浅倉久志のレビュー一覧

  • チャンピオンたちの朝食

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    ヴォネガットの世界観は「タイタンの妖女」でほぼ全て示され、それを補完拡充することがその後の作品。で、その作業の行き着く果て及び結局それを止めた作品。作品というには丸裸すぎるほど生々しい哀しみ。

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    2009年10月04日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    世界大戦によって放射能が降り注ぎ荒廃した地球。国連は火星に植民地計画を実施。適格者(一般人)と特殊者(放射能によって遺伝子が欠損した者)を区別し、適格者には人型ロボット(人と区別がつかない)を配布し移住を容易なものにした。地球の生命はほとんど絶滅し、残留するのが困難なものにした。その中で8台のアンドロイドが地球に逃亡し、人類に紛れて生活している。主人公デッガードは賞金稼ぎである。性格適正テストでアンドロイドを識別し処分する物語。

    この世界では生きた動物が法外な価格で取引されており、動物を飼うことはブランドであり幸せなことである。そのため手軽に購入できる本物そっくりの電気動物を飼うくらい人類が

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    2026年09月12日
  • タイタンの妖女

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    舞台背景が唐突に切り替わり、最後に整合性がとれるので、読みやすい小説ではない。
    だからこそ一度読んだ上で再度読み直したいと感じさせられた小説だった。
    チープな感想だが「人が生きる上での役割・テーマがあるとして、それに準ずるか?自由意志で反発するか?」という葛藤を、安全な第三者目線で観測できる作品。SF特有のスケールが大きすぎる話であることを踏まえて、自分の悩みが些事に感じるほど、悩み、痛み、打破する心情を読めるのは心地よい。

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    2026年09月11日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    最初に情調オルガンや共感ボックスが出てきたときは何をするものなのか分からず面を食らった。共感ボックスは今で言うVRの発展版のようなイメージで読んでいた。

    特に印象的だったのは、リックが人間に感じるべき感情とアンドロイドに感じるべき感情が逆転し、それに気づくことで混乱していく様子だった。アンドロイドは生き物として扱うべきなのかという疑問を投げかけられている場面であり、リックもそれに大いに悩むことになる。

    この作品を読んで、人間とアンドロイドを分けるものは何なのか、そして、アンドロイドは「生きている」と言えるのか、ということを考えるきっかけになった。AIが急速発展してきている現代では、人間と見

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    2026年09月11日
  • ユービック

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    ネタバレ

    電気羊に続いてディック二つ目。京都のディック装画展に行った際にせっかくだから何か買うかと思い、ディックの作の中でも二番目ぐらいに有名(と勝手に思っている)これを手に取った。本当は『流れよわが涙、と警官は言った』も読みたかったがなぜかなかった。電気羊か警官か高い城の男か、と思っているのだが実際知名度的にはどうなんだろう。

    本作は何ともつかみどころのない作品である。舞台はやはり現代よりも技術の進んだ近未来。死後の人を冷凍することで「半生命」として保管し、会いたい時に一時復活させて会える「安息所」という施設がある。またいわゆるエスパー、未来予知やサイコメトリーなどの超能力者の存在が当然のものとなっ

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    2026年09月10日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    重厚で面白いSFのストーリー。
    裏には「人間とアンドロイド、動物と電気動物の境界とは何か」というテーマがある。人間とは何か、生物とは何かを考えさせられる作品。作品の中では共感性と親切さ(命に対する価値)(アンドロイドは自らの存在証明のために命を否定しなければならない)が違いとして描かれていたように思える。

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    2026年09月04日
  • あなたの人生の物語

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    バビロンの塔が全然理解できなくて先行き不安だったけど、他は全部ハマった。
    超絶技巧のガラス細工みたいなSF。最高ラブ

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    2026年09月03日
  • 高い城の男

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    ネタバレ

    史実と異なり、連合国と敗北して、枢軸国が支配した世界線のアメリカを舞台とした作品。作中で、かつて自分たちよりも下だとみなした黄色人種、すなわち日本人にこき使われることでアメリカ人は何を思うのか。また同じく枢軸国であるナチスドイツが残存して指導者を巡って争う描写は、もし枢軸国側の価値観が浸透して、その世界で人々はどのような暮らしをすることになるか、というシミュレーションを考えさせられる。

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    2026年09月02日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    動物を飼うことはステータスになっていて、リックは電気羊しか持っていない、です。(見栄のために)

    ネクサス6型は人間とほとんど見分けがつかないアンドロイドで、ローゼン社が製造した火星で働く労働者で、自由のない労働があった。ルーバは、その一員で、4年の寿命が組み込まれてる。共感性があるか、ということですね。(了)

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    2026年08月30日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    人間とアンドロイドの対立が「感情移入」の有無にある、というテーマが通底していて、思ったより読みやすかった。説明されないことも多いが、SFってそういうもんだよねと思って読めば問題なし。

    アンドロイドは感情移入がなく、そのせいで人間との対立を起こしているように書かれているが、作中の人間も共感性に欠けているのが何とも言えない。身近な人間とは心を通わせられないのに、機械を通して無数の他人とは繋がれることに皮肉を感じる。そもそも「共感」という言葉の意味すら違うのかもしれないと思うくらいに思いやりがない。それがアンドロイドを殺すことへの迷いにつながっていると言えばそうなのだけど。

    読後感は何とも言えな

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    2026年08月30日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    何をおいてもまずタイトルの秀逸さが世界一かも。

    世界観もSFはこうでなくっちゃと思わせてくれるくらい作り込まれていて、引き込まれる。

    一方でストーリーテリングは上手くない(古典に対する評価としては妥当ではないと思うけど)。しかし、この点も読者によくよく考えながら読んでもらうためだとすれば、悪くない。2周はした方がいい作品かも。

    人間とは何か?
    そう思い込むこと。

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    2026年08月29日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    映画版「ブレードランナー」の世界観や映像美に先に触れていたため、これはこれで面白かったのだが、「ちょっと違う話」に思えてしまった(あくまでこっちが「原作」なのだが…)。ただ、デッカードの内面描写(アンドロイドを処理することについての葛藤や職務を遂行することによって生じた疲労など)について、映画版では全くといっていいほど見えなかった面をこの本では読むことができた。あとは、原文も(読んでないけれど)、翻訳も上手いのだろう、文体にハードボイルド味がありテンポが良かった。

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    2026年08月23日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    現在、未来、夢?空想?集団妄想?集合的無意識?
    主人公のひとりレオ・ビュレロがチューZ(薬物…?)を摂取してからが本番で、それ以降堕ちて目覚めたかと思ったらまた堕ちて、堕ちていたと思ったら堕ちていなくて、でも堕ちていて…と言った具合に非現実と現実が入り交じって入ってくる情報が目まぐるしく変化し、自分の見ているものはどこまでが本当で、どこからが非現実なのかがわからない…。読者である私が本当にトリップしてしまっているかのような読書体験でした。


    この本を読んだあとフィリップ・K・ディックの短編集『アジャストメント』の『人間とアンドロイドと機械』を読むと面白いかもしれない。
    人間はどこまで前後不覚

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    2026年08月22日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    火星から来たアンドロイドを廃棄処理するリックのお話だった。共感ボックスやマーシー教などいまいち掴み切れない概念もあって、正直読んでいて難しかった。
    ただアンドロイドに性欲を覚えたリックや、アンドロイドとともにすごしたイジドア、リスを飼うフィルなどを通して、人間とアンドロイドの境目はなんだろうと考えさせられるお話だった。共感こそが人間固有の能力として区別のテストに使われていたが、昨今のAIの盛り上がりを見るとこの能力もアンドロイドにだんだん獲得されるのかもしれないと思うと少し不気味に感じた。
    タイトルの夢を見るか?に関しては、個人的には夢を見ると思った。SF小説のような、少し哲学的なような、初め

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    2026年08月19日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    *ネタバレあり
    SFはおそらく読んだのがある初めて。人間とアンドロイドの境界線はどこにあるのか。アンドロイドが火星から地球に逃げる際、人間を殺して7人で地球にきた。バウンティーハンターの主人公が葛藤の中アンドロイドをハントする。イジドアが一番人間らしく、綺麗な心を持っているとかんじた。
    タイトルのアンドロイドは電気羊の夢を見るのか?という問いには、夢について考えてから答えたいと思います。夢は、人間の記憶の整理と言われることが多く、アンドロイドに視点を戻すと、今回出てくるアンドロイドには脳もあり、記憶もできる。という観点から、私は夢を見ることがあると考えます。
    現実ではロボット、AI分野がものす

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    2026年08月15日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    夏休みに自転車で千葉を一周した。途中雨宿りで立ち寄ったショッピングモールの本屋で、ポップ付きで紹介されていて気になり、後日購入した本。
    暫く積読になっていたのだけれど、最近哲学の本をちらほら読んでいて、心とは?人とは?みたいなテーマで思考を巡らしていてその続きとしてこの本ピッタリでは?と積読の中から手を取った。
    そんな経緯が色々面白い本。SFはほとんど読まないけど、物語自体も面白く読めた。後半特に展開が早くて読み応えがあった。

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    2026年08月15日
  • 逆行の夏──ジョン・ヴァーリイ傑作選

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    太陽が空で逆向きに巡りはじめる水星の夏、少年ははじめて月(ルナ)から来た姉と会った…。人体の可塑性や性(ジェンダー)の流動性をモチーフに、異性の関係性·親密さの多様性を描く至極の日本オリジナル作品集。どの作品も味わい深い。
    「逆行の夏」(2015)ジョン·ヴァーリー
    #読書好きな人と繋がりたい

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    2026年08月09日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    「感情移入が出来るか?」これがアンドロイドと人間の特異点とされていた。アンドロイドは受け答えも情緒豊かで人間らしく、感情も伴っているように見える。しかし他者に共感したり思いやったりすることが出来ない。逆に言えば、人間らしさは他人との関わりによって表れるということになる。愛情に溢れた世界観だなと思った。
     感情移入度を測るテストがあり、それが管轄によって違った方法を用いられていたりして面白かった。

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    2026年08月09日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    表紙がカッコいい。
    頭の中で、ハリソン・フォードを浮かべながら読み進めた。
    古臭さを感じさせない、哲学的な要素が面白かった。
    解明されないまま終わった事柄がたくさんあるところに、読み手の想像力が掻き立てられるのだろう。

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    2026年07月28日
  • あいどる〔新版〕

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    ギブスン橋三部作の第二部。といっても第一部とはほとんど関連がない。現実のスターがバーチャルアイドルと結婚するので関係者がすったもんだする話。1997年に書かれたが、何だ2026年と同じじゃん、ギブスン先取りし過ぎや。こちらも一般人がアバターを使ってのオンライン会議が当たり前となる、電脳空間が身近にある世界。VRゴーグルでのサイバースペースや、その他のガジェットもあるが、バーチャルアイドル/AIと人との融合というテーマが中々面白い。同時に主人公の一人はファンクラブ会員なのだが、成長物語の要素も含まれていたりする。ギブスン、やるやんけ。

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    2026年07月17日