浅倉久志のレビュー一覧

  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    前から読みたかった一冊。この度めでたく復刊ということで、やっと手にすることができました。
    この社会において人間を人間として扱うことがいかに難しいことであるか。そして救いの手を差し伸べる者が一人でも残っていさえすれば、この世界は必ず良くなっていくはずというヴォネガットの祈りと願いを感じました。

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    2026年02月07日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    1.アンドロイド
    途中からだれがアンドロイドか(というより、リックがアンドロイドか)にハラハラした。アンドロイドにも人間味があってあたかも人間のよう。「人間とはなにか」というSFっぽい問いがストレートに表現されていてよかった。人間とアンドロイドの差がエンパシーに存在するのだろうか。それは反応で計量可能なのか。

    2.設定
    映話、電気動物、情調オルガンとかの設定面白かった。マーサー教はよくわからないまま読んでしまった。

    3.ヒキガエル
    最後の最後にヒキガエルを見つけて喜んでいるリックはまさに人間っぽさがあった。前半は仕事人でアンドロイドのようだとすら感じたのに。

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    2026年02月01日
  • スキャナーに生きがいはない

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    読んでいる最中にふといつの本だ?と思い奥付をみたら70年前に書かれた話 宇宙というか、SFへの解像度が鮮明すぎる 作者の頭の中にはどんな世界が広がっていたのかな

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    2026年02月01日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    ネタバレ

    社会からキじるし扱いされても、滑稽でも、
    「目の前の人に対して、ちょっとだけ優しくある」ことをやめなかったエリオットが愛おしい。
    最初は入り込みにくかったけど、どんどん引き込まれていって心を掴まれました。特別な1冊になりました。

    ラストのトラウトの言葉が全てを凝縮させていて泣きそうになった。

    そして「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」というタイトルは、作中でエリオットではなくフレッドに向けられたセリフだった。
    フレッドの存在についても、すごく考えてしまう。

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    2026年01月30日
  • あなたの人生の物語

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    ネタバレ

    初テッドチャン。ごりごりのSF作家だと思い込んでいたのですが、結構神話の世界を物理で語りきる作品もあって、なんだかちょっとファンタジーな雰囲気もあり新鮮な感じ。スターウォーズのように、観たり読んだりしている最中よりも、考察を余儀なくされる感想文を書くこの時間が一番楽しくなる作品。
    考察すればするほど、そもそも欧米と日本の価値観の違いが浮き彫りになる。
    日本語に ままならない という言葉があるように、人間や人生というものはどうしようもない側面があるものだという前提を含んでいるのに対し、
    欧米は 人間=この世の支配者 説明がつけばコントロールできるものである というスタンスがあるように思う。
    この

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    2026年01月29日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    『猫のゆりかご』の2年後の作品。どこか風味が似ている。ウィットとユーモアたっぷり、実によくできている。
    エリオット・ローズウォーター。大富豪、ヒューマニスト、慈善家、インテリで、歴史好き、そして酒好き。そのハチャメチャな生き方。箴言もたくさんある。一番気に入ったのはこれ。「けちけちするな。親切であれ。芸術と科学は無視してもいい。どちらもだれのためにもならないからだ。」
    エリオットの好きなSF作家はキルゴア・トラウト。66歳、現役の倉庫係。87冊のペイパーバックを出しているものの、ほぼ無名。代表作は『2BRO2B』、ツービーアーノーツービー。数ページ出てくるだけなのに、強い印象を残す。

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    2026年01月07日
  • 青ひげ

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    読んでいるときの感覚は星4くらいだったのだが、そのあとに思考を整理するために感想を長々と書いていたら、とてもよい小説だったなと思い改めた。
    以下、感想。

    ✴︎✴︎✴︎✴︎

    「青ひげ」の主人公・ラボー・カラべキアンは元画家の老人で、海辺の屋敷で大量の美術品を抱えながら独り暮らしている。コックやその子供、使用人もいるが独りである。彼が二番目の妻と長年暮らしたその屋敷は今ではコックの娘が友達を連れてきて好き勝手に遊んでいる。そして妻にさえ見せなかったジャガイモの納屋が建っている。
     そこにサーシ・バーマンという女性がやってくる。彼女はアメリカで大活躍中の作家であるが、彼にその姿は明かさず、海辺で

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    2025年12月27日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    SF小説というと、独特の世界観を理解するのに
    苦労するんだけど、
    これはブレードランナーを映像で見て
    あらすじが頭に入ってるからなのか
    すっと本の中身に入っていけた。

    想像したよりも読みやすくて、面白い。

    GPT 4は寄り添った会話をしてくれたが
    GPT 5は冷たい、なんていう会話がなされる
    生成AIが登場した現代の目線で読むと
    共感・感情移入が人間特有のものという主張について
    考えさせられる。

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    2025年11月18日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    ネタバレ

    もし唐突に自分がアンドロイドだと告げられた時、またはアンドロイドだと気づいてしまった時自分はどういう反応をするだろうか。或いはこの命題は自分が人間だから行えるもので、アンドロイドはこんな思索も行わない機械に過ぎないのか。
    人間らしい人間。人間らしいアンドロイド。アンドロイドらしい人間。アンドロイドらしいアンドロイド。
    リックデッカードははじめ、人間とアンドロイドは相容れない物として、簡単に引金を引ける存在だと断言していた。しかし、物語が進むにつれて、考えに確信がもたなくなっていった。死ぬ前に、ムンクの画集を買いたいと言った者、彼が一夜を共にした者、色んなアンドロイドがいた。人間でも、人間らしい

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    2025年11月15日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    面白い。
    古いSFですが作者の主題は「人間」そのものです。

    人類としての生存と命の存続を描くSFではなく、
    アンドロイドを、「精神的に孤立する人」として描き、
    同じ種族なのに「共感」がわからないという特徴があります。
    排除される理由はそれだけ。

    灰が降る惑星となった地球で人類は生き永らえようとするも、少しずつ種全体が衰えてきます。選択したのは「火星への移住」。多くの人間がそうであるように移住には不安がつきまとう。政府が用意したのは『アンドロイドを一体プレゼント』という破格の条件。大勢の人類が移住を決めた。

    物語は、移住が叶わず残された人類が住む地球。「マーサー教」を信仰し生活を続ける。マ

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    2025年10月31日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    とても面白かったです。

    登場人物が人間なのか、アンドロイドなのか、度々ぐらつきます。生き物なのか、そうでないのか。

    読んでいて、アンドロイドにも、優しさを期待したくなっていました。けど、その期待は裏切られる一方で、人間にも裏切られることはあるなぁと思って、読んでいて色々とぐらつきます。

    本作品は、SF特有の世界を表現するための説明描写は少なく感じました。この作品の面白さは、トリックどうのこうのという話ではなく、人間とアンドロイドの違いは何なのか?物語を通じて常に問われる緊張感というか、不安にあると思います。

    人にもアンドロイドにも優しくしちゃうし、ブレブレで、その狭間で苦しんでしまうの

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    2025年10月31日
  • あなたの人生の物語

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    「メッセージ」を先に観た。映画を観た記憶およびこの作品を読んだ記憶を消して再度一から読み直したいと思えた初めての作品かもしれない。

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    2025年10月14日
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

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    かなり面白い。不法なアンドロイドを処理する仕事をしている主人公が、処理すべきアンドロイドに惹かれたり、逆に、嫌悪感を抱いた人間をアンドロイドだと疑ってかかったりする様子には、何か考えさせられるものがある。
    仮に完璧なアンドロイドが存在したら、人間との違いはなんだろうか?それを見分けることはできるのか?この本を読んで色々思案してみるのも楽しいと思う。

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    2025年10月10日
  • タイタンの妖女

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    いままで出会った中でいちばん、なんというか判断に困る物語だった。
    ユーモラスなのか哀しいのか、感動的なのか単なるドタバタ劇なのか。教訓めいた説話のようでもあり、そのじつ何の意味も読み取れないほど難解だった気もする。
    運命と自由意思、そういったものは確かにテーマの一つではあるのだろうが、それだけでこの物語全てを片付けることは到底できない。

    ただ確実なのは、他のどんな物語よりも奇想天外で荒唐無稽だったこと。陳腐な表現だがオンリーワン、そうとしか言い表せそうにない。

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    2025年10月02日
  • あなたの人生の物語

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    映画「メッセージ」の原作である表題作が収められた、短編集である。
    どれも良い読書体験ができたが、やはり映画を先に見た私としては「あなたの人生の物語」が一番印象深い。

    地球外の知的生命体との交流によって目覚めを経験し、時間軸が狂うことで人生を理解することになる女性。
    過去から未来へ続いていく時間軸の中では、言わば知らぬが仏の状態で手探りの道になる。
    これが普通の考え方である。
    でも未来に起こることを知っていたら?
    それが悲しく耐え難い出来事だったとしたら?
    進もうとしている道をそれでも歩めるだろうか?

    覚悟と理解が必要だ。
    進むと決める覚悟。
    行くの?なぜ?その答えを自分で理解すること。

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    2025年09月27日
  • あなたの人生の物語

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    ネタバレ

    とても面白かった。
    一つ一つの短編が骨太であり、読むのに時間がかかってしまったが、楽しい読書体験だった。
    一つづつ振り返っていこうと思う。

    「バビロンの塔」
    この短編集の中で一番読みやすかった。
    情景描写が見事だった。

    「理解」
    詳細な描写に思わず読み込んでしまった。

    「ゼロで割る」
    一回読んだだけでは意味があまりわからなかったが、何回か読み直したり、考察サイトを見ることでやっと理解できた。
    レネーは自身が発見した形式的発見によって自分の中の既存の世界が崩れてしまい、自殺未遂をしてしまうほど追い込まれる。恋人であるカールは、自身がかつて自殺未遂をした際、その時の恋人に傷を癒してもらった経

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    2025年08月31日
  • 高い城の男

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    ネタバレ

    枢軸国と連合国の勝利逆転if小説ですが、架空戦記ではなく人間関係や各各々の国の人間性を詳しく描かれ、敗戦国から全てを取る戦勝国などが詳しく描かれていてとても面白かった。恐らく史実のアメリカが史実の日本にソ連がドイツに置き換わっているのでしょう。

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    2025年08月29日
  • スキャナーに生きがいはない

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    謎多い作家コードウェイナー・スミスの人類補完機構シリーズを年代記風に並べた短編集(50年代から発表されておりエヴァンゲリオンとは全然関係ない)。古いSFマガジンで何かの短編を読んで衝撃を受けて以来虜になってししまった。

    物語は第二次大戦のナチスの話から1万6千年先までの人類の趨勢が描かれています。戦争によって人類は絶滅しそうになるのですが、そこからの復活がなんとも皮肉が効いていて印象的です。非常なドライでもなくかといってベトベトウェットでもなく、その一歩引いた姿勢がかっこいい。ドイツ人以外の人類を殲滅するための人間狩猟機(メンシェンイェーガー)が何千年も経て文明が崩壊しマンショニャッガーとな

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    2025年08月28日
  • タイタンの妖女

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    これまで読んできた本の中でもトップクラスで難解だった。
    『この世界は全て何者かに決定づけられているのか?それらの運命から自由な意思は存在しないのか?』というのが本作のテーマ。本作には、その絶対的な力を持つ男ラムファードが登場するが、彼は主人公コンスタントの行く末を最後まで言い当てることはできなかった。
    この事から、作者自身も、本作のテーマに明確な答えは持っていなかったんじゃないかな。コンスタントには救いもなく不遇だったけど、最期に報われてよかったと思う。

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    2025年08月27日
  • あなたの人生の物語

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    SFが苦手でなければ是非読んで欲しい短編集
    異星人とのファーストコンタクト
    表題作「あなたの人生の物語」
    斜線堂有紀がオマージュ作を作り、神が実在する証拠にあふれた
    「地獄とは神の不在なり」
    SFな世界観でひたすら空高く目指す
    「バビロンの塔」
    バカSF
    「ゼロで割る」
    風刺SF
    「顔の美醜について」
    本当にレベルが高い豊かな読書体験が出来る
    難点は著者の作品がなかなか出ないこと
    富樫先生と共に待っています 感謝の正拳突き

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    2025年08月24日