浅倉久志のレビュー一覧

  • ファニーフィンガーズ ラファティ・ベスト・コレクション2

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あおり運転やウクライナ侵攻が無いかと思うと技術の進歩を選ばない実現しなかった「田園の女王」社会を魅力に感じる
    のんびりと読むのに適した短編集

    0
    2022年08月24日
  • あなたの人生の物語

    Posted by ブクログ

    映画メッセージの原作である表題作を含めた短編集。地球に突如現れた異星人と交流をしていた言語学者は自分の娘の短い人生を語り出す。 バビロンの塔で暮らす人たちを描く「バビロンの塔」や、天使が現代に現れることによって起きる災厄を描く「地獄とは神の不在なり」などが収録された短編集です。わたしは、ゴーレム製造技術などの魔術が産業革命時代に存在したとする「七十二文字」が気に入りました。

    0
    2025年12月21日
  • レヴィンソン&リンク劇場 皮肉な終幕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まずまず。
    コロンボの原作に興味があり読んだ。
    少々古い。短編で読みやすい。
    外国の小説は、微妙な表現がわからず面白さが半減する。

    0
    2022年07月16日
  • あなたの人生の物語

    Posted by ブクログ

     どの短編も、アイデアは面白いが説得力に欠ける気がする。どれでもいいから、どれか一つを長編として、しっかり書くべきではなかったか。

    0
    2025年12月07日
  • アンドロメダ病原体〔新装版〕

    Posted by ブクログ

    物語は主要舞台であるネバダ州の政府科学研究施設での5日間。地球外生物の実態は何?という謎を追って一気読み。50年近く前に発表されたとは思えない、古さは全く感じなかった。

    0
    2022年05月21日
  • 高い城の男

    Posted by ブクログ

    歴史改変系SF小説。
    日本とドイツが戦争に勝ってアメリカを統治している世界、そんな世界で流行っている小説は『イナゴ身重く横たわる』という、連合国側が勝利したらと言う歴史改変小説だったりする。

    登場人物が、歴史上の人物だったりオリジナルだったり、国籍人種も多様で何回も読み返さないといけなくて時間がかかってしまった。

    真偽
    これがテーマなのだと思う。本物と見分けがつかない贋作。歴史という付加価値の曖昧さ。小説と現実。偽名の政治家と暗殺者。
    歴史を失った国で生まれた新たな芸術と、歴史ある占い易が、本来あるはずだった歴史を垣間見せるというのが面白い。
    一方、読み終わった時に「え、これで終わっちゃう

    0
    2022年02月08日
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕 2

    Posted by ブクログ

    ジェイムズ・クロスの「ドール・ハウス」は預言をしてくれる魔女が住むドールハウスのお話。ただ、けっして屋根を開けて中を見てはいけません。SFというよりホラーですが、何かのアンソロジーでも読んだ気が。でも巻末の再録リストにはないので気のせいか...

    0
    2021年11月18日
  • 町かどの穴 ラファティ・ベスト・コレクション1

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「町かどの穴」★★★
    「どろぼう熊の惑星」★★★
    「山上の蛙」★★★
    「秘密の鰐について」★★
    「クロコダイルとアリゲーターよ、クレム」★★★★
    「世界の蝶番はうめく」★★★
    「今年の新人」★★
    「いなかった男」★★★
    「テキサス州ソドムとゴモラ」★★★
    「夢」★★
    「苺ケ丘」★★
    「カブリート」★★★
    「その町の名は?」★★★★
    「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」★★★
    「他人の目」★★★
    「その曲しか吹けない」★★
    「完全無欠な貴橄欖石」★★
    「《偉大な日》明ける」★★★★
    「つぎの岩につづく」★★★

    0
    2021年12月14日
  • 高い城の男

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    アベンゼンは『易経』を使って小説『イナゴ身重く横たわる』を書いていた。ジュリアナが「なぜその本を書いたか、我々はその本から何を学ぶべきか」という問いを立てて易を行うと、「真実」という回答を得る。ジュリアナは、本に書かれていることが真実であるというメッセージとして受け取る。これが、本作の幕切れ直前、結論のような位置に置かれているシーンだ。
    ここから読者は何を読み取ればいいのだろうか? 
    (a)彼らの世界で起こった出来事は真実ではないということか? それとも、(b)これからドイツ帝国の崩壊や、日本への水爆投下が起こり、プロセスこそ違えど、最終的には本に書かれた世界と同じような結果にたどり着くという

    0
    2021年06月23日
  • 高い城の男

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    第二次世界大戦が枢軸国側の勝利で終わったという世界。
    日本やドイツに統治されている米国。

    ドイツが統治する地域では禁書となっているという小説が、それ以外の地域では話題になってヒットしている。内容は、第二次大戦が連合国側の勝利で終わった世界を描いたもの。

    登場人物の多くが自らの進むべき道を「易経」で占っている。
    本作は1962年に執筆されているが、この時代には易経が流行っていたのだろうか…。1978年に出版された『宇宙船とカヌー』でも、ジョージ・ダイソンが旅の出立をいつにするか易経で占うべきかなぁ、なんて言うくだりがあった。

    この世界で売れているという小説の作者も、ストーリーの展開を易経で

    0
    2021年06月19日
  • 高い城の男

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦で枢軸国側が勝利した世界を舞台にした小説。そしてその小説世界には、もしも連合国側が勝利していたらという世界を描いた「イナゴ身重く横たわる」という珍妙なタイトルの小説がある。そしてどうやらその「イナゴ・・・」の世界は、連合国が勝利しているものの、いまこの「高い城の男」を読んでいる私の住む世界とも少々様子が違うようだ。
    もしかしたらこの「イナゴ・・・」の世界には枢軸国勝利の別の小説があり、その世界には連合国勝利の別の小説があり、そんな小説世界が果てしなく続いているのかもしれない。だとすると私が生きているこの世界も小説の一部で、その小説は枢軸国が勝利した世界で読まれており、さらにその世

    0
    2021年05月30日
  • 高い城の男

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦にドイツと日本が勝利した世界、だれもが易経の占いで未来を把握し行動する。ドイツの首相逝去に伴う権力者たちの後継者争いを背景に、美術商、アクセサリー製造販売業、日本軍部の代表者たちの関わり。職工の妻が訪れるベストセラー作家。

    いつSFになるんだろうと思いつつ読み進めていましたが、この世界構築そのものがSFだったんですね。占いに信頼感のある世界っていうのも面白いかも。

    0
    2021年05月22日
  • 高い城の男

    Posted by ブクログ

    ディックの作品は少しだけ読んでいるが、中でもこれは難しかった。歴史改変物なので、歴史が苦手な私には辛いものがある。「偽物」と「本物」がテーマになっていることは辛うじて理解した。話としては特に大きな盛り上がりもなく、歴史改変以外にはあまりSFらしいところも見当たらない。ただラストの易経のくだりはなかなか好きだった。色々調べて高く評価されているようだから私の理解が足りないのだろう。詳しい解説が欲しいところだ。

    0
    2021年04月11日
  • プレイヤー・ピアノ

    Posted by ブクログ

    ある種のディストピア小説ではある。だがこの著者の手にかかると、どうもシリアスな感じにはならないようだ。ほとんど全てを手に入れることができる立場でありながら、ここではない場所の暮らしに憧れるポール・プロデュース博士の選択は果たして。皮肉ともいえるラストが印象を残す作品。

    0
    2021年04月04日
  • チャンピオンたちの朝食

    Posted by ブクログ

    当時のアメリカへの批判が込められているらしいが、残念ながら知識不足のせいかあまりピンとこなかった。あと特にわからない点としては、ラストのイラストはどう捉えればよいのだろう。まえがきにもあるように、この作品でトラウトやローズウォーターなどの過去作登場人物たちを放り出してしまうわけだが、この先ヴォネガットがどこへ向かっていくのかが気になる。

    0
    2021年04月04日
  • 高い城の男

    Posted by ブクログ

    電気羊〜も実はあんまり刺さらなかったのだけど、『高い城の男』も発想は面白いのだが、自分好みじゃなかった、残念....!

    日本とドイツが第二次世界大戦に勝利していたらという世界で、『イナゴ身重く横たわる』というアメリカとイギリスが勝利した世界の小説が流行っているという構造は面白かった。ひとひねり。

    易経は全然ピンと来なかったので、ちょっと勉強してみたい。

    0
    2021年01月08日
  • ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

    Posted by ブクログ

    大金持ちもまともな精神状態ではやっていけないっていう話。

    超富裕層の26人が世界人口の半分の総資産と同額の資産を保有していたり、上位1%が富の82%を独占しているというのを聞くと、このシステムもおかしいし、それを享受している超富裕層も狂っているんだろうな、と。

    そしてそういう事に違和感を感じなくなってきている我々も気が違ってきているじゃないか、と思う。

    日本語訳は1982年発行なので仕方ない部分もあるけど、「エンガチョ」や、その類いの言葉で冷めてしまう。

    0
    2021年09月17日
  • 逆行の夏──ジョン・ヴァーリイ傑作選

    Posted by ブクログ

    特異な世界観と、どことなくセンチな余情が残るSF短編集。物語の雰囲気をつかむまでに苦戦した短編もあるにはあったのですが、その世界観や人間関係であったり、あるいは「ここでない世界」に対しての、切ない思いが印象的です。

    収録作品は6編。

    表題作『逆行の夏』はストーリーはもちろん、SFならではの描写が印象的。水銀の湖と洞窟が、太陽の光を照らし返す情景なんかは、美しさを感じるとともに、SFの想像力の豊かさも感じます。
    ストーリーとしては、クローンの姉との再会であったり、身体の改造や性別の転換ですら、簡単に行える、という技術背景が描かれ、なかなかのハードSFらしい雰囲気。

    そのため、ややとっつきに

    0
    2020年10月05日
  • ユービック

    Posted by ブクログ

     一息に読み切ってしまうくらいには面白かった。これまで読んできたディックの作品とは違って、結構オチもしっかりついていたし。ホバーカーを筆頭として、ディックらしいガジェットも多く登場する。そういういかにもなアイテムや制度に彩られて、個人的にはやや古臭さを感じるが、昨今のSFでは中々お目にかかれない、「これぞ空想科学小説」と言えるような世界が作り上げられている。着想元が新聞やカセットであるために、現在から想像できる未来と照らせば、ちょっと想像力の限界を感じざるを得ないけど。
     作品の根幹となる2つの要素が、物語を追う内に段々と融合していって、最終的にはきっちりと収まったような印象を受ける。大ハマリ

    0
    2020年10月01日
  • ホーカス・ポーカス

    Posted by ブクログ

    坦々と読み進める。
    感想はとくになし。

    ヴォガットがなくなったのは2007年で、それから6年たって、自分のブログにこんなことを書いたことがある。

    「カート・ヴォネガットが亡くなってもう六年経つ。
    かれの作品は好きだが、困るのは、読んだ後、元気がなくなるという点だ。

    ヴォネガットといえば、「心優しきニヒリスト」という肩書が有名で、かなり早い時期からそう言われていた。作品はたしかにそんなふうだ。

    かれの主人公は、巨大な歯車の中でモルモットのように扱われ、無慈悲な運命に翻弄される。誰が悪いというわけでもない。巨大な歯車、巨大なシステム、宇宙的な構造そのものの結果としてそうなるのであって、仕組

    0
    2020年07月21日