浅倉久志のレビュー一覧
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どれも非常に読みごたえがある、文章密度の高いSF短編集だ。中には設定が難解すぎて脳内でイメージするのにひと苦労するものもあり、いくら短編集とはいえ一冊に詰め込みすぎている感もある。なので一気読みはお勧めしない。連作集ではないので、自分にとっては毎日一編ずつ読み進めていくくらいがちょうど良かった。
SFということで物理や数学が関わってくる作品が多いが、これらをストーリーを進めるための単なるツールとしてではなく、「ゼロで割る」あたりが顕著だが、原理や定理にまつわる思想そのものを作品のテーマに昇華させている点が面白かった。
一番印象に残ったのは「地獄とは神の不在なり」。以前本作にインスパイアされた国 -
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ネタバレ初テッドチャン。ごりごりのSF作家だと思い込んでいたのですが、結構神話の世界を物理で語りきる作品もあって、なんだかちょっとファンタジーな雰囲気もあり新鮮な感じ。スターウォーズのように、観たり読んだりしている最中よりも、考察を余儀なくされる感想文を書くこの時間が一番楽しくなる作品。
考察すればするほど、そもそも欧米と日本の価値観の違いが浮き彫りになる。
日本語に ままならない という言葉があるように、人間や人生というものはどうしようもない側面があるものだという前提を含んでいるのに対し、
欧米は 人間=この世の支配者 説明がつけばコントロールできるものである というスタンスがあるように思う。
この -
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ネタバレ悲しいけど、前向きな話。映画も大好き。
作者/訳者後書きにあるように、ディック自身の体験をもとに描かれたアンチドラッグ小説。SF要素といえば、着用者の姿がわからなくなる「スクランブル・スーツ」くらいだけど、話の本筋にはそんなに関係がない。
新型で強力な麻薬「物質D」の潜入捜査官である主人公が、薬中仲間と暮らしながら…その暮らしにどっぷり溶け込みながら、要はジャンキーと捜査官の二つの顔を持つ生活をしていく過程で
自分で自分を監視することになり、自分が誰なのか?が曖昧になっていく。Dにハマったことによって、カオスはどんどん深まってしまい、最後は脳が焼けこげて収容所に入れられる。
自分がなんの仕 -
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『猫のゆりかご』の2年後の作品。どこか風味が似ている。ウィットとユーモアたっぷり、実によくできている。
エリオット・ローズウォーター。大富豪、ヒューマニスト、慈善家、インテリで、歴史好き、そして酒好き。そのハチャメチャな生き方。箴言もたくさんある。一番気に入ったのはこれ。「けちけちするな。親切であれ。芸術と科学は無視してもいい。どちらもだれのためにもならないからだ。」
エリオットの好きなSF作家はキルゴア・トラウト。66歳、現役の倉庫係。87冊のペイパーバックを出しているものの、ほぼ無名。代表作は『2BRO2B』、ツービーアーノーツービー。数ページ出てくるだけなのに、強い印象を残す。 -
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読んでいるときの感覚は星4くらいだったのだが、そのあとに思考を整理するために感想を長々と書いていたら、とてもよい小説だったなと思い改めた。
以下、感想。
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「青ひげ」の主人公・ラボー・カラべキアンは元画家の老人で、海辺の屋敷で大量の美術品を抱えながら独り暮らしている。コックやその子供、使用人もいるが独りである。彼が二番目の妻と長年暮らしたその屋敷は今ではコックの娘が友達を連れてきて好き勝手に遊んでいる。そして妻にさえ見せなかったジャガイモの納屋が建っている。
そこにサーシ・バーマンという女性がやってくる。彼女はアメリカで大活躍中の作家であるが、彼にその姿は明かさず、海辺で -
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謎多い作家コードウェイナー・スミスの人類補完機構シリーズを年代記風に並べた短編集(50年代から発表されておりエヴァンゲリオンとは全然関係ない)。古いSFマガジンで何かの短編を読んで衝撃を受けて以来虜になってししまった。
物語は第二次大戦のナチスの話から1万6千年先までの人類の趨勢が描かれています。戦争によって人類は絶滅しそうになるのですが、そこからの復活がなんとも皮肉が効いていて印象的です。非常なドライでもなくかといってベトベトウェットでもなく、その一歩引いた姿勢がかっこいい。ドイツ人以外の人類を殲滅するための人間狩猟機(メンシェンイェーガー)が何千年も経て文明が崩壊しマンショニャッガーとな -
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ジュラシックパークの原作者の代表作。限りなくリアリティのある設定で進むので思いっきり没入できた。高校生物の知識で専門的な部分もほぼ理解できた。宇宙探索における地球外生命体と人類の接触について、生物の定義そのものを揺るがす未知の生命体の解明への様々な調査が進む。その中で、ヒトという存在や地球上で共存する生物について、新たな視点が生まれたのが嬉しい。地球上の極限環境にも生物がいるのだから、宇宙に広義の生物が存在する可能性を否定できない。地球ではないところで進化を遂げた生物は、遺伝情報としてDNAを用いなかったり、タンパク質は存在せず未知の物質を持っているかもしれない。そのような生態を見てみたいと強