浅倉久志のレビュー一覧

  • 伝道の書に捧げる薔薇
    ゼラズニイ再発見!
    長編読んで、いままでピンとこなかったゼラズニイの60年代短編集。

    実はおもしろかったんだな。サイエンスはないけれど、詩的で神話的な題材が多い感じです。というとファンタジーに流れるのは必然なのかもしれません。アンバー・シリーズに挑戦してみるか?
    その前にコンラッド再挑戦かな。
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕3
    1,2よりも面白かった。
    『男がみんな兄弟なら、そのひとりに妹を嫁がせるか?』
    『代用品』
    『行け行け行けと鳥は言った』
    『幸福な種族』
    『政府印刷局より』
    『破壊試験』
    『カーシノーマ・エンジェルス』
    が印象に残った。
  • 自由未来
    核戦争後に生き残った人々のサバイバルストーリーかと思いきや、割りと早い段階でその期待は裏切られる。最初はビバヒルでも観てるかの様なアメリカンなノリについて行けなかったが、そこはハインライン先生。書かれた当時の時代背景がビシビシだけど、なんだかついつい惹きこまれちゃう。最終的に満足するから不思議。
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕
    いや〜めくるめくディックの世界を堪能した。特に終盤は「幻影か現実か」「エルドリッチかメイヤスンか」で、エンドレスなマトリョーシカ状態。短編の方も読んでみたい。
  • タイタンの妖女
    SF。
    序盤は、設定も会話も奇妙で、なんとも分かりづらい感じ。
    4章、舞台が火星に移ってからは、ストーリーが進んでいくのが分かり、読みやすくなった印象。
    水星の生物"ハーモニウム"の描写がとても好み。
    エピローグは、何故か良い話っぽく終わって、読後感は爽やか。
    SFとしても、冒険ものとしても、単純に...続きを読む
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕 1
    どんな本かって?
    日本で大森望が編んでるNOVAの様な本。
    米国で半世紀以上前に編まれたもんだけどねー

    曖昧な記憶の中ではエリスンは感じの悪い評論家だった。
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを
    和田誠の表紙と題名にひかれて手にした高校生の頃。中身はほとんど覚えてないけど「愛は負けても親切は勝つ」て文章だけは刻み込まれた。
  • サンディエゴの十二時間
    その後のクライトンの片鱗が見える中編。心理戦がメインだが、せっかlくの思想犯狂人設定のヴィランの背景はもっと描写すべきで、深さやクールさが足らなくもったいない。国務省内部やペンタゴンとの確執。せっかく癖のあるニクソンの時代背景なのだから、いくらでも自由自在に話を広げられたはずだ。その後のクライトンの...続きを読む
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを
    他の多くのヴォネガット作品と共通して、エリオット・ローズウォーターの行動原理は第二次大戦でのトラウマに端を発している。軽く可笑しく展開している物語のなかで、戦争中に誤って少年を刺し殺してしまう述懐だけが異様に生々しく、温度が違っているように感じた。終盤でエリオットが大勢の子どもを持つ、という第三の選...続きを読む
  • 逆行の夏──ジョン・ヴァーリイ傑作選
    SF。短編集。
    「逆行の夏」「さようなら、ロビンソン・クルーソー」は既読。
    全体的に高品質。美しい。あとエロい。
    特に、目と耳に障害を持つ人々だけの世界を描いた「残像」が素晴らしい。とても感動した。
    奇妙なSFミステリ、「バービーはなぜ殺される」もミステリファンとして高評価。
    あと、帯の円城塔さんの...続きを読む
  • デッドアイ・ディック
    行動も思考もほんの少し周りとずれているだけなのに糾弾する空気はどの社会においても大差ないだろう。そこに宗教が介入しても解決するとは限らない。虚構か現実かは問うなかれ。その人の感情に触れてみる。私もそれを疎かにしていることを猛省する。救う救われる。それはボランティアという奉仕活動ではなく日常における言...続きを読む
  • ユービック
    「ブレードランナー」「トータルリコール」
    は見たことある。

    フィリップ・K・ディック総選挙の一位になったとか帯に書かれている時期に買いました。初PKD

    超能力者とそれに対抗する能力者派遣会社が
    しのぎを削っていて
    死者は「半生者」として、連絡を取ることができる装置が存在する未来

    ある依頼で月で...続きを読む
  • ユービック
    あらすじがネタバレと聞いたので一切見ずに読んだが、おおう、なんだこれ、すごい世界だ。と思わず嘆息してしまう。

    超能力者、半超能力者という語感から、X-MENのような展開を予想していたら話は凄まじい勢いで違う方向に転がっていく。グイグイ読ませる怪作だった
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ
    どれもいかにも寓意富む作者らしい短編集
    ただ作者作品の愛好家でもなければ
    あらためて開く価値あるような発見は感じなかった
    出自やSFとつく文庫だからといって内容に関係なくSFとレッテル貼られるのは
    作者が亡くなろうがいつまでもたぶんどこまでも変わらない
  • 高い城の男
    ドラマをシーズン3まで観てから読んだ。「原作」と「ドラマ」の共通点と相違点の両方が大きくて、、先にドラマを観たことで、どうしても認識がドラマに引っ張られてしまって本の内容が上手く入ってこないという残念さと、逆にドラマを観てなかったらわからなかったかもしれない所がたくさんあって、なんとも言えない気持ち...続きを読む
  • 高い城の男
    "第二次世界大戦に勝利した国は、我々が生きている世界の歴史では連合国(アメリカ・イギリス・ソビエト連邦・フランス・中華民国など)となっている。
    もしも、枢軸国(ドイツ、イタリア、日本など)が勝利していたとしたら・・・・
    この歴史のもしもを小説にしたものが本書。
    100人の作家がいれば100種類の小説...続きを読む
  • 高い城の男
    実はまだ読んだこと無かったので、読んだのだが。
    この読書体験は何だったのかw
    易を立てないとわからんww
  • タイムクエイク
    過去、ヴォネガットは3作品を読んでいる
    ​​『プレーヤー・ピアノ』​​
    ​​​『猫のゆりかご』​​​
    ​『スローターハウス5』​
    いま、このブログにある自分の感想を見てみると、どれも好もしくよろしい感触

    さもありなん、このもう最後の作品になるのかという、作者73歳か74歳発表の
    『タイムクエイク』...続きを読む
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを
    貧しき人々に惜しみなく財を与える億万長者・ローズウォーター氏」を狂気の塊として扱うこの作品。他のヴォネガット作品よりはあっさりしているなあと読み進めていたけど、以下のフレーズは、「生産性」という言葉に揺れる今の日本にとって暗示的な内容だった。

    「規模は小さいものだけれども、それが扱った問題の無気味...続きを読む
  • ユービック
    「ユービック」とは「ubiquity(いたるところに存在すること、神の遍在)」を基にした造語(同じ語源の言葉としては、IT用語の「ユビキタス」などがあるよう)。作中では、各章の冒頭に「ユービック」の広告が掲載されており、それが車であり、ビールであり、コーヒーであり、鎮痛剤であり、銀行であり、女性用下...続きを読む