ヘニング・マンケルのレビュー一覧

  • ファイアーウォール 上

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    長さの割には読み易いのがこのシリーズ。会話が多いからかな。
    ケネス・ブラナーのドラマは全作観たが、読んでいてもブラナーの顔は思い浮かばない。
    フロッピーディスク?と思ったら、この本が1998年の作品だったのか。
    少女の犯行に接して、スウェーデンの現状に不安を抱くヴァランダー。マンケルに限らず、北欧ミステリでは自国への不満を述べられている作品が多い。住み易い国のランキング上位が多い北欧だが、決して理想郷ではないのか。

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    2021年04月06日
  • 苦悩する男 下

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    『ファイアーウォール』以来、約10年振りのヴァランダー。10年と言う時を経て定年間近の60歳になった彼は、健康面の不安や、人間関係の悔恨に苦悩する男になっている。

    意味深なプロローグから始まるストーリーはひたすらゆっくり進む。シリーズ最終章という先入観のせいか、刑事ヴァランダーの人となりをなぞるように展開してる気がして、序盤から退屈してしまった。休職中を利用しての個人的な事件追跡というスタイルは、警察ミステリというよりは、私立探偵モノの色合いが濃い。その割に、事件の核心はスウェーデンの国防問題と繋がると言う展開にバランスの悪さも感じてしまって、困惑する読書となった。

    元妻が出てきて元恋人が訪ねてきて、人生を振り返ることになるのだが、ここにはシリーズの魅力である深い人生の味わい描かれ、それが退場するヴァランダーの姿と相まって何とも切実。最終巻はヴァランダーの退場のための物語なんだと、悲しいけどそう割り切って読んだ方が楽しめるんだと、下巻になってからシフトチェンジ。

    謎解きは小粒で、事件の着地はあっさりし過ぎ。そして物語のラストも煙に巻かれたようで、決して望んだ幕切れではなかったけれど、シリーズを全部読めた満足感は格別。ありがとう、クルト・ヴァランダー。あなたはいつまでも私のヒーローです。

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    2020年10月17日
  • 殺人者の顔

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    意外な展開を期待してたのでちょっと物足りない。。
    携帯がない時代の刑事は大変だな。
    何故残虐な殺され方をしたのかがスッキリしない。
    怨恨の線を匂わせてたけど結局お金のありかを拷問して吐かせたってことなのか。
    次作も読むかは迷う。

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    2020年06月26日
  • 殺人者の顔

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    刑事ヴァランダーシリーズ第一作目。北欧発の作品だけあって、移民政策に排斥運動といったデリケートな社会問題に鋭く切り込んでいるが、テーマが先行し過ぎて警察小説としては些か盛り上がりに欠け、作中での問題提起も突発的で散乱しており、まだどうにもこなれていない印象が強く残る。展開そのものはスピーディーで読み易いが、単巻でこの情報量だと上下巻のシリーズ後作は一体いかほどの密度だろうか。直情的なのに内省的なクルトのキャラクターは面白いし、イースタ署のチームワークも見所だが、このシリーズを追うべきか否か未だ目下思案中。

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    2020年04月11日
  • 霜の降りる前に 上

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    起こる事件も面白く、話しを追わせる展開もいいのだが、親子してなぜそこで癇癪を?会議、会議で何を話している?親父の仕事ぶりの良さは?など突っ込みたくなることもあるな。

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    2019年02月22日
  • 北京から来た男 下

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    ネタバレ

    (上巻より)

    そこまで苦労(?)してたどりついた「まとめ」が、
    中国の闇の世界にいる人物が実行部隊を一人しかもっていないとか、
    しょうがないので自ら実行しに行くとか、
    それを甥が殺すとか、ちょっとありえないまとめ方だったのが残念。
    殺人現場で見つかった赤いリボンの謎はわからないままだし。

    劇中劇である、中国の農村から逃げ出した三兄弟の話の部分が面白かったかな。
    アメリカに連れていかれ、大陸横断鉄道の建設を生き抜き、
    中国に戻り、宣教師に仕え、裏切られ、裏切った男。
    彼がこの作品の主人公だった気がする。

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    2018年07月22日
  • 北京から来た男 上

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    ネタバレ

    ヴァランダー警部シリーズの作者だったので。

    うーん、政治的な事にも、国際関係にも興味がないので、
    読み進めるのがつらかった。

    スウェーデンの村とも呼べないような小さな集落で、
    ある冬の日に起こった残酷な大量殺人。
    その動機がアメリカの大陸横断鉄道の苦力の子孫の復讐だということがうっすらとわかってきたあたり、
    つまりは上巻の途中から、とくにつらかった。
    (そうそう、死体を発見し心臓発作を起こして亡くなってしまったカメラマンはかわいそうだった)

    さらにどう関係あるのか全く分からない中国とアフリカの話になった時には、
    完全に興味を失ってしまった。
    いったい、話をどこへもっていってまとめるつもりなのかと、
    それしか読む進める動機がなくなっていた。

    (下巻へ続く)

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    2018年07月22日
  • ピラミッド

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    ヴァランダーの20代から、第一作『殺人者の顔』前日譚までを集めた中短編集。

    刑事を目指していた巡査時代から、イースタ警察署の刑事捜査を担うベテラン刑事までの長期間の年代を追っている。私生活でも、夫婦関係や父親との微妙な確執など、その変化が順を追って垣間見える構成はまさにヴァランダー・ファンのための一冊と言えるだろう。

    話によって頁数が大きく異なるので、ストーリーの厚みに多少の差はあるが、短編であってもシリーズらしさは出ていると思う。社会的背景を色濃く出したやるせなさも印象に残るが、やはり警察ミステリとしてのプロセスが秀逸。特に巡査時代である前半が面白く、優秀だが風変わりな刑事の元で、戒められながも評価されていくヴァランダーの成長は読み応えあり。

    ミステリとしての謎解きは弱いけれども、情けない部分も含めてやっぱりヴァランダーに魅力を感じてしまうのだと再認識した一冊でした。未訳作品がまだかなりあるそうなので、それを読むまでは元気でいよう(笑

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    2018年06月23日
  • ピラミッド

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    ネタバレ

    シリーズ開始までの出来事の短編集。
    久しぶりに初期のメンバー集合で懐かしかった。
    ドタバタぶりもいつも通り。
    シリーズ1作目を読んだときは何とドタバタすることかと思ったが、今はこれが心地いい。
    あと2作未訳があるとのこと。
    作者が亡くなってそれ以上望めないのが残念であるが、早く読みたい。

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    2018年06月18日
  • 殺人者の顔

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    うーん、あんまりおもしろくなかったな。
    シリーズものだけど、他のは読まないかな。

    主人公に魅力を感じられなかった。

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    2018年05月30日
  • ピラミッド

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    「ピラミッド」
    北欧ミステリの帝王ヘニング・マンケルが生んだ刑事、クルト・ヴァランダー。ガラスの鍵賞受賞の第一長編『殺人者の顔』以前の、若き日のヴァランダーを描いた短編集。


    クルト・ヴァランダーが初めて登場したのは「殺人者の顔」で本作は9作目。前作「ファイアーウォール」で打ち留めになる所を「殺人者の顔で描かれた1990年より前のヴァランダー刑事(のち警部)を見たい」との読者の声に答えた形で発表されたのが本作「ピラミッド」である。本作では、新米巡査時代からシリーズが始まる直前42歳までのヴァランダーの活躍を描いた5編の短編(とはいっても表題は原書で237ページもあるらしく、それは短編じゃないでしょ!)であり、これで読者は大満足間違いなし。


    最初の短編「ナイフの一突き」は、ヴァランダー22歳。バリバリのナイーブで正義感がバリバリに強い警察官である。若者がアメリカを非難し、ベトナム支援を叫ぶデモに参加していた時代に、デモを規制する側に立つヴァランダー。自分は警官である前に一人の若いアメリカ人であり、そこに葛藤が生まれます。2番目の「裂け目」は、ヴァランダー28歳。マルメ警察の刑事課に勤務。上司に認められ、有能な警察官に育っている。ヴァランダーが目指す警察官の姿がよく描かれています。


    「海辺の男」では、事件の遺族と法制度を執行する人間をテーマにしたものです。法制度そのものではなく執行する人間に向けられる要求という、倫理的には遺族側に肩入れしたい気持ちがあるものの、執行する側も人間であるということから一概に全て肩入れできない。法制度を改善していくことで、遺族が生まれること、執行する側の負荷が生じることを防ぐ。やはりそれが最善ではないだろうか。


    「写真家の死」では、町の写真家が殺され、その犯人を追うヴァランダー。写真家が作成していたアルバム、希薄な人間関係等、様々な要素が絡み合って複雑な物語になってます。民主主義に関する切り込みもあり、深い。


    そして表題の「ピラミッド」は、ヴァランダーの父親が、今まで以上に重要な役割で登場します。この父親、ヴァランダーシリーズではもう一人の主人公と言っていいほど強烈なキャラクターで、ヴァランダーとは対極の位置にいる存在です。そんな父親を疎みながらも、どこかで安らぎを感じることもあるヴァランダー。彼と父親の関係性が変わるのか?が注目な短編です。


    どれも若きヴァランダーを知る上で読み応えあるもの。ヴァランダーシリーズファンにはお勧め。

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    2018年05月29日
  • リガの犬たち

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    キナ臭い世界(社会)情勢をテーマにしているもののそうした問題性を映した物語としては凡庸というか残念な作の印象。ルポ(報道)が伝えるところの圧政(暴政)の現状など易く知ることが出来るワケで、そこ(ラトヴィア)に招かれてほとんど旅行客然の主人公の暢気さに対しては、いくらなんでも・・の認識(思慮)の不足がうかがえるように思われた(言い過ぎか?)。しかしそれでも惚れっぽい主人公ヴァランダーの人間臭さの魅力はよくとらえられ、また物語展開の緊張感あるその最中にも巧くユーモアを織りこんだ筆致はよかった。終盤は緊迫感ある展開で惹きこまれはしたのだけれどやはりもう少し物語に厚みが欲しかった。

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    2018年04月17日
  • 殺人者の顔

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    12月-8。3.0点
    老夫婦が惨殺される。妻は死亡前に「外国の」と言い残す。
    等身大の刑事、ヴァランダーが捜査に。
    元妻に未練たらたら、娘は問題児。
    地道な捜査で、犯人逮捕。
    次作に期待。

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    2018年01月09日
  • 霜の降りる前に 下

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    (上巻より)

    ヴァランダーの娘のリンダが警官になる前夜というのも、面白い設定なのに、
    二人でぶつかってばかりで読んでいて楽しくない。
    リンダが父親が働くのを見て、リーダーとしての資質、みんなを引き付ける何かを見るが、それが何か描かれていなかったので、私には見えなかったし。

    とにかく、人の弱さを暖かく見守ることがない。
    それは悪いことではないだが、
    最後にリンダが警官になった後、自分が助けられたように少女を助ける話がとってつけたようで、感動的に感じられなくて残念だった。

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    2017年03月16日
  • 霜の降りる前に 上

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    ヴァランダー警部シリーズ。

    セクト内の大量殺害の生き残りというかなり興味深い設定にも関わらず、
    それが生きている感じがしない。
    宗教的リーダーになっていく過程も描かれていないので、人々がその言葉に従っているのにも説得力がないというか、嘘くさいし。

    動物を燃やすのも意味がわからないし、最初に殺された小道の研究家が結局関係なかったことも、話をつまらなくしている気がする。

    (下巻へ続く)

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    2017年03月16日
  • ファイアーウォール 上

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    なかなかタフな読み物で物語の進行が実際の捜査の様に遅々として進まない。だが着実に進んでいる。面白いぞ。

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    2016年12月22日
  • 霜の降りる前に 下

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    主人公がリンダになって、最後のドタバタ具合も含め、少し落ち着いている感じ。こちらはこちらで面白かったが、やっぱりヴァランダー主役の方が好き。ただ、作者が亡くなってしまい、いずれにせよ続きは読めない。残念。

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    2016年05月10日
  • 霜の降りる前に 上

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    ヴァランダー9作目ではあるが、主人公は娘のリンダ。話もリンダ中心で、シリーズものではあるが、若干違う印象。以前より重い感じも少し減っている感じ。下巻に期待。

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    2016年05月09日
  • 霜の降りる前に 下

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    30歳になるリンダは、紆余曲折を経て父親と同じ道を選んだ。そんな赴任前の彼女の友人がいきなり失踪する。矢も楯もたまらず勝手に調査するリンダ。だが彼女の行動が強引で、友人の留守宅に入り込むわ、日記は読むわ、車は乗り回すわで、いくら身を案ずるためとは言えなかなかの暴走っぷり。案の定、父クルトは怒りを爆発させるが、それでも娘の想いを汲んで捜査に参加させるのは、警察官としての熱意を買っているのかな。

    リンダの視点でストーリーは進むが、彼女が見ているのは事件だけではない。娘の暴走を抑制し、時には厳しく諌める父親を冷静に分析し、そんな父譲りの気難しさを受け継ぐ自分自身についても理解している。これはヴァランダー・ファミリーの話でもある。父娘、母娘の複雑な関係、祖父への想いや自身の過去など、ファミリーのエピソードが随所に登場する。シリーズ・ファンには意外な発見があって興味深いトコロ。

    肝心の事件だが、これは早々に犯人が判り、捜査陣がいかに犯人に辿り着くかのプロセスが鍵を握る。特に目新しい展開ではないが、警察ミステリとしての安定感は言うまでもないだろう。事件の背後に見え隠れするテーマは生と死かな。作者が亡くなった今、こういうテーマで描かれると、色々と考えさせられることもあるわけで…。

    マンケルの構想の中に、リンダ・シリーズはあったのだろうか。私は結構好きだったな、先が思いやられる女性ではあるけど。未刊作品があるうちはまだ大丈夫。すべて読みつくした後に喪失感を味わうのでしょうねー。

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    2016年03月10日
  • 殺人者の顔

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    期待したシリーズだけれど、正直途中が退屈だった。

    北欧に漂う様々な社会問題の一旦を垣間見ることができるが、続けて北欧ミステリーを読んできたので少し辟易気味。何もかもがうまくいく理想国などないことを痛感させられるのは少しばかり辛い。

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    2016年02月08日