浅倉久志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ人間とは一体何か?
この本の著者ディックは、人間とはどれほど親切であるか、だと説いている。つまり、アンドロイドであろうと、親切さを持ち合わせた者は人間であり、人間であろうと、冷酷さを持ち合わせた者はアンドロイドなのだ。
主人公のリックは、妻を愛し生き物の命を慈しむ本物の"人間"だが、アンドロイドの意識を奪うことに容赦はせず、その上にあろうことかアンドロイドと性行為にまで及ぶ描写もある。一体、人間とはなんなのか?
無駄のないシンプルな語り口が特徴的だが、それがまた何十年も前に描かれたとは思えないほどの鮮やかな近未来描写を映えさせていた。
映画も観てみたい。 -
Posted by ブクログ
アンドロイドと人間との差は
なんだろう
そんな問いかけをしているSF
作者は
人間にとっては感情移入が
最も大切な機能と考えていると
言っている
どんなに人間にそっくりにできていても
感情においては差が生じる
主人公はそこを狙って
移民先の人間を殺して逃げてきた
アンドロイドを探して処分する
いわゆる殺し屋
殺しを実行しながらも
アンドロイドへのなんとも言えない
感情が芽生えてしまう
そして恋までしてしまう
立派な動物を飼いたい
そんな願いを叶えるために
頑張って頑張って
アンドロイドを殺して
やっとヤギを買ったのだけれど‥
ここに出てくる人間は
人間らしく、人間くさく、
なんだかマヌケ -
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Posted by ブクログ
オードリー・タンが推薦してたので読んでみた。SFは久しぶり。基本的に哲学的なテーマを扱っているように思えた。特に,「理解」と「あなたの人生の物語」の2編は認識論として読むと興味深い。ただ,小説としてどうかというと,どうなんだろうという気がしなくもない。「あなたの人生の物語」は構成として面白いとは思うけど,読みやすいとは言えない。「顔の美醜についてードキュメンタリー」はある種の哲学的思考実験をドキュメンタリーとしてまとめたもので,野心的ではあるが,問題提起に留まっている印象。「ゼロで割る」は数学が分からないと何のことやら理解できない。
個人的には,普段から抽象的に考えているテーマを物語として(中 -
Posted by ブクログ
収録作は以下のとおり。
月へ二度行った男(ハワード・ロドマン)
父祖の信仰(フィリップ・K・ディック)
ジグソー・マン(ラリイ・ニーヴン)
骨のダイスを転がそう(フリッツ・ライバー)
わが子、主ランディ(ジョー・L・ヘンズリー)
理想郷(ポール・アンダースン)
モデランでのできごと(デイヴィッド・R・バンチ)
逃亡(デイヴィッド・R・バンチ)
ドールハウス(ジェイムズ・クロス)
性器およびまたはミスター・モリスン(キャロル・エムシュウィラー)
最後の審判(デーモン・ナイト)
ハーラン・エリスンの伝説的アンソロジー「危険なヴィジョン」第二弾。刊行されてもう半世紀は過ぎているので、もはや危険と -
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久しぶりのSFでした。難解な長編で、3分の2くらいまでは、さっぱり分からない展開でした。ジョーチップが、爆発で半生者になり、UBIKというなんというか退行現象を止めるもの(スプレー)をなんとか手にいれる。敵と味方とに分かれて戦うが、チップにも判断できず、最後の方でようやく分かるのです。理解するのに精一杯でした。今でもよくわからないとこ多いです。
また、超能力の描き方は、漫画のJOJOにも似ている部分もあるのではとおもいましたが、どうでしょう。場面の移り変わりは映画マトリックスにも似ているかもと思いました。
読み直したいが、再度読んで理解できるのかななんて思った次第です。 -