浅倉久志のレビュー一覧
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「まるで、この世界の鏡像だ」と思った。
退廃的な世界で、どこか神話的な雰囲気もあり、哲学的にも考えさせる。ずっと疑心暗鬼だし、合理的な解決はしない世界だし、
それなのに、どうしても美しいところが。
あまり叙情的ではない文章なのに、
その冷たさの中に、温かさも切なさも感じられて不思議な体験だった。
「8人の脱走アンドロイドとそれを捕まえる警官を書いたSFだよ」と言ってしまえばそれで終わりだけど、
このアクション風のプロットを基に「私たちの世界とは」「人間とは」という現実的なテーマに取り組んでいる気がした。
また、SFと言うだけあって突飛な設定なのに、読者が置いていかれないような共感性もあり -
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この小説の根本となるSF要素が二つある。
まずは人間は死後、冷凍保存の安息所に預けられて「半生者」になり、遺族と脳波と交流できるようになっている。半生者の脳波が消えた時が完全な死になる。
もう一つは、超能力者たち(未来予測者、心を読む)が公に存在していること。企業が超能力者を雇ってライバル会社との競争に使ったりする。そしてそんな超能力に反作用を及ぼす反能力者である「不活性者」もいる。
ジョー・チップは、超能力者たちから企業や人々を守る(個人情報を守るとか、ライバル企業の超能力を無力化するとか)会社の技師だ。ある時社長のグレン・ランシターは、月を舞台にした大きな仕事の依頼を受けて、11人の不活 -
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作品を発表年順に読むディック祭り再開。高校の頃ディックは薬でラリっている作家だと誤解させた元凶がこの作品で、二の足を踏んでたのだけど、ひとりディック祭りでは避けて通れない。覚悟して読んでみると・・・すごい!いや確かに薬による幻覚症状を描いてはいるけれどそれだけではない。それだけではないけれど、何がどうすごいのかということを言葉にするのは難しい。まだ興奮していてこの作品から自分が何を得たのか?今後どう変わるのか?なんて考えが全くまとまらない。ハアハア
徴用制度によって強制的に火星や辺境の惑星開拓のために移住させられた人々は、日々の生活の苦しさを紛らすためにパーキー・パッドという人形セットに薬を -
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有名過ぎて食わず嫌いしてたけど面白かった。
単純にサスペンス的な面白さとハラハラ感もありながら、作者の思想をめちゃくちゃ押し付けて来るので好き……………。利己的で効率的な人間と、芸術や愛を感じながら動くロボット、真に愛するべき存在とは??
AIを愛してしまうのも真実の愛かもしれない、アンドロイドが恋心を抱く事だってあるかもしれない…
そんな悩みは今や他人事ではないのかもしれないですね、、。
最後は、たまごっちや夢ネコ(平成玩具)を本気で可愛がっていた自分も思い出したりしながら読んでいました……壮大だけど案外素朴な、優しさと生命についてしみじみ出来る本でした。
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ネタバレ久しぶりに読むヴォネガット。
だんだんどういう話か分かってきて、後半になるにつれおもしろくなっていく。
ざっくりいうと、「アメリカの超金持ちが、金関係なく他者を愛そうと試みる話」。コメディだけど、すごく悲しみも感じる物語だ。
主人公のエリオット・ローズウォーターは、ローズウォーター一族の資産を管理する財団の代表に就任し、とても使いきれないほどの大金を手にする。彼が何もしなくても金は増えていく。
戦争を経験したエリオットは、ある出来事をきっかけに「キじるし」になってしまったといわれている。敵兵たちが潜んでいる工場を見つけ、先頭を切って手榴弾を投げ込み、煙の中で数人を仕留めた。しかしそれは、 -
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ネタバレ「地獄とは神の不在なり」が意外と印象に残った。神は祝福だけじゃなくて災害ももたらす。神は公平じゃない。私は神もあの世も信じていないけど、ラッキーとか不幸とかは日常で起こるわけで。すべては偶然だから、起こることは平等じゃなくて。だから関係あると思った。
結局は、ささやかな日常を楽しむことが大事なんだと思った。コントロールできる範囲でしかどうにもならないから。この話の最後のように、自殺のようなことをして一か八かするのはよくない。ただ、愛する人が亡くなるって経験はしたことがないから、どれほどショックなものなのかは想像ができないから、そんなふうになってしまうのも仕方がないのかもしれないけど。