浅倉久志のレビュー一覧
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フィリップ・キンドレッド・ディック作、浅倉久志訳のSF長編。
ディックの名短編『パーキー・パットの日々』を下敷きに、架空のドラッグによる、共同幻想への没入、過去への回帰、物質への転生、それら幻覚の現実世界への侵食…といったトリップ体験を融合させている。
ディストピア小説でありながら、ドライな筆致、零...続きを読むPosted by ブクログ -
ポップな表紙絵とは裏腹にハードな世界観のSFが多く収録された短編集。
ビターな余韻の作品が多いが間違いなく良質である。
『PRESS ENTER ■』に描かれたコンピューターの姿、『残像』に描かれた人間の姿、どちらも感慨深い。Posted by ブクログ -
なんか話が複雑で追いかけるのがしんどかった。フレッドとアークターが混じっていくとことか、カウンセリングの場面とか、何がおきてるかさっぱりわかんなかった。
後半のどんでん返しはなかなかショッキングでよかった。中盤がだれていて読み続けるのがしんどかったけど、終盤のあたりは展開が早くてテンポがよかった。
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短篇集で一編ごとが読みやすい。しかし理解と判断は少し難しいように感じた。SFっぽくないと思うものもあったが、全体を通して少し不思議、そして何かしらの法則、ロジックを感じることができたように思う。個人的には、所々に伊藤計劃と似た雰囲気を感じることがあった。Posted by ブクログ
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『アンドロメダ病原体』マイケル・クライトン 著。
原題"The Andromeda Strain" Michael Crichton
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軍の人工衛星がアメリカの小さな町に落ち、そこに未知の病原体が付着していた…。
そこで、秘密裏に作られた組織がこの病原体を解明するサイエンス・フィクション。
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マ...続きを読むPosted by ブクログ -
円城塔に煽られて。ヴァーリイ初読。
1作目『逆行の夏』を読んだところではあまりピンと来ていなかったのだが、3作目『バービーはなぜ殺される』あたりからじわじわとハマっていった。SFではあるが文学であり、今こことは異なる地平の世界において、人々は何を感じ、どうやって生き、何を愛するのかという愚直な筆致...続きを読むPosted by ブクログ -
「まさかヴァーリイをご存知ない。なにも失くしたことがないならそれでいいけど。」
すみません、読んだことありませんでした。ということで、円城塔氏の帯文に煽られ購入した本書は、ジョン・ヴァーリイの短篇集「逆行の夏」。ヴァーリイといえば、1970~1980年代に活躍し、サイバーパンクの先駆け的存在として...続きを読むPosted by ブクログ -
基礎知識が定まらないのと
まだこれしか読んでいないので
評価は難しいのだけど
舞台や道具はともかく、物語の中にある
人間的な部分、ロマンチックな思いは
いまも色あせないのではないか。Posted by ブクログ -
表題作はボーイ・ミーツ・ガールものというか家族ものというかで、まあ普通かな?という感想だったのだけど、収録作「残像」と「ブルー・シャンペン」がすごく良かった。特に女性にお勧めしたいSF小説。
「残像」。視聴覚障害者だけが暮らすのコミューンに辿り着いた作家志望の中年男の異文化コミュニケーション体験談...続きを読むPosted by ブクログ -
テープとか出てくるブツは、いまから思えば
前の時代と感じることもあるけど、書かれたのは30~40年前。
未だ実現されていない(実現途上)というだけでなく、
感覚として、技術だけではなく扱っている世界やテーマが、
現在の世界の、まだ未来か、現在進行という感覚を覚える。Posted by ブクログ -
あまりSF文学には馴染みが無かったのでこれがほぼ初挑戦。海外文学も文体が苦手な事が多いのだけど読みやすかった。視点、状況設定、モチーフ等ユニークなものが多い。表題の伝道の書に捧げる薔薇も、SFでありながら古典文学や神話の雰囲気を出しながらロマンチックで切ない話でとても良かった。個人的にとても好きだっ...続きを読むPosted by ブクログ