浅倉久志のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
電気羊に次ぐ2作目。電気羊が人間か、アンドロイドか?の曖昧な境界を攻めた作品とするとユービックは現実か、虚構か?という非常に入り乱れた不思議ワールドで、展開で魅せる作品です。
あらすじのとおり、敵となる予知能力者狩りを行うべく、精鋭の能力者11人を集めて、いざ決戦の地、月面へ!という、まさかのヒーローSFものが序盤で展開されますが、ほぼ戦うことなく(笑)、気づいたら時間が逆戻りする訳の分からない世界の話に急展開されます。
一体この世界は何なんですか?と戸惑いながらも、気づいたら不思議ワールドに引きずり込まれ、先が気になって一気読みでした。
あっと驚く伏線回収とか、衝撃のラストとか、そこまでドラマチックな展開はないものの(笑)、現実なのか虚構なのか、なぜこんな事象が起きているのか?、常に頭にハテナが浮かぶような独特な世界観がクセになる感覚がこの作品にはありました。
また、現実世界に加えて半死の世界も存在していて、そうした設定によって奥深さも出ていています。一周読んだだけでは掴みきれない点も多かったですが、非常に考察しがいのある深い内容な気がしました。
万人ウケする作品かと言われると何とも言い難いですが、フィリップKディックのコアな世界観を濃密に味わいたい方にはオススメです。 -
Posted by ブクログ
ヴォネガットが臨死体験をしたというのはたぶんホント。それがアイデアの発端。天国の門まで行って引き返してくるが、門のところを歩いているだれかにインタビューする。そのだれかが20人。
冒頭のだれかは、亡くなったばかりの発達心理学者のメアリー・エインスワース。子どもと親の心理的絆、愛着の研究で有名。赤ちゃんで亡くなった場合、天国での愛着の形成はどうなるか、それに答えている。
メアリー・シェリーへのインタビューがおもしろい。エンディングは傑作。(トリビアもある。メアリーは2人の子を産んだあとに、あの『フランケンシュタイン』を書いた。まだ20歳にもなっていなかった!)
しかし、小道具&タイトルに、あの医師、Dr. Jack Kevorkianを使うとは。ヴォネガットでなけりゃ、洒落にならないよ。
(p.s. 後半に収録されているリー・ストリンガーとの対談「神さまと握手」はイマイチ。) -
Posted by ブクログ
「私は惑星になるつもりだ」
死ぬまでに一度は言ってみたいセリフ…の一つに仲間入りしました。
最近仕事のことで脳内ごちゃごちゃなのもあり全く読書に身が入らない毎日。
その状況でディックを読み始めるのもどうかと思いながら、序盤頑張って頑張って読み進め、、、
しかし3分の1くらいまでくると、キマシタ。モード入りました。
なんだなんだ??と一文一文に翻弄されているうちに瞬く間にディック感覚に包み込まれ、気がつけば半分を過ぎ、残りの厚みを見て「えええもうすぐ終わっちゃうの?いやだ!!!」
なんて考えていたらあっという間に終わりました。
全部読んだ後の感想としては
いや、なんだこれ。。。
結局どこからどこまでがソノ状態なのか?何度も読み返したいけど、多分これは何度読み返しても正解は分からないと思う。というより、それこそがこの本の真意なのだろう。
インセプションの元ネタってこれだったのかな?と少し感じた。
最近毎年夏の異常な暑さを更新してるけど、この未来はそう遠くはないのかもしれない…と思ってしまう。 -
Posted by ブクログ
【高い城の男】 フィリップ・K・ディック 著
第二次世界大戦は、日本・ドイツの枢軸国が勝利。日本が統治する米国カリフォルニア州での生活風景を描きながら、「第二次世界大戦は米英が勝った」というSF小説を書く「高い城」に住む男の物語も書き綴るというSF小説(ややこしい)。「現実と虚構との微妙なバランスを緻密な構成と迫真の筆致で書きあげた、1963年度ヒューゴー賞受賞の最高傑作」という売り文句にやられて読破しました。
少々ネタバレになりますが、ヒトラーはその後、精神疾患となりボルマン党官房長官が後を継ぐも、その後亡くなり、「え~!」と思う人物がドイツ首相に就任。これによって、「え~!」と思うような日本への影響もあり…の場面は面白かったのですが、総じて日常風景が描かれ、「これが何故に『三体』と同じヒューゴー賞?」という感じでした。書評などを読むと、熱心なディック氏ファンにとっては「最高傑作!」で、SFファンには「たまるか~!」もののようです。もし読まれた方がいらっしゃれば、読後感をいただきたい一冊です。 -
Posted by ブクログ
この世には運のいい人間と運のわるい人間とがいる。それは偶然性であり、たまたまだ。
人生に目的などない。あるとしたら、自分の中にある真実に気づくことだ。
人生の意味を自分の中に見つけ出す方法を知っている。これは運がいいことだ。
これまでの人生でやった善いことを、たったひとつでいいから話せること。幸運といってもいいだろう。
今ある幸せに気づけること。まずはそこからだ。
運が悪いってのは、"ひとつながりのアクシデントの犠牲になった"ってだけのことだ。
そんなときは、"徹底的に無関心な神"の教会で祈ることだ。
自分の中にある真実に気づけないと、果てしない無意味さの悪夢にうなされることになる。
一つ運が悪くなる行いをあげるとしたら、流れに逆らうことだ。
あらゆる推進力、世界を無から創りあげたもの、それが"そうなろうとする万有意志"だとしても、"Don’t resist “ けっして逆らうな。
人生を終える前に、「誰にとってもいちばん不幸なことがあるとしたら、それは誰にも何事にも利用されないことであり、人生の目的は、手近にいて愛されるのを待っているだれかを愛することだ」と思えたなら、幸運な人生だったってことだ。