浅倉久志のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
電気羊に次ぐ2作目。電気羊が人間か、アンドロイドか?の曖昧な境界を攻めた作品とするとユービックは現実か、虚構か?という非常に入り乱れた不思議ワールドで、展開で魅せる作品です。
あらすじのとおり、敵となる予知能力者狩りを行うべく、精鋭の能力者11人を集めて、いざ決戦の地、月面へ!という、まさかのヒーローSFものが序盤で展開されますが、ほぼ戦うことなく(笑)、気づいたら時間が逆戻りする訳の分からない世界の話に急展開されます。
一体この世界は何なんですか?と戸惑いながらも、気づいたら不思議ワールドに引きずり込まれ、先が気になって一気読みでした。
あっと驚く伏線回収とか、衝撃のラストとか、そこまでドラ -
-
Posted by ブクログ
SFってスケールの大きさとか展開で見せるイメージ。だけど、この作品はどちらかと言えば人間とは?アンドロイドとは?というように内面にスポットが当たっていて、文学作品の一面も強く、そこが魅力的でした。
血が通ってるか分からないような人間が出てきたと思ったら、まるで人間のように心が通ってるアンドロイドが出てきたり、境界が曖昧な世界だからこそ、上記のようなメッセージ性が強くなっていて考えさせられます。
あとは、動物がほぼ生息していない世界なので、動物の所有自体が社会的なステータスになっていたり、人のなかでも優良・不可みたいな格付けがされていたり、そういった設定もユニークで興味深かったです。
この作品の -
Posted by ブクログ
ネタバレ高校生の私にとって、今までの人生で一番「文学」を感じました。
SF小説ということもあり、世界観を受け入れるため序盤はこんがらがりますが、電気羊などの設定の発想そのものでも楽しめました。
序盤を過ぎると一気に面白くなります。リックは本当に人間なのか、今まで狩っていたのは本当にアンドロイドだったのか?その可能性が浮かんだ瞬間に物語にさらに引き込まれました。
個人的にはフィル・レッシュが非常に好きな人物です。彼のアンドロイドを殺してきた人生と、自身がその憎むべきアンドロイドだと告げられた際の、葛藤を押し殺した「いずれその件は、折を見て決着をつけるさ」という台詞には痺れました。
基本的に最後ま -
-
-
Posted by ブクログ
第三次世界大戦後、汚染した死の灰が地球を覆い、動物達の殆どは絶滅し、植民惑星への移住を進める人類。そんな中リックは地球に残り、アンドロイドを殺して生計をたてていた。電気で動く人工動物と自然の動物、人間と同じように暮らすアンドロイドと、自然の人間。そこに宿る生命に違いはあるのかーーー
すごく面白かった。
アンドロイドを殺してお金を得る、バウンディハンターのリックの視点で描かれることによって、彼のアンドロイドに対する感情の変化や、感情の変化に伴う苦しみや葛藤がひしひしと伝わってきた。こっちは読者という第三者の目線なのだから、アンドロイドはアンドロイドであって人間ではない、と割り切ることができるな -
-
-
Posted by ブクログ
第三次世界大戦後の荒廃した世界。多くの人類は火星に移住しており、地球はわずかな人々と荒廃した都市が残されている。火星で労働力として雇われていたアンドロイドは人類に反抗、脱走し地球に逃亡してきている。主人公はこの感情や倫理観が欠落しているアンドロイドを狩るバウンティハンターとして生計を立てており、最新鋭のネクサス6型と呼ばれるアンドロイドを4体狩るように依頼されるところから物語が始まる。
アンドロイドとは何か、そして人間とは何かをテーマにしたSF小説。地球は放射線に汚染されており、動植物の多くは絶滅しており、生きた動物は富の象徴であると同時に人間らしさや倫理の証明とされており、動物、そしてアンド -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公のリックがバウンティ・ハンターを職としている設定から華氏451度に近い物を感じる。
ただ世界観が丸で違う...著者が哲学を体現するために用意したような世界。
一番の違和感は最後に三人のアンディーを処理する場面かな。リックやイジドアの心理を描写する場面が長いのに対して、クライマックスに当たるであろう箇所が異常に短い。
恐らくアンディーに対してリックが抱く感情はそこまで、深堀りたくなかったんじゃないかなと思う。やっぱりアンディーが論理的に動いているだけだ。というのを徹底している。それがまたゲームの『デトロイト・ビカムヒューマン』や映画の『アイロボット』と珍しい不気味さを感じる。イジドアの -
Posted by ブクログ
ヴォネガットが臨死体験をしたというのはたぶんホント。それがアイデアの発端。天国の門まで行って引き返してくるが、門のところを歩いているだれかにインタビューする。そのだれかが20人。
冒頭のだれかは、亡くなったばかりの発達心理学者のメアリー・エインスワース。子どもと親の心理的絆、愛着の研究で有名。赤ちゃんで亡くなった場合、天国での愛着の形成はどうなるか、それに答えている。
メアリー・シェリーへのインタビューがおもしろい。エンディングは傑作。(トリビアもある。メアリーは2人の子を産んだあとに、あの『フランケンシュタイン』を書いた。まだ20歳にもなっていなかった!)
しかし、小道具&タイトルに、あの医 -
-
Posted by ブクログ
以前から読もう読もうとして先延ばしになっていた本作。正月休みを利用して読みました。ちなみに、この本が原作となった映画「ブレードランナー」も録画はしてるけどまだ観ていないので、逆先入観なく読みました。
結論、予想以上に“よかった”です。おろしれーっ!っていうより、いや、よかったこれ、なんか得した気分、なほうの“よかった”です。
独特な雰囲気に最初は雰囲気先行ちりばめ乱発うやむや逃げ切り型かと危惧しましたが、しっかり情緒的エンディングまで持ってってくれました。他の作品も散発的に読んでみたくなりました(あ、トータルリコールも、そうなんだ)が、まずは録りためた映画(確かディレクターズカット版)から観て