ヘニング・マンケルのレビュー一覧
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正真正銘、最後のヴァランダー刑事シリーズ。中編の「手」はテンポも良く面白かった。作者からのヴァランダーシリーズについてのエッセイは、読んで良かった。彼がなぜヴァランダーシリーズをあのように終わらせたか少し分かった。思ったより引きずってしまっていたので、何とかケリが付けられそうだ。また時間が出来たら、...続きを読むPosted by ブクログ
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マンケル作品として個人的には初となる『イタリアン・シューズ』を読んでから5年。スウェーデン・ミステリーの代表格的存在である刑事ヴァランダー・シリーズは第一作と最終作しか何故か読んでいないという体たらくでお恥ずかしい限りなのだが、作者の遺作となる本作は『イタリアン・シューズ』とセット作と言いながら、...続きを読むPosted by ブクログ
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ヘニング・マンケル最後の長編小説。マンケル自身ががんの末期であることを承知の上で書かれた小説と考えて読むと色々と考えさせられる。
本作は「イタリアン・シューズ」の続編(時系列のずれはあるけど実質そういうことだろう)で、主人公の外科医崩れフレデリックは相変わらずのクセが強いちょっと根性がヒネくれたク...続きを読むPosted by ブクログ -
へニング・マンケルのミステリーではない(と言い切っていいのか?とにかく謎解きが主体ではないのは確か)長編小説。
主人公は元外科医で偏屈じじい、他人との交流を極力断つために無人島に一人で住む。凍った海に浸かったり、ボロ船を直そうとするだけで眺めたり、船で島に来る郵便配達夫をからかったり…まぁとにかく...続きを読むPosted by ブクログ -
2015年に亡くなったヘニング・マンケル氏の最後の作品。
これでもう、彼の本を読み続ける楽しみは無くなってしまったのだけれど残された本を再読してゆくじんわりとした楽しみが私には残されている。
相変わらず情けない老境にさしかかった男が主人公で、この本は自身ががんに冒されていることを呑み込んだ上で書か...続きを読むPosted by ブクログ -
スウェーデンの群島のひとつの小島に住むフレドリック・ヴェリーン、71歳。フレドリックの家が全焼したというところから始まる。全てを失ったなかで感じる孤独。この先どうすればいいのかという不安の日々に出会ったリーサという女性。リーサとなんとか近づきたいという思いや、一緒にいたいという気持ちを持て余しつつも...続きを読むPosted by ブクログ
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続編が刊行されたので再読。スウェーデンの東海岸にある群島のひとつの小さな島に一人で暮らしているフレドリック、66歳。そこに40年前にフレドリックが裏切った女性ハリエットが突然尋ねてくる。過去に交わした一番美しい約束を果たしてほしいと。フレドリックの頑固さ、自分勝手な性格と、その裏にある一人でいること...続きを読むPosted by ブクログ
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「クルト・ヴァランダー」シリーズ。今作で最後。一番好きなシリーズもので思い入れも強い。今作は中編が一編とシリーズの索引、著者の解説がついている。表題作はいつもながらの地道な捜査、ヴァランダーの頑固さ、不器用さ、怒りっぽさが出ている。娘とのやりとり、同僚との捜査と特別何かがあるわけではないけれど引き込...続きを読むPosted by ブクログ