浅倉久志のレビュー一覧

  • 逆行の夏──ジョン・ヴァーリイ傑作選

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    古本で持っている「ブルー・シャンペン」に収録されている作品の一部も含めて、新たに編集されたヴァーリィの短編集。
    サイバーパンクの先駆けとも称される、身体改変や自我のデータ化が当たり前となった未来世界を描き出しつつ、そこに流れているのは孤独と諦観。如何にも日本人受けしそうな作風ですねー。

    鴨的にはセンチメンタリズムが鼻についてしまってイマイチな作品もありましたが、独特の世界観は一読の価値あり。久しぶりに読んだ「PRESS ENTER■」がやっぱり面白かったなー。

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    2015年12月23日
  • 逆行の夏──ジョン・ヴァーリイ傑作選

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    生きることに慣れすぎていたせいか、人生を終わらせる決定的な一歩を踏み出すことができなかった。待てばいいのだ。人生はわたしにひとつ喜びをもたらしてくれた――また別の喜びがあらわれるかもしれない。
    (P.251)

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    2015年12月19日
  • 自由未来

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    ネタバレ

    かなり残念な作品。
    まず不貞行為が賛美されるのが残念なのと
    主人公が暴虐なのよね。
    暴虐行為はしないけど
    どこかいやな男。

    それでもって結局いってはいけない
    言葉も言っているんですよね。
    (たぶんもとの国ではその部分は*で隠されているはず)
    確定である人種を敵に回しています。

    結局世界には入り込めませんでした。

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    2015年12月16日
  • チャンピオンたちの朝食

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    ネタバレ

    横道に逸れまくる話、文章の一部として組み込まれた挿絵、話の中にまで登場する作者

    こういったユニークな要素を織り交ぜながら、(ブラック)ユーモアたっぷりの語り口で2人の中年男性に関する物語が綴られていきます。

    独特の世界観に慣れてからは、物語に引き込まれてすごく面白かったです。ただ、ラストが少し腑に落ちませんでした。

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    2015年10月06日
  • 自由未来

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    ネタバレ

    ★★★☆☆

    積読の棚から文庫本を一冊サルベージしたらハインラインだった。

    『自由未来』は核爆弾のショックで未来世界、というかパラレルワールドに飛ばされてしまった数人の男女の話。

    科学技術の進んだ未来世界では、イスラム教ベースの宗教が信じられていて、黒人が選民として白人の奴隷を支配している。

    冒頭のアメリカ一般家庭の夕べの様子はちょっと退屈なんだけど、異世界に飛ばされた後の主人公ヒューの態度の変化が面白い。

    言うことを聞かない息子デュークに銃を突きつけて、言うことを聞かないなら出て行けと迫る。

    平時には息子といえど対等に話し合っていたのが、すわ有事となると対応がガラッと変わり、高学歴

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    2015年06月21日
  • アンドロメダ病原体〔新装版〕

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    宇宙からの病原体の侵入は現実にあり得る話。
    病原体にもっとストーリを持たせて欲しかった。
    読後、えっ、これで終わりって感じだった。

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    2015年04月26日
  • ホーカス・ポーカス

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    ―――
    長老たちが地球人に目を付けたもうひとつの理由は、彼らが自分と異なった外見を持ち、異なったしゃべりかたをする地球人を恐れ、憎むことだった。彼らは、いわゆる”下等動物”の生活だけでなく、おたがいの生活をも地獄に変えていた。彼らはよそものを見れば下等動物と思うたちだった。だから、長老たちが細菌にこの世の辛酸をなめさせたければ、地球人に物理学と化学を勉強すればもっと効率のいい武器が作れると教えるだけでよいわけだ。長老たちはさっそくその実行にとりかかった。
    ―――
    長老たちは、アイザック・ニュートンの頭の上にリンゴを落とした。
    長老たちは、母親のヤカンが鳴り出す度に、ジェイムズ・ワット少年に聴き

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    2015年01月03日
  • サンディエゴの十二時間

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    内容(「BOOK」データベースより)
    サンディエゴ、八月。共和党の全国大会が開かれるその地で、大統領の来訪に合わせて、狂信的極右主義者の大富豪が、恐るべき計画を実行しようとしていた。決行の時が刻々と迫る中、米国務省の情報調査部員グレーブズは、想像を絶する計画の全貌を知るが…。二重三重に仕組まれた大規模な殺戮計画を、彼は阻止できるのか?悪魔的な狡猾さを備えた男とグレーブズの白熱の頭脳戦を描く、戦慄のタイムリミット・スリラー。

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    2014年09月28日
  • チャンピオンたちの朝食

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    花粉症のため通勤時にはマスクが欠かせない。うっとおしいことこの上ないが、本書を読みながらついにやけてしまう顔を隠すのには大変便利。
    いつもの人たちがいつものようにわけわからない動きを見せて、今回もまともな感想は書けないけれど、やっぱりまたヴォネガットを読むだろう。

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    2014年02月23日
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

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    ヴォネガットにももちろん下積み時代というものがあったんだなあ、と思う。ブラスバンドの先生の話が好き。

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    2014年01月02日
  • スラップスティック

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    ・愛をちょっぴり少なめに、
    ありふれた親切をちょっぴり多めに。

    ・愛してるよ、のことばは、
    人に、本心じゃないことを言わせる仕掛け。

    ・歴史にできるのは、われわれを次の驚きに対して準備させることだけである。



    拡大家族に対する、彼の論文のよう。

    血液型でも、星座でも、くだらないミドルネームでも。
    同じものをもつだけで、親しみがわく。
    孤独じゃなくなる。

    どんなわかりあえないひとでも、なにか共通点を見つけること。

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    2013年11月30日
  • プレイヤー・ピアノ

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    ヴォネガット処女長編。なんだか読み疲れた。途中なんか切なくなった。もう一回は読まないとダメな気がする。2011/412

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    2015年07月23日
  • ガラパゴスの箱舟

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    久々にヴォネガット。ヴォネガット読むのは4作目。ヴォネガットにしたらわかりやすい話だったかな。本当、この人の脳内はどうなってるんだろう。2011/409

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    2015年07月23日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    んー…ちょっと読みにくかった!ヴォネガットは私には少々ハイレベルだ…だが懲りずにまだ読むけどね!2011/055

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    2015年07月23日
  • タイムクエイク

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    難しい…。もっとヴォネガット読んでから読まなきゃダメだった…。絶対いつかリベンジする!2011/028

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    2015年07月23日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    周りからキ○ガイ扱いされている,富豪のエリオット・ローズウォーターさんがとある街で貧民相手にお金を上げたり相談に乗ったりするお話。
    とにかくエリオットさんの人情熱い描写がお見事。海外文学で人情ものってあまり翻訳されてない気がしますね。
    周囲からの評判を絶大なものとしていくエリオットさんを見ることは自己啓発本さながらな感じがします。
    なかなかの長編ですが,ラストは小気味よく終わります。ライトな作品ではないですが,途中で積むのはもったいない。

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    2013年06月16日
  • ホーカス・ポーカス

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    読み終わるのに何日もかかってしまった
    長かった
    ヒロシマツモトが出てきたあたりからは面白くて一気に読めた
    ヴォネガットお得意の話の寄り道が多過ぎて本に慣れるまで時間がかかる
    そのせいで序盤はちょっと読むのが辛かった
    あと、登場人物が多過ぎて頭悪い僕にはわけわかんなくなることが多かった笑
    翻訳の問題でなく、文化や言語の違いによる問題だと思うんだけど、よく分からない言い回しもいくつか
    それでも、ヴォネガット好きかつ日本人なら読んで欲しい本
    少し日本人贔屓に描かれてる

    ヴォネガットの小説を読むたびにアメリカひでぇな、日本良い国だなと思うんだけど、
    それは日本人が歴史的敗北によって植え付けられた劣等

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    2013年01月19日
  • ホーカス・ポーカス

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    もしかすると人生の辻褄は合うのではないのか。
    そんな考えが入り込んできているようだった。
    『スローターハウス5』に登場した、あらゆる悲惨な出来事に対しただ淡々と「そういうものだ」と呟き続けるビリー・ピルグリムと対になったかのような人物は今作にも存在する。しかしそれは単に脇役としてだ。

    主人公は、出来事に対して、ときおり神の存在を信じてもよいような気がしていて、それは「そういうものだ」の認識との間で揺れ動く。あらゆる悲惨な出来事も、単に「そういうもの」であり、そこにはどこか超越した地点からの意味付け(=神)などなく、すべては無意味。人生に辻褄が合うなんて発想はあり得ない。
    今までこんな風に語ら

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    2013年01月18日
  • デッドアイ・ディック

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    これまで読んできたヴォネガットの小説のなかでは一番スケールは小さい。
    一つの田舎街を舞台にした、奇妙な家族を中心とした物語。

    おかしくて悲しくてどうしようもない人たちばかりだが、きっと人ってこういうもの。
    「一生はまだ終わっていないが、物語は終わったのだ」
    エピローグでしかない人生でも続いていく。

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    2012年12月20日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    この手の小説ってあまり読む機会がなくて、ということはあまり好きではなくて、まあ正直言って本書もそんなに面白いとは思わなかった。
    でも中盤の電話での会話の描写とか、終盤に群像が一つになっていく過程とか、小説としては実によくできているとは思う。

    最後の方にあったトラウトの言葉
    「いかにして役立たずの人間を愛するか?」
    これはたぶんこの小説のテーマだろうし、実は僕の人生のテーマでもある。読後感は爽やかで良し。

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    2012年11月25日