浅倉久志のレビュー一覧

  • チャンピオンたちの朝食

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    →「スローターハウス5」の後に書かれた1973年の作品である。
    この作品には、魅力的なヴォネガットの自筆イラストが多数収められている。
    そして、段落の前には「→」がつけられている。

    →「人生は危険だよ、それは知ってる。それに、苦しみもいっぱいある。
    だからといって、まじめなもんだとは限らんよ」
    など等、キルゴア・トラウトの名言が多数収められている。
    トラウトの短編小説のあらすじも、たんと収められている。
    召し上がれ!

    →化学物質のせいで狂っているのは、ドウェイン・フーヴァーに限ったことではない。

    →その他いろいろ。

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    2009年10月04日
  • ガラパゴスの箱舟

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    1980年代当時のヴォネガットが、いかに人類に
    絶望していたかがわかります。
    どうしたってなくならない大量殺戮兵器。
    どうしたってなくならない戦争。
    どうしたってなくならない貧困や格差。
    それらすべては巨大脳のせいだ、これは自然淘汰なんだ。
    そう結論付けて笑い飛ばすしかない。
    だってそれ以外に思いつく理由がどう考えたって見つからないもの。
    広島や長崎も、ベトナムも、すべては百万年後の
    新人類への進化のための布石だったのだと思うしかない。
    そうにちがいない。(ヒロシマは「にこ毛」のための布石なのだ!)
    ……痛烈です。

    しかし、ユーモアもたっぷりあります。そこがいいところ。

    ヴォネガットの読者

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    2009年10月04日
  • 青ひげ

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    「こうした偶然の一致をいちいち真剣にとっていたら、
    だれでも気が狂ってしまう。この宇宙には、
    自分にかいもく理解のできないことがわんさと進行中らしい、
    と疑いを抱くようになる」(本文より)

    1987年のヴォネガットの長編です。

    戦争体験をベースに、しっちゃかめっちゃかになった
    人生の回顧録である点においては、いつものヴォネガット。
    「青ひげ」にはラストにオチが用意されているので、
    いつもよりもちょっとわかりやすいヴォネガットかなと思います。

    わたしがヴォネガットを好きな理由は、
    奇跡的な出来事が、それが幸運であれ、その真逆であれ
    いつ起きても、「ひとつの事実」として受け止める姿勢が
    貫か

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    2009年10月04日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    『惜しみない愛を与える』
    とっても素敵な言葉です。
    でも、人間が他者全員にそれをしようと思うとどうなるのか??

    ローズウォーター氏はすっごいお金持ち。
    仕事をしなくても財団から、毎月たくさんのお金が入ってくる。
    彼はそのお金を自分自身を、貧しい人たちのため、惜しみなく差し出していく。
    『貧しくても心優しい人たち』であれば、いい話。
    でも人間いい人ばかりじゃない。
    『貧しい上にどうしようもない人たち』だってたくさん居る。
    生きている限り誰にだって価値はある。
    それは正しい。綺麗ごとでもありますが、正論です。
    だから、困っているなら助けてあげたい。
    助けてあげることだって悪いことじゃない。寧ろ立

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    2009年10月04日
  • 青ひげ

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    久しぶりに即2回目を読んだ本。
    面白かった。
    とくになにが、というわけでもないのだけど面白かったと思う。
    近代美術について知りたくなりました。

    2008,april

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    2009年10月04日
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

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    本を読むのなら、とりわけ「小説」を読むのなら、あなたは自分自身がひっくり返っても書けないと思える本を読むべきだ。結末の予想や著者の思想・背景を探るような余裕さえ無い程、自分を振り回してくれるような本を読むべきだ。
    そういった本を見つけるために本屋に行くべきだ。その際は出版社別ではなく、著者別にあらゆる出版社の文庫が雑然と並ぶ本屋を選ぶのが好ましい。あ行からわ行までくまなく検分するうちに、きっと心に引っかかったまま忘れかけていた作家の名前が見つかるからそれを手に取ってみるのが良い。そんな名前が見つからないなら、題名の良い本を引っ張り出して背表紙のあらすじを読むと良い。そんな題名が見つからないなら

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    2009年10月07日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    最後の1ページに驚いた。
    本書では、エリオットがウ゛ォネガットの化身となっているだろう。
    キルゴア・トラウトもまたそうなのだが。

    1982年に日本語訳が出版されたみたいだから、もう20年以上も経っているのに、色あせていない。人間の不変の本質=愛をいささかのユニークさを含めた小説といえよう。

    去年亡くなられたことが、本当に悲しい。


    カート・ウ゛ォネガットさん、あなたに神のお恵みを

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    2009年10月04日
  • 青ひげ

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    ラボー・カラベキアンというアルメニア移民の老人が、自伝を書きながら、執筆中の現在についても日記のような感じで語っていくのが、エピソードごとに過去と現在が入り組んで語られます。なんでタイトルが『青ひげ』なのかは、じゃがいも納屋に隠して決して誰にも見せないでいたモノ(最後にはなんだったかわかります)があるので、そのことをペローの書いた原典『青ひげ』に重ねたのでしょうか??この主人公は別にイイモノでもワルモノでもなかったです。

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    2009年10月07日
  • デッドアイ・ディック

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    2007/12 新刊本屋で買う。東京行きの新幹線で、半ば以上を読む。まだ、時系列がてんやわんやじゃない方。

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    2009年10月04日
  • ガラパゴスの箱舟

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    ヴォネガットによる、新しいノアの箱舟。
    軽妙な文体で、皮肉たっぷりに描かれた人間の愚かさが、もどかしくもアホ臭い。
    ただ、ちょっと落ちが弱い気がしてならないなぁ…。

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    2009年10月04日
  • プレイヤー・ピアノ

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    読みやすいヴォネガット入門編かな。酷評の対象にされがちな本作だけど、彼の気持ちが素直に表れてるんじゃないかと。
    失敗が見えていても壊さなければならない。
    そんな人間への優しさを感じる一冊。

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    2009年10月04日
  • タイムクエイク

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    2001年2月13日、時空連続体に発生した異常―タイムクエイクのために、あらゆる人間や事物が、1991年2月17日へ逆もどりしてしまった。ひとびとはみな、タイムクエイクの起きた瞬間にたどりつくまで、あらためて過去の行為をくりかえさざるをえなくなる。しかも、この異常事態が終わったとき、世界じゅうは大混乱に…!SF作家のキルゴア・トラウトやヴォネガット自身も登場する、シニカルでユーモラスな感動の長篇。

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    2009年10月04日
  • ユービック

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    SF物語を久しぶりに読みました。
    半生命や時代退行などの世界は面白いと感じました。

    だけれど、私の読解力が不足しており、物語の半分くらいまで、生きている世界なのか、半生命(死者)の世界なのかは分からなかった。
    体温の低下などで、ようやくどちらの世界かわかったのです。
    SFの世界で設定がぶっ飛んでいたり、ありそうでない世界観を味わうことも良いかなと感じました。

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    2025年12月18日
  • あなたの人生の物語

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    積読チャンネルで紹介され、「あなたの人生の物語」のみ読んだ。映画メッセージも読んだ。サピアウォーフの仮説、声に出して言いたい日本語すぎる。個人的には回想とエイリアンとの対話シーンの交錯が入ってきづらかったが、また読み直した時に何か感じるものなのだろうか。書籍自体は人にあげた。

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    2025年11月24日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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     再読。前回読んだときは、評判の割にあんまりパッとしないなって印象だったけど、「まだ人間じゃない」が気に入ったから、やっぱディックはちゃんと読んでおかないとってことで再チャレンジ。
     <最終世界大戦>のため放射能灰が降り注ぎ、ほとんどの人間が植民星に移住し人口の激減した地球。本物の動物を手に入れるために、逃亡アンドロイド<ネクサス6型>を追跡するバウンティ・ハンター。わかりやすいプロットだけど、そこに本物と偽物という作者お得意のテーマを持ち込むことによって、「遊星からの物体X」的な緊張感と自分自身がアンドロイドかもしれないと悩む主人公っていう魅力的な設定が加わってる。自分がアンドロイドであるこ

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    2025年11月21日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    アンドロイドは電気羊の夢を見ない… よね? でもきっと、黒山羊の夢は見るだろう。人間とその世界の仲間=自分たちアンドロイドとは相容れないモノとして。だから、それらの存在を消して(命を奪って)も何とも思わない。
    「100%は解らなかったなぁー」と字幕のない映画を観終わって思うソレ。日本語訳で読んでいるのに、どこか未消化な感じが止まない。また、長編とされるのに、彼らの日常のうち数日を切り取っただけのようなストーリーだからなのか、ほんの少しだけ読んだような後味。

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    2025年11月06日
  • あなたの人生の物語

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    私には難しかったです。とても。
    表題作については映画を見ようと思ったのと、構成が面白かった。
    天使の話は、理不尽だな、、主人公かわいそう。
    最後の話でルッキズムに言及してて驚いた。現代を生きる若者たち、ぜひ読んでくれ。

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    2025年10月28日
  • 高い城の男

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    ちょっと難しかった。私にとって、いちばん衝撃的だったのは、中学生の頃に読んだ「ユービック」でした。でも、ディックの作品は気になってしまうので、少しずつ読んでこうと思います。

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    2025年10月22日
  • タイタンの妖女

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    1959年に書かれた古典的SF小説です。
    ストーリーがあちこちに飛ぶので難解なところがありますが、最後につながるので気にせず読むと良いと思います。
    でも、思っていたものとは違っていて、全体的には難解でした。

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    2025年10月13日
  • ユービック

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    生と死の中間である半生命という概念や、超能力集団とそれを無効化できる集団との戦いで、序盤から展開に期待するのも束の間、登場人物たちに何が起こっているのかを考えさせる展開は少し退屈感が。

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    2025年10月13日