浅倉久志のレビュー一覧

  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    P.K.ディック 1965年作品。
    ドラッグによるトリップ具合といい、
    ぐだぐだな主人公の心象風景といい、まさにディック節炸裂! 
    ハリウッド映画のような展開にワクワクしつつ、
    ラスト間際の不可解でわけのわからない描写は独特。
    それでも一気に読める面白さはさすが!の一言。

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    2009年10月04日
  • ホーカス・ポーカス

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    ヴォネガット 1990年の作品。
    90年代に入ったヴォネガットは、もうおとぎ話を書けないほど、
    母国に対する怒りと悲しみが深くなってしまったようだ。
    これまでのヴォネガットには、どんな内容のものであれファンタジーがあった。
    偶然の産物があった。涙を誘うペーソスあふれる愛の対象があった。
    ところが、「ホーカス・ポーカス」にはそれがあまりない。
    登場人物はすべて架空だし、設定も奇想天外なのに、シリアスで、絵空事になっていない。
    どちらかといえば、その翌年書かれたエッセイ「死よりも悪い運命」や「国のない男」のテイストに近い。

    ヴォネガットのエッセイを読むと思い出すのがマイケル・ムーアの映画だ。

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    2009年10月04日
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

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    2000年に上製本として発売されていた、ヴォネガットの短編集がこのほどようやく文庫化された。
    書かれたのは1950〜60年代で、半世紀も前のもの。
    ヴォネガットが短編を生活の糧として量産していた時期があり、
    その大半はスリック雑誌に掲載された。
    かつて、短編集「モンキー・ハウスへようこそ」が編まれたが、
    そこから漏れてしまった23篇がここに収録され、短編の大方が網羅されたことになる。めでたい。

    ここに収録されているのは短編で、しかもアーリー・ヴォネガットと言うべき作品群。
    彼一流の文明批判や、どうしようもない人への「諦めと愛情いっぱいのまなざし」はすでに健在、
    さすがというべき。ただ、長編に

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    2009年10月04日
  • チャンピオンたちの朝食

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    →「スローターハウス5」の後に書かれた1973年の作品である。
    この作品には、魅力的なヴォネガットの自筆イラストが多数収められている。
    そして、段落の前には「→」がつけられている。

    →「人生は危険だよ、それは知ってる。それに、苦しみもいっぱいある。
    だからといって、まじめなもんだとは限らんよ」
    など等、キルゴア・トラウトの名言が多数収められている。
    トラウトの短編小説のあらすじも、たんと収められている。
    召し上がれ!

    →化学物質のせいで狂っているのは、ドウェイン・フーヴァーに限ったことではない。

    →その他いろいろ。

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    2009年10月04日
  • ガラパゴスの箱舟

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    1980年代当時のヴォネガットが、いかに人類に
    絶望していたかがわかります。
    どうしたってなくならない大量殺戮兵器。
    どうしたってなくならない戦争。
    どうしたってなくならない貧困や格差。
    それらすべては巨大脳のせいだ、これは自然淘汰なんだ。
    そう結論付けて笑い飛ばすしかない。
    だってそれ以外に思いつく理由がどう考えたって見つからないもの。
    広島や長崎も、ベトナムも、すべては百万年後の
    新人類への進化のための布石だったのだと思うしかない。
    そうにちがいない。(ヒロシマは「にこ毛」のための布石なのだ!)
    ……痛烈です。

    しかし、ユーモアもたっぷりあります。そこがいいところ。

    ヴォネガットの読者

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    2009年10月04日
  • 青ひげ

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    「こうした偶然の一致をいちいち真剣にとっていたら、
    だれでも気が狂ってしまう。この宇宙には、
    自分にかいもく理解のできないことがわんさと進行中らしい、
    と疑いを抱くようになる」(本文より)

    1987年のヴォネガットの長編です。

    戦争体験をベースに、しっちゃかめっちゃかになった
    人生の回顧録である点においては、いつものヴォネガット。
    「青ひげ」にはラストにオチが用意されているので、
    いつもよりもちょっとわかりやすいヴォネガットかなと思います。

    わたしがヴォネガットを好きな理由は、
    奇跡的な出来事が、それが幸運であれ、その真逆であれ
    いつ起きても、「ひとつの事実」として受け止める姿勢が
    貫か

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    2009年10月04日
  • 青ひげ

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    久しぶりに即2回目を読んだ本。
    面白かった。
    とくになにが、というわけでもないのだけど面白かったと思う。
    近代美術について知りたくなりました。

    2008,april

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    2009年10月04日
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

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    本を読むのなら、とりわけ「小説」を読むのなら、あなたは自分自身がひっくり返っても書けないと思える本を読むべきだ。結末の予想や著者の思想・背景を探るような余裕さえ無い程、自分を振り回してくれるような本を読むべきだ。
    そういった本を見つけるために本屋に行くべきだ。その際は出版社別ではなく、著者別にあらゆる出版社の文庫が雑然と並ぶ本屋を選ぶのが好ましい。あ行からわ行までくまなく検分するうちに、きっと心に引っかかったまま忘れかけていた作家の名前が見つかるからそれを手に取ってみるのが良い。そんな名前が見つからないなら、題名の良い本を引っ張り出して背表紙のあらすじを読むと良い。そんな題名が見つからないなら

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    2009年10月07日
  • 青ひげ

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    ラボー・カラベキアンというアルメニア移民の老人が、自伝を書きながら、執筆中の現在についても日記のような感じで語っていくのが、エピソードごとに過去と現在が入り組んで語られます。なんでタイトルが『青ひげ』なのかは、じゃがいも納屋に隠して決して誰にも見せないでいたモノ(最後にはなんだったかわかります)があるので、そのことをペローの書いた原典『青ひげ』に重ねたのでしょうか??この主人公は別にイイモノでもワルモノでもなかったです。

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    2009年10月07日
  • デッドアイ・ディック

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    2007/12 新刊本屋で買う。東京行きの新幹線で、半ば以上を読む。まだ、時系列がてんやわんやじゃない方。

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    2009年10月04日
  • プレイヤー・ピアノ

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    読みやすいヴォネガット入門編かな。酷評の対象にされがちな本作だけど、彼の気持ちが素直に表れてるんじゃないかと。
    失敗が見えていても壊さなければならない。
    そんな人間への優しさを感じる一冊。

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    2009年10月04日
  • タイムクエイク

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    2001年2月13日、時空連続体に発生した異常―タイムクエイクのために、あらゆる人間や事物が、1991年2月17日へ逆もどりしてしまった。ひとびとはみな、タイムクエイクの起きた瞬間にたどりつくまで、あらためて過去の行為をくりかえさざるをえなくなる。しかも、この異常事態が終わったとき、世界じゅうは大混乱に…!SF作家のキルゴア・トラウトやヴォネガット自身も登場する、シニカルでユーモラスな感動の長篇。

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    2009年10月04日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    面白い部分もあるのですが、はちゃめちゃ過ぎて訳が分からないところも多く、ちょっと世界観についていけませんでした。翻訳の問題??

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    2026年08月09日
  • ガラパゴスの箱舟

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    SF。
    終末SFでもあり、人類の進化を描いたSFでもあるが、なんとも奇妙な読み心地。
    語り手が誰なのか、という謎を抱えながら読んでいき、最終的には納得。ヴォネガット作品ということを忘れていました。
    人間に対する扱いは雑なのに、なぜか人類への愛を感じる。
    不思議な作品。

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    2026年08月05日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    倫理観が無いやつからアンドロイドだと見なされて処刑されていくシーン怖すぎて
    倫理をしっかり学ぼうと意志

    手が5本じゃないからアンドロイド、変だからアンドロイド、その境界線が人間と大差なくなった時、人はアンドロイドと人間の違いを何で見分けるのか

    もしかしたらわたしもアンドロイドかもしれない

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    2026年08月03日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    逃亡アンドロイドを「処理」する賞金稼ぎデッカードの話。
    読み進めるほど、人間とアンドロイドの境界が曖昧になっていく。

    アンドロイドは共感を持たない、という前提で物語が始まるのに、
    それがどんどん揺らいでいく。
    特別な感情を抱いたレイチェルとの顛末も救いがなく
    ハッピーエンドとは言い難い。

    姿がどうであれ、親切さを持つ限りそれは本物だ
    という視点に立つと、
    コピーか原物かという問い自体が意味を失う。
    答えを与えず、問いの不確かさそのものを残す作品だった。

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    2026年08月02日
  • ヴァーチャル・ライト〔新版〕

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    なんだろう。
    なんというか・・・普通です、良い意味で。
    いや、ディテールを細かく見ていくと、全然普通じゃないんですけどねw

    サイバーパンク・ムーヴメントの代表格として名を馳せたウィリアム・ギブスンが1990年代に発表した「”橋”三部作」と呼ばれる作品群の、第一作だそうです。
    読んでみて驚いたのは、「ギブスンなのに、読み疲れない!」
    ・・・いや、ちょうど昨年末から今年前半にかけて、ギブスンの「”スプロール”三部作」を読み終えたところだったので、その印象を残したまま取り掛かったら、まぁ読みやすい読みやすい。サイバーパンクという概念をそのまま言語化したかのようなスプロール三部作、あの読者の言語中枢

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    2026年08月01日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    読んでいるうちに面白いのか面白くないのかわからなくなってくる作品。
    面白くて没入して読む部分と、やっぱり面白くないかもと思う部分が交互に出てくる。同じように、分かりにくい部分と分かりやすい部分もある。
    「他者を思いやる心を忘れて冷たくなった人間と、機械のどちらが本当の意味で人間らしいのか」という哲学的なメッセージを私たちに投げかけているらしいがあまり読み取れない。
    アンドロイドは電気羊の夢は見ないと思われる

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    2026年07月31日
  • あなたの人生の物語

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    『理解』が1番面白かった。
    天才の頭の中を覗いて震えた。
    天才の苦悩を疑似体験できる。
    頭が良くなりすぎるとは、どういう感覚なのか。凡人には見えない世界をここまで精緻に描けることに驚いた。

    レオンの頭の中はAIの思考を覗いているようだった。人間には追いつけない速度で思考が進んでいく。
    さらに驚いたのは、この『理解』という作品が35年も前に書かれていたこと。
    こんな思考の世界を生み出せるテッド・チャン自身も、いったいどんな景色を見ている人なのだろうと思ってしまう。

    残念ながら自分には理解できない作品も多かった。
    もう少し知識や教養を増やしてから読み返したら、また違うものが見えるのかもしれない

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    2026年07月30日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    ●難しかった点
    ・SFだけど説明が最小限で読むのに時間がかかった
    ・イジドア(とリック)の前に現れたマーサーは現実?

    ●生きた動物がステータスになる世界
    ・山羊をアンドロイドに殺されたことでリックがどれだけショックを受けたかの表現→自殺未遂
    ・リックを正気に戻した希望→絶滅したはずのヒキガエルを発見

    ●【テーマ】人間らしさとは何か?
    ・検査のくだりでリックがアンドロイドなのではとヒヤヒヤした
    ・共感する能力を求めて人を殺したロイ→手段を選ばず手に入れようとする欲が人間のよう
    ・リックにとって最も大切だと思う山羊を殺したレイチェル→人間らしい複雑な感情のあらわれ
    ・アンドロイドを殺したリック

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    2026年07月18日