ヘニング・マンケルのレビュー一覧

  • 殺人者の顔
    名推理があるわけでもなく、見込み違いや捜査の停滞もあり、ザ警察小説という感じ。特捜部Qシリーズが巻を追うごとに長く、筋の事件と関係ない事件やエピソードが増えて食傷気味になってきたので、今度はこちらに期待しよう。
  • 殺人者の顔
    あーいやだ、いやだ……。

    いやになるほどの孤独な中年男性の生活。
    出て行った妻へたたみかけるように詰問する姿、前頭葉の老化による感情コントロールの低下に刑事という職業の癖が加わり相手を不快にする……そりゃ逃げるわ〜。
    そのくせ、「褐色の女性」との妄想や、女性検察官へのちょっかい……。
    妻や娘のこと...続きを読む
  • リガの犬たち
    ヴァランダーのシリーズ2作目。2作目なのにいきなりスウェーデンを飛び出し、独立後においてもロシア支配が色濃く残るラトヴィアが舞台です。事件の発端は密輸船の乗組員が漂流する救命ボートを発見し回収しようと手繰り寄せたところスーツを着た死体が2体乗っているのに気づき、沿岸まで牽引してきたこと。歯の治療痕な...続きを読む
  • ファイアーウォール 下
    ヴァランダーシリーズ 8作め。
    この作品が、ヴァランダーシリーズ最後のつもりであったとの事。わかるなぁ!だって世の中が、ITの世界に凌駕され、右往左往する姿!そして世代交代は、紛れもない訳で、彼が、どんなに奮闘しても、一人では、抱えきれない事件が発生するのだから。
    勿論、ヴァランダーの、犯罪捜査の力...続きを読む
  • ピラミッド
    ヴァランダーシリーズ、エピソード0とでも言ってもいかな?!
    若かりし頃のヴァランダーや、父親とのエピソード等、バラエティーにとんだ数々。
    良作ではある!
  • 殺人者の顔
    一冊も読んだことが無いのに本屋さんでずらっと並んでいる背表紙を何度も見ていたせいか作家のフルネームと『白い雌ライオン』というタイトルが記憶に残っていたシリーズ、知人の読書家に「すごーく面白い」と聞いたのと、最近北欧の作品を固めて読んでいることもあり遂に読み始めました。日本語版発売から20年経過してい...続きを読む
  • 背後の足音 下
    ヴァランダーシリーズ 7作め。
    同僚の殺害と、全ての、事件が、どのような形でつながるのか、読み始めてから、ページをめくる手が、止まらない。ヴァランダーが、犯人を、予想し始めてからも、ドキドキするほど。
    捕まえた犯罪者の、人となりは、現代社会の中にも、多々存在しうる怖いストーリーでした。
  • 五番目の女 上
    ヴァランダーシリーズ、6作め。
    この作品も、単なる刑事物ではない。物語の、残虐性だけでなく、そこには、弱者を、悼む必然性が、生む複雑で、混沌とした復讐が、あって哀しみがある。ヴァランダーや、周辺の人々の、関わりが楽しみのシリーズ
  • ピラミッド
    ヴァランダーが20代の新米警官時代から、40代の中年刑事まで、モナ(若い時はガールフレンド、その後結婚して別居)や父親との関係に悩みながら持ち前の勘と粘り強さで事件を解決する姿を描く。
    いつもながら実直なヴァランダーとそれを取り巻く、こらまた実直な刑事たち。みんな何かに悩んでるのは一緒だな。そんな人...続きを読む
  • 目くらましの道 下
    ヴァランダーシリーズ 5作め。この作品で英国推理作家協会のゴールドダガー賞を、受賞している。
    スウェーデン史上稀に見る連続殺人の犯人を、追うヴァランダーの推理力や、忍耐と、粘り強さは、圧巻!この作品でも、児童買春や、上流階級者の闇等、本筋同様に、重い問題が、提起されている。
  • 笑う男
    ヴァランダーシリーズ 4作め!今回は、犯人の実態が、掴めないまま、ストーリーが、進んでいく。
    経済犯罪の大きな暗部である隙間を、つき、既得権益や、臓器売買等、奥が、深く全てを、解決する事が、難しい中、前作で刑事返上をも決めてうちひしがれたヴァランダーの戦う姿には、感無量!
  • 白い雌ライオン
    ヴァランダーシリーズ、3作め!
    前作では、地図を見たりしながら読んだけど、今回は、世界史の、知識の必要性も少し感じたなぁ、アパルトヘイトは、わかっていても、ボーア人のなん足るか、南アフリカの複雑な文化は、ほぼ無縁でしたから!
    でも、ヴァランダーの決死の戦いは、読みごたえ有り!
    スウェーデンの田舎町ど...続きを読む
  • 殺人者の顔
    ヴァランダー刑事シリーズの一作目、読もう読もうと、思いつつ、やっと読み始めてやっぱりはまった❗
    これは、シリーズ全部読むやつ!!嬉しくて楽しみ!
    移民問題、離婚、子供の問題、親の問題、etc.そりゃもう、事件だって重ねて起こるし、彼(主人公)と、共にどっと疲れるけど、人間の日常って、やっぱり綺麗事だ...続きを読む
  • 苦悩する男 上
    自分のモットーとしてすべて出たとこ勝負で生きてきた。
    まさに!それで解決しちゃうけど許せる面白さだよな。このシリーズ。
  • 苦悩する男 上
    ヴァランダー・シリーズ最終巻。ストーリーの合間に何気なく挿されたエピソードにドキッとさせられる。えっ、もしかしてアルツハイマー?
  • リガの犬たち
    刑事ヴァランダーシリーズ第2作。

    ある冬の早朝、スウェーデンの海岸に救命ボートに乗った二つの死体が漂着する。
    彼らは誰で、一体どこから流れ着いたのか。

    捜査協力のためバルト三国はラトヴィアの都市リガから、スウェーデンのイースタに派遣された警察官、リエパ中佐。
    その彼が帰国当日に殺害され、今度...続きを読む
  • 北京から来た男 下
    殺人現場の家を訪れたビルギッタは、密かに数冊のノートを持ち出した。その中に“ネヴァダ"の文字を見たからだ。それはスウェーデンの寒村とそっくりの事件が起きた土地。日記は1860年代、アメリカ大陸横断鉄道施設工事の現場監督が残したものだった。貧しさにあえぐ19世紀の中国の寒村、鉄道建設に沸く開拓時代のア...続きを読む
  • 北京から来た男 上
    凍てつくような寒さの未明、スウェーデンの寒村に足を踏み入れた写真家は、信じられない光景を目にする。ほぼ全ての村人が惨殺されていたのだ。ほとんどが老人ばかりの村が、なぜ。休暇中の女性裁判官ビルギッタは、亡き母が事件の村の出身であったことを知り、ひとり現場に向かう。事件はビルギッダを世界の反対側へ、そし...続きを読む
  • 殺人者の顔
    1990年代のスウェーデンが舞台の刑事ヴァランダーシリーズ第1作。
    一応ミステリー小説にカテゴライズされるのだろうけど、これミステリーじゃない!
    殺人事件の捜査が柱にありつつ、謎解きがメインじゃない人間ドラマ。
    登場人物たちの内面の葛藤や生活、そして事件捜査としての"自分の仕事"に対する姿勢がとても...続きを読む
  • 霜の降りる前に 下
    著者が亡くなったことを知り、残り少ないシリーズ物を読んでしまうのが惜しかったのだが。ヴァランダーの一人娘リンダが警察官になる直前に巻き込まれる事件を描く物語。いつもながらの警察署の面々、亡き父(リンダには祖父)やバイバ(リガに帰ったかつての恋人)のエピソードがちょくちょく出てきてシリーズを貫く良い雰...続きを読む