昨年夏翻訳発行の最新作。
スウェーデン南端イースタ警察のクルト・ヴァランダー警部のシリーズ。7作目。
前の事件から2年後。
リガに住む恋人バイバとは4年間断続的に付き合ったが、やはり国が違うために結婚は出来ないと断られてしまう。
一方、亡くなった父親の家は、売りに出すことになります。
ヴァランダー
...続きを読むは体調が悪く、離れて暮らす娘のリンダとせっかく出かけてもあまり疲れている様子に驚かれる。
さすがに病院へ行くと、血糖値が高いとわかり、動揺することに。
真面目な警官であるカール・スヴェードベリが連絡を寄越さずに休み、おかしいと気づいたヴァランダーは夜中に一人で彼の家へ。
死体を発見してしまいます。
誰とも深い付き合いのなかった彼が、唯一仲の良かった看護師の従妹イルヴァに、ヴァランダーを友達と言っていたと聞いて驚く。
スヴェードベリの意外な一面、そして不審な行動がしだいに明らかに…
若者3人が夏至の前夜、仮装パーティに集まったまま旅行に行ってしまったらしい。
行方が知れなくなっていて、母親は心配しているのですが、旅行先からの葉書も来ているので、捜査にはかかっていないという案件もありました。
ところが、3人の遺体も発見される。
現場の様子には不自然さが有り、理由もわからない。
パーティに参加するはずだったもう一人の女の子イーサを訪ねたヴァランダー。
イーサの両親は裕福だが、連絡しても旅行先から帰っても来ない冷たさ。孤独なイーサは、何か隠している?
犯人側の視点も少しだけありますが、正体や動機が全くわからないので、怖さがあります。
後ろから迫って来るかも知れないような。
相変わらず不健康なヴァランダーですが、事件には没頭。
のめりこみ&ひらめき型なので、読んでいる方も引きこまれていきます。
有能でも、事件を防ぐ所までは出来ないのが苦しい所。
中年男らしい悩みでいささかみっともない状態になるのも続いています。これは人間味?
女性署長や娘とだんだん上手くやっていけるようになったようなのは、少しだけ成長したかも。
作家の筆は、冴え渡っています。
1997年の作品。