浅倉久志のレビュー一覧
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ネタバレ貧しき人々に惜しみなく財を与える億万長者・ローズウォーター氏」を狂気の塊として扱うこの作品。他のヴォネガット作品よりはあっさりしているなあと読み進めていたけど、以下のフレーズは、「生産性」という言葉に揺れる今の日本にとって暗示的な内容だった。
「規模は小さいものだけれども、それが扱った問題の無気味な恐怖というものは、いまに機械の進歩によって全世界に広がってゆくだろうからです。その問題とは、つまりこういうことですよ──いかにして役立たずの人間を愛するか? いずれそのうちに、ほとんどすべての男女が、品物や食糧やサービスやもっと多くの機械の生産者としても、また、経済学や工学や医学の分野の実用的な -
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ネタバレ「ユービック」とは「ubiquity(いたるところに存在すること、神の遍在)」を基にした造語(同じ語源の言葉としては、IT用語の「ユビキタス」などがあるよう)。作中では、各章の冒頭に「ユービック」の広告が掲載されており、それが車であり、ビールであり、コーヒーであり、鎮痛剤であり、銀行であり、女性用下着でさえあるという不気味なほど万能の商品として、まずは読者へ紹介されている。
物語は、超能力者を狩る反超能力者(「不活性者」)集団が、陰謀に巻き込まれ、現実か幻想か判断のつき難い世界を彷徨うというもの。細部が書き込まれているのに、全体としては白昼夢のように捉えどころのない、ディック独特の世界が描か -
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なんか話が複雑で追いかけるのがしんどかった。フレッドとアークターが混じっていくとことか、カウンセリングの場面とか、何がおきてるかさっぱりわかんなかった。
後半のどんでん返しはなかなかショッキングでよかった。中盤がだれていて読み続けるのがしんどかったけど、終盤のあたりは展開が早くてテンポがよかった。
ドナの悲しみが深くうかがえるし、上司の気遣いもまた同様に悲しい。
そして、ラストシーンは本当に鮮やかだったなー。青い花、混濁した意識の中でふと思い出したともだち、誰なのか具体的にはもうわからなくなってしまったけど覚えている。フレッドとしてのかりそめの生活が、実は彼にとっては本物だったという。 -
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面白かった( ´ ▽ ` )ノ
どんなふうに面白いかは、解説でゴー先生が書いているとおり( ´ ▽ ` )ノ
もう、あれは完璧な解説だね( ´ ▽ ` )ノ
書き足すことは何もないや( ´ ▽ ` )ノ
前半の手術シーンの書き込みはさすがクライトン( ´ ▽ ` )ノ
後半のシリアルキリングはまさに「羊」の前駆( ´ ▽ ` )ノ
まあ、ラストに何の余韻もないとことか、人物が薄めだとか、問題はないでもないけど、いま読んでも存分に楽しめる( ´ ▽ ` )ノ
話は極端にシンプルだから、映像化したらかなり安っぽくなってたろうな( ´ ▽ ` )ノ
2017/03/01 -
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『アンドロメダ病原体』マイケル・クライトン 著。
原題"The Andromeda Strain" Michael Crichton
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軍の人工衛星がアメリカの小さな町に落ち、そこに未知の病原体が付着していた…。
そこで、秘密裏に作られた組織がこの病原体を解明するサイエンス・フィクション。
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マイケル・クライトンは、フィクションをノンフィクションのように描いて、臨場感と緊迫感にドキュメンタリーを読んでるようで、夢中になってしまう。
作中に出てくる統計表や格言が現実感を増して、子供の頃は本物だと思ってしまったな 笑
あの書き方はすごい。
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彼はこの作品を医学生の時代に書 -
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ネタバレ円城塔に煽られて。ヴァーリイ初読。
1作目『逆行の夏』を読んだところではあまりピンと来ていなかったのだが、3作目『バービーはなぜ殺される』あたりからじわじわとハマっていった。SFではあるが文学であり、今こことは異なる地平の世界において、人々は何を感じ、どうやって生き、何を愛するのかという愚直な筆致に心を惹かれる。それは『残像』や『PRESS ENTER ■』での地続きな地平もあれば、こことは全く別の地平もあり、短編間で飛躍する視野が楽しくもあった。
後半3作が特に白眉だった。『残像』で、再び訪れたときのコミュニティの変化、彼らはどこに行ってしまったのだろうという寂寥感。『PRESS~』のな -
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「まさかヴァーリイをご存知ない。なにも失くしたことがないならそれでいいけど。」
すみません、読んだことありませんでした。ということで、円城塔氏の帯文に煽られ購入した本書は、ジョン・ヴァーリイの短篇集「逆行の夏」。ヴァーリイといえば、1970~1980年代に活躍し、サイバーパンクの先駆け的存在として名高い作家…ということは知っていたのですが、読むのはこれが初めて。どんな作風なのかとワクワクしながら読み進めましたが、これがもうおもしろい。特に「残像」と「PRESS ENTER■」にやられました。前者のラストには、思わず「うぉぉい、まじか…」と言葉が漏れてしまう一方、後者は、極めて良質なSFスリラ -
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表題作はボーイ・ミーツ・ガールものというか家族ものというかで、まあ普通かな?という感想だったのだけど、収録作「残像」と「ブルー・シャンペン」がすごく良かった。特に女性にお勧めしたいSF小説。
「残像」。視聴覚障害者だけが暮らすのコミューンに辿り着いた作家志望の中年男の異文化コミュニケーション体験談という感じなんだけど、触覚に特化したそれはとても官能的で感動的。そしてラストで感じる恐怖、安堵、喪失感。なんで泣いてるのか自分でもよくわからなかった。
「ブルー・シャンペン」は脊髄損傷で肢体不自由となり、黄金で出来た外骨格のおかげで自由を取り戻しメディアスターとなった女性と愛を交わすお話。これも -
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