ヘニング・マンケルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
祖父母から受け継いだ小島の木造の家で一人暮らすのは元医師フレドリック。
秋の夜、就寝中に強烈な明るさで目をさましたときあたりは灰色の煙が充満していた。
なんとか逃げ出したフレドリックだったが、家は全焼する。
警察の調べで火事の原因が放火であると判明するが、保険金目当てではないかと疑いをかけられる。
いったい誰が…真相は…となるが
その間、港の店主が亡くなったり、駐車場の持ち主も…。
そしてそのあとも2件の火事で家が全焼となる。
火事では幸いに死者は出ていないが、誰が何の目的でとなるのである。
犯人の目的もわからないが、その間のフレドリックの周辺のジャーナリストや娘とのことが多く心を揺さぶる。
70歳のフレドリックの心のうちも老境に差し掛かっているが故になのか、回想も多く悲哀を感じる。
真実は、彼だけが知っているというのも辛いではないかと思った。
フレドリックが、ずっーとゴム長靴のことを気にしていたのが、なんだか妙にひっかかった。
実用的なものの代表格のゴム長靴に最後まで拘り続けていたなぁと。
これをタイトルにした意味を考えた…。
火事で家が燃えた日から家が再建されるまでの一年間、ゴム長靴はずっと不在のままなのに物語にあり続けるという意味を。
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Posted by ブクログ
人生終焉前の寂しさと恐怖… 価値観の偏りや歪んだ欲望の醜さが悲しい #スウェーディッシュ・ブーツ
■きっと読みたくなるレビュー
既に現役の医者をリタイヤして、静かに暮らしている主人公。しかし胸に秘めた人間性は、なかなかのキモさと偏見で形成されている。
年甲斐もなく色恋沙汰を期待したり、嘘をついたり、人の領域に土足で踏み込んだり…
動機は自らの寂しさや恐れからの回避なんでしょう。人生を悟るべき年齢にもかかわらず、あまりにもカッコ悪い。正直読んでいると嫌な気分になってくることも多々あります。
しかし、気持ちは痛いほど分かる。
私も年齢を重ねてきました。どんなに頭でわかっていても、価値観の偏りや歪んだ欲望を正規化できないことがあるんですよね。ただ甘えたいだけなんです。
主人公が過去のことを思い出すシーンが度々登場するのですが、これが胸に沁みるんです。私も人生を重ねれば重ねるほど、遠い昔のことを思い出すんですよ。まるで昨日のことのように明確に。
楽しい思い出ではなく、むしろ何でもない日常のことや不安だったことが目に浮かぶ。読めば読むほど彼の人生に引き込まれてしまうのです。
そして人生の終焉にある、目に見えない境界線の向こう側に行く恐怖。どうすれば死を学ぶことができるのか…私も知りたい。
マンケルの遺作である本作ですが、作者の苦しみとむせび泣きが聞こえてくるようでした。
また本作の謎解き要素は、放火犯が誰なのかを探っていくことになるのですが、これもただただ切なくなる真相です。
強く、正しく、人に優しく生きるべきなんて正論は、いくらでも言えます。世界から忘れ去られた人間の悲しみ、たどり着いてしまった孤独の闇は、まさに死の恐怖と重なるのです。
■ぜっさん推しポイント
自分の不利益になっても、価値観と違っても、面倒でも手間でも、人の不幸を受け止めてあげる。どんなに弱い人間でも、唯一できる愛情表現だと思います。
物語の後半、リーサが過去の痛みを初めて語った場面…主人公が行った言動は、悲しくそして許せなかったです。作者からの最期のアンチテーゼとして、しっかりと嚙み締めなければならないと思いました。 -
Posted by ブクログ
マンケル自身が書いた、ヴァランダーものに出てくる地名、人物索引があるというので購入。さらにヴァランダーものの作品全部の導入が書かれている。さすが作者の書く紹介文、作品の目の付け所がかかれている、うまい。プラス短編「手」がある。これがおもしろい、とてもよかった。
「手」
田舎に住みたいヴァランダー、紹介された家に見に行くと、なんと庭から人間の手の骨が突き出ていた。手は前の住人、その先の住人と調べていくと出て来た秘められた出来事。第二次世界大戦の影が見える。
ヴァランダーの紹介文になると、「どちらが犯人でどちらが犠牲者かはとうてい言えるものではなかった。」と締めくくる。
2004,2013
2021.6.18初版 -
Posted by ブクログ
クルト・ヴァランダーの娘リンダが主人公。警察官になる直前の事件を父と共に追いかける。今までのシリーズで時々出てくる娘リンダは、いつも情緒が不安定でフラフラしているイメージしかなかったが警察官になるとはびっくり。彼女の両親に対する、愛情や軽蔑がない混ぜになった感情がリアルで、意外と似たもの同士である父娘のやり取りにくすっと笑えてしまう。娘の容赦のない父の描写が特に面白く、クルト・ヴァランダーという人間の輪郭が際立ち、やはり彼はヒーローになりきれないなあと感じる。そこが良いのだが。
そうそう事件はカルト宗教がらみになるが、いつもな感じで面白かった。作者が亡くなってしまったので、ヴァランダーシリーズも終わってしまうのが悲しく、長らく積読状態だったが、すでに7年経っていた。今年こそ読んでしまおうと思った。 -
Posted by ブクログ
もうミステリーじゃないですね
じゃあなんなのよ?って聞かれるとだいぶ困るんですが
正直事件の方はもうほぼサイドストーリーなんじゃないかと思うほど力入ってない気がします
割とどうでもいいっていうか
今回はヴァランダー再生の旅です
警官であるということ、イコールヴァランダーにとって生きるということはどういうことなのかをひたすらに自分に問いかけ続けます
そしてヴァランダーはデンマーク社会を映す鏡でもあるようです
ひたすらに自分の内にある怖れや苦悩や喜びさまざまなものと向き合い続ける500ページでした
読み終わって思ったこと
ヴァランダー頑張れ!
俺も頑張る! -
Posted by ブクログ
オリジナルのタイトル”Mördare Utan Ansikte”、どういう意味なんだろうと思って辞書を引いたところ、顔のない殺人者、という意味だった。
犯人はいて勿論『顔』がある。けれど、犯人をそうするように駆り立てたものーー国の制度、仕組み、移民問題ーーもある意味では『犯人(原因)』で、それには『顔』がない。……よな、とか考えたりした。
国が抱えている問題を軸にして展開される重厚な物語。読み終えた時の(いい意味での)疲労感。
ヴァランダーのシリーズをもっと読みたくなった。
しかし、クルト・ヴァランダー、プライベートがとことん行き詰まっているし、ひどい怪我をするし、急いでご飯食べたりして結構お腹こわしてるし……大丈夫か!?と心配になった。これで職場の人間関係がギスギスしてたら(辛すぎてとても読み進められなかった)……そうじゃなくてよかった。
父親の問題のくだり、それについて姉と話している場面はとても苦しくなってしまった。 -
Posted by ブクログ
スウェーデンの作家「ヘニング・マンケル」の長篇ミステリ作品『リガの犬たち(原題:Hundarna i Riga)』を読みました。
「ヘニング・マンケル」作品は、今年の3月に読んだ『北京から来た男』以来ですね… 北欧ミステリが続いています。
-----story-------------
【CWAゴールドダガー受賞シリーズ】
スウェーデン南部の海岸に、一艘のゴムボートが流れ着いた。
その中には、高級なスーツを身につけた二人の男の射殺死体が抱き合うように横たわっていた。
彼らはいったい何者なのか?どうやら海の向こう、ソ連か東欧の人間らしいのだが…。
小さな田舎町の刑事「ヴァランダー」は、この国境を超えた事件に思いもよらぬ形で深入りすることになるのだった!
注目のシリーズ第二弾。
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警察小説「クルト・ヴァランダー」シリーズの第2作… 第1作の『殺人者の顔』、第4作の『笑う男』、第5作の『目くらましの道』、第7作の『背後の足音』に続き、本シリーズを読むのは6作目です、、、
刊行順に読めてませんが… 古書店で探しながら読んでいるので仕方ないですね。
1991年(平成3年)2月12日、イースタ警察署に「間もなく2人の死体を乗せた救命ボートが漂着する。」という匿名の電話が掛かってきた… 翌日、電話の通りに救命ボートがモスビー・ストランドで発見された、、、
乗っていた死体を検分すると靴もネクタイもスーツは高価な物ばかりで、身体には銃創と拷問された痕跡があり、胸を銃で撃ち抜かれていた… 歯科治療の痕から東欧出身者だと推定され、救命ボートの特徴からもそれが東欧製であることが判明した。
外務省(Utrikesdepartementet)を通じ各国に問い合わせるとラトビアから死体の身元に関する情報が送られて来るとともに現地から捜査官が派遣されて来ることとなった… ラトビアからやって来た「カリウス・リエパ中佐」によると殺された2人はマフィアの仲間でラトビアでの逮捕歴があるということであった、、、
ヘヴィースモーカーの「リエパ中佐」に辟易しながらも、「クルト・ヴァランダー」は小柄でひどい近眼の「リエパ中佐」の熱心な働きぶりと鋭い洞察力に敬服する… イースタ警察署に保管してあった証拠物件の救命ボートが盗まれるという事件も発生したが、1週間の滞在後「リエパ中佐」が遺体を引き取って帰国すると共に捜査は全てラトビア側に引き継がれ、スウェーデン側にとっては一件落着に思われたのだが、実はこれは氷山の一角に過ぎなかった。
「リエパ中佐」が帰国した翌日、イースタ警察署に「リエパ中佐」が何者かに殺害された旨を報じるテレックスが送られてきた… ラトビア警察からの捜査協力要請を受けて「ヴァランダー」は初めてバルト海をわたりラトビアの首都リガに飛ぶ、、、
そこで「ヴァランダー」が垣間見たのはかつての社会主義大国ソヴィエト連邦が崩壊する瀬戸際で起きた、ソ連支配下の国における独立運動とそれを阻もうとする勢力との壮絶な闘いだった… 全てが軍によって、あるいはソ連に通じる人脈によって掌握されている社会で、自由を求める代償は、生命の危機である。
地下で果敢に闘う人々、その動きを抑え込もうとする勢力、その中で裏切りや密告を警戒し、疑心暗鬼になって暮らす人々の姿が見える… また同じ人々が命懸けの信頼、同士愛、愛国心をもって独立運動を進める姿も見える、、、
そのような人々の極限の姿が、それまで国家や政治にはあまり関心がなかった「ヴァランダー」の心を揺さぶる… 理想に燃え自由を求めて一介の田舎警察官にすぎない自分を信頼して、助けを求めるラトビアの人々をシニカルに見つめ、巻き込まれないとする「ヴァランダー」だが、しだいに自由と独立という大義のために闘う人々を信じるようになる。
連絡係の女「イナセ」が襲撃で殺されたり、「リエパ中佐」の同士で「ヴァランダー」にこの国の事情を話してくれた「ウピティス」が逮捕されたり、ホテルの売店で働く女「ヴィラ」が危険を冒して自宅にかくまってくれたり、「リエパ中佐」の妻「バイバ・リエパ」と交流したり、という個人的体験をすることで、「ヴァランダー」はこの国の人々の置かれた状況を理解し、非合法なカタチで真相究明に協力することに… 「リエパ中佐」の上司である「ヤゼプス・プトニス大佐」や「ユリス・ムルニエース大佐」、その部下「スィズ軍曹」等のうちの誰かが黒幕と睨んだ「ヴァランダー」は、「リエパ中佐」が遺した証拠を入手するためにラトビア警察に侵入し、事件の真相に迫る。、、、
終盤は、緊張感の続く、スパイ映画さながらのサスペンスフルな冒険活劇となっていて愉しめましたね… 旧社会主義国家であるバルト諸国の闇を見事に描いた快作でした。
やっと、「ヴァランダー」と「バイバ・リエパ」の出会いを知ることができました… やっぱ、できれば順番に読みたいですね。
以下、主な登場人物です。
「クルト・ヴァランダー」
イースタ警察署の刑事
「リードベリ」
故人。クルトの元同僚
「マーティンソン」
イースタ警察署の刑事
「カール・エヴァート・スヴェードベリ」
イースタ警察署の刑事
「ハンソン」
イースタ警察署の刑事
「ビュルク」
イースタ警察署の警察署長
「ムルト」
検死医
「エッバ」
イースタ警察署の交換手
「アネッテ・ブロリン」
イースタ警察署鑑識課の刑事
「クルト・ヴァランダーの父」
画家
「ビルギッタ・ツーン」
外務省の役人
「スツーレ・ルンルンド」
本部から来た刑事
「バッティル・ロヴェーン」
本部から来た刑事
「カルリス・リエバ中佐」
ラトビア警察の中佐(リガの犯罪捜査官)
「ヤゼプス・プトニス大佐」
ラトビア警察の大佐でリエパ中佐の上司
「ユリス・ムルニエース大佐」
ラトビア警察の大佐でリエパ中佐の上司
「スィズ軍曹」
大佐たちの部下
「バイバ・リエパ」
カルリスの妻
「イネセ」
バイバの仲間
「ウピティス」
バイバの仲間
「スツーレ」
クルトの別れた妻
「リンダ・ヴァランダー」
クルトの娘 -
Posted by ブクログ
スウェーデンの作家「ヘニング・マンケル」の長篇ミステリ作品『背後の足音(原題:Steget efter)』を読みました。
『目くらましの道』に続き「ヘニング・マンケル」作品です… 読み始めると北欧ミステリは続いちゃいますね。
-----story-------------
〈上〉
夏至前夜、三人の若者が公園でパーティを開いていた。
十八世紀の服装、料理、ワイン。
彼らをうかがう目があるとも知らず……。
イースタ警察署に娘を捜してくれという母親の訴えが出された。
夏至前夜に友人と出かけて以来、行方がわからないというのだ。
捜査会議を招集したが、刑事の一人が無断で欠席した。
几帳面なはずの人物がなぜ?
不審に思ってアパートを訪ねた「ヴァランダー」の目の前に、信じられない光景が。
シリーズ第七弾。
〈下〉
長年一緒に仕事をしてきた同僚の刑事が殺された。
そのあまりに無惨な姿に、イースタ署の面々は言葉を失った。
どうやら彼は、例の若者たちが失踪した事件をたった一人で調べていたらしい。
二つの事件は同一犯の仕業なのか。
調べ進むうちに明らかになる、殺された刑事の隠された素顔。
自分はいったい彼の何を知っていたのか。
「ヴァランダー」ら捜査陣の焦燥感がつのるなか、次の犠牲者が……。
現代社会の病巣をえぐる北欧の巨匠の傑作。
訳者あとがき=「柳沢由実子」/解説=「小山正」
*第1位『IN★POCKET』2011年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/総合部門
*第1位『IN★POCKET』2011年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/翻訳家&評論家部門
*第3位『IN★POCKET』2011年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/読者部門
*第4位『このミステリーがすごい!2012年版』海外編
*第4位『ミステリが読みたい!2012年版』海外篇
*第6位〈週刊文春〉2011ミステリーベスト10 海外部門
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警察小説「クルト・ヴァランダー」シリーズの第7作… 第1作の『殺人者の顔』、第4作の『笑う男』、第5作の『目くらましの道』に続き、本シリーズを読むのは4作目です、、、
本シリーズ、新しい作品が出る度に長くなる傾向があるようで、本作品は上下巻で850ページを超える大作になっています… 読み応えありましたね。
夏至前夜、三人の若者が自然保護地区の公園でパーティを開いていた、、、
十八世紀の服装、音楽、美味しい料理、ワイン… 物陰から彼らをうかがう目があるとも知らず。
その三人の若者のうちの一人「アストリッド・ヒルストルム」の母親「エヴァ・ヒルストルム」から、イースタ警察署に娘を捜してくれという訴えがあった。
夏至前夜に友人と出かけて以来、行方がわからないというのだ… 旅先から絵はがきが届いてはいるのだが、筆跡が偽物らしいというのだ、、、
母親の熱意に動かされた「ヴァランダー」は捜査会議を招集したが、同僚の刑事のひとり「カール・エヴァート・スヴェードベリ」が無断で欠席した… 電話をしても応えるのは留守番電話ばかりで、いっこうに連絡がとれない。
几帳面で遅刻などしたことのない「スヴェードベリ」が、なぜ? 不審に思ってアパートを訪ねた「ヴァランダー」の目の前に、信じられない光景がひろがっていた… 長年一緒に仕事をしてきた「スヴェードベリ」はライフル銃で頭を撃たれ殺されていた、、、
そのあまりに無惨な殺人現場に、イースタ署の面々は言葉を失う… どうやら「スヴェードベリ」は休暇まで使って、例の若者たちが失踪した事件を一人で調べていたらしい。
二つの事件は同一犯の仕業なのか? 調べ進むうちに、次第に明らかになる、「スヴェードベリ」の隠された素顔… 自分はいったい彼の何を知っていたというのだろう、、、
そして、自然保護地区の公園で三人の遺体が発見される… 三人とも銃で頭を撃たれており、しかも、遺体は一度どこかに持ち去られたあと、再度、殺された場所に置かれていた。
捜査陣の焦燥感がつのるなか、次の犠牲者が… 三人の若者とのパーティーに参加する予定だったが、体調を崩して参加できなかった「イーサ・エーデングレン」が銃で撃たれて殺され、さらに結婚式を挙げた直後に記念撮影をしていた「トルビューン・ヴェルネル」と「マーリン・スカンデール」の新婚夫婦とカメラマンの「ロルフ・ハーグ」が銃で撃たれて殺される、、、
次に狙われるのは誰か? そして、「ヴァランダー」にも魔の手が迫る… 糖尿病からくる身体の不調(本人は同僚たちにちょっと血糖値が高いだけ… と言って、糖尿病とは言いませんが)と闘いながら、「ヴァランダー」は同僚たちの協力を得ながら、事件の真相に迫る。
相変わらずですが… 現代社会の病巣を見事に描いた快作でしたね、、、
第6作の『五番目の女』を飛ばして読んだので、いつのまにか「ヴァランダー」の父親は亡くなり、「ヴァランダー」と「バイバ・リエパ」との関係も終わってしまったみたいです… やっぱ、順番に読むべきだったかなぁ。
以下、主な登場人物です。
「クルト・ヴァランダー」
イースタ警察署の刑事
「アン=ブリッド・フーグルンド」
イースタ警察署の刑事
「マーティンソン」
イースタ警察署の刑事
「カール・エヴァート・スヴェードベリ」
イースタ警察署の刑事
「ハンソン」
イースタ警察署の刑事
「スヴェン・ニーベリ」
イースタ警察署鑑識課の刑事
「リーサ・ホルゲソン」
イースタ警察署の警察署長
「エッバ」
イースタ警察署の交換手
「ツーンベリ」
代理の検事
「クルト・ヴァランダーの父」
画家
「イェートルード」
その妻
「モナ」
クルトの別れた妻
「リンダ・ヴァランダー」
クルトの娘
「バイバ・リエパ」
リガに住む未亡人
「ステン・ヴィデーン」
クルトの友人
「イルヴァ・ブリンク」
スヴェードベリのいとこ、助産師
「スツーレ・ビュルクンド」
スヴェードベリのいとこ、大学教授
「ルイース」
スヴェードベリの恋人?
「ブロー・スンデリウス」
元銀行理事
「アストリッド・ヒルストルム」
行方不明の若者
「マーティン・ボイエ」
行方不明の若者
「レーナ・ノルマン」
行方不明の若者
「イーサ・エーデングレン」
アストリッド、マーティン、レーナの友人
「エヴァ・ヒルストルム」
アストリッドの母
「エリック・ルンドベリ」
イーサの隣人
「バルブロ」
ルンドベリの妻
「レナート・ヴェスティン」
群島の郵便配達人
「スティーグ・ストリズ」
スヴェードベリを訴えた男
「ニルス(ニッセ)」
スティーグの弟、故人
「ルート・ルンディ」
ニルスの内妻
「トルビューン・ヴェルネル」
新郎
「マーリン・スカンデール」
新婦
「ロルフ・ハーグ」
カメラマン
「マリア・ヨルトベリ」
ロルフのアシスタント
「ロネ・シェール」
コペンハーゲン警察の刑事
「シェル・アルビンソン」
郵便物の集配責任者
「オーケ・ラースタム」
郵便配達人 -
Posted by ブクログ
スウェーデンの作家「ヘニング・マンケル」の長篇ミステリ作品『背後の足音(原題:Steget efter)』を読みました。
『目くらましの道』に続き「ヘニング・マンケル」作品です… 読み始めると北欧ミステリは続いちゃいますね。
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〈上〉
夏至前夜、三人の若者が公園でパーティを開いていた。
十八世紀の服装、料理、ワイン。
彼らをうかがう目があるとも知らず……。
イースタ警察署に娘を捜してくれという母親の訴えが出された。
夏至前夜に友人と出かけて以来、行方がわからないというのだ。
捜査会議を招集したが、刑事の一人が無断で欠席した。
几帳面なはずの人物がなぜ?
不審に思ってアパートを訪ねた「ヴァランダー」の目の前に、信じられない光景が。
シリーズ第七弾。
〈下〉
長年一緒に仕事をしてきた同僚の刑事が殺された。
そのあまりに無惨な姿に、イースタ署の面々は言葉を失った。
どうやら彼は、例の若者たちが失踪した事件をたった一人で調べていたらしい。
二つの事件は同一犯の仕業なのか。
調べ進むうちに明らかになる、殺された刑事の隠された素顔。
自分はいったい彼の何を知っていたのか。
「ヴァランダー」ら捜査陣の焦燥感がつのるなか、次の犠牲者が……。
現代社会の病巣をえぐる北欧の巨匠の傑作。
訳者あとがき=「柳沢由実子」/解説=「小山正」
*第1位『IN★POCKET』2011年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/総合部門
*第1位『IN★POCKET』2011年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/翻訳家&評論家部門
*第3位『IN★POCKET』2011年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/読者部門
*第4位『このミステリーがすごい!2012年版』海外編
*第4位『ミステリが読みたい!2012年版』海外篇
*第6位〈週刊文春〉2011ミステリーベスト10 海外部門
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警察小説「クルト・ヴァランダー」シリーズの第7作… 第1作の『殺人者の顔』、第4作の『笑う男』、第5作の『目くらましの道』に続き、本シリーズを読むのは4作目です、、、
本シリーズ、新しい作品が出る度に長くなる傾向があるようで、本作品は上下巻で850ページを超える大作になっています… 読み応えありましたね。
夏至前夜、三人の若者が自然保護地区の公園でパーティを開いていた、、、
十八世紀の服装、音楽、美味しい料理、ワイン… 物陰から彼らをうかがう目があるとも知らず。
その三人の若者のうちの一人「アストリッド・ヒルストルム」の母親「エヴァ・ヒルストルム」から、イースタ警察署に娘を捜してくれという訴えがあった。
夏至前夜に友人と出かけて以来、行方がわからないというのだ… 旅先から絵はがきが届いてはいるのだが、筆跡が偽物らしいというのだ、、、
母親の熱意に動かされた「ヴァランダー」は捜査会議を招集したが、同僚の刑事のひとり「カール・エヴァート・スヴェードベリ」が無断で欠席した… 電話をしても応えるのは留守番電話ばかりで、いっこうに連絡がとれない。
几帳面で遅刻などしたことのない「スヴェードベリ」が、なぜ? 不審に思ってアパートを訪ねた「ヴァランダー」の目の前に、信じられない光景がひろがっていた… 長年一緒に仕事をしてきた「スヴェードベリ」はライフル銃で頭を撃たれ殺されていた、、、
そのあまりに無惨な殺人現場に、イースタ署の面々は言葉を失う… どうやら「スヴェードベリ」は休暇まで使って、例の若者たちが失踪した事件を一人で調べていたらしい。
二つの事件は同一犯の仕業なのか? 調べ進むうちに、次第に明らかになる、「スヴェードベリ」の隠された素顔… 自分はいったい彼の何を知っていたというのだろう、、、
そして、自然保護地区の公園で三人の遺体が発見される… 三人とも銃で頭を撃たれており、しかも、遺体は一度どこかに持ち去られたあと、再度、殺された場所に置かれていた。
捜査陣の焦燥感がつのるなか、次の犠牲者が… 三人の若者とのパーティーに参加する予定だったが、体調を崩して参加できなかった「イーサ・エーデングレン」が銃で撃たれて殺され、さらに結婚式を挙げた直後に記念撮影をしていた「トルビューン・ヴェルネル」と「マーリン・スカンデール」の新婚夫婦とカメラマンの「ロルフ・ハーグ」が銃で撃たれて殺される、、、
次に狙われるのは誰か? そして、「ヴァランダー」にも魔の手が迫る… 糖尿病からくる身体の不調(本人は同僚たちにちょっと血糖値が高いだけ… と言って、糖尿病とは言いませんが)と闘いながら、「ヴァランダー」は同僚たちの協力を得ながら、事件の真相に迫る。
相変わらずですが… 現代社会の病巣を見事に描いた快作でしたね、、、
第6作の『五番目の女』を飛ばして読んだので、いつのまにか「ヴァランダー」の父親は亡くなり、「ヴァランダー」と「バイバ・リエパ」との関係も終わってしまったみたいです… やっぱ、順番に読むべきだったかなぁ。
以下、主な登場人物です。
「クルト・ヴァランダー」
イースタ警察署の刑事
「アン=ブリッド・フーグルンド」
イースタ警察署の刑事
「マーティンソン」
イースタ警察署の刑事
「カール・エヴァート・スヴェードベリ」
イースタ警察署の刑事
「ハンソン」
イースタ警察署の刑事
「スヴェン・ニーベリ」
イースタ警察署鑑識課の刑事
「リーサ・ホルゲソン」
イースタ警察署の警察署長
「エッバ」
イースタ警察署の交換手
「ツーンベリ」
代理の検事
「クルト・ヴァランダーの父」
画家
「イェートルード」
その妻
「モナ」
クルトの別れた妻
「リンダ・ヴァランダー」
クルトの娘
「バイバ・リエパ」
リガに住む未亡人
「ステン・ヴィデーン」
クルトの友人
「イルヴァ・ブリンク」
スヴェードベリのいとこ、助産師
「スツーレ・ビュルクンド」
スヴェードベリのいとこ、大学教授
「ルイース」
スヴェードベリの恋人?
「ブロー・スンデリウス」
元銀行理事
「アストリッド・ヒルストルム」
行方不明の若者
「マーティン・ボイエ」
行方不明の若者
「レーナ・ノルマン」
行方不明の若者
「イーサ・エーデングレン」
アストリッド、マーティン、レーナの友人
「エヴァ・ヒルストルム」
アストリッドの母
「エリック・ルンドベリ」
イーサの隣人
「バルブロ」
ルンドベリの妻
「レナート・ヴェスティン」
群島の郵便配達人
「スティーグ・ストリズ」
スヴェードベリを訴えた男
「ニルス(ニッセ)」
スティーグの弟、故人
「ルート・ルンディ」
ニルスの内妻
「トルビューン・ヴェルネル」
新郎
「マーリン・スカンデール」
新婦
「ロルフ・ハーグ」
カメラマン
「マリア・ヨルトベリ」
ロルフのアシスタント
「ロネ・シェール」
コペンハーゲン警察の刑事
「シェル・アルビンソン」
郵便物の集配責任者
「オーケ・ラースタム」
郵便配達人 -
Posted by ブクログ
スウェーデンの作家「ヘニング・マンケル」の長篇ミステリ作品『目くらましの道(原題:Villospar)』を読みました。
「ヘニング・マンケル」作品は先月読んだ『笑う男』以来です… 約1か月振りの北欧ミステリですね。
-----story-------------
〈上〉
【CWAゴールドダガー賞受賞】
夏の休暇を楽しみに待つ、イースタ署の「ヴァランダー警部」。
そんな平和な夏のはじまりは、一本の電話でひっくり返された。
呼ばれて行った先の菜の花畑で、少女が焼身自殺。
目の前で少女が燃えるのを見たショックに追い打ちをかけるように、事件発生の通報が。
殺されたのは元法務大臣。
背中を斧で割られ、頭皮の一部を髪の毛ごと剥ぎ取られていた。
そして事件はこれだけでは終わらなかった。
CWA賞受賞、スウェーデン警察小説の金字塔。
〈下〉
【CWAゴールドダガー賞受賞】
斧で殺害し、頭皮の一部をはぐという凄惨な殺人。
犯人は次々と犠牲者を増やしていった。
元法務大臣、美術商、そして盗品の売人。
殺害方法は次第にエスカレートし、三人目は生きているうちに両目を塩酸で焼かれていた。
犠牲者に共通するものは?
なぜ三人目は目を潰されたのか?
常軌を逸した連続殺人に「ヴァランダー」らの捜査は難航する。
そして四人目の犠牲者が……。
犯人の目的は?
現代社会の病巣を鋭くえぐる傑作シリーズ第5弾。
解説=「杉江松恋」
*第1位「第1回PLAYBOYミステリー大賞」海外部門(『PLAYBOY日本版』2008年1月号)
*第6位『ミステリが読みたい!2008年版』/海外部門
*第6位CSミステリチャンネル「闘うベストテン2007」/海外部門
*第9位『このミステリーがすごい!2008年版』/海外編
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警察小説「クルト・ヴァランダー」シリーズの第5作… 第1作の『殺人者の顔』、第4作の『笑う男』に続き、本シリーズを読むのは3作目です、、、
『笑う男』の翌年、1994年のイースタが舞台です。
■ドミニカ共和国 一九七八年
■スコーネ 一九九四年六月二十一日から二十四日
■スコーネ 一九九四年六月二十五日から二十八日
■スコーネ 一九九四年六月二十九日から七月四日
■スコーネ 一九九四年七月五日から八日
■スコーネ 一九九四年九月十六日から十七日
■解説 杉江松恋
1994年6月、「クルト・ヴァランダー」は夏の休暇を楽しみにしていた… 交際中のリガの未亡人「バイバ」と旅行に行くのだ、、、
そんな平和な夏のはじまりは一本の電話でひっくり返された… 農夫から「自分の菜の花畑に不審な女性が入り込んでいる」という通報が入ったが、パトロール警官がすべて出払っていたために、「ヴァランダー」が現場に向かったところ、なにかに怯えている様子の少女が菜の花畑に立っていた。
その少女は「ヴァランダー」が止める間もなく、灯油をかぶり自らに火をつけて焼身自殺を遂げてしまう… 身元も自殺の理由も不明だった、、、
そして目の前で少女が燃えるのを見たショックに追い打ちをかけるように事件発生の通報が入る… 今度は海岸でイースタで隠遁生活をおくっている元外務大臣の「グスタフ・ヴェッテルステッド」と思われる男性の他殺死体が発見されたとの通報があった… 「ヴァランダー」らが現場に赴くと、「ヴェッテルステッド」は、背中を斧で割られており、頭皮を剥がされていた。
あまりに凄惨な殺害方法に、「ヴァランダー」らイースタ署の面々に戦慄がはしる… そして、夏至祭の前夜に、自宅でパーティを催していた画商の「アルネ・カールマン」が、自宅の庭園で頭部を斧で割られ殺害されているのが発見され、「カールマン」も「ヴェッテルステッド」と同様に頭皮が剥がされていた、、、
さらに盗品の売人「ビュルン・フレードマン」が同様の方法で殺害された… しかも犯行は次第にエスカレートし、「フレードマン」は生きているうちに両目を塩酸で焼かれていた。
三人の犠牲者の接点と共通するものは? そしてなぜ三人目だけが目を潰されたのか? 犯人の目的は何なのか? そして四人目の犠牲者が、、、
ペーパーカンパニーで財を成した公認会計士の「オーケ・リリエグレン」が同様な方法で殺害された… 今度は頭部をオーブンに突っ込まれ焼かれていた。
常軌を逸した連続殺人に「ヴァランダー」等の捜査は難航する… そして、「ヴァランダー」と娘「リンダ」にも魔の手が迫る、、、
読者には、早めに犯人が示され、動機についても想像できちゃうので… 「ヴァランダー」が仲間たちの協力を得ながら、直感と行動力を武器に真相を解き明かす展開を愉む作品でしたね。
現代社会の病巣を鋭く抉る作品でした… でも、「ヴァランダー」の私生活は相変わらず順風満帆とは言えない状況ですね、、、
認知症を発症した父親とのイタリア旅行、恋人「バイバ・リエパ」との関係… こちらの展開は、次作以降で確認していきたいと思います。
以下、主な登場人物です。
「クルト・ヴァランダー」
イースタ警察署警部
「アン=ブリッド・フーグルンド」
イースタ警察署の刑事
「マーティンソン」
イースタ警察署の刑事
「スヴェードベリ」
イースタ警察署の刑事
「スヴェン・ニーベリ」
イースタ警察署鑑識課の刑事
「ビュルク」
イースタ警察署の警察署長
「ハンソン」
イースタ警察署の警察署長代理
「リーサ・ホルゲソン」
イースタ警察署の新警察署長
「エッバ」
イースタ警察署の交換手
「ペール・オーケソン」
検事
「マッツ・エクホルム」
心理学者
「ステン・フォースフェルト」
マルメ警察署の刑事
「スツーレ・ビリエールソン」
ヘルシングボリ警察署の警視
「ヴァルデマール・シューステン」
ヘルシングボリ警察署の刑事
「ルドヴィグソン」
本庁から来た刑事
「ハムレーン」
本庁から来た刑事
「クルト・ヴァランダーの父」
画家
「イェートルード」
その新しい妻
「リンダ・ヴァランダー」
クルトの娘
「バイバ・リエパ」
リガに住む未亡人
「グスタフ・ヴェッテルステッド」
元法務大臣
「サラ・ビュルクルンド」
ヴェッテルステッド邸の清掃人
「ラーシュ・マグヌソン」
元ジャーナリスト
「アルネ・カールマン」
画商
「アニタ・カールマン」
アルネの妻
「エリカ・カールマン」
アルネの娘
「ビュルン・フレードマン」
盗品売人
「アネット・フレードマン」
ビュルンの妻
「ルイース・フレードマン」
ビュルンの娘
「ステファン・フレードマン」
ビュルンの14歳の息子
「イェンス・フレードマン」
ビュルンの4歳の息子
「ペーター・イェルム」
ビュルンの仕事仲間
「オーケ・リリエグレン」
公認会計士
「レナート・ハイネマン」
元外務省高官
「エリサベス・カーレーン」
コールガール
「ハンス・ローゴード」
リリエグレンの友人
「グンネル・ニルソン」
スメーズトルプ教会の女性牧師
「スヴェン・アンダーソン」
同教会の庭師
「ペドロ・サンタナ」
ドミニカ共和国の農夫
「ドロレス・マリア・サンタナ」
ペドロの娘 -
Posted by ブクログ
スウェーデンの作家「ヘニング・マンケル」の長篇ミステリ作品『目くらましの道(原題:Villospar)』を読みました。
「ヘニング・マンケル」作品は先月読んだ『笑う男』以来です… 約1か月振りの北欧ミステリですね。
-----story-------------
〈上〉
【CWAゴールドダガー賞受賞】
夏の休暇を楽しみに待つ、イースタ署の「ヴァランダー警部」。
そんな平和な夏のはじまりは、一本の電話でひっくり返された。
呼ばれて行った先の菜の花畑で、少女が焼身自殺。
目の前で少女が燃えるのを見たショックに追い打ちをかけるように、事件発生の通報が。
殺されたのは元法務大臣。
背中を斧で割られ、頭皮の一部を髪の毛ごと剥ぎ取られていた。
そして事件はこれだけでは終わらなかった。
CWA賞受賞、スウェーデン警察小説の金字塔。
〈下〉
【CWAゴールドダガー賞受賞】
斧で殺害し、頭皮の一部をはぐという凄惨な殺人。
犯人は次々と犠牲者を増やしていった。
元法務大臣、美術商、そして盗品の売人。
殺害方法は次第にエスカレートし、三人目は生きているうちに両目を塩酸で焼かれていた。
犠牲者に共通するものは?
なぜ三人目は目を潰されたのか?
常軌を逸した連続殺人に「ヴァランダー」らの捜査は難航する。
そして四人目の犠牲者が……。
犯人の目的は?
現代社会の病巣を鋭くえぐる傑作シリーズ第5弾。
解説=「杉江松恋」
*第1位「第1回PLAYBOYミステリー大賞」海外部門(『PLAYBOY日本版』2008年1月号)
*第6位『ミステリが読みたい!2008年版』/海外部門
*第6位CSミステリチャンネル「闘うベストテン2007」/海外部門
*第9位『このミステリーがすごい!2008年版』/海外編
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警察小説「クルト・ヴァランダー」シリーズの第5作… 第1作の『殺人者の顔』、第4作の『笑う男』に続き、本シリーズを読むのは3作目です、、、
『笑う男』の翌年、1994年のイースタが舞台です。
■ドミニカ共和国 一九七八年
■スコーネ 一九九四年六月二十一日から二十四日
■スコーネ 一九九四年六月二十五日から二十八日
■スコーネ 一九九四年六月二十九日から七月四日
■スコーネ 一九九四年七月五日から八日
■スコーネ 一九九四年九月十六日から十七日
■解説 杉江松恋
1994年6月、「クルト・ヴァランダー」は夏の休暇を楽しみにしていた… 交際中のリガの未亡人「バイバ」と旅行に行くのだ、、、
そんな平和な夏のはじまりは一本の電話でひっくり返された… 農夫から「自分の菜の花畑に不審な女性が入り込んでいる」という通報が入ったが、パトロール警官がすべて出払っていたために、「ヴァランダー」が現場に向かったところ、なにかに怯えている様子の少女が菜の花畑に立っていた。
その少女は「ヴァランダー」が止める間もなく、灯油をかぶり自らに火をつけて焼身自殺を遂げてしまう… 身元も自殺の理由も不明だった、、、
そして目の前で少女が燃えるのを見たショックに追い打ちをかけるように事件発生の通報が入る… 今度は海岸でイースタで隠遁生活をおくっている元外務大臣の「グスタフ・ヴェッテルステッド」と思われる男性の他殺死体が発見されたとの通報があった… 「ヴァランダー」らが現場に赴くと、「ヴェッテルステッド」は、背中を斧で割られており、頭皮を剥がされていた。
あまりに凄惨な殺害方法に、「ヴァランダー」らイースタ署の面々に戦慄がはしる… そして、夏至祭の前夜に、自宅でパーティを催していた画商の「アルネ・カールマン」が、自宅の庭園で頭部を斧で割られ殺害されているのが発見され、「カールマン」も「ヴェッテルステッド」と同様に頭皮が剥がされていた、、、
さらに盗品の売人「ビュルン・フレードマン」が同様の方法で殺害された… しかも犯行は次第にエスカレートし、「フレードマン」は生きているうちに両目を塩酸で焼かれていた。
三人の犠牲者の接点と共通するものは? そしてなぜ三人目だけが目を潰されたのか? 犯人の目的は何なのか? そして四人目の犠牲者が、、、
ペーパーカンパニーで財を成した公認会計士の「オーケ・リリエグレン」が同様な方法で殺害された… 今度は頭部をオーブンに突っ込まれ焼かれていた。
常軌を逸した連続殺人に「ヴァランダー」等の捜査は難航する… そして、「ヴァランダー」と娘「リンダ」にも魔の手が迫る、、、
読者には、早めに犯人が示され、動機についても想像できちゃうので… 「ヴァランダー」が仲間たちの協力を得ながら、直感と行動力を武器に真相を解き明かす展開を愉む作品でしたね。
現代社会の病巣を鋭く抉る作品でした… でも、「ヴァランダー」の私生活は相変わらず順風満帆とは言えない状況ですね、、、
認知症を発症した父親とのイタリア旅行、恋人「バイバ・リエパ」との関係… こちらの展開は、次作以降で確認していきたいと思います。
以下、主な登場人物です。
「クルト・ヴァランダー」
イースタ警察署警部
「アン=ブリッド・フーグルンド」
イースタ警察署の刑事
「マーティンソン」
イースタ警察署の刑事
「スヴェードベリ」
イースタ警察署の刑事
「スヴェン・ニーベリ」
イースタ警察署鑑識課の刑事
「ビュルク」
イースタ警察署の警察署長
「ハンソン」
イースタ警察署の警察署長代理
「リーサ・ホルゲソン」
イースタ警察署の新警察署長
「エッバ」
イースタ警察署の交換手
「ペール・オーケソン」
検事
「マッツ・エクホルム」
心理学者
「ステン・フォースフェルト」
マルメ警察署の刑事
「スツーレ・ビリエールソン」
ヘルシングボリ警察署の警視
「ヴァルデマール・シューステン」
ヘルシングボリ警察署の刑事
「ルドヴィグソン」
本庁から来た刑事
「ハムレーン」
本庁から来た刑事
「クルト・ヴァランダーの父」
画家
「イェートルード」
その新しい妻
「リンダ・ヴァランダー」
クルトの娘
「バイバ・リエパ」
リガに住む未亡人
「グスタフ・ヴェッテルステッド」
元法務大臣
「サラ・ビュルクルンド」
ヴェッテルステッド邸の清掃人
「ラーシュ・マグヌソン」
元ジャーナリスト
「アルネ・カールマン」
画商
「アニタ・カールマン」
アルネの妻
「エリカ・カールマン」
アルネの娘
「ビュルン・フレードマン」
盗品売人
「アネット・フレードマン」
ビュルンの妻
「ルイース・フレードマン」
ビュルンの娘
「ステファン・フレードマン」
ビュルンの14歳の息子
「イェンス・フレードマン」
ビュルンの4歳の息子
「ペーター・イェルム」
ビュルンの仕事仲間
「オーケ・リリエグレン」
公認会計士
「レナート・ハイネマン」
元外務省高官
「エリサベス・カーレーン」
コールガール
「ハンス・ローゴード」
リリエグレンの友人
「グンネル・ニルソン」
スメーズトルプ教会の女性牧師
「スヴェン・アンダーソン」
同教会の庭師
「ペドロ・サンタナ」
ドミニカ共和国の農夫
「ドロレス・マリア・サンタナ」
ペドロの娘 -
Posted by ブクログ
北欧ミステリーは有名どころは読んでいる方なので
・グレーンス警部
・特捜部Q
・ミレニアム
・その他警察モノなど
なんというか北欧作品的なヤツ、というか警察モノのあるあるが揃ってる(この作品というかもっと前の刑事マルティン・ベックが元?)
当然ヴァランダーは離婚してるし、未練たらたら…子供は独立してるし親の介護もあるし
同僚は体が不調気味…
捜査では怪我ばかりして進展無し…なんともかっこ悪いのだけども、どうも嫌いになれない。
(もっと最低な刑事を見かけてるのもあるけど…)
事件自体は携帯電話やインターネット普及前の事件なので、劇的な展開やどんでん返しは期待せずに読み進めた。
平凡な農夫が何故とても残虐な方法で夫婦ごと殺されてしまった事件を追う。
追う中での主人公の内面に重点を置いてる。
(合わない人は合わないと思う。私は好き。)
土地の描写も寒そうで、読んでいる今の季節に合っていた。
ヴァランダーを"カッコよく"したのがマルティンベックらしいので、そちらも読み比べてみようと思う。
シリーズどちらを追うかはそのあと決める。 -
Posted by ブクログ
スウェーデンの作家「ヘニング・マンケル」の長篇ミステリ作品『殺人者の顔(原題:Mordare utan ansikte)』を読みました。
「アンナ・ヤンソン」の『死を歌う孤島』に続き、スウェーデン作品です… 北欧ミステリが続いています。
-----story-------------
●「関口苑生」氏推薦――「これは世界のミステリー史上においても瞠目すべきシリーズとなることは間違いない」
【CWAゴールドダガー受賞シリーズ/スウェーデン推理小説アカデミー最優秀賞受賞】
雪の予感がする早朝、動機不明の二重殺人が発生した。
男は惨殺され、女も「外国の」と言い残して事切れる。
片隅で暮らす老夫婦を、誰がかくも残虐に殺害したのか。
燎原の火のように燃えひろがる外国人排斥運動の行方は?
人間味溢れる中年刑事「ヴァランダー」登場。
スウェーデン警察小説に新たな歴史を刻む名シリーズの開幕!
*第10位『IN★POCKET』文庫翻訳ミステリーベスト10/評論家部門
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本作品は、第1回ガラスの鍵賞を受賞した「ヘニング・マンケル」の処女作で、警察小説「クルト・ヴァランダー」シリーズの記念すべき第1作、、、
意に反した離婚から立ち直れず、娘は家出し、老いた父親との関係もうまくいかず、不規則な食生活がたたって中年太りで、飲酒運転を同僚に見逃してもらったり、酒に酔った勢いで既婚の女性検察官にセクハラまがいの迫り方をしてふられるという、格好良くない中年の刑事「クルト・ヴァランダー」が主人公なのですが、その人間的に弱い部分に、何とも言えない人間味あふれる魅力があるんですよね… このシリーズ、愉しく読めそうです。
1990年1月8日、スウェーデン南部のスコーネ地方レンナルプ村に住む農家の老夫婦が何者かに襲われた… 隣人の通報によりイースタ警察署の「クルト・ヴァランダー」らが現地に到着すると夫「ヨハネス・ルーヴグレン」は既に死亡し、妻「マリア・ルーヴグレン」は瀕死の状態であった、、、
強盗の仕業と思われたが負った傷の状態から両者共に拷問を受けており、奪われた物も不明であった… 目ぼしい財産を持っていそうにない田舎に住む老夫婦に犯行の動機となりえるものがあるとは思えない中、重傷を負った「マリア」が「外国の」と言い残し死亡した。
被害者を縛っていた縄の特徴ある縛り方と外国人という手掛かりで捜査を進めようとした「ヴァランダー」と相棒の「リードベリ」は、外国人に対して人種差別的な反感を持つ一部の人々を刺激することを恐れて、外国人容疑者の線を伏せるが、この配慮は警察内部の何者かにより裏切られ、犯人は外国人という噂がマスコミに流れ、報道されてしまった… 国外から流入する外国人との軋轢を抱える社会情勢を知る「ヴァランダー」等は、不安な思いを抱えながらも捜査を続けるが、案の定、これをきっかけに移民排斥運動を強めようという不穏な動きが始まった、、、
「3日以内に老夫婦惨殺事件を解決しなければ、移民地区から死人が出る」という脅迫電話が「ヴァランダー」にかかる… その後、「マリア」の兄「ラース・ヘルディン」から、妻も知らなかった「ヨハネス」の一面に関する情報提供があり、その背後関係を調べている最中に移民の収容所が放火され、更には移民逗留所でソマリアから来た移民の1人が射殺され、「ヴァランダー」等は二つの事件を追うことになる。
車の音から犯行に使われた車種を特定したことをきっかけにして、ソマリア人の殺害事件を解決した「ヴァランダー」等は、再び、レンナルプ村の事件の捜査に戻る、、、
捜査を進めるうちに、「ヨハネス」が第二次大戦時にドイツ相手に密かに稼いだ巨額の資産や、愛人と息子の存在が明らかになるとともに、競馬好きの刑事「ハンソン」の情報から、息子の経済的な窮状が判明し、「ヴァランダー」は、その線を追うが… 真相究明のきっかけとなり、犯人特定の決め手となったのは、フレーニングス銀行の窓口担当「ブリッタ=レーナ・ボデーン」の素晴らしい記憶力でしたね。
結果的には、「外国の」というダイイングメッセージが、的確に犯人を指示していたことがわかるのですが… 「ブリッタ=レーナ・ボデーン」の存在がなければ迷宮入りしていたかもしれませんね、、、
スウェーデンの人口の約五分の一が移民、または親が外国生まれ、あるいはスウェーデンに帰化した外国人らしいです… スウェーデン社会が抱える、流入する移民に関する問題がテーマとして扱われていますが、現在では世界的な課題になっており、他人事ではないですね。
以下、主な登場人物です。
「クルト・ヴァランダー」
イースタ警察署の刑事。主人公
「リンダ」
クルトの娘
「モナ」
クルトの元妻
「クリスティーナ」
クルトの姉
「ステン・ヴィデーン」
クルトの旧友
「ヘルマン・ムボヤ」
リンダの恋人
「リードベリ」
イースタ警察署の鑑識担当刑事
「マーティンソン」
イースタ警察署の実習中の巡査
「トーマス・ネスルンド」
イースタ警察署の刑事
「ハンソン」
イースタ警察署の刑事
「スヴェードベリ」
イースタ警察署の刑事
「ビュルク」
イースタ警察署の警察署長
「エッバ」
イースタ警察署の交換手
「アネッテ・ブロリン」
イースタ検事局の新任検察官
「ユーラン・ボーマン」
クリシャンスタ郡警本部の刑事
「ヨハネス・ルーヴグレン」
農民
「マリア・ルーヴグレン」
ヨハネスの妻
「ニーストルム」
ルーヴグレンの隣人夫婦(夫)
「ハンナ」
ルーヴグレンの隣人夫婦(妻)
「ラース・ヘルディン」
マリアの兄
「ブリッタ=レーナ・ボデーン」
フレーニングス銀行の窓口担当
「アニタ・ヨアンソン」
主婦
「マルガレータ・ヴェランダー」
美容師
「ニルス・ヴェランダー」
マルガレータの息子
「エレン・マグヌソン」
薬局勤務
「エリック・マグヌソン」
エレンの息子
「ルネ・ベルマン」
元警察官
「ヴァリフルド・ストルム」
ルンドの男 -
Posted by ブクログ
また、新しいシリーズに手を出してしまった
とっ散らかった本棚だ
一人の作家さんや、一つのシリーズを集中的に読むということが出来ない
たまに変な決意の元にそんなことをしてみると、しばらくその作家さんに手を出さなくなったりする
うーんやっかい(自分で言うな!)
さて今回手を出したのは『刑事クルト・ヴァランダーシリーズ』
なんとデンマークのミステリーでイギリスでドラマシリーズが放送されていたという代物
そしてこの刑事ヴァランダーが良い!
一言で言うと「情けない」
別れた妻に未練たらたらたが、突然現れた若い美人の検察官も気になる、一人娘はかわいくて心配だがどう接していいかわからずにおろおろする
父親の問題からは目を背けてぐずぐずして事態を悪くして、最終的には姉に頼る
奥さんに出ていかれたとたんに食生活は乱れて太り出し、酒に逃げて失敗する
もう!こりゃあダメだ
こんなんもう男なら絶対に自分を重ねちゃうよ!w
だけど警察の仕事は真面目にコツコツ諦めずに犯人を追い、仲間と協力して証拠を積み重ねて行く
猛烈な忙しさの中でも休まず働き続ける
うーん、仕事に逃げてるなw
多くの男たちにとって「刑事ヴァランダー」は「自分」なんじゃなかろうか?ほんとは目を背けたくなるようなだらしない「自分」だけど、そこそこ真面目に頑張ってそれなりに成果をあげたら誇ってあげたい「自分」
そんな「自分」を追って、このシリーズも読み続けていきましょうか -
Posted by ブクログ
8作目。題名から分かる通り、IT絡みの犯罪で、スウェーデンに居ながらにして世界中に影響が及ぼされる大規模な企みに、アナログ世代のヴァランダーが技術的なことはお手上げのため若い世代や専門職に任せながらも表面的なちんぷんかんぷんな技術的なことに惑わされずに犯罪者の心理と目的と動機を読み取ろうと想像力をふりしぼります。ことの始まりは十代の少女二人がタクシー運転手をハンマーとナイフで襲って金を奪い逮捕され自白もするが一切動揺も後悔もしていないことにイースタ署の警察官たちの方が動揺する、という強盗傷害事件なのですが、少女の一人が脱走したと思ったら殺されて発見されるという衝撃の展開に。一方で夜の散歩中に突発的な発作か何かで中年男性が突然死したものの事件性はないと思われていた件が遺体が何者かに持ち出され(!)、発見された場所にまた戻されるという不可解なことが起こり、さらにまったく関連性がないと思われていたこれら2つの案件が何らかの要素で関連しているらしいことが分かってきて、、、。いつも満身創痍のヴァランダーですが、数年前に父親を亡くし、元の妻とは心が離れたままで、その後数年遠距離ながらも良い関係が続いていたバイバとは別れてしまい、友情を感じていた検察官は警察を一時離れてまったく別の仕事をするためアフリカに行っていて不在で、さらに古い友人のステンに遂に農場を売って旅に出ることにしたと言われて孤独感を募らせて居ます。自分の望む人間関係をうまく保てず新しい関係を築くことも苦手なヴァランダーは、自分の心のなかにもファイアーウォールがあるのだと比喩的に考えるのでした。犯罪に絡む人間の心理にはするどい直感が働くのに、自分をとりまく人間関係については不器用このうえなく、突然感情を爆発させたり、ちょっとした一言が言えず悶々としているかと思ったらパートナー募集広告に突如応募したり(娘リンダにたびたび勧められていたということがあったにせよ)、相変わらずちぐはぐなのですが、それが逆に人間くさくてリアルに感じられ、この作品の大きな魅力になっていると思います。ニーベリが相変わらずいい感じ、登場した時には美人で良い家庭があって仕事と両立していて有能で優しくてと万能に見えたアン=ブリットは離婚を経てやや疲弊して皮肉っぽくなってきた感じ。生意気なところはあったけれど長いつきあいでなんだかんだ有能で信頼のおける部下のマーティンソンが若手から中堅になったということなのか、相変わらず自分流に全てを動かすヴァランダーに対抗心を持つようになってきたみたいで、イースタ署の人間関係も興味深いです。続きが楽しみ。
-
Posted by ブクログ
6作目。少年だった頃は仲が良かったのに警察官になると決意して以降、理由もわからぬままずっと折り合いが悪かった父親がアルツハイマー型認知症を患っているとの診断が下りたのが前作、解説によると時間の経過が現実と揃うペースで一年に一冊刊行されていたシリーズ、長編で込み入った話なのにすごい。今回は父親の念願だったイタリア旅行へ親子水入らずで出かけたところから始まります。アルジェリアで原理主義者が無差別に複数の女性を殺害するテロ行為が書かれた血生臭いプロローグから一転、シリーズでもあまり描かれない心温まる親子の二人旅が丁寧に書かれていました。戻ってきたヴァランダーは、前作で起こった連続殺人事件のこともまだ引きずったままのところに、新たな連続殺人が起こり、常軌を逸した背筋の凍るような殺害方法と証拠や手掛かりを一切残さない犯人の緻密で冷徹な計画性に翻弄されながら、またしても心身を削って睡眠時間を削って取り組みます。そこへ加えて、政治や経費削減により余儀なくされた慢性的な人手不足と増え続ける事務仕事で弱体化した警察組織に不満をもった一般市民が、法治国家であるにも拘わらず自警団(日本語で言うと自衛のためのボランティアの見回りというような好意的な集団を想起させるかもしれませんが、独断と偏見で根拠なく暴力をふるい私刑を行うような極右勢力)を自称し各地で不満の声をあげていることが新聞で報道されるほどの規模で進行しており、事態を不安視していたところについに自警団が一般市民を襲う事件が発生、その報道を受けて親が警察官であるという理由で学校でマーティンソンの娘が上級生に殴られるというショッキングなことまで起こってしまいます。ヘロヘロになりながらもどちらの対応にも手を抜かずに奮闘するヴァランダーが、イタリアでの幸せで平穏で満ち足りた日々をまだ腕に残る日焼けの痕を見るたびすがるような気持ちで思い起こしたり、忙しい最中に父親に電話しなくてはと思いついて一瞬後に茫然としたりする場面が切なかったです。犯人は作中の早い段階で女性であることが(読者には)明かされるのですが、イースタ署の刑事たちが疑うように連続殺人犯に女性はごくごく少ないわけで、読み応えたっぷりなのにそこのところがやや不満でしたが、怒涛の展開のあった事件の終盤のそのあとの静かなエピローグ的な一節を読んで、そのあたりの不満もあらかた解消されました。読めば読むほど内容の濃いシリーズ。ミレニアムの方を先に読んでいましたが、女性に対する暴力(法的には犯罪を構成しないものも含めて)がこの世に広く蔓延するあまりあたかも普通のことのようになってしまっていることについては、ヘニング・マンケルがいち早くヴァランダーのシリーズで警鐘を鳴らしていたのか、としみじみ思いました。ぼちぼち読むつもりでしたが読むのを止められません。