津村記久子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
7人の作家によるエッセイアンソロジー。
もともと『考えるマナー』『楽しむマナー』という本の中からエッセイを抜き出して、子どもの悩みや質問に対する回答という形式で再編集されている。
サブタイトルに「迷回答」とあるが、そもそも質問に答えるために書かれた文章ではないため、答えになっていない「迷回答」になるよね、とは思う。
子どもの素朴な質問に対して作家が答えてくれた本だと思えば肩透かしを食らうし、一方で様々な作家たちの気軽なエッセイだと思えば楽しめる一冊。
好きなエッセイは
三浦しをんの「ボウリング最弱王決定戦」
高野秀行の、ありがとうを言わない民族と褒めることについて。
角田光代のクヨクヨしてしまう自分。
町田康のおじさん的エッセイも面白かった。
子どもにむけてエッセイという文種について教えることに使えそう。 -
Posted by ブクログ
謎の本である。
買って読んでおいて、この感想は?と思うのだけど、まぁそんな予感で買ったとも言える。
まず、ターゲットの子ども、とはどれくらいの年齢を対象にしているのか。
受験のこととか、スマホの質問なんかが入っているので、小学校高学年から中学生くらいなのかなーという感じがする。
質問が「積極性がないとダメか?」とか「大人になるって楽しいか?」というものなので、子どもの側は至って素朴なのだ。
だけど、「迷回答」してくれる作家陣のラインナップが、ちょっと不思議。
角田光代さんとか、三浦しをんさんは、あぁ!となるかもしれないが……。
素朴な質問に、しっかり「迷回答」するものだから、なんだかもはやエッセイ味まで出て来る。
妙味?の一冊。 -
Posted by ブクログ
強気なタイトルに惹かれて手にとりました。
私の両親、とりわけ父親もまともではなく、家庭という小さな社会がとても居心地の悪い場所だったので、主人公に10代の自分を重ね、「普通の家庭の子」をうらやましく、時に妬ましく思う、そんな自分さえもあの頃は嫌だったことを思い出しました。
家族の事って周りに相談し辛いので、この本を通してあえて言わないけど同じように悩んでいる人がいる。と気付いたり思えることで気持ちが軽くなるのではないでしょうか。
ひとつ気になったのは、宿題を写す事に躍起になって時間を使っていたこと。学力は武器やスキルなので、レベルアップ出来るチャンスを自ら棒に振るなんて勿体無い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前回のエッセイから3年後で、会社員を辞めてフリーランスになったので自由に時間が使えるようになったのに二度寝どころか海外ドラマにハマったとか‥
布団への懲りない敬愛
布団のすごさとは、電気、ガス、石油は不要なまま、人間の体温のフィードバックのみで暖かくしてくれる素敵な人間の発明であると断言せざる得ない。
に読んでる時期が冬という事もあり、拍手を送りたいくらい納得し、私も布団に話しかけて感謝の気持ちを述べて最後に「ふーとーん」と布団コールで締める。
自分が少し幸福になったような気分になりそう!
正しい死に方なんて誰も知らない
「無縁死」について思うことを書いていて、自分が、無縁で死ぬ事が怖いのか、誰もいない部屋で腐ることが怖いのか、孤独な老後がこわいのかごっちゃにしてとらえているところがあるので、興味深く読めました。
コロナになって世の中が変わっているので、コロナ前の世の中の感覚とは違ってきているという気づきもあり、前回よりも興味深い内容が多い本でした。
ゆる〜い挿し絵を眺めるのが楽しい本でした。 -
Posted by ブクログ
エッセイは、合う合わないが全てだと思う。
そしてさらに言えば、好きな作家さんのエッセイがそのまますごく好きか、と言われればそうではない。
津村記久子さんという作家さんが好きだ。彼女の文章は淡々としているように見えて、主人公の正義感が強く、内に秘めたエネルギーが溢れ出していて、いつも圧倒される。くだけた文体でユーモアを言ってきたかと思えば、皮肉っぽく鋭い指摘をしてきたり。そういうところが結構好きだ。わたしにとっては初めての津村さんのエッセイ。わくわく。
日常の細々したことに対する見方にクスッと笑ってしまう作品がたくさん入っていて読んでいて飽きないが、こちら側の持っている知識量と、彼女が好きなものに対して抱いている執着心についてゆけずに、いくつかの作品で置いてけぼりを喰らっている…!ドラクエとかは特にそうだ。
独特のリズム感やものの見方には津村さんらしさを感じるものの、わたしは彼女のエッセイよりも、小説の方が好きだなぁ、と改めて認識する。
でも、津村さんがこのエッセイでわたしたちに届けたいものは、「何も得られない読書」「どうでもよさ」であることのようだ。
となると、どうでもいいものを書いた津村さんに対して、わたしが改めて小説の方が好きだなぁ、なんて思うのは、これはたぶん、わたしが読書から得たいものがどうでもいい、ではないからなんだろう。
ちょっと息抜きに、とか思いながら、結局わたしは何かを期待してこの作品を手に取った!
が!しかし!
ここには何もない!
本当に!何も残っていないし、何も残らない!
でもそのことの素晴らしさよ…!
最近は重ための読書に疲れていたので、ちょっと小道に逸れる予定が、小道の手前で足踏みをしていたらしい。
読書を続けることで、やっぱりわたしは読書から何かを得たいんだなってことに改めて気付かされたし、そういう気付きがあるから、読書に疲れても、読書を続けるって大切なんだなって思った。
読むことを完全にやめていたら得られなかった感覚が、そこにはあった。
津村さん、ありがとうございます。
あとがきで津村さんが仰った通り、次は津村さんの小説で、お会いしたいと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこここ、これは凄い。何が凄いって、この本の中で、津村さんが紹介されている本、ほぼ1冊も、自分は、読んだことが無い!という衝撃の事実が、凄い。自分的に。
津村さんの著書は、好きなものが多いのです。ですので、勝手に、津村さんと自分の読書体験というか読書傾向は、ちかいもんだと思ってたんです。勝手に。津村記久子さん、1978年の1月生まれという事で。で、自分、1978年の3月生まれなんですよね。ですので、この世の中を見てきた過ごしてきた期間と世の中の雰囲気、ほぼほぼ一緒のはずなので、なんか、勝手に、似たような傾向の本を、読んできている筈、とか、勝手に一方的に思っておりました。マジすみません。
いやもう、津村さんの読書量が、マジぱねえな、ってのが如実に分かりましたね。これらの本も読みつつ、いわゆるきっとおそらく、メジャーどころの小説とかも、ガンガン読んできて来られたでしょうし。多分、ウルトラ読書家なんじゃねえのか?とね、思う次第です。感服する次第です。いやしかし、自分も、まあまあ読書家の方だと、勝手に自負してたんですが、こら全然アカンわ。津村さんの足元にも及ばんわ。井の中の蛙ですわ。はあ、、、もっといろいろ、本、読もうっと。
ただ、実は、実は、津村さん、ホンマにすみません。マジすみません。この本を読んで、津村さんが紹介されている、色んな本の数々を、、、「俺も読みてえ!」って思ったかというと。すみません。実は、そんなことは、なく。ただただ「津村さん、俺の全然知らん本ばっか読んでるやん!?マジすげえ!」って、驚くばかり、という読書感想でした。なんか「俺もこの本読んでみようっと」とはならんかったのが、、、なんでやろ?マジ不思議。
又吉直樹さんの「第2図書係補佐」を読んだ時は、「ああ、なんかこの又吉さんの紹介してる本、俺も読んでみたいなあ~」ってね、結構ね、思ったんですけどねえ、、、うーむ。不思議。不思議でござるよ。
あと、津村さんは、いわゆる1990年代~2000年初期年代当たりの洋楽に、ウルトラ詳しいみたい、なのですが、、、そうですよね?確か。違ったらこめんなさいです。ま、そのあたりの洋楽は、自分にとってもスゲエ思い入れは深いので、いっぺん、津村さんの、その年代の洋楽のディスクレビューなんかも、著作出してみて欲しいなあ~。アレだ、村上春樹さんで言うところの「意味がなければスイングはない」の津村記久子さん版、みたいなヤツ。それはまた、すげえ興味深い。うん。興味深い。