関わってきた人たちが無惨に殺さ -
Posted by ブクログ
『廃墟に出会う』と『まるで昔話のような』は九郎をフューチャーしたお話だったようで
普段の九郎と言えば琴子に協力的であれば彼女のワトソンとして機能し、協力的でなければ事件の表舞台に立つ事もない。琴子が機能しない状態の時だけ彼女の役割を代理する事は有っても彼女より目立つ事はない
その意味では彼がどう行動するかが事件解決に直結するかのようなこの2編は珍しいと言えるかも
廃墟で九郎が偶然であった相良が語るのは姉の死に纏わる疑念
些細な不納得から始まった彼の調査は姉の遺言によって展開を広げるというのはミステリ然としているね
相良が話すのは自殺か他殺かという疑惑に絡むものだからおいそれと話せるものでは