浅倉久志のレビュー一覧

  • アンドロメダ病原体〔新装版〕

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    物語は主要舞台であるネバダ州の政府科学研究施設での5日間。地球外生物の実態は何?という謎を追って一気読み。50年近く前に発表されたとは思えない、古さは全く感じなかった。

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    2022年05月21日
  • 高い城の男

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    歴史改変系SF小説。
    日本とドイツが戦争に勝ってアメリカを統治している世界、そんな世界で流行っている小説は『イナゴ身重く横たわる』という、連合国側が勝利したらと言う歴史改変小説だったりする。

    登場人物が、歴史上の人物だったりオリジナルだったり、国籍人種も多様で何回も読み返さないといけなくて時間がかかってしまった。

    真偽
    これがテーマなのだと思う。本物と見分けがつかない贋作。歴史という付加価値の曖昧さ。小説と現実。偽名の政治家と暗殺者。
    歴史を失った国で生まれた新たな芸術と、歴史ある占い易が、本来あるはずだった歴史を垣間見せるというのが面白い。
    一方、読み終わった時に「え、これで終わっちゃう

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    2022年02月08日
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕 2

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    ジェイムズ・クロスの「ドール・ハウス」は預言をしてくれる魔女が住むドールハウスのお話。ただ、けっして屋根を開けて中を見てはいけません。SFというよりホラーですが、何かのアンソロジーでも読んだ気が。でも巻末の再録リストにはないので気のせいか...

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    2021年11月18日
  • 町かどの穴 ラファティ・ベスト・コレクション1

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    ネタバレ

    「町かどの穴」★★★
    「どろぼう熊の惑星」★★★
    「山上の蛙」★★★
    「秘密の鰐について」★★
    「クロコダイルとアリゲーターよ、クレム」★★★★
    「世界の蝶番はうめく」★★★
    「今年の新人」★★
    「いなかった男」★★★
    「テキサス州ソドムとゴモラ」★★★
    「夢」★★
    「苺ケ丘」★★
    「カブリート」★★★
    「その町の名は?」★★★★
    「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」★★★
    「他人の目」★★★
    「その曲しか吹けない」★★
    「完全無欠な貴橄欖石」★★
    「《偉大な日》明ける」★★★★
    「つぎの岩につづく」★★★

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    2021年12月14日
  • 高い城の男

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    ネタバレ

    アベンゼンは『易経』を使って小説『イナゴ身重く横たわる』を書いていた。ジュリアナが「なぜその本を書いたか、我々はその本から何を学ぶべきか」という問いを立てて易を行うと、「真実」という回答を得る。ジュリアナは、本に書かれていることが真実であるというメッセージとして受け取る。これが、本作の幕切れ直前、結論のような位置に置かれているシーンだ。
    ここから読者は何を読み取ればいいのだろうか? 
    (a)彼らの世界で起こった出来事は真実ではないということか? それとも、(b)これからドイツ帝国の崩壊や、日本への水爆投下が起こり、プロセスこそ違えど、最終的には本に書かれた世界と同じような結果にたどり着くという

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    2021年06月23日
  • 高い城の男

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    ネタバレ

    第二次世界大戦が枢軸国側の勝利で終わったという世界。
    日本やドイツに統治されている米国。

    ドイツが統治する地域では禁書となっているという小説が、それ以外の地域では話題になってヒットしている。内容は、第二次大戦が連合国側の勝利で終わった世界を描いたもの。

    登場人物の多くが自らの進むべき道を「易経」で占っている。
    本作は1962年に執筆されているが、この時代には易経が流行っていたのだろうか…。1978年に出版された『宇宙船とカヌー』でも、ジョージ・ダイソンが旅の出立をいつにするか易経で占うべきかなぁ、なんて言うくだりがあった。

    この世界で売れているという小説の作者も、ストーリーの展開を易経で

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    2021年06月19日
  • プレイヤー・ピアノ

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    ある種のディストピア小説ではある。だがこの著者の手にかかると、どうもシリアスな感じにはならないようだ。ほとんど全てを手に入れることができる立場でありながら、ここではない場所の暮らしに憧れるポール・プロデュース博士の選択は果たして。皮肉ともいえるラストが印象を残す作品。

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    2021年04月04日
  • チャンピオンたちの朝食

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    当時のアメリカへの批判が込められているらしいが、残念ながら知識不足のせいかあまりピンとこなかった。あと特にわからない点としては、ラストのイラストはどう捉えればよいのだろう。まえがきにもあるように、この作品でトラウトやローズウォーターなどの過去作登場人物たちを放り出してしまうわけだが、この先ヴォネガットがどこへ向かっていくのかが気になる。

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    2021年04月04日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    大金持ちもまともな精神状態ではやっていけないっていう話。

    超富裕層の26人が世界人口の半分の総資産と同額の資産を保有していたり、上位1%が富の82%を独占しているというのを聞くと、このシステムもおかしいし、それを享受している超富裕層も狂っているんだろうな、と。

    そしてそういう事に違和感を感じなくなってきている我々も気が違ってきているじゃないか、と思う。

    日本語訳は1982年発行なので仕方ない部分もあるけど、「エンガチョ」や、その類いの言葉で冷めてしまう。

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    2021年09月17日
  • 逆行の夏──ジョン・ヴァーリイ傑作選

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    特異な世界観と、どことなくセンチな余情が残るSF短編集。物語の雰囲気をつかむまでに苦戦した短編もあるにはあったのですが、その世界観や人間関係であったり、あるいは「ここでない世界」に対しての、切ない思いが印象的です。

    収録作品は6編。

    表題作『逆行の夏』はストーリーはもちろん、SFならではの描写が印象的。水銀の湖と洞窟が、太陽の光を照らし返す情景なんかは、美しさを感じるとともに、SFの想像力の豊かさも感じます。
    ストーリーとしては、クローンの姉との再会であったり、身体の改造や性別の転換ですら、簡単に行える、という技術背景が描かれ、なかなかのハードSFらしい雰囲気。

    そのため、ややとっつきに

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    2020年10月05日
  • ユービック

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     一息に読み切ってしまうくらいには面白かった。これまで読んできたディックの作品とは違って、結構オチもしっかりついていたし。ホバーカーを筆頭として、ディックらしいガジェットも多く登場する。そういういかにもなアイテムや制度に彩られて、個人的にはやや古臭さを感じるが、昨今のSFでは中々お目にかかれない、「これぞ空想科学小説」と言えるような世界が作り上げられている。着想元が新聞やカセットであるために、現在から想像できる未来と照らせば、ちょっと想像力の限界を感じざるを得ないけど。
     作品の根幹となる2つの要素が、物語を追う内に段々と融合していって、最終的にはきっちりと収まったような印象を受ける。大ハマリ

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    2020年10月01日
  • ホーカス・ポーカス

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    坦々と読み進める。
    感想はとくになし。

    ヴォガットがなくなったのは2007年で、それから6年たって、自分のブログにこんなことを書いたことがある。

    「カート・ヴォネガットが亡くなってもう六年経つ。
    かれの作品は好きだが、困るのは、読んだ後、元気がなくなるという点だ。

    ヴォネガットといえば、「心優しきニヒリスト」という肩書が有名で、かなり早い時期からそう言われていた。作品はたしかにそんなふうだ。

    かれの主人公は、巨大な歯車の中でモルモットのように扱われ、無慈悲な運命に翻弄される。誰が悪いというわけでもない。巨大な歯車、巨大なシステム、宇宙的な構造そのものの結果としてそうなるのであって、仕組

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    2020年07月21日
  • 青ひげ

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    読み終わっての印象が薄いのだが、それはこちらの読み方が悪いせいなのかもしれない。

    ヴォネガットの小説はこんなものだという先入観があって、期待通りにならないので、アレレという状態のまま最後までいってしまった。

    こちらの読み方が雑で急ぎすぎということもあるけれど、それだけ前期の作品群のインパクトが強かったのだ。

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    2020年07月20日
  • ガラパゴスの箱舟

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    その日に死亡する人の頭に印をつけるアイディアはとても興味深い。
    時間をかけて、とても工夫した作品であることはわかる。

    けれども、もっともっとと思ってしまいますね。
    作者も大変です。

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    2020年07月20日
  • デッドアイ・ディック

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    内容はテンコ盛りだが、あまり記憶に残っていないのは、ヴォネガットに独特の奇想天外な展開がないせいではないか。

    サマセット・モームがたしか「要約するとの」の中でプロット(物語の筋立て)の重要性を説いていて、フローベールの「感情教育」はすぐれた作品だけれども、それがないのでひどく読みにくいと言っていた。スティーブン・キングも「スタンド」の前書きで、「ヘンゼルとグレーテル」を例に挙げてその重要性を語っていた。

    この作品では、米国の現状を告発する個々のエピソードが積み重ねられていて、それはそれでウィットに富んでいて面白く読めるものの、これまでの目のくらむような展開がなくなった分、読後の印象がモヤつ

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    2020年07月20日
  • チャンピオンたちの朝食

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    初ヴォネガット。何だろうこのとっ散らかった文章は(困惑)ストーリーがあるにはあるが、途中で関係のあるような無いような話が様々な角度(しかも急角度)から入り込んでくる。当時のアメリカへ対する皮肉や批判をたっぷり込めた物語だ。終いには著者自身が登場して「私は創造主だ」と主人公と絡む始末。心に残った言葉は「ほかの作家たちには、混沌の中に秩序を持ちこませておけ。わたしは逆に、秩序の中へ混沌を持ちこもう。」頻繁に挿し込まれている著者の描いた挿絵はなかなか味があっていい。いずれにしても、私には早かったようだ。ちょっとどこかに本作の解説がないか探してみよう。

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    2020年07月11日
  • プレイヤー・ピアノ

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    ヴォネガットの処女長編。
    機械を壊す革命が成功したイメージでいたけれども、読み直してみて、そうではないことを知った。

    ページ数は多いけれども、長さは感じさせない。
    以降の作品に比べれば、時間も場所も、オーソドックスに展開するけれども、読み手をつかまえてはなさないストーリテーラーとしての手腕は、最初のこの作品からもある程度うかがえると思う。

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    2020年07月07日
  • ユービック

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    アフターコロナ。新しい生活様式やら新しい働き方やら。当然のようにindustry 4.0にsociety5.0が声高に叫ばれる。ウイルス拡大において、中国自身の体制の問題も少なからずあるのだけど、何の根拠もない中国陰謀論が跋扈する中で、むしろ資本主義というか、新しい様式によって資本を集中したい一部の企業による陰謀では、とも思ってしまう。
    技術の進歩が前面に出てくる時、ディックを読みたくなる。何かが無批判に進行している時、必ず揺り戻しがある。破滅的な結果(例えば3.11による原発の可視化)になることもあれば、問題を巧妙に隠しつつ内実は見るに堪えない状況(今や素人が安易に、何の罪悪感もなく他人のプ

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    2020年06月21日
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕 2

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    2巻にはディックやラリー・ニーブン、ポール・アンダースンなど自分にも馴染みのある作家が並んでいるのだが、なんか1巻に比べるとどれも少し印象が薄い。つまらないわけではないけど、SF読んでるという高揚感があまりない。ニューウェーブは肌に合わないのかも。

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    2020年03月17日
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕 2

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    SFというより実験的な小説が多いかな。
    神に関する話が多いのは時代的に ”危険” なところがあったからか。

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    2019年10月23日