ヘニング・マンケルのレビュー一覧

  • 殺人者の顔
    クルト・ヴァランダーシリーズ第1作。
    順を追わずにいくつか読んでいるこのシリーズだが、未読作品も読んでみたくなり手を取った。

    クルトの私生活描写が生々しい。奥さんに愛想をつかされ、娘には異国の恋人ができ(それを知らされず)、乱れた食生活で太り、酔っ払い運転で部下につかまり、酔った勢いで美人女性検...続きを読む
  • ファイアーウォール 上
    これでヴァランダー刑事との付き合いは4作目になる。題名を見て、ITに疎い所はどうするのかと思った。同僚の刑事達が何とかするのだろう。まぁ読んでみよう。
    そして見事に外れた。

    ヴァランダーは理解できない世界に迷い込んでしまう。

    こんなことが起きるなんて、分からない。どうなっているのだ。
    それぞれに...続きを読む
  • 笑う男
    久し振りのイ-スタ署のヴァランダー警部、冒頭から正当防衛で殺した事件で悩んでいる。転地しても効果がなくうつ状態は深まるばかり。
    そこに友人の弁護士が尋ねてくる、父親が交通事故で死んだが、腑に落ちないので調べて欲しいと言う。ヴァランダーは警官を辞めようかと思っているときであり、断ってしまった。

    ...続きを読む
  • 目くらましの道 下
    <上巻とあわせて>

    はじめての北欧ミステリー。

    初めは聞きなれない地名や人の名前にとまどったけれど、一文が短くわかりやすく訳されているのでとても読みやすい◎
    翻訳をされている柳沢さんの講演に伺った際、「北欧ミステリー作家は、社会小説家だ」とおっしゃっていたことがよくわかる内容だった。
    特にジェン...続きを読む
  • 五番目の女 上
    6作目。
    作品としてのまとまりがあり、登場人物たちになじみもあって入り込みやすい。
    シリーズ物はこーでなくちゃ。

    タイトルや承前が内容とどうからむのかなかなかわからなかったり、
    読者の心をつかむ術が巧み。
    犯罪内容と謎解きが古めかしいのは仕方ない。

    あとがきを読んで本シリーズは10作で終わってい...続きを読む
  • ピラミッド
    これまで長編ばかり読んできたが、これが初めての短編、中編をまとめたもの。どうかしらと思っていたのだが、期待と予想を大きく裏切る読み応えのある1冊だった。とにかく面白い。
  • ピラミッド
    刑事ヴァランダーシリーズ番外編。
    ヴァランダーがまだ新米巡査だったころからシリーズ第一作「殺人者の顔」直前までの中短編五編。
    新米巡査なのに刑事の真似事をして、禁じられている単独行動の末に撃たれてるし、その後、念願の刑事になっても相変わらず単独行動を繰り返しては時に銃撃戦になったり揉み合いになったり...続きを読む
  • ピラミッド
    ヴァランダー警部シリーズ。

    シリーズ化された主人公の過去が描かれた作品集。
    読者から熱望されたと書かれていたが、
    そこまでファンでない自分でも、面白く読めた。

    忙しいのに父親を救いにエジプトに行く破目になった、
    「ピラミッド」が一番面白かったかな。
    手芸店の老姉妹の意外な裏の姿が驚きだったし。
    ...続きを読む
  • ピラミッド
    安定の面白さ。仲間たちの姿も懐かしい。
    マルメからコペンハーゲンへ行く定期船に乗りたいなぁ。

    ヴァランダー・シリーズ、未訳があと2作あるということで、早く読みたいような、読んだらほんとに終わっちゃうのでとっておきたいような…

  • 殺人者の顔
    楽しめた。残念だったのは自分が馴染みのない土地のせいで主人公が移動する時の距離感が掴めなかったこと。ところで主人公はすぐにベッドに横になるがシャワーを浴びることはないのか。(笑)
  • 五番目の女 下
    スウェーデンのような国でそんなにDVが多いのか。蘭を愛し、花を育てるその手で、妻を殴る。鳥に思いを馳せながら、身近な人間には残酷。人間の抱える闇は深い。犯人が女性刑事を撃ったのは意外。ヴァランダーが新しい一歩を踏み出せそうなのはよかった。母親以外、、誰も愛さず、誰にも愛されなかったように見える犯人も...続きを読む
  • 五番目の女 上
    スウェーデン版怨み屋本舗の気配が…何かヴァランダーもののスウェーデンっていつも天気が悪いようなイメージがある。
  • 背後の足音 上
    なんとシリーズだったのを知らず本作から読んでしまった。
    それでも人間味あふれるヴァランダー刑事のすっかりファンになってしまい他の作品も読んで見たい。
    とにかく体を休めて!眠って!と過酷な捜査につい思ってしまう。犯人まであと少し!と追い詰めるのだけどとことんツイていないヴァランダーに最後までハラハラ。...続きを読む
  • 流砂
    著者の自伝である。がんになって自分がどのような生活を送ってきて、どのように思っているかを振り返っている。
  • 霜の降りる前に 上
    刑事ヴァランダー・シリーズの番外編。警察官となる娘リンダとヴァランダーの共演。

    リンダ・ヴァランダー、まもなく30歳。警察学校を修了して秋からイースタ署に赴任することが決まり、この夏は父クルトのアパートに同居している。久しぶりの故郷で、旧友との付き合いも復活。だが、その友人のひとりアンナがいきなり...続きを読む
  • 霜の降りる前に 下
    白鳥が燃やされ、子牛が焼き殺される。イースタの周辺では奇妙な事件が重なっていた。さらに女性が行方不明になったとの通報が入る。だが驚いたことに、リンダの消えた友人の日記に、行方不明の女性の名前が記されていたのだ。リンダの不安は増すばかり。一方娘の勝手な行動にクルトは怒りを爆発させる。人気の刑事クルト・...続きを読む
  • ファイアーウォール 上
    ヴァランダー警部シリーズ。ITを使った大規模なサイバーテロとスウェーデンの田舎町の刑事さんとの闘い。
    ヴァランダーさんのキャラクターがとっても良い。
  • 霜の降りる前に 上
    テレビを先に見てしまって、失敗したぁと思いきや、ちゃんとなぞりつむかぶらないようになってました。
    面白かった。
  • 殺人者の顔
    刑事ヴァランダーの原作本ということで。
    中年でダメダメな男性刑事というキャラは日本の小説でも最近はとくに珍しくなくなったと思うのですが、これは男の駄目さの描写が素晴らしい。女の私が読んでも、仕事と家族に悩む中年男性の疲れが胸に迫ります。
    イアン・ランキンのリーバスよりも、地に足のついた疲れ方(?)っ...続きを読む
  • 殺人者の顔
    世界で最も福祉政策が充実し、幸福度も高いと言われる北欧だが、ミステリ作品の中では、他の国と大して変わらないシビアな現実を抱えている様子が描かれる。ヴァランダー警部の第1作がすでに数十年前の作品ということにびっくりするが、起こる犯罪とその背景にある社会問題は現在も解決しておらず、そのせいか大筋で古さを...続きを読む