浅倉久志のレビュー一覧
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読んでいるときの感覚は星4くらいだったのだが、そのあとに思考を整理するために感想を長々と書いていたら、とてもよい小説だったなと思い改めた。
以下、感想。
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「青ひげ」の主人公・ラボー・カラべキアンは元画家の老人で、海辺の屋敷で大量の美術品を抱えながら独り暮らしている。コックやその子供、使用人もいるが独りである。彼が二番目の妻と長年暮らしたその屋敷は今ではコックの娘が友達を連れてきて好き勝手に遊んでいる。そして妻にさえ見せなかったジャガイモの納屋が建っている。
そこにサーシ・バーマンという女性がやってくる。彼女はアメリカで大活躍中の作家であるが、彼にその姿は明かさず、海辺で -
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映画「メッセージ」の原作である表題作が収められた、短編集である。
どれも良い読書体験ができたが、やはり映画を先に見た私としては「あなたの人生の物語」が一番印象深い。
地球外の知的生命体との交流によって目覚めを経験し、時間軸が狂うことで人生を理解することになる女性。
過去から未来へ続いていく時間軸の中では、言わば知らぬが仏の状態で手探りの道になる。
これが普通の考え方である。
でも未来に起こることを知っていたら?
それが悲しく耐え難い出来事だったとしたら?
進もうとしている道をそれでも歩めるだろうか?
覚悟と理解が必要だ。
進むと決める覚悟。
行くの?なぜ?その答えを自分で理解すること。
「 -
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ネタバレとても面白かった。
一つ一つの短編が骨太であり、読むのに時間がかかってしまったが、楽しい読書体験だった。
一つづつ振り返っていこうと思う。
「バビロンの塔」
この短編集の中で一番読みやすかった。
情景描写が見事だった。
「理解」
詳細な描写に思わず読み込んでしまった。
「ゼロで割る」
一回読んだだけでは意味があまりわからなかったが、何回か読み直したり、考察サイトを見ることでやっと理解できた。
レネーは自身が発見した形式的発見によって自分の中の既存の世界が崩れてしまい、自殺未遂をしてしまうほど追い込まれる。恋人であるカールは、自身がかつて自殺未遂をした際、その時の恋人に傷を癒してもらった経 -
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謎多い作家コードウェイナー・スミスの人類補完機構シリーズを年代記風に並べた短編集(50年代から発表されておりエヴァンゲリオンとは全然関係ない)。古いSFマガジンで何かの短編を読んで衝撃を受けて以来虜になってししまった。
物語は第二次大戦のナチスの話から1万6千年先までの人類の趨勢が描かれています。戦争によって人類は絶滅しそうになるのですが、そこからの復活がなんとも皮肉が効いていて印象的です。非常なドライでもなくかといってベトベトウェットでもなく、その一歩引いた姿勢がかっこいい。ドイツ人以外の人類を殲滅するための人間狩猟機(メンシェンイェーガー)が何千年も経て文明が崩壊しマンショニャッガーとな -
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ジュラシックパークの原作者の代表作。限りなくリアリティのある設定で進むので思いっきり没入できた。高校生物の知識で専門的な部分もほぼ理解できた。宇宙探索における地球外生命体と人類の接触について、生物の定義そのものを揺るがす未知の生命体の解明への様々な調査が進む。その中で、ヒトという存在や地球上で共存する生物について、新たな視点が生まれたのが嬉しい。地球上の極限環境にも生物がいるのだから、宇宙に広義の生物が存在する可能性を否定できない。地球ではないところで進化を遂げた生物は、遺伝情報としてDNAを用いなかったり、タンパク質は存在せず未知の物質を持っているかもしれない。そのような生態を見てみたいと強
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ネタバレ短編集。「あなたの人生の物語」、「地獄とは神の不在なり」、「顔の美醜について」の3つが好き。
「あなたの人生の物語」について
突然現われたエイリアンとコミュニケーションをとろうとする言語学者の話だった。
このエイリアンはヘプタポッドと呼ばれることになるのだけど、そのヘプタポッドがとにかく変。頭の下に足みたいな手が生えているので、僕の頭のなかではずっとタコさんウインナーがヘプタポッドだった。歩きかたも変わっている。目が頭の周りについているので前に進むときも後ろへ戻るときも方針転換する必要がないのだ。なので後ろに下るときは、こちらへ来たときの逆再生のように見えてちょっと気持ちわるい。
時間の捉え方 -
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大きいことはいいことだ。人間は生物の中でもとりわけ大きな脳を持ち、またそれを鼻に掛けてきた。だが、脳が大きいことはそんなにすごいのか? 大きいことは、本当にいいことなのだろうか?
本書は「人間の脳は大きくなりすぎた欠陥品で、しかも危険きわまりない邪悪な機械である」という洞察のもとに書かれたサイエンス・フィクションである。私はこの本を大学生のときに知り、以来作者のファンとなった。
ご存じのようにヴォネガットは、未来を戯画的に描くことで現実世界の歪みを浮き彫りにする手法をよく用いる。本作もまたその好例で、われわれの脳の大きさは実際には一五〇〇グラム程度だが、この小説ではそれがさらに進化し、三 -
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ネタバレ私では理解できないところが多かったので、YouTubeやWebサイトで不明点を補完しつつ理解を進めました
他者からの解説を見て、継ぎ接ぎですが、理解を進めた上で、思ったことを書き留めたいと思います
このお話は作者であるカート・ヴォネガットについて知る必要があると感じました
作者の伝えたかった事は、要約すると
「地球人の行動は全て決められており、トラルファマドール人の大したことのない出来事のために利用されていた
だが、自分自身の身近で起こった出来事や身近な人の存在は、自分の人生において大切であり、大きな意味があるという事」
ではないかと想像されます
マラカイの人間関係から考慮すると、そ