浅倉久志のレビュー一覧
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初ヴォネガット。何だろうこのとっ散らかった文章は(困惑)ストーリーがあるにはあるが、途中で関係のあるような無いような話が様々な角度(しかも急角度)から入り込んでくる。当時のアメリカへ対する皮肉や批判をたっぷり込めた物語だ。終いには著者自身が登場して「私は創造主だ」と主人公と絡む始末。心に残った言葉は「ほかの作家たちには、混沌の中に秩序を持ちこませておけ。わたしは逆に、秩序の中へ混沌を持ちこもう。」頻繁に挿し込まれている著者の描いた挿絵はなかなか味があっていい。いずれにしても、私には早かったようだ。ちょっとどこかに本作の解説がないか探してみよう。
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なんともけったいな物語。以前「チャンピオンたちの朝食」を読んだときにも同じような印象を受けた記憶がある。高橋源一郎「さよならギャングたち」と同じ(というか高橋がパクったんだろうけど)なんだけど、「さよなら〜」ほど詩的なわけではないなあ。一応ストーリーはあるんだけど、それよりも即興的な文章を味わうべき小説なんだろう。その意味では翻訳で読んでもダメなのかもしれない。訳者あとがきで紹介されていた書評でもそのあたりについて書かれている。以下抜粋。
「ヴォネガットは、カウント・ベイシーがピアノの名人であるのと同じ意味で、文章の名人である−−どちらのスタイルも、簡潔で、おどけていて、リズミカルだ。そのた -
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著者覚え書きで「この小説には何の教訓もない」とある。確かに教訓は無いかもしれない。ただし、麻薬に対する強烈な批判と恐怖を語っている。教訓は小説から得るものではない。読者がどのような教訓を語れるかが本書を読み解くキーになるのかもしれない。本書は普通に読むと、よくあるドラッグ系の小説だ。麻薬でハイになったやつが大暴れするような。読むべきは最後の方でブルースが置かれる立場だ。私は、麻薬だけが悪いのではなく、麻薬の悪用を存在させる社会の仕組みが存在することが悪なのだと解釈した。もちろん、これはひとつの解釈に過ぎず、読者がそれぞれ感じるものは異なるだろう。描写は鮮明ながら、読者に与えるものは形を変えて届
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舞台は第三次世界大戦後のアメリカ。大半の人々はテクノロジーに仕事を奪われ、少数のengineers & managersが富を得る形へと変わっていっていた。そんな物語の主人公は、東海岸に位置する架空の都市、Iliumの大企業Ilium Worksのマネージャー、 Paul Proteus。妻、Anitaと何1つ不自由のない暮らしを送っていた。しかし橋を渡ればそこに住むのは仕事もなく、社会から見放された大勢の人々。明らかな格差と人間の存在意義を問う姿勢が皮肉にも今の世界と通用する。
Vonnegutのデビュー作でもあり、のちの作品の原点とも言える。物語は定番のディストピアを題材としてい -
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浅倉久志訳による新装版「スキャナー・ダークリー」(旧訳「暗闇のスキャナー」)は、著者自身の実体験を踏まえた物語。テーマは、麻薬。
カリフォルニアのオレンジ郡保安官事務所麻薬課の捜査官フレッドは、上司からも自身の姿を隠す「おとり捜査官」である。彼の真の姿は、なんと麻薬中毒者ボブ・アークター。木乃伊取りが木乃伊になるそんな世界で、与えられた新たな任務は「麻薬密売人のボブ・アークターを監視すること」。自分自身を捜査対象にする彼は、麻薬中毒の深刻化も相まってしまい…
「わたしはドラッグの危険性を訴える福音を説こうと誓った」とは、訳者あとがきで引用される著者の言葉。麻薬中毒の経験があり、その目で幾人 -
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ネタバレ★★★☆☆
積読の棚から文庫本を一冊サルベージしたらハインラインだった。
『自由未来』は核爆弾のショックで未来世界、というかパラレルワールドに飛ばされてしまった数人の男女の話。
科学技術の進んだ未来世界では、イスラム教ベースの宗教が信じられていて、黒人が選民として白人の奴隷を支配している。
冒頭のアメリカ一般家庭の夕べの様子はちょっと退屈なんだけど、異世界に飛ばされた後の主人公ヒューの態度の変化が面白い。
言うことを聞かない息子デュークに銃を突きつけて、言うことを聞かないなら出て行けと迫る。
平時には息子といえど対等に話し合っていたのが、すわ有事となると対応がガラッと変わり、高学歴