浅倉久志のレビュー一覧

  • ホーカス・ポーカス

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    ヴォネガット 1990年の作品。
    90年代に入ったヴォネガットは、もうおとぎ話を書けないほど、
    母国に対する怒りと悲しみが深くなってしまったようだ。
    これまでのヴォネガットには、どんな内容のものであれファンタジーがあった。
    偶然の産物があった。涙を誘うペーソスあふれる愛の対象があった。
    ところが、「ホーカス・ポーカス」にはそれがあまりない。
    登場人物はすべて架空だし、設定も奇想天外なのに、シリアスで、絵空事になっていない。
    どちらかといえば、その翌年書かれたエッセイ「死よりも悪い運命」や「国のない男」のテイストに近い。

    ヴォネガットのエッセイを読むと思い出すのがマイケル・ムーアの映画だ。

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    2009年10月04日
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

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    2000年に上製本として発売されていた、ヴォネガットの短編集がこのほどようやく文庫化された。
    書かれたのは1950〜60年代で、半世紀も前のもの。
    ヴォネガットが短編を生活の糧として量産していた時期があり、
    その大半はスリック雑誌に掲載された。
    かつて、短編集「モンキー・ハウスへようこそ」が編まれたが、
    そこから漏れてしまった23篇がここに収録され、短編の大方が網羅されたことになる。めでたい。

    ここに収録されているのは短編で、しかもアーリー・ヴォネガットと言うべき作品群。
    彼一流の文明批判や、どうしようもない人への「諦めと愛情いっぱいのまなざし」はすでに健在、
    さすがというべき。ただ、長編に

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    2009年10月04日
  • チャンピオンたちの朝食

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    →「スローターハウス5」の後に書かれた1973年の作品である。
    この作品には、魅力的なヴォネガットの自筆イラストが多数収められている。
    そして、段落の前には「→」がつけられている。

    →「人生は危険だよ、それは知ってる。それに、苦しみもいっぱいある。
    だからといって、まじめなもんだとは限らんよ」
    など等、キルゴア・トラウトの名言が多数収められている。
    トラウトの短編小説のあらすじも、たんと収められている。
    召し上がれ!

    →化学物質のせいで狂っているのは、ドウェイン・フーヴァーに限ったことではない。

    →その他いろいろ。

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    2009年10月04日
  • ガラパゴスの箱舟

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    1980年代当時のヴォネガットが、いかに人類に
    絶望していたかがわかります。
    どうしたってなくならない大量殺戮兵器。
    どうしたってなくならない戦争。
    どうしたってなくならない貧困や格差。
    それらすべては巨大脳のせいだ、これは自然淘汰なんだ。
    そう結論付けて笑い飛ばすしかない。
    だってそれ以外に思いつく理由がどう考えたって見つからないもの。
    広島や長崎も、ベトナムも、すべては百万年後の
    新人類への進化のための布石だったのだと思うしかない。
    そうにちがいない。(ヒロシマは「にこ毛」のための布石なのだ!)
    ……痛烈です。

    しかし、ユーモアもたっぷりあります。そこがいいところ。

    ヴォネガットの読者

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    2009年10月04日
  • 青ひげ

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    「こうした偶然の一致をいちいち真剣にとっていたら、
    だれでも気が狂ってしまう。この宇宙には、
    自分にかいもく理解のできないことがわんさと進行中らしい、
    と疑いを抱くようになる」(本文より)

    1987年のヴォネガットの長編です。

    戦争体験をベースに、しっちゃかめっちゃかになった
    人生の回顧録である点においては、いつものヴォネガット。
    「青ひげ」にはラストにオチが用意されているので、
    いつもよりもちょっとわかりやすいヴォネガットかなと思います。

    わたしがヴォネガットを好きな理由は、
    奇跡的な出来事が、それが幸運であれ、その真逆であれ
    いつ起きても、「ひとつの事実」として受け止める姿勢が
    貫か

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    2009年10月04日
  • 青ひげ

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    久しぶりに即2回目を読んだ本。
    面白かった。
    とくになにが、というわけでもないのだけど面白かったと思う。
    近代美術について知りたくなりました。

    2008,april

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    2009年10月04日
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

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    本を読むのなら、とりわけ「小説」を読むのなら、あなたは自分自身がひっくり返っても書けないと思える本を読むべきだ。結末の予想や著者の思想・背景を探るような余裕さえ無い程、自分を振り回してくれるような本を読むべきだ。
    そういった本を見つけるために本屋に行くべきだ。その際は出版社別ではなく、著者別にあらゆる出版社の文庫が雑然と並ぶ本屋を選ぶのが好ましい。あ行からわ行までくまなく検分するうちに、きっと心に引っかかったまま忘れかけていた作家の名前が見つかるからそれを手に取ってみるのが良い。そんな名前が見つからないなら、題名の良い本を引っ張り出して背表紙のあらすじを読むと良い。そんな題名が見つからないなら

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    2009年10月07日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    最後の1ページに驚いた。
    本書では、エリオットがウ゛ォネガットの化身となっているだろう。
    キルゴア・トラウトもまたそうなのだが。

    1982年に日本語訳が出版されたみたいだから、もう20年以上も経っているのに、色あせていない。人間の不変の本質=愛をいささかのユニークさを含めた小説といえよう。

    去年亡くなられたことが、本当に悲しい。


    カート・ウ゛ォネガットさん、あなたに神のお恵みを

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    2009年10月04日
  • 青ひげ

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    ラボー・カラベキアンというアルメニア移民の老人が、自伝を書きながら、執筆中の現在についても日記のような感じで語っていくのが、エピソードごとに過去と現在が入り組んで語られます。なんでタイトルが『青ひげ』なのかは、じゃがいも納屋に隠して決して誰にも見せないでいたモノ(最後にはなんだったかわかります)があるので、そのことをペローの書いた原典『青ひげ』に重ねたのでしょうか??この主人公は別にイイモノでもワルモノでもなかったです。

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    2009年10月07日
  • デッドアイ・ディック

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    2007/12 新刊本屋で買う。東京行きの新幹線で、半ば以上を読む。まだ、時系列がてんやわんやじゃない方。

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    2009年10月04日
  • ガラパゴスの箱舟

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    ヴォネガットによる、新しいノアの箱舟。
    軽妙な文体で、皮肉たっぷりに描かれた人間の愚かさが、もどかしくもアホ臭い。
    ただ、ちょっと落ちが弱い気がしてならないなぁ…。

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    2009年10月04日
  • プレイヤー・ピアノ

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    読みやすいヴォネガット入門編かな。酷評の対象にされがちな本作だけど、彼の気持ちが素直に表れてるんじゃないかと。
    失敗が見えていても壊さなければならない。
    そんな人間への優しさを感じる一冊。

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    2009年10月04日
  • タイムクエイク

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    2001年2月13日、時空連続体に発生した異常―タイムクエイクのために、あらゆる人間や事物が、1991年2月17日へ逆もどりしてしまった。ひとびとはみな、タイムクエイクの起きた瞬間にたどりつくまで、あらためて過去の行為をくりかえさざるをえなくなる。しかも、この異常事態が終わったとき、世界じゅうは大混乱に…!SF作家のキルゴア・トラウトやヴォネガット自身も登場する、シニカルでユーモラスな感動の長篇。

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    2009年10月04日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    最近テスラのオプティマスなどのヒューマノイドに興味があるので手にとりました。
    人間とアンドロイドの境界線とは?
    有機物と無機物とハッキリ切り分けができるか?
    正直これから先我々が直面するであろう問題…
    とても考えさせられるテーマでした。
    物語は中盤くらいから誰が人間で誰がアンドロイドか分からなくなるので目が離せない展開で面白いです。

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    2026年04月04日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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     SFだが、テクノロジーものというより、人間の精神とか心理とかもしかしたら脳科学とか性衝動とかそっちのほうに興味のある作家なのかなあと思った。といいつつ、テクノロジーを突き詰めるといつしか人間探究とつながって哲学の領域に入っていく流れはなじみ深い。
     マーサーに関する終盤の展開は難しくてよくわからなかった。
     しかし男が自分の悩みの原因を女のせいにして女によしよしされて終わる話だった、とも読める。

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    2026年04月04日
  • タイタンの妖女

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    この本はあとがきや太田光の解説があってのものと自分は思った。「ワケがわからない」を肯定してくれるのは非常にありがたいと思った。時代背景やラムファードのモデルが確認できて始めて、やっと多少の理解が及ぶようになった。第二次大戦下〜冷戦あたりを踏まえての、ってことみたいだ。

    自分の時間とーーここではあえてそう言うがーー労力を使って読み終えた作品に対して、時間の無駄だったと認めるということは非常に勇気がいるものだ。実際はその感想や体験も含めての読書であることはわかっていながらも、現代を生きる我々にとって時間を割くことは非常にリスクを伴うものである。
    主語が大きいか?

    要するに「なんなんだこれ?理解

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    2026年03月31日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    あぁ、それにしても羊がほしい、、、

    壮絶な核戦争の余波により、ほとんどの生物が死滅ひてしまった世界。その世界では電気仕かけの猫、馬や羊といった模造品のペットが溢れていた。

    主人公のリックはアンドロイド(通称アンディ)のバウンティハンター。彼は火星から逃げてきた8体のアンディのニュースを奇貨とし、闇の摩天楼を彷徨い歩く。

    という感じのあらすじかなぁ。


    SFあるあるの独自の用語が難しくなかなか、難解な印象。「共感ボックス」はまぁ、なんとなくわかる。
    「感情オルガン」もわかる。
    しかし、「マーサー教」がわからん!
    宗教だとは思うが、空のくだりや月のくだりがなんのことやら!

    色々と飲み込み

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    2026年03月26日
  • あなたの人生の物語

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    同著者の別作品『息吹』がすごく良くて、この本もいたるところで良い評判だったので、『息吹』を読んだ時と同等の面白さや感動を得られるのではと期待していた。期待しすぎてしまっていた。結果、悪くはないが思っていたほどではない。

    表題作『あなたの人生の物語』がいちばん好き。地球外生命体との交流というと、映画公開直前となった別の某作品が思い浮かぶ。その作品では故郷に危機が迫っているエンジニア同士が意気投合するという流れだが、本作品は言語学者である主人公が地球外生命体の用いる言語や文字を学ぶことで異質な思考法を習得する。話の終盤になって、この物語の間に挟まれる主人公の娘にまつわる回想の意味、そしてその回想

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    2026年03月16日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    人間とアンドロイドの境界線は一体何なのか。親切に振る舞えるかどうかなのか。生成AIは優しく振る舞ってるポーズをすることは難しいことではない。自分から見た他人とアンドロイドには違いがあるだろうか。どちらも外部の入力に反応して、出力を行っている。機械であるかどうかなのか。それならば人間も脳からの電気信号を使って情報伝達を行っている。
    2030年前後にはAGI(汎用人工知能)の実現が予測されている。敢行当初のアンドロイドに対する考えと2026年現在の考えは違っているだろうし、5年後もきっと変わっているんだろう。

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    2026年03月15日
  • あなたの人生の物語

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    まじで難しい。全然文章頭に入ってこんし、何が言いたいんかさっぱりわからん。
    最後の2つと表題作はちょっと読みやすくて面白かった。

    またいつか読み直したいかも

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    2026年03月10日