浅倉久志のレビュー一覧
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フィリップ・K・ディックの長編SF小説。
1968年刊行。(原作)
映画版は日本では「ブレード・ランナー」として知られている。
舞台は核戦争によって荒廃した地球。放射能の死の灰から逃れるべく、人類は高性能なアンドロイドを連れて他の惑星を開拓・移住しはじめていた。
主人公であるリック・デッカードは植...続きを読むPosted by ブクログ -
頭空っぽにして楽しんで読めるか、というと難しい
短中編のあつまりだが、どの話も登場人物の置かれた状況を理解し、十分想像しなければ味わいきれない。世界観が考え込まれた「世にも奇妙な物語」というと、軽すぎるだろうか。
表題作「あなたの人生の物語」がやはり秀逸
SFではなく、人生の物語Posted by ブクログ -
人間とアンドロイドと、境界を見失い混迷する自我。
いわゆるSF、とされる作品群を読んでいると、社会と個人との切り離せなさを感じることが多い。
蜘蛛の足を切り落としていくアンドロイドが、めちゃくちゃ怖かった。ふと立ち現れる加害性、みたいなものを書くのが上手いなあ、と思う。Posted by ブクログ -
アメリカの作家ウィリアム・リンクとリチャード・レヴィンソンの共著の長篇ミステリ作品『レヴィンソン&リンク劇場 突然の奈落(原題:Shooting Script and Other Mysteries)』を読みました。
ウィリアム・リンクとリチャード・レヴィンソンの共著は、昨年3月に読んだ『刑事コロン...続きを読むPosted by ブクログ -
リック・デッカードの心理的な変化がおもしろい。
冒頭は模造動物などに対する嫌悪感をあらわにする。
ルーバー・ラフトというオペラ歌手を処理したあたりから,アンドロイドに対する見方が変わる。
最終的には,「電気動物にも生命はある」とさえ述べるようになった。
生成AIが急速に広がっている現代。
生命とは...続きを読むPosted by ブクログ -
前半部分はかなり辛くて、全くページが進まなかったですが、レイチェルが出てきたあたり(1/3くらい)から一気に入り込むことができました。
逆にそこまで我慢できないと楽しめない1冊だと思いました。
今後、こういうアンドロイドが出てきて、人間とは違うものなんだ!というので完全に生物じゃないものとして接す...続きを読むPosted by ブクログ -
最初は良くわからない単語が多いのと文章が硬くて目が滑りがちでしたが、半分ぐらい読み進めると世界観にピントが合って気にならなくなりました。
人間、アンドロイドの葛藤。色々考えさせられますね。
個人的には蜘蛛が出てくるシーンが好きです。
アンドロイドと人間の蜘蛛に対する反応の違いが、アンドロイドは非...続きを読むPosted by ブクログ -
ネットもない当時でこの内容を書けたという驚き。
とはいえいずれ人間とアンドロイドの区別がつかなくなるだろうという可能性は多いにある。
その時に恋や心情が双方に芽生えるか気になる。Posted by ブクログ -
アンドロイド×人間の基本のキのような話。めちゃくちゃディストピアな埃まみれの世界。どうやって食料や水を確保してるんだろう、まだワインや桃は一応存在してるようだし、、とこの世界の人々の日常生活が気になる。乾いた文章が妙にSF感を持たせていて良かった。静かなアクションで、アンドロイドと人間の差異について...続きを読むPosted by ブクログ
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展開にハラハラさせられて面白かった。特に、主人公がアンドロイドと人間をフォークト=カンプフ改良検査法で見分けていく前半部分がとても面白かった。読んでいく内にこの人はもしかしてアンドロイドなんじゃないか?とか、主人公も偽の記憶を植え付けられたアンドロイドなんじゃないか?とまんまと疑心暗鬼にさせられた。...続きを読むPosted by ブクログ
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映画ブレードランナーで原作に興味を持ち読みました。
人とAIを分けた「感情移入」というテーマは、人間関係が希薄化した現代にどこか通じる所を感じました。
まだまだ消化不良なので、再読したいと思います。Posted by ブクログ -
科学的描写の細かなことに驚きながら読んだ。その点では比類なき名作と呼んで然るべきだろう。
ただ、あとがきにある通り登場人物も科学的描写を裏付けるいちパーツでしかなく、ゆえに人間味が感じられない味気ない描写が多い。私は、正体不明のウイルスに不気味な怪人のような人間性を感じながら読んでいたのだが、それ...続きを読むPosted by ブクログ -
SF
「第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では生きた動物を持っているかどうかが地位の象徴になっていた。人工の電気羊しかもっていないリックは、本物の動物を手に入れるため、火星から逃亡してきた〈奴隷〉アンドロイド8人の首にかけられた莫大な懸賞金を狙って、決死の狩りをはじめた! 現代SFの旗手ディックが...続きを読むPosted by ブクログ -
「わたしはあなたと物の感じかたも考えかたもおなじだ。たとえおおぜいの人は知らん顔でも、あなたが大切に思っていることを、わたしは大切に思っている。あなたはひとりではない」これは、小説を、物語を読む動機の一つだと思う。自分みたいな考えや感じかたを持つ他人が、何を感じ、どう生きているのかに興味がある。Posted by ブクログ