浅倉久志のレビュー一覧

  • スキャナー・ダークリー

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    ネタバレ

    フィリップ・K・ディック

    人格が2つ、3つと増えていく主人公。
    麻薬と仲間、監視。

    ディックの小説の特徴だろうか、後半の勢いがすごい!

    最初は、少し退屈していたが
    半分過ぎたあたりから面白くなっていくから
    読書ってのは、途中でやめるのもいいけど、
    この作品のようなこともあるから
    一応最後まで読んだほうがいいな

    って思わせた作品でした。

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    2011年06月10日
  • ジェイルバード

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    『ジェイルバード』は「囚人」という意味。
    タイトル通り、ウォーターゲート事件に巻き込まれて囚人となった男の人生を描く物語です。
    非情な経済システムに対して疑義を投げかける作品で、大変面白かったです。

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    2010年11月18日
  • 死よりも悪い運命

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    これはエッセイだが、エッセイだからこそ、
    このひとの本音が聞けておもしろい。
    今の若い人にもとても人気らしいのがよくわかる。(米国にて)
    ほかの作品も読みたい。

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    2010年11月03日
  • 青ひげ

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    老年の画家ラボー・カラベキアンのもとにサーシ・バーマンという女性作家が転がり込む。カラベキアンは彼女のすすめで自伝を書き始める。自伝そのものの部分と、自伝を書いている過程でのバーマンとのやりとりなどが交互に記されている。
    ヴォネガットのいつもの人をばかにしたような文章は影を潜め、比較的淡々と綴られている。物語に抑揚がなく、どこに行き着くのか分からない自伝を読み進めるのは意外ときつい。しかし、最後のシーン。ジャガイモ貯蔵庫に隠しておいたものをバーマンに公開するところに至って、話は感動的な方向に大きく舵を切る。最後まで読んで、読んでよかったと思える。

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    2019年01月01日
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

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    SFもあり、ちょっといい話風な短編もあり、の短編集。
    序文などにもある通り、テレビが普及する前の時代、雑誌の読み物が一般的な娯楽として広く楽しまれていた頃に雑誌に掲載されていたもの。
    古きよきアメリカ、的な香りもし、同時に、皮肉のきいた社会批判も織り込まれていて、まだ作家として駆け出しの頃のものでありながら、独特の個性が感じられます。
    いちばん印象に残ったのは、「パッケージ The Package」かな。

    ちょっと先の未来(書かれた当時はだいぶ先の未来、だったはず)の話、という設定。
    苦労して事業を成功させ、念願の新型住居を購入したアールとモードのフェントン夫妻。
    世界一周旅行を

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    2010年09月13日
  • スラップスティック

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    ヴォネガットの作品中でもこれが一番好きっていう人は、多いのか少ないのか。どうなんだろう。

    わたしが思うのは、ヴォネガットの愛情深くセンチメンタルな一面がもっとも強く(あるいはもっともストレートに)出ている作品なんじゃないかなということです。
    ストレートって言っても、まあ本当の意味でストレートじゃ当然ないのですが、自分の心には直球で届いた言葉がいくつもあった。
    読んでいて、線を引きたい!って思う気持ちに何度かなった。これまでほとんどそういうことはなかったのだけど・・・

    手元に本がないので、はっきりと引用できないけど、
    勉強にしろスポーツにしろ、才能を周囲から認められている地方在住の少年少女は

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    2010年07月24日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    ものすごく皮肉な物語で、くすくす笑ってしまう。最後は傑作。読み終わってすぐの感情はどこか「アルジャーノンに花束を」と似ている。歪んだ社会と、一人の男の「愛」の形とが似るのかな?よく分からない。これ、日本よりももっと雇用や保険などがシビアなアメリカではもっと辛らつに、その分面白く受け止められるのではないか。

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    2010年06月24日
  • 青ひげ

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    あるアルメニア人の絵描きが、老後カリフォルニアの孤独な邸宅で綴った自伝。最後の結実を迎えるための、数々のエピソード、彼がいかにして、ジャガイモ納屋に隠した真実を披露するかがこの小説の鍵。
    絵を人間が、時代に翻弄され、一介のつまらない老人となる。そんな彼が最後に仕組んだ、巧妙なフィナーレを大いに楽しんで欲しい。

    ヴォネガットの、悲哀とアイロニーの入り交じった文章は、小説が有益か、無益か以外のところで語られるための、よいサンプルとなるだろう。

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    2010年05月04日
  • 青ひげ

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    「ある一瞬がほかの一瞬にくらべてべつだん重要ではなく、
    すべての瞬間があっというまに過ぎ去ってしまうことを
    表現するだけの勇気、知恵、それともたんなる才能が、
    彼には欠けていた。」

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    2010年02月17日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    初めてディックの作品を読む。
    思った以上に、大変面白い。

    複雑な構造の時間軸。
    今なのか未来なのか過去なのか。
    現実なのか、悪夢なのか。
    ドラッグのフラッシュバックに乗っ取られる自己。
    幻想的な、神性と悪魔性のカオスの狭間で苦悩するも、
    希望は失わない…。

    かつて、安部公房にハマった時のワクワク感を思い出した。

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    2010年01月30日
  • 青ひげ

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    よくこれ書いちゃうよなぁ。
    まあ、ヴォネガットの中では一番入りやすい作品かな。
    わりとすらすら進む。

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    2009年10月04日
  • プレイヤー・ピアノ

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    第三次産業革命により全ての生産手段が機械化、自動化され、一部の技術者や公務員を除く人々は皆閑職しか与えられずにいる、そんな近未来のアメリカが舞台。人事が全てパンチカードで機械によって振り分けられ、技術者や公務員と一般人との居住区が分けられているという、効率・能率優先主義の社会に疑問を持つ人たちが革命を起こすという話でした。機械化による雇用数削減という問題よりも、作中に描かれている格差が今の私たちにリアルに迫ってきます。SFというカテゴリーに入っていますが、それが好きな人も嫌いな人も読める作品です。むしろ、SFという枠を超えた作品であると言えます。長編ですが、すらっと読めるのでおすすめ。

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    2009年10月04日
  • デッドアイ・ディック

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    初めて読んだカート・ヴォネガット作品。
    なんだろう、隅から隅までユーモアと皮肉??
    人生を悲観的に過ごしてはいるのだけど、それを楽しんでいる様な感じを受ける主人公。
    がっつかない、こういう人物像が魅力的なのだよな、と思います。


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    2009年10月04日
  • ジェイルバード

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    アメリカを舞台にした、痛快な物語。

    とても奥が深いです。構成が好きですね。
    和訳ものは苦手でしたが、後半から盛り上がり、とまらなくまります

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    2009年10月04日
  • 死よりも悪い運命

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    1991年に出版され、93年に邦訳・上製判として出版された幻の一冊がこのたび初の文庫化となった。カバーは原著の写真を和田誠氏の手でイラスト化されたもので、とても軽やかで好感度がアップしていると思う。また、上製版では割愛されていた「付録の扉のイラスト」が収録されているなど、細かな点でチューンナップが図られていて楽しい。

    肝心の本編はヴォネガット節全開で、ところどころにジョークや軽口も見られ、とても読みやすい。本文中では、15,16章あたりが特に力が入っていると感じた。しかし、全体の内容が重いので、読みはじめればページを繰る手は軽快でも、一度本を閉じると次に開くのに少々のためらいを感じる。

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    2009年10月04日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    おもしろかった。今の世界、アメリカ、日本の暗部を深くえぐりだしてる気がする。
    ヴォネガットはすごいと思う。

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    2009年10月04日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    P.K.ディック 1965年作品。
    ドラッグによるトリップ具合といい、
    ぐだぐだな主人公の心象風景といい、まさにディック節炸裂! 
    ハリウッド映画のような展開にワクワクしつつ、
    ラスト間際の不可解でわけのわからない描写は独特。
    それでも一気に読める面白さはさすが!の一言。

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    2009年10月04日
  • ホーカス・ポーカス

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    ヴォネガット 1990年の作品。
    90年代に入ったヴォネガットは、もうおとぎ話を書けないほど、
    母国に対する怒りと悲しみが深くなってしまったようだ。
    これまでのヴォネガットには、どんな内容のものであれファンタジーがあった。
    偶然の産物があった。涙を誘うペーソスあふれる愛の対象があった。
    ところが、「ホーカス・ポーカス」にはそれがあまりない。
    登場人物はすべて架空だし、設定も奇想天外なのに、シリアスで、絵空事になっていない。
    どちらかといえば、その翌年書かれたエッセイ「死よりも悪い運命」や「国のない男」のテイストに近い。

    ヴォネガットのエッセイを読むと思い出すのがマイケル・ムーアの映画だ。

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    2009年10月04日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    ヴォネガット後期で繰り出される「乾いた笑い」と、
    前期で用いられる、ラストにオチを持ってきて問題の昇華を図る手法が交差した秀作だと思った。
    ヴォネガットは「スローターハウス5」と「チャンピオンたちの朝食」で
    転換期を迎えたんだなぁと改めて思う。

    エリオットの狂気はなかなかすごいものがある。
    こんな夫に振り回されたら、そりゃ嫁はうつ病が発症するわ、と思った。
    が、やはり特筆すべきは、父親との対決シーンだろう。
    このくだりは、ものすごい迫力がある。オチについては、ニヤリと笑う感じ。
    ヴォネガットらしいといえばらしいけど、らしくないといえばらしくないかな。
    思想としてはヴォネガットらしいのだけど、

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    2009年10月04日
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

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    2000年に上製本として発売されていた、ヴォネガットの短編集がこのほどようやく文庫化された。
    書かれたのは1950〜60年代で、半世紀も前のもの。
    ヴォネガットが短編を生活の糧として量産していた時期があり、
    その大半はスリック雑誌に掲載された。
    かつて、短編集「モンキー・ハウスへようこそ」が編まれたが、
    そこから漏れてしまった23篇がここに収録され、短編の大方が網羅されたことになる。めでたい。

    ここに収録されているのは短編で、しかもアーリー・ヴォネガットと言うべき作品群。
    彼一流の文明批判や、どうしようもない人への「諦めと愛情いっぱいのまなざし」はすでに健在、
    さすがというべき。ただ、長編に

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    2009年10月04日