津村記久子のレビュー一覧
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中編「まともな家の子供はいない」とそのスピンアウト短編「サバイブ」の2編。
表題作について出版社の紹介をそのまま転記すれば「『一週間以上ある長い盆休みはどう過ごせばいいのだろう…気分屋で無気力な父親、そして、おそらくほとんど何も考えずに、その父親のご機嫌取りに興じる母親と、周りに合わせることだけはうまい妹、その三者と一日じゅう一緒にいなければならない。…』14歳の目から見た不穏な日常、そこから浮かび上がる、大人たちと子供たちそれぞれの事情と心情が、おかしくも切ない。」と書かれています。
この主人公、中学生のセキコ。反抗期という事も有るのでしょうが、とにかくネガティブ。弾まない。もともと私が得意ではないヌルッとした文体で描かれる主人公に魅力が感じられずなかなか前に進みません。ちょっと読んではダウンの繰り返し。そのせいで津井さんらしい「おかしさ」も感じられません。
確かに思春期の子供って「こんな感じだよな~」と思うし、上手いな~とは思う(作品としての質の高さを感じる)のですが。
先日、朝倉宏景の『あめつちのうた』の感想に「面白いか?問われたら、間違いなく面白い。でも、良いか?と聞かれたら答えに詰まります。 」と書きましたが、この作品はその反対「良い作品なのだと思うけど面白くは無かった」。
良し悪しで判断するか面白さで判断するかで評価が割れそうな作品でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとりあえず、働く
201126
想像していたよりも遥かに社会派。
ひたすら二度寝やだらだらとした話かと思ってた。
・女子
女性のことを「女子」と自称することについて、女性であることの荷物を降ろしたい、論があるという。
たしかに、「女子」というと「女性」にある責任感のようなものがとっぱらわれて、無責任に全力で楽しめるような気持ちの開放感があるような気がする。
それでも、その論が広がらないと、「いつまで女子とか言ってんの?」という批判が(リーダーみたいな人から)くる。
わかる人だけわかればいいのだ、わかれば。
「女子」という単語を見聞きすると、どうしても誰でも「女子」として呼んでくる鈴木係長を思い出す。
あれはきっと係長なりに女性を立てていたんだとわたしはずっと解釈している。
・無縁死
無縁死が怖いのは、死そのものだけではなく、その死を迎えてしまうまでの孤独を想像してしまうからだ、という。
たしかに孤独は嫌だ。
だが、生きている時に孤独でなければ、死に方はもはやどうでも良い。
死ぬ瞬間や、死んだ後なんてどうなるかわからないし、想像しても意味の無いことだから。
・「とりあえず働いたら?」
言葉はハードな印象だが、主張には100%納得である。
”「働くこと」は、様々な人間が生きている上での行動の中で、自尊心と金銭を同時に得られる数少ない手段なのだと思う”
この言葉は本当に納得。
たしかに、就活中の自分に伝えてあげたい。
そしてこれからも私の胸に刻んで生きる。
その中で、自尊心と金銭以外にやりがいや良好な人間関係等、他に得られるものがあるのなら尚良しということだろうか。
・一人ごはん(便所飯)
大賛成。
1人でご飯を食べて、リフレッシュする人がいるんだから、それを他の人の価値観で判断してはいけない。
つまりは多様性尊重の話。
これはもはや現代の話題ではないか?
・展覧会
横浜美術館に観に行った、プーシキン美術館について書かれていたが、メインのルノワールの絵画のことしかわからなかった…
計5つくらいの展覧会のことが書かれていたけれど、文章から展覧会の様子を想像することができず(半ば諦めていたもしくは想像力が不足していたのかもしれないが)、読んでいて退屈に思ってしまった。
ハライチの岩井さんの現代美術についての話は面白かったのになぁ?
1つの作品についてひたすら語っていたからかなぁ?
・サッカー
あまりにも興味が無さすぎて飛ばし読みしてしまった。
おそらく新聞や雑誌に掲載されるエッセイだったので時事的内容という点からの面白さがあるんだろうが、本にするときは時間の流れが気になるし、覚えていないのでテンションについていけなかった。
(そういう本があってもいいとは思うけれど)
あと、自分の趣味を、興味がない人に対してプレゼンするのってやはり文章力が必要なんだなあと。
だいたい比較して読んでしまったんだけど、やはり三浦しをんのエッセイは全力の好きが詰まっていて、知らないことでも楽しく読める。
元々趣味が合うのかもしれないけど…
〇全体を通して
読む前に想像していたよりも割と社会派で暗い内容を取り上げていて、結論を出すというよりも、問題提起をしている印象。
これはわたしの好みの問題だろうけど、この人の使う言葉や表現に違和感を感じてしまう部分があり、中々読みづらかった。
価値観を押し付けられているように感じるところも……
その分、その価値観が自分と一致していたら、とても面白い!!と感じられた。
これは逆説的に、わたしが自分の価値観以外を受け入れられていないということを暗示しているのであろうか……?
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Posted by ブクログ
あまり面白みのないエッセイでしたねぇ…悪くはないんですけれどもね。群ようこさん並みの濃ゆいのを期待していたんですけれども…この作家さん、感情が無いのか(!)、なんか全体的に淡々としていますね…物事をただボーっと見て過ぎて行くタイプの人かもしれません…(!) 社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
ネットで検索してみる、みたいなエッセイは個人的にはつまりませんでしたね。それよりも著者の何気ない日常を描いたエッセイの方がなぜだか面白く読めましたね。
基本的に喪女?(もてない女の人)なのかもしれませんねぇ…あまりに日々が淡々としていて…色っぽい話の欠片もありませんよ! 友達も似たようなタイプっぽいし…。
まあ、それでも本人が楽しければそれでイイんじゃないですか…としか言えないエッセイですねぇ…さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー -
Posted by ブクログ
このタイトルに両腕つかまれ、
ぶんぶん揺らされてしまった。
あたしの幸せを感じるときランキングの
殿堂入り寸前。
それが、寝るということ。
1日を終え、ベッドに横になる…
この時期くらいになると布団にすっぽりおさまり
あたたかい最高の位置を探す。
あたしはそれを【ぬくぬくポイント】と呼んでいる。
津村さんの布団への情熱は
わたしなど足元にも及ばない神レベル。
「布団への限りない敬愛」は
もう声に出して笑ってしまった。
なにげない日常の1コマを面白おかしく、
かと思えば、やや重たさを感じるテーマを
さらっと書いていたりする。
津村さんとサシ飲みしながら
話を聞いているような感覚でさくさく読めた。
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Posted by ブクログ
ネタバレ老朽化した雑居ビルの物置き場で、互いに素性は知らぬまま、メモを介した物々交換を通して、繋がりをもった女性事務員、塾通いの小学生、若手サラリーマン。それぞれの日常がモノローグで語られ、各自のもつ閉塞感が伝わってくる。一方、豪雨による非常事態を通して、ビル内の他の人たちともそれぞれに関わりを深めていく。余裕のある人はいないが、そんななかで一定の距離を保ちつつ、他人同士がささやかに繋がり合う温かみにほっとする。ただ、モノローグが饒舌体というか、思考の垂れ流しのようで、私には読みづらかった。面白いのだけど、疲れた。
『エヴリシング・フロウズ』に、小学生・ヒロシの成長した姿が描かれている。 -
Posted by ブクログ
ーーー1回は作ろうと思って作った家族やろうがーーー
津村さんの小説は集中力を要する。
読みはじめ、買ったばかりのスポンジみたいに弾きまくるので脳に世界観が定着するまで時間がすこし必要。なのに確実にどこかで読み手のこちら側が切り替わる瞬間があって、そうするともうぐいぐい、使い古したスポンジよろしくぐいぐい設定や文章が脳みそに入り込んできて、あー、まだこの世界にいたい、帰りたくない、読み終わりたくなーいってなる。
本作は、最初のスイッチがなかなか入らず、んー、とおもっていたのだけど、やはりすごい、いつのまにか引き込まれていた。
「サイガサマのウィッカーマン」
「バイアブランカの地層と少女」
どっちもすごいタイトルだ。
タイトルだけでまったく話が読めない。
どちらも、「大切な誰かのために祈ることはこんなにも愛おしい」という内容なので「これからお祈りにいきます」という別タイトルが本自体のタイトルになっている。
どちらの作品も男の子がちっちゃく恋愛していて微笑ましい。
ちょっといいなって思っている相手からのメールの返信待っているときにメールが来て、開くまでの一瞬に違う人からだって頭の中で予防線を張る描写、すっごいわかるなあああとおもった。
こういう文章をさらっと(きっと書いているときはさらっとではないのだろうけれど)書いてしまうところがとてもよい。