浅倉久志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現在、未来、夢?空想?集団妄想?集合的無意識?
主人公のひとりレオ・ビュレロがチューZ(薬物…?)を摂取してからが本番で、それ以降堕ちて目覚めたかと思ったらまた堕ちて、堕ちていたと思ったら堕ちていなくて、でも堕ちていて…と言った具合に非現実と現実が入り交じって入ってくる情報が目まぐるしく変化し、自分の見ているものはどこまでが本当で、どこからが非現実なのかがわからない…。読者である私が本当にトリップしてしまっているかのような読書体験でした。
この本を読んだあとフィリップ・K・ディックの短編集『アジャストメント』の『人間とアンドロイドと機械』を読むと面白いかもしれない。
人間はどこまで前後不覚に陥っても「人」であり続ければ迷わない。
我思う、ゆえに我あり。
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Posted by ブクログ
ネタバレ火星から来たアンドロイドを廃棄処理するリックのお話だった。共感ボックスやマーシー教などいまいち掴み切れない概念もあって、正直読んでいて難しかった。
ただアンドロイドに性欲を覚えたリックや、アンドロイドとともにすごしたイジドア、リスを飼うフィルなどを通して、人間とアンドロイドの境目はなんだろうと考えさせられるお話だった。共感こそが人間固有の能力として区別のテストに使われていたが、昨今のAIの盛り上がりを見るとこの能力もアンドロイドにだんだん獲得されるのかもしれないと思うと少し不気味に感じた。
タイトルの夢を見るか?に関しては、個人的には夢を見ると思った。SF小説のような、少し哲学的なような、初めて読むタイプの本だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ*ネタバレあり
SFはおそらく読んだのがある初めて。人間とアンドロイドの境界線はどこにあるのか。アンドロイドが火星から地球に逃げる際、人間を殺して7人で地球にきた。バウンティーハンターの主人公が葛藤の中アンドロイドをハントする。イジドアが一番人間らしく、綺麗な心を持っているとかんじた。
タイトルのアンドロイドは電気羊の夢を見るのか?という問いには、夢について考えてから答えたいと思います。夢は、人間の記憶の整理と言われることが多く、アンドロイドに視点を戻すと、今回出てくるアンドロイドには脳もあり、記憶もできる。という観点から、私は夢を見ることがあると考えます。
現実ではロボット、AI分野がものすごい成長をしていく中で、今後アンドロイドという人間や動物を模した精度の高いものができた時、改めて本書を読んでみたいと感じました。 -
Posted by ブクログ
購入から約9年…読めました!
そして、おもしろかったんです!
カテゴリはSF、それに異論はないですが、SFだけではない何かを感じました。
9年前の購入のきっかけは表題作の映画化。
まさか中編作品とは思いませんでした。
そして、原作は、宇宙人とのコンタクトがメインテーマではなかった…表題どおり。読んで良かったです。
気に入ったのは
ゼロで割る
あなたの人生の物語
七十二文字
地獄とは神の不在なり
顔の美醜について――ドキュメンタリー
作品覚え書き
作品覚え書きが役に立ちました。第三者の憶測ではなく、本当の解説になっていて。
ちなみに私はカリーはしないと思います。
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Posted by ブクログ
ネタバレディックは、アンドロイド〜も、高い城の男も、いまいちハマりきらず半ば敬遠しているところもあるので、リハビリ?にこちらを。そうしたらディックって意外と面白いじゃん?と思えたので笑、もう少し他の本を手に取ってみよう&再読もしてみようかな〜
本の裏側に書かれているあらすじまでなかなか辿りつかないせいで、読み落としたかと思っていたけど、単純に登場が後ろすぎた、、笑
気になる点はいろいろあるのだけど(そこは回収されないんですかー!?みたいな)、それを横に置いてエンタメとして集中させてくれるには十分面白かった。
意識があると思っていたのが、実は自分たちが半分死んでいる側だった、とか。今この文章を書いている私だって、夢の中でそれをやっているだけかもしれないと言うことを永遠に証明できないわけで、それが「ディック感」に繋がるのかなあと〜。怖さを楽しむ、というジャンルに近い気がしている -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画化された表題作を含むSF短編集。
めっっっっっっちゃ面白かった…なにこれ…作者が天才すぎる…
確かに難しくはあるんだけどだからこそ、なるほど!!そういうことか!!となる瞬間が気持ち良すぎてありえないくらい興奮してしまった。ドーパミンがすごい。
完全に端から端まで理解できたわけではないので一応星4だが5でもいい。
「バビロンの塔」
情景を想像するのが難しかったけど、天と地は繋がっているという結末が気持ち良すぎて感動。どう生きてたら思いつくんだ…
「理解」
人知を超えた天才になった者の思考。そして天才同士のバトル。知的レベルが上がるごとに文章も難解になっている気がしてその連動が面白かった。
「理解」の意味が最初は全く分からなかったけど、それまでは何の意味もなさなかった記憶が「理解」というコマンドを受けることで自己を破壊させる意味をなすという解釈でいいのかな…?この解釈が浮かんだときは、なるほど…すご…と興奮した。
全体的にかなり難しい話ではあった。
「ゼロで割る」
ずっと信じていたものが真実ではないと自分で証明してしまった。宗教から覚めるときのようなものなのだろうか。それが数学をテーマとして描かれているのが凄い…
作中で述べられている数学の解釈が、確かになあ…と納得してしまうもので脱帽。
「あなたの人生の物語」
めっっっっちゃ面白い!!!最高!!
新たな言語の習得法が『プロジェクト・ヘイル・メアリー』で観たのと同じでやっぱりこれが主流なのか!!と思った。
大学で言語学を齧ったことがあったのでヘプタポッドの持つ言語、文字についてかなり理解できて嬉しかった。フェルマーの原理も、物理学を全く知らない私でも理解できる説明だった。
因果論と目的論の対立という構図が非常に興味深い。
そして全てを知っているとしてもそこに至るまでの過程には意味がある。夫と愛し合い娘が生まれ、彼女を愛し育て、その後失くすことと娘が最初からいないことは全く違う。知識と経験は異なるものである。丁度『サンキュー、チャック』を見たばかりなのだが、少し通じるものがあった。
最後のそういうことか…!!!が最高に気持ち良くて温かい気持ちになった。
「七十二文字」
ちょっとややこしくて難しかったな…
ただオートマトンが職人の仕事を奪うんじゃないかという懸念は現代におけるAIと人間との関係を彷彿とさせて理解しやすかった。
「人類科学の進化」
約4ページのショートショートなのに大満足。
古いものを解釈するのではなく、自分たちより進歩した先にあるものを解釈するというアイデアが面白い。根っこの部分は同じなのかも。
確かに自分の子供が知能が高くても高すぎて自分の理解の及ばない存在になるくらいだったら、平凡でも理解できる存在であってほしいと思うのは分かるな…
「地獄とは神の不在なり」
自分が無宗教者なのでそこまでして神を求め信じる理由とは…ってつい思ってしまったけど、逆に不安定で不条理で理解不能な存在である神だからこそ誰でもいつでもすがれるのかもしれない。
確かに最後にニールが行き着いたのが究極の信仰かもしれないが、ちょっと可哀想だなとは思ってしまう。本人はもうそんなこと思わないんだろうが。
天使降臨という比喩的な話をリアルに存在するものとして描いているのが面白い。
「顔の美醜について」
あまりにも現代にぴったりな作品。"カリー"という選択肢が増えるのは良いことだけどそれを強制するのは違うよね……これはどんな技術にも言えるが。