殺された同僚は3人の若者の失踪事件を単独で調べていたらしい。
ヴァランダー警部はじめイースタ警察の面々は捜査に奔走するが、新たな犠牲者が…。
ヴァランダー警部もアラフィフになり、スウェーデンの国民病とも描写されている糖尿病を発症する。
周囲に素直に打明けることができないなか、この大変な病と共に事件
...続きを読む捜査に立ち向かう。
当然病状は悪化し、周りからの信頼もぐらついてしまう。
別れた妻からの再婚の報告に、その相手を貶めてみたりもしてしまう。
これぞ、まさしくしょぼくれ親父ヴァランダー!
身近な人が糖尿で倒れて救急車で搬送と言うことがあったばかりなので、飲酒や乱暴な食事のとり方にやきもきしながら、先へ先へと頁をめくる。
事件は地味に展開し、僅かずつその形が見えてくる。
その合間にもこの親父のしょぼくれっぷりはいかんなく発揮され、今回の犯人の性格もあって捜査は後手後手に回ってしまう。
それでも一歩一歩犯人に近づき、最後に半歩だけ先んじるあたり、読ませる。むふー。
犯人の動機が弱く感じられる面もあるけれど、ラストのもっていき方がそれを十分補って、スウェーデンにおける社会の病巣を描いている。
やっぱりヴァランダー警部シリーズはいいなあ。