浅倉久志のレビュー一覧

  • スラップスティック

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    世界が終わり破壊されたあとにでも、人は家族として支えあいあるいは憎み合ったり離れたり、つまりは身内として生き、自分の血を新しい生命に託そうとする。末尾を締めくくるメロディの物語が示すように、たとえ世界が滅びてもその先にやはり希望はあるのだ

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    2012年11月26日
  • アンドロメダ病原体〔新装版〕

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    5日間の事柄を報告書を読むという形式で、
    実際に起こった事件かのよう。
    地球外生命というのは宇宙人だけではなく、
    脅威はもっと多様です(ストーリーはシンプル)。
    『「すべてが解決だ。われわれのトラブルは終わったよ」
    これはとんでもない思いちがいだった。』(P402 4行目)
    サクサク読めて「ココまで来てまだなにかあるの!?」と思ったが
    本当にとんでもない思い違い。最後まで楽しめるが
    ラストは拍子抜けするほどあっさり気味。

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    2012年07月08日
  • チャンピオンたちの朝食

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    ただただ面白いとしか言えないこの作品は非常に「面白い」。登場人物2人が徐々に近づいていくドキドキや、作家自身の登場、作家のイラストなどなどのテクニックも素晴らしいけど、人を深く描写するのはさすがのカート・ヴォネガット・ジュニアですね。

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    2012年06月17日
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕

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    まさにPKD、そして分けわからん。

    パーマー・エルドリッチって一体。あれが聖痕?
    そして、結局異星人の媒体かよ。。。

    あとがきに書かれているのは、本文の前に書かれている、人間は塵から生まれたからたかが知れてるけど、まぁまぁうまくやっている。今回の困難にもうまく対処できるんじゃないかな。っていう分かりやすいメッセージ

    毎度のこれって現実?神って実はたいしたことないんじゃね?的な物語かと思いきや、こんな話だったらしい。

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    2012年03月29日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    ネタバレ

    現代版の異邦人。
    新自由主義社会において、人類愛を語ることは異端なのか。
    カートボネガットのシニカルな問いかけがそこにはある。
    異常という日常。
    ボネガットの皮肉に満ちた文章の中で、
    彼の純粋で無垢な人間愛が浮かび上がってくる作品。

    「あんたがローズウォーター群でやったことは、断じて狂気ではない。あれはおそらく現代の最も重要な社会的実験であったかも知れんのです。なぜかというと、規模は小さいものだけれども、それが扱った問題の不気味な恐怖というものは、いまに機械の進歩によって全世界に広がってゆくだろうからです。その問題とは、つまりこういうことですよーいかにして役立たずの人間を愛するか?」

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    2012年03月26日
  • 青ひげ

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    人間讃歌。に、辿り着くまでの人生劇場。結局どんなにブサイクな生き方をしていても自分だけには正直でいればなんとか形になるさ、とヴオネガットは言ってくれているような気がした。沢山の登場人物が自殺したり、戦争で死ぬが一様にいえぬそのいきさつの描き方に優しさを感じた。根底に流れる戦争体験からの思想に今現在生きる僕は学ばなければならない。

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    2012年02月21日
  • スラップスティック

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    主人公の波瀾万丈の人生を綴った手記。たとえ悲劇であってもそうとは感じさせない文章は、ヴォネガットらしくて読んでて心地よかった。
    泣き笑いの人生、人の繋がりっていいなと思える作品だった。

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    2011年12月05日
  • ガラパゴスの箱舟

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    ネタバレ

    やはり楽しい

     大好きなカート・ヴォネガットの作品。

     本書「ガラパゴスの箱舟」は100万年前から現在を見るという視点が面白く視点人物として幽霊を使っている。また、謎解きなんてクソくらえってな感じでどしどし全体像を出していくあたり、物語に自信があるか馬鹿なのか・・・。


     とにかく彼の人類に対する皮肉っぽく力強い物語が好きである。このテーマは、すべての作品についていえると思う。どんどん他の作品を読みたくなるなぁ。

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    2011年09月16日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    お金持ちは富を分配しろ!って庶民は思うけど、
    本当に人のために尽くしたらどんなことになっちゃうのか・・・

    中流階級以上にはキチガイと思われ、
    貧しい人々には神と崇められ、
    それでも本人は首尾一貫しているのが滑稽であり、切なくもある。

    しかし最後の妻に会いに行くところからの超展開はすごかった。
    え、火事?え、テレポート?記憶喪失?え、ケンカ?いつの間に???
    ぜんぜんついていけなかった(笑)
    主人公もなかなかついて行けてませんでしたが。
    ・・・ということは、狙い通りの効果だったのかもしれません。

    彼のやったことは最後に他者の言葉によって説明され、そうしてようやく周りが理解できる意味を持つ。

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    2011年08月30日
  • ガラパゴスの箱舟

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    さすがはカート ボネガット、すごく面白かった。

    ガラパゴスを舞台に起こる人間の進化(あるいは衰退)。

    ガラパゴスの自然環境にしろ、動物の生態にしろ、サイエンスに忠実で、科学的な裏付けがあったり、かなり練り込まれて作られたようだ。かなり読み応えあり、皮肉たっぷり、笑いあり、涙?あり。

    要約すると、
    箱舟に乗ってやってきた人類は、ガラパゴス諸島で、独自の進化を遂げます。巨大脳は必要なくなり、云々、、、。

    物語自体はそんなにハッピーではないけれど、悲惨さの中にもどこかユーモラスな雰囲気もして、それがやっぱり読み手を飽きさせないところなのかもしれない。
    登場人物はいたってまじめに悲

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    2011年08月14日
  • プレイヤー・ピアノ

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    「第二次世界大戦ののち、わたしはしばらくシカゴ大学に通った。人類学科の学生であった。当時そこでは、人間個々人のあいだに(優劣の)差異というものは存在しないと教えていた。いまでもそう教えているかもしれない。もうひとつ人類学科で学んだのは、この世に、奇矯とか、性悪とか、低劣といわれる人間はひとりもいないということである。わたしの父が亡くなる少し前に私にこういった。「お前は小説のなかで一度も悪人を書いたことがなかったな」それも戦後、大学で教わったことのひとつだ」
    (本書あとがきより、引用されていたヴォネガットの言葉)
    ここにヴォネガットという作家の「素」とでも言うべきものが凝縮されている。悪人のいな

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    2011年07月15日
  • チャンピオンたちの朝食

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    狂気を帯びた事件に関係したりしなかったりする人物とか出来事が、ユーモアやら愉快な挿絵やら皮肉やらSFやらを交えつつ公平に丁寧に描かれてる。最後、急にぐだぐだになるとこも含めてどこか愛しい。その他いろいろ。

    この世界で思考して選択して行動することができる生き物はあなただけで、それ以外の全てはあなたに刺激を与えてその反応を確かめるために創造主が作った機械なのですよ。その他いろいろ。

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    2011年06月11日
  • スキャナー・ダークリー

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    ネタバレ

    フィリップ・K・ディック

    人格が2つ、3つと増えていく主人公。
    麻薬と仲間、監視。

    ディックの小説の特徴だろうか、後半の勢いがすごい!

    最初は、少し退屈していたが
    半分過ぎたあたりから面白くなっていくから
    読書ってのは、途中でやめるのもいいけど、
    この作品のようなこともあるから
    一応最後まで読んだほうがいいな

    って思わせた作品でした。

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    2011年06月10日
  • ジェイルバード

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    『ジェイルバード』は「囚人」という意味。
    タイトル通り、ウォーターゲート事件に巻き込まれて囚人となった男の人生を描く物語です。
    非情な経済システムに対して疑義を投げかける作品で、大変面白かったです。

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    2010年11月18日
  • 死よりも悪い運命

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    これはエッセイだが、エッセイだからこそ、
    このひとの本音が聞けておもしろい。
    今の若い人にもとても人気らしいのがよくわかる。(米国にて)
    ほかの作品も読みたい。

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    2010年11月03日
  • 青ひげ

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    老年の画家ラボー・カラベキアンのもとにサーシ・バーマンという女性作家が転がり込む。カラベキアンは彼女のすすめで自伝を書き始める。自伝そのものの部分と、自伝を書いている過程でのバーマンとのやりとりなどが交互に記されている。
    ヴォネガットのいつもの人をばかにしたような文章は影を潜め、比較的淡々と綴られている。物語に抑揚がなく、どこに行き着くのか分からない自伝を読み進めるのは意外ときつい。しかし、最後のシーン。ジャガイモ貯蔵庫に隠しておいたものをバーマンに公開するところに至って、話は感動的な方向に大きく舵を切る。最後まで読んで、読んでよかったと思える。

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    2019年01月01日
  • バゴンボの嗅ぎタバコ入れ

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    SFもあり、ちょっといい話風な短編もあり、の短編集。
    序文などにもある通り、テレビが普及する前の時代、雑誌の読み物が一般的な娯楽として広く楽しまれていた頃に雑誌に掲載されていたもの。
    古きよきアメリカ、的な香りもし、同時に、皮肉のきいた社会批判も織り込まれていて、まだ作家として駆け出しの頃のものでありながら、独特の個性が感じられます。
    いちばん印象に残ったのは、「パッケージ The Package」かな。

    ちょっと先の未来(書かれた当時はだいぶ先の未来、だったはず)の話、という設定。
    苦労して事業を成功させ、念願の新型住居を購入したアールとモードのフェントン夫妻。
    世界一周旅行を

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    2010年09月13日
  • スラップスティック

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    ヴォネガットの作品中でもこれが一番好きっていう人は、多いのか少ないのか。どうなんだろう。

    わたしが思うのは、ヴォネガットの愛情深くセンチメンタルな一面がもっとも強く(あるいはもっともストレートに)出ている作品なんじゃないかなということです。
    ストレートって言っても、まあ本当の意味でストレートじゃ当然ないのですが、自分の心には直球で届いた言葉がいくつもあった。
    読んでいて、線を引きたい!って思う気持ちに何度かなった。これまでほとんどそういうことはなかったのだけど・・・

    手元に本がないので、はっきりと引用できないけど、
    勉強にしろスポーツにしろ、才能を周囲から認められている地方在住の少年少女は

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    2010年07月24日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

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    ものすごく皮肉な物語で、くすくす笑ってしまう。最後は傑作。読み終わってすぐの感情はどこか「アルジャーノンに花束を」と似ている。歪んだ社会と、一人の男の「愛」の形とが似るのかな?よく分からない。これ、日本よりももっと雇用や保険などがシビアなアメリカではもっと辛らつに、その分面白く受け止められるのではないか。

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    2010年06月24日
  • 青ひげ

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    あるアルメニア人の絵描きが、老後カリフォルニアの孤独な邸宅で綴った自伝。最後の結実を迎えるための、数々のエピソード、彼がいかにして、ジャガイモ納屋に隠した真実を披露するかがこの小説の鍵。
    絵を人間が、時代に翻弄され、一介のつまらない老人となる。そんな彼が最後に仕組んだ、巧妙なフィナーレを大いに楽しんで欲しい。

    ヴォネガットの、悲哀とアイロニーの入り交じった文章は、小説が有益か、無益か以外のところで語られるための、よいサンプルとなるだろう。

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    2010年05月04日