浅倉久志のレビュー一覧

  • チャンピオンたちの朝食

    Posted by ブクログ

    ヴォネガットの世界観は「タイタンの妖女」でほぼ全て示され、それを補完拡充することがその後の作品。で、その作業の行き着く果て及び結局それを止めた作品。作品というには丸裸すぎるほど生々しい哀しみ。

    0
    2009年10月04日
  • 青ひげ

    Posted by ブクログ

    初ヴォネガット作品。なんてウィットに飛んだ語り口!超ヘビーな体験をシニカルな笑いで包んでくれることによって、説教くささがなく、読む人にぼーっとその時代に思いを馳せる余白を与えてくれる。素敵!素敵!
    そして最後はまさかのフェミニズム小説だった!時代ならではの「ん?」ってところはあるけれど、読んでおいて間違いない作家リストに入りました。次はスローターハウス5にしよう。

    0
    2025年12月15日
  • スキャナーに生きがいはない

    Posted by ブクログ

    人類補完機構と名付けられた物語群。断片的な編を通して語られる荒唐無稽、奇想天外な宇宙を舞台にした一大スペクタクル。圧倒的な世界像。

    以下、抜粋

    アンダーヒルは、言葉が内から流れ出すのを感じた。言葉はなんと不自由なものだろう。それに比べて思考のスピードと楽しさときたら一くっきりと澄んで、手っ取り早い心と心のふれあい!

    0
    2025年12月08日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    イメージは完全にデトロイトビカムヒューマン。
    マーサー教のシーンだけよく分からなかったので、映画ブレードランナーを観ることにする。

    0
    2025年12月08日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

    Posted by ブクログ

    「私は惑星になるつもりだ」
    死ぬまでに一度は言ってみたいセリフ…の一つに仲間入りしました。


    最近仕事のことで脳内ごちゃごちゃなのもあり全く読書に身が入らない毎日。
    その状況でディックを読み始めるのもどうかと思いながら、序盤頑張って頑張って読み進め、、、
    しかし3分の1くらいまでくると、キマシタ。モード入りました。
    なんだなんだ??と一文一文に翻弄されているうちに瞬く間にディック感覚に包み込まれ、気がつけば半分を過ぎ、残りの厚みを見て「えええもうすぐ終わっちゃうの?いやだ!!!」
    なんて考えていたらあっという間に終わりました。

    全部読んだ後の感想としては
    いや、なんだこれ。。。
    結局どこか

    0
    2025年11月22日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    まだまだ洋書?の初心者なので中々登場人物の相関図を理解するのに慣れなかった、、カタカナの名前はまだ馴染みがない、、

    しかし非常に面白かった。
    最初はアンドロイドを処理するために狩をするリック。しかし次第にアンドロイドの感性、人間の感性に触れ合っていく内に人間とアンドロイドの違いは何なのか、どうしたらよいのか悩みながらもたどり着いた先に得たリックの思い。

    それぞれの国の時代背景なんかも知っているとより面白く感じれるのかなぁ、、

    0
    2025年11月16日
  • タイタンの妖女

    Posted by ブクログ

    3年越しでようやく読み終えた。中盤まで読んで放置してたので最初から読み返したよ。

    とてもスケールの大きな話ではあるのだけど、読み終わって身の回りの人を大切にしなきゃなあ、というとても平凡な感想を持つ平凡な私。

    キリスト教的な神を理解していないので、神に対する考え方というか皮肉が肌感覚で感じられない面がある。

    グッドラックという挨拶に、神が関わってくるのだなあと勉強になった。確かに才能に恵まれた人を、ギフテッドって言ったりするのは神の存在が根底にあるのですね。



    0
    2025年11月02日
  • あなたの人生の物語

    Posted by ブクログ

    「息吹」の方を読んで面白かったので、こちらも読んでみようと思って手に取りました。
    今回も「もしもこんなものがあったら、どんな社会でどんな人々が何を思って暮らしているか」が鮮明に描かれてて考えながら読んだので時間がかかりました。
    個人的には「地獄とは神の不在なり」が好きでした。この、善行をしていれば報われるとも限らない理不尽さはいつも感じるので、結末まで理不尽でいっぱいなところ噛み締めちゃいます。
    他の作品も色々後から色々思いを馳せるところが多くて余韻に浸れる作品でした。

    0
    2025年10月27日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    ディストピアSF小説の金字塔
    映画『ブレードランナー』の原作。

    有名すぎて読んでないという類のやつ。
    映画はめっちゃ好きで何度見たっていい。2049の方も何度見てもいい。
    翻訳なので読むのに苦労するかと思ったが、特別そういうことはなかった。

    認識をずっと問われている。
    人間とはなにか。コーヒーを飲むから人間なのか。酒に酔うのがそうか。動物を愛する心があるのがか。それとも金銭的価値を見出すのが人間か。
    最序盤、妻との生活が陰鬱な雰囲気から始まる。
    妻が人間なのかも疑う。彼女は宗教にハマり、閉じこもりがちだった。
    それがずっと通底に流れてる。

    いろんなことが同時進行に起きる。
    動物病院で働く

    0
    2025年10月18日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    人間とアンドロイドとの違いは感情移入するかどうか、というのは面白い。でも、感情移入するようにプログラムされたら、区別つかなくなるのだろうか。最近生成AIを使う機会が増えたけど、「それは大変でしたね」とか人に相談した時より、優しく答えてくれるんだよなぁ。ずいぶん前に書かれた本作だが、現代でも充分面白い。公衆映話だけは、「そんな風には発達しなかったよー」とツッコミたくなった。

    0
    2025年10月13日
  • あなたの人生の物語

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    表題作
    映画メッセージは、随分前に観て、感動して泣いた。

    原作はそれから何年も経って読んだ。
    積読チャンネルの飯田さんが、最も美しい物語と言っていたので。

    正直、言語学とかよく分からない用語など次々出てきて、いつも寝落ち。
    何日もかかって、ついにカフェで読み終えた。

    後半、どんどん主人公の思考と現在の描写が近づき、混ざっていく。
    私はラストを知っていたけれど、それでもゾクゾクして、最後は心がギュッとなった。
    妻として、親として、どんな人生か分かっていても、きっと私も同じことをする。
    大切な人を大切にしたい。
    ちゃんと言葉や行動で伝えて。

    ○バビロンの塔
    書かれていることの意味が分からず

    0
    2025年10月12日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み終えて、改めてタイトルがいいなと思った。人間とアンドロイドの境界線は何なのか?これから加速していくAI社会にも通ずる哲学的問いがあったように思う。

    =====

    【個人メモ・感想】

    SFが苦手な理由として、設定が独特過ぎて世界観に入っていけないというのがある。この作品も最初そうだったが、登場人物などの固有名詞をメモすることで徐々に世界観が分かってきて読み進めることができた。次に読み進めにくい本に出会ったときは、このメモしまくり方式でいこう。

    例えばアンドロイドが次のアンドロイドを生み出すという流れが確立され、次第にアンドロイドが増殖されてゆけば、外形的にはそれはもう生命なのではないか

    0
    2025年09月22日
  • タイタンの妖女

    Posted by ブクログ

    カートヴォネガットの独特の世界観が存分に堪能できる。
    冒頭から難解な用語が飛び出してくるのでとっつきにくさはあったが、人の実体化を見物するという特異な物語の書き出しから引き込まれる。
    荒唐無稽なストーリーかと思いきや、伏線が張られており、綺麗に回収されていく。
    作者の死生観、宗教観などがユーモア溢れる文章で表現される。

    0
    2025年09月14日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    古いSFの名著ということで、気にはなっていた。
    小難しかったり、世界観に入れなかったりしたらと思いおっかなびっくり読み始めたが、違和感はそれほどでもなかった。

    生命観、倫理観、宗教観、様々な面で考えさせられて色々な読み方ができる、名著と言われるのがわかる良い本でした。

    本筋ではないけれどキップルが増殖し、侵食してくるという表現が世界がゆっくり崩壊していく様をよく表していてとても良い。ふと静寂の中で気がつくと何かがゆっくり迫ってくるような感覚に似ている。

    「ぼ、ぼくは、マルトクなんかじゃない。仕事だってある。勤務先は

    0
    2025年09月12日
  • あなたの人生の物語

    Posted by ブクログ

    理解出来ないところもあったが、面白かった。
    人間愛を感じられる小説だった。
    バビロンの塔
    理解
    あなたの人生の物語
    地獄とは神の不在なり
    が印象深かった。
    「バビロンの塔」の広大なイメージができるところが良かった。
    「理解」はレオンがよかった。
    「あなたの人生の物語」は親子愛を感じられるところに心動かされた。
    地獄とは神の不在なりはニールのセイラへの思いに切なさを感じた。

    0
    2025年09月13日
  • 高い城の男

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ディックの作品は「アンドロイドは〜」以来なのですが、作品設定として仮定した社会の描写力がすごい。この物語では「連合国が敗北した社会」でのアメリカの精神がどうなるか、人々がどのような生活を送っているかの描写が群像劇の中でリアリティを持って描かれています。
    個人的にドキッとさせられたのはラストの易経「米国が勝ったのが真実である」でしょうか。今までフィクションとして読んでいた物語からこちらからを見る眼差しがある、ということに新鮮味を感じました。何度でも読み直す価値がある作品です

    0
    2025年09月05日
  • 高い城の男

    Posted by ブクログ

    【高い城の男】 フィリップ・K・ディック 著

     第二次世界大戦は、日本・ドイツの枢軸国が勝利。日本が統治する米国カリフォルニア州での生活風景を描きながら、「第二次世界大戦は米英が勝った」というSF小説を書く「高い城」に住む男の物語も書き綴るというSF小説(ややこしい)。「現実と虚構との微妙なバランスを緻密な構成と迫真の筆致で書きあげた、1963年度ヒューゴー賞受賞の最高傑作」という売り文句にやられて読破しました。

     少々ネタバレになりますが、ヒトラーはその後、精神疾患となりボルマン党官房長官が後を継ぐも、その後亡くなり、「え~!」と思う人物がドイツ首相に就任。これによって、「え~!」と思う

    0
    2025年08月30日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    むかし、中二病真っ盛りだった頃に読もうとしたものの難しくて挫折した一冊。ひとまず読み通すことができ、やり残した宿題を片付けられた気分です。

    SFをほとんど通ってきていない(アルジャーノン、harmony、映画『her』くらい)ので、いつもと違って感想もむつかしい。ただ、本書で述べられている”人間とアンドロイドを分かつのは感情移入できるか否か”というのが面白かったですね〜。
    もちろんアンドロイドだって、パターンを学習させればそれらしい行動はできるんだと思う。ただ、そこにどうしてもちぐはぐさが生まれてしまう。
    人・ものへの親切や思いやり……そうしたものが、今のところは人間を人間たらしめているので

    0
    2025年08月14日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    Posted by ブクログ

    映画:ブレードランナーの原作で有名な作品
    ようやく読みました。
    やっぱり私の好きなSF感はこの雰囲気ですね〜。
    未来的にも関わらず荒廃して暗い世界。

    近年AIも発展してきて驚くべき進化を遂げています。なんならAIと話してるほうが親しみやすさを感じる場面もあり、ディック氏が描くこの世界観にも少し近づきつつあるのかなとも感じました。

    AIが進化しているのではなく、人間も近年ここで描かれている共感性が欠如してきているのもあるかなと思ってます。(みんな最近冷たいよね)

    0
    2025年08月09日
  • タイタンの妖女

    Posted by ブクログ

    最初は「これは本当に名作なのか…?」と思ってしまうほど、登場人物には共感しづらく、物語の展開にも乗れなかった。でも、終盤で一気に印象が変わった。まさか最後の2割で泣かされるとは!
    皮肉で満ちた世界のなかに、じわっと人間の強さや優しさが浮かび上がってくる。最後まで読んで初めてわかる“仕掛け”があって、そこに心を揺さぶられた。読み終えてから物語の構造を思い返すと、いろんなことがじわじわ効いてくるタイプの作品。

    0
    2025年08月03日