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妖怪達の知恵の神である岩永琴子のもとには日々、彼らの悩みごとが持ち込まれる。
美しき雪女から届いた依頼もそのひとつ。
愛した男が殺人の罪を着せられ窮地に陥っているという。
そのアリバイを知るのは、法廷に立てぬ「人外」の雪女のみ……。
琴子の捜査の末に明らかになる意外な真実とは――?
アニメの2期も制作決定! 絶好調の本格ミステリ大賞受賞作シリーズの最新作!
【虚構推理シリーズ】
『虚構推理』
『虚構推理短編集 岩永琴子の出現』
『虚構推理 スリーピング・マーダー』
New『虚構推理 岩永琴子の純真』
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Posted by ブクログ
シリーズ4作目
収録は5編
・雪女のジレンマ
・よく考えると怖くないでもない話
・死者の不確かな伝言
・的を得ないで的を射よう
・雪女を斬る
・雪女のジレンマ
人の裏切りなどの不幸続きで元妻の殺人事件の容疑者になってしまった男
当日のアリバイを証言できるのは昔冬山で助けてくれた雪女のみ
琴子さんの提示した内容とは?
何というか、人の縁で踏んだり蹴ったり過ぎないか?
親友だと思っていた人に山から突き落とされ、妻からは殺されかけ、立ち上げた会社は仲間から裏切られ
その割には飄々としているように見えるんだよね
まぁ、そんなところが却って元妻を殺そうとしていたと怪しまれる原因にもなっているわけですが
琴子さんのやった事は、後に言及される大岡裁きめいたものを感じる
試されるべきは雪女の覚悟ってことですね
・よく考えると怖くないでもない話
九郎くんがいわく付きの建物でのアルバイトをするお話
一般の人の視点では何も起こってないんだけど
実際は怪異の変化は起こっているし、そもそものいわくにしても人の意図があるという構造が面白いなぁ
・死者の不確かな伝言
何かと同じ話題を繰り返す叔父を黙らせたいという依頼
真実はどうあれ、相手を納得させつつ解決に導くのが琴子さんですよね
あと、幽霊のお引越しとかもね
・的を得ないで的を射よう
琴子さんなりの大岡裁き
というか、その予定が、妖達のせいでもっと酷いことに……
でも、マンガで読んだときも笑ったけど、小説でもあの場面でも笑ってしまった
顔面をギチギチされるおひいさまw
・雪女を斬る
最初のエピソードと合わせて雪女でまとまっている
剣術の先祖と雪女とのかかわり
怪異が存在しない現実的な虚構の説明はいつもの通りなんだけど
雪女から聞き取った本当の話をそのまま伝えるというのは琴子さんらしくない気がする
もしかして、フェイクも混じってたのだろうか?
Posted by ブクログ
収録されているエピソードの1話から4話までは漫画にて感想を述べたような気がしないでもないので、ここでは本巻が初出となる『雪女を斬る』を中心に感想
てっきりタイトルから『雪女のジレンマ』の続編かと思いきや、突然江戸時代の剣客物語が展開されたものだから驚かされたよ
まあ、読み込んでいくときっちり『雪女のジレンマ』と関係あるエピソードになっていたのだけど
これまで琴子が事件の推理において虚構を必要としていたのは偏に妖と人の世の調和を保つため。人が妖に手を出そうとしていればそれを制し、妖が人に迷惑をかけそうであればそれを罰する。どちらにせよ琴子の基本スタンスは「妖なんて居ない」というものだった。例え居る事を明かすとしてもそれは既に妖の世界にズブズブに関わっている者に対してのみ
依頼人である白倉静也はかなり特殊な人物だね。一見すれば普通の人間。けれど、その実態は人にも妖にもなれる人物。だから静也に対して提示する解答も普段と異なるものとなる
普段は妖が関わる真実を隠し、合理的な虚構を提示して事件に関わる者から妖を隠していた。でも、妖になりうる静也に対してその遣り方は正しくない。だからこのエピソードにおいて琴子は真実や虚構以外のものも必要としているわけだね
事件は剣道家の罪状ということで懐かしの『ソードマスターの犯罪』を思い出してしまう部分も有ったのだけど、あれとはかなり話の筋は異なるもの
そもそも秘剣を会得した人物が「雪女を斬った」と吹聴している時点で怪しさ抜群。あまりに荒唐無稽だから、現代人がその光景を語るだけでは足りず、その当時を知る者に拠る回想も必要となる
それにより半兵衛の体験した物語が怪異譚ではなく恋愛譚であるのだと理解できるようになっているね。また本巻に同録されている『雪女のジレンマ』とのリンクも感じられるようになっている
それこそが真相に至る道であり、白倉静也を納得させるもう一つの要素を補完させる構図になっているね
人の世に生きる静也に対して、妖を否定する虚構だけでなく、妖を肯定する真実も語った琴子はいつもと異なるスタンスを見せる
琴子が最も重視しているのは相手を納得させ、それ以上の追求を辞めさせること。だからどうとでも受け取れる虚構と真実を同時に語り、その上で静也が恨みの果てに生まれた血を引いているわけではないと示す必要があったのだろうね
あの雪女を見る事で静也は自分が幸福の果てに居る存在だと知れた。それは何よりも静也を納得させる一手となったのだと判る解決編は素敵だったな
あと、話の内容とはそこまで関連しているわけではないんだけど、昌幸と雪女がきちんと幸せを掴めそうであった点には少し安心してしまったよ
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