感情タグBEST3
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体格には恵まれていないけど相撲一筋だった文季が引っ越した村は相撲好きのカエルの神様が崇められていた。ひょんなきっかけから神様相手に相撲の指導をする事になる話と同時に村で起こった妙な殺人事件の謎を解く話が上手く絡み合っており、相撲の蘊蓄も読み応えあった。そしてさらに村に伝わる因習のルールに基づいてイノベーションを起こす展開の畳みかけ方がまた上手い。後で考えると無駄な所がない事に気付く。でも読んでいる時はそれに気付かないのは単純に凄いと思った。
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相撲を愛する両親の元で相撲の知識と技術を教え込まれた文季が転校したのは、相撲好きのカエルの神様が崇められる村だった。小さい頃から相撲漬けの日々を送って来たため相撲の知識や技術だけでなく、相手の動きを見て対応策を考えることまでできるようになった文季だが、如何せん身体の小ささが災いして対戦成績はイマイチパッとなかった。しかしその能力をカエルの神様に見込まれ、村を治める一族の娘真夏を通じて神様に相撲を教えることになるのだった。
なかなか突飛な設定ですが、すんなり読ませられます。身体が小さいからこそ相手の一挙一動を見て対応する必要があり、それが文季の思考の全てを表わすことになっているのが面白いです。なので隣村で起こった死体遺棄事件に関してもその能力を活かして刑事である伯父に自分の考えを述べることに繋げるのも、突飛ながらも面白いです。しかしまあこの事件の部分は物語のメインではないのですが。
物語終盤に至る伏線の回収とどんでん返し、そこにこそこの作品のミステリ的面白さとしての醍醐味があるのでしょう。そして事件の真相の一部に気付かなかった文季が同じく見落としていたもの。その提示のされ方や落とし処が実に爽快なのです。なるほどこれこそミステリの面白さと膝を打ちます。
そこに身体の小さい文季と身体の大きい真夏。村を治める一族に課せられた運命。相撲に愛された文季が己の相撲で得たもの。ふたりのそれぞれの想い。そんなキャラクターが織りなす関係性が実に巧妙に絡み合って青春小説の妙があります。そこがミステリ的爽快感と相乗関係となって物語を盛り上げてくれます。
緻密に計算されている
相撲なんて興味ないなあと思いながらも読む手が止まらず。
あれよあれよと主人公が巻き込まれ、問題を解決し、存在感を増してゆく快感。カエル様が恐ろしくも愛らしい。さらにお嬢さんがかわいらしい。おとぎ話の残酷さに、かっこよくメスを入れるヒーロー。ヌケがあるのが中学生らしくて、完璧ではないことがまた、いい。読後、ほんわかした気持ちになった。
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探しに探してやっと手に入れた講談社タイガの一作目。
虚構推理に似てるなーとか少し思ったけど、それは置いておいて。
相撲とミステリというコンセプトから嫌厭してたのがもったいなかった。
ミステリ色はほぼなかったけど笑
それでも伝奇、SF、恋愛等、盛りだくさんの内容。
惜しむらくは主人公がクール過ぎて人を選ぶか。
一番の誤算は、真夏のヒロイン力が半端なかったこと。
いや、城平作品でダントツ一位だと思う(クセが強いヒロインが多い中、珍しく王道)。
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蛙が、いやカエル様が相撲をとるだけのファンタジーなだけの話かと思ったら、話が思わぬ方向に…
自分を凡人(寧ろそれ以下)と思っている中学生男子が、相撲はすぐには強くならないと言うのが良い。人間はぱぱっと強くはならないよね。
しっかりSF
青春すけべものかと思いきや,しっかりとSFでした.気に入って,無料の1巻から漫画まで,そして続きが気になり,一気に原作までたどり着きました.満足です.
神様
最初は漫画を読んで引き込まれたので、原作小説を是非読んでみようと思った。
カエルってこんなにたくさん種類があるの、、、などの驚きがありました。
お嬢さんの行動の根源にも驚いたので、続編希望したいくらいです。相撲に詳しくない自分にも分かりやすい説明でした。
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相撲好きの両親に育てられ、小柄だからこそ知識と理論と洞察力の相撲を取るがゆえに、カエルの神様が治める相撲が盛んな村であれやこれや巻き込まれるお話
ファンタジー、ミステリ、恋愛等々と色々な要素が詰め込まれてあるけど、そこはやはり城平クオリティでちゃんとまとまっている
ただまぁ、ミステリな刑事事件は別に省いても物語りは成立すると思うし、どうしても必須かと言われるとちょっと疑問
ただ、それ以外のところでのミステリ要素はすばらしい
ファンタジーながらもちゃんとルールを提示し、理由のない謎はないという解決を見せる物語の構造がちゃんとしている
推理で格闘をするというのはスパイラルの外伝のソードマスターの犯罪でもやってたね
相手の心理を逆手にとってというやり口も一緒
こっちの方が丹念に伏線が張られているのでより納得したけどね
そのうちこれはマンガ化するんじゃないか?
むしろ、文章よりもマンガやアニメ向きな気がする
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あらすじを読んだだけでワクワクする。
多様なジャンルの要素を詰め込んだ作品。
この設定と世界観を創っただけでも凄い。
カエル、相撲、ミステリ、伝記といった比較的マニアックな設定も、城平京が描けば誰でも楽しめる作品になってしまうのか。
自分の大好きなミステリ要素があり、読後感も最高と、大満足の内容。
やはり、この著者の作品にハズレはない。
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なんとなく読んだら素敵な話だった!相撲小説であり、ファンタジーであり、ミステリーであり青春小説である。荒唐無稽なのに説得力があり、読後が爽やか。新たな神話となるお話。
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これはとても好き。うすらでかいお嬢様の真夏がとても好ましい。物語もファンタジー要素とミステリ要素とスポーツ要素を混ぜあわせとても上手い青春物語だ。幾つもの要素があるので終わらせ方も幾通りもあったと思うけど、最後の落としどころのチョイスがとても良い。
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「スパイラル」の時から城平京先生の大ファンで、先日ネットで新作が出ていると知って購入。いったいどんな話かと思えば「両親を事故で失った少年が、相撲が盛んな村でカエル(神様)に相撲を教える話」と聞いて、頭の中が真っ白になった。
と同時に、いかにも城平先生らしい荒唐無稽な話で、多分世界中を探してもこんな話は先生にしか書けない。
そしていざ読み進めると「相撲」をテーマに構成された骨太な世界観、澱みもムダもない完璧なストーリー、生き生きと描かれるキャラクター――さらには「推理要素」と「恋愛(青春)要素」も織り交ぜられ、最後の一文字まで心から楽しんで読むことができました。
――本当に。本当に凄すぎる。
読後に興奮のあまり、SNSで絶叫せずにはいられないほど面白かったし、読書・小説による「面白さ、多幸感」をここまで感じさせてくれた作品は久しぶり。
こんな素晴らしい作品に出会えた喜びと感動。なにより「楽しさ」を、是非あなたにも知ってもらいたい。
超絶的にオススメの一作です。今すぐ本屋で購入してください!
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二度目ましての作家さん。
『名探偵に薔薇を』が面白かったのですが、
同じ著者なのに、タイトルのイメージが
かけ離れている。(〇o〇;)
両親を事故で失った文季が叔父の住む村に引き取られた。
その村では、カエルが相撲をとり、神様扱いされていた。
普通はこの時点でダメなんですけど、読まされました。
小柄で華奢な文季と、カエルに仕える大柄で怪力の少女。
祭りに奉納する為の相撲と外から来た赤い奴。
そして、村境では、死体遺棄事件が?
いやぁ~楽しく読まされました。
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カエルの神様(カエルに憑依した)に相撲を教えたり殺人事件の謎解きをしたりするお話。
一冊の中に色々盛り込まれているなぁと思う。
国取神話や相撲神事、相撲技などが主人公の少年から語られていて好きなジャンルなので面白く読めました。
閉鎖された村でのファンタジー物語と思いきや、ラストは恋愛ファンタジーになってた。
物語のその後、閉鎖的な村は無事イノベーションされていくのか?その後の物語も読んでみたくなります。
著者の合理的であろうとする謎解き小説、好きです。
主人公の少年は「虚構推理」の岩永琴子ちゃんを性別変えてソフトにした感じだと思いました。
達観している高校生と言うのは
一般的な大人より遥かに先を見通すらしい。
屈託した子供時代を過ごした大人なら、誰でも身に覚えがあるあの照れくささがこの作品には程良く漂っている。
惜しむらくは、この作品を「美少年枠」で読んでしまったので、華奢な美少年の主人公らしさが物足りなく感じたなぁ。他にもっと適切な枠があるでしょうに、勿体無いです。
内容はとても良いよ。
買っても損はしないです。
Posted by ブクログ
2019/1/26
文季イケメーン!
キレイな女の子の呪いを代わってあげようだなんて。
さらに王子様みたいな風貌なのか。そりゃまさにイケメン。
カエルが相撲してる情景がかわいくて、文季と真夏のやりとりもかわいい、とてもかわいい本だった。
和んだ。
ミステリー要素は存在感ないけどおじさんとおじいさんを紹介するのに役立ったかな。
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メインのテーマである相撲の部分がどうにも興味が沸かず、長く感じた。ほんわりした中学3年生が探偵役であるがゆえに到達した結末と真相はストンと落ちる。相撲の結末とラストのまとめ方でぐぐっと印象が上がった。「相撲」「相模」はやっぱり似て見えて、読み始めるまでは「相模」がと思っていた。
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城平京はミステリ作家であり漫画原作者でもあるのだが、まさに作者ならではの漫画的かつ小説的な面白さがある。『名探偵に薔薇を』と『スパイラル』を除けばおそらく全てにファンタジー要素を含む作風だが、どの作品でもミステリ的謎の解明と展開を自在に操作する表現的ロジックとも言えるような創り方を用いる作家だ。今回も伝記、ミステリ、ファンタジーをうまく融合し、ロジカルに物語を展開している。個人的には民俗学を学んでいたので作中の軸の一つに「まれびと」がモチーフとして用いられているのが凄く良かった。神話、伝承との符合も丁寧。
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ラノベからファンタジーからミステリーからラブコメ的な要素まで、ちょっと盛りだくさん過ぎてとっちらけ感は感じましたが、全体的に雰囲気は好きなお話でした。
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体格で劣る小兵主人公がロジックと奇策で相撲を取る箇所は、同作者の「ソードマスターの犯罪」の剣道勝負を彷彿させてワクワクした。最後に主人公に明かされる真相が読者には最初から明らかなのもまた城平京らしくて好き。『相撲は世の秩序の中心』なんだよなぁ
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相変わらず城平先生の考える設定は面白いものばかりだな!神様であるカエルに相撲を取らせてそこに殺人事件まで絡めてくるとは!
主人公の文季も小さい体で相撲を取っているというからには城平作品に相応しく頭脳プレイヤーだと判っていたが、中学相撲で有名人というレベルとは予想外な展開。それでいて事件の推理でもしっかりとした判断を下しているのだから驚き。自己評価がやたら低いのが何とも面白いが
ヒロインの真夏も巨体で力持ちと表現されているから年上かと思えば年下なんだから色んなトコでバランスが面白いことになっている。片手で米俵10俵持てる中学二年生って何だ(笑)
日本に居るはずのない外来種のカエルが村の相撲行事と殺人事件を結びつけるという構図も面白いし、その事態を同じく村の外からやってきた文季が解決に動くという構図も面白い。
そしてラスト辺りの展開も驚愕すると同時になるほどと思ってしまった。真実って簡単に推測するなんて出来やしないよね
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とても好き………!相撲と神話とミステリと。そして、ああ、城平さんの真っ当なラブコメ読めた喜び………っ
うん、とても面白かったです。
かえるが「かえる様」と呼ばれ信仰される村。中でも相撲の強い者はかえる様の守護を得て、上質な米の豊作を約束されるという………これが本気で信じられ、相撲が村の中心になっている(し、かえるには尊称)というのだから、この時点でもう楽しい。
しかしもっと面白いのが主人公の理論派相撲。いや、全く予備知識がないのでいまいち想像のつかないところもあるけども、それでも面白い。
あとかえる様かわいいですねー!うーんめでたしめでたしできれいに終わったけれど、…続き出ないかなー…。
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切望に待望を重ねていた城平京の新作小説。
発刊レーベルの性質上、軽いタッチのお話になっている。
愉快なカエルの神様と恵体女子中学生と優男と相撲とトランク詰め死体が入り混じった神話な物語。
それにしても不思議な村があるんだなぁ……。
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強制的に相撲を両親に習わされていた主人公だが
死別により、もうしなくていいかと思っていたら
引取られた先は、相撲が盛んな場所だった。
うわぁ…な状態です。
やっと終われると思っていたものから逃れられない。
何という嫌な現実。
と思っていたら、相撲がそこまで嫌だったわけでも
なさそうで、よかったな、と。
しかし主人公すごいです。
完全な知正派。
最初から最後までその状態に、ここまで冷静だと
いっそ清々しいものがあります。
村であがめられているカエル。
そして近場で起きた、死体と一緒にカエルが
鞄に放置されていた事件。
ついでのように解決していくので、そちらはそちらで
面白かったです。
Posted by ブクログ
物語は、中2の男子生徒の両親が交通事故で亡くなり親戚の家に引っ越していくところから始まる。
その村の神様はなんとカエルであり、独特の掟のようなものが存在する。
文季は、幼い頃から両親の勧めにより相撲をしており、体は小さいが、その体格差を補うために勝つための頭脳を養ってきた。その村のカエル様に外来種のカエルがやってきて、勝つためにはどうしたらいいのか、文季に相談を持ってきた。
村を治める一族の秘密や、長女真夏の持つ運命も解決に向け対処していく文季はどう解決していくのかが、面白く、読み応えある展開は楽しかった。
Posted by ブクログ
青春ファンタジーとしては面白かった。しかし途中の事件要素が浮いたまま終わった印象。無くても話が通じるという意味では上手くストーリーに落とし込めていなかったと思う。