ヘニング・マンケルのレビュー一覧

  • 五番目の女 上

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    ヴァランダーシリーズ、6作め。
    この作品も、単なる刑事物ではない。物語の、残虐性だけでなく、そこには、弱者を、悼む必然性が、生む複雑で、混沌とした復讐が、あって哀しみがある。ヴァランダーや、周辺の人々の、関わりが楽しみのシリーズ

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    2021年04月23日
  • ピラミッド

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    ヴァランダーが20代の新米警官時代から、40代の中年刑事まで、モナ(若い時はガールフレンド、その後結婚して別居)や父親との関係に悩みながら持ち前の勘と粘り強さで事件を解決する姿を描く。
    いつもながら実直なヴァランダーとそれを取り巻く、こらまた実直な刑事たち。みんな何かに悩んでるのは一緒だな。そんな人生を含めて楽しめるのが、このシリーズ。やっぱり長編が読みたいな。3.8
    フレーズを読んで思ったのは、the Wireのリアリティ。はつらつとしてるのはマクノルティくらい(それでも中年だけど)、女性刑事も見た目より実力。Boschもそれに近いかな。その点、シカゴPDはイケメン&美人でリアリティ

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    2021年04月18日
  • 目くらましの道 下

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    ヴァランダーシリーズ 5作め。この作品で英国推理作家協会のゴールドダガー賞を、受賞している。
    スウェーデン史上稀に見る連続殺人の犯人を、追うヴァランダーの推理力や、忍耐と、粘り強さは、圧巻!この作品でも、児童買春や、上流階級者の闇等、本筋同様に、重い問題が、提起されている。

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    2021年04月16日
  • 笑う男

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    ヴァランダーシリーズ 4作め!今回は、犯人の実態が、掴めないまま、ストーリーが、進んでいく。
    経済犯罪の大きな暗部である隙間を、つき、既得権益や、臓器売買等、奥が、深く全てを、解決する事が、難しい中、前作で刑事返上をも決めてうちひしがれたヴァランダーの戦う姿には、感無量!

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    2021年04月16日
  • 白い雌ライオン

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    ヴァランダーシリーズ、3作め!
    前作では、地図を見たりしながら読んだけど、今回は、世界史の、知識の必要性も少し感じたなぁ、アパルトヘイトは、わかっていても、ボーア人のなん足るか、南アフリカの複雑な文化は、ほぼ無縁でしたから!
    でも、ヴァランダーの決死の戦いは、読みごたえ有り!
    スウェーデンの田舎町どころか、世界の広い範囲を、網羅した事件を、読ませるヘニングマンケルって凄い!!

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    2021年04月09日
  • 殺人者の顔

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    ヴァランダー刑事シリーズの一作目、読もう読もうと、思いつつ、やっと読み始めてやっぱりはまった❗
    これは、シリーズ全部読むやつ!!嬉しくて楽しみ!
    移民問題、離婚、子供の問題、親の問題、etc.そりゃもう、事件だって重ねて起こるし、彼(主人公)と、共にどっと疲れるけど、人間の日常って、やっぱり綺麗事だけではないもんね。
    さぁ、何処迄も一緒に解決して行きます!

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    2021年03月27日
  • 苦悩する男 上

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    自分のモットーとしてすべて出たとこ勝負で生きてきた。
    まさに!それで解決しちゃうけど許せる面白さだよな。このシリーズ。

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    2021年02月07日
  • 苦悩する男 上

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    ヴァランダー・シリーズ最終巻。ストーリーの合間に何気なく挿されたエピソードにドキッとさせられる。えっ、もしかしてアルツハイマー?

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    2021年01月06日
  • リガの犬たち

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    刑事ヴァランダーシリーズ第2作。

    ある冬の早朝、スウェーデンの海岸に救命ボートに乗った二つの死体が漂着する。
    彼らは誰で、一体どこから流れ着いたのか。

    捜査協力のためバルト三国はラトヴィアの都市リガから、スウェーデンのイースタに派遣された警察官、リエパ中佐。
    その彼が帰国当日に殺害され、今度はヴァランダーがリガへ向かい・・・

    1990年代、ペレストロイカの煽りで揺れ動くラトヴィア国家。
    その病巣を暴くべく革命を企てる活動家たちと協力しながら、事件解明へ動くヴァランダー。

    活動家たちとヴァランダーの接触は絶対に知られてはならない。そのために、現実とは思えない(いや小説なんだけども)危

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    2020年10月31日
  • 北京から来た男 下

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    殺人現場の家を訪れたビルギッタは、密かに数冊のノートを持ち出した。その中に“ネヴァダ"の文字を見たからだ。それはスウェーデンの寒村とそっくりの事件が起きた土地。日記は1860年代、アメリカ大陸横断鉄道施設工事の現場監督が残したものだった。貧しさにあえぐ19世紀の中国の寒村、鉄道建設に沸く開拓時代のアメリカ、そして発展著しい現代の中国、アフリカ。現代の予言者マンケルによる、ミステリを超えた金字塔的作品。

    作品の持つ熱量に、だだただ圧倒されるだけ。

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    2020年09月21日
  • 北京から来た男 上

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    凍てつくような寒さの未明、スウェーデンの寒村に足を踏み入れた写真家は、信じられない光景を目にする。ほぼ全ての村人が惨殺されていたのだ。ほとんどが老人ばかりの村が、なぜ。休暇中の女性裁判官ビルギッタは、亡き母が事件の村の出身であったことを知り、ひとり現場に向かう。事件はビルギッダを世界の反対側へ、そして過去へと導く。

    未読だったノンシリーズ作品を読む。
    冒頭に加えて、150年前のエピソードは壮絶。
    下巻に続く。

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    2020年09月20日
  • 殺人者の顔

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    1990年代のスウェーデンが舞台の刑事ヴァランダーシリーズ第1作。
    一応ミステリー小説にカテゴライズされるのだろうけど、これミステリーじゃない!
    殺人事件の捜査が柱にありつつ、謎解きがメインじゃない人間ドラマ。
    登場人物たちの内面の葛藤や生活、そして事件捜査としての"自分の仕事"に対する姿勢がとても魅力的。
    ヨーロッパらしい自立した考えの大人が議論を交わす形で社会的背景と国家の問題を印象深く盛り込んでもいる。過激な思想の押し付けがなくスマートなので、余計に考えさせられる。
    翻って、アクションシーンはハリウッド映画も真っ青の大迫力!
    ミステリーの概念吹っ飛んだ。
    これまで読ん

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    2020年09月08日
  • 霜の降りる前に 下

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    著者が亡くなったことを知り、残り少ないシリーズ物を読んでしまうのが惜しかったのだが。ヴァランダーの一人娘リンダが警察官になる直前に巻き込まれる事件を描く物語。いつもながらの警察署の面々、亡き父(リンダには祖父)やバイバ(リガに帰ったかつての恋人)のエピソードがちょくちょく出てきてシリーズを貫く良い雰囲気を本作でも感じ取れる。
    一方、リンダの行動は警察官になる前とはいえ軽率さが目立ち、ストーリーにも粗さか。
    それでもヴァランダー物語の番外編として読めば満足。3.9

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    2020年08月23日
  • 殺人者の顔

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    ネタバレ

    クルト・ヴァランダーシリーズ第1作。
    順を追わずにいくつか読んでいるこのシリーズだが、未読作品も読んでみたくなり手を取った。

    クルトの私生活描写が生々しい。奥さんに愛想をつかされ、娘には異国の恋人ができ(それを知らされず)、乱れた食生活で太り、酔っ払い運転で部下につかまり、酔った勢いで美人女性検事の腰を抱きかけてどつかれ…、なんという駄目っぷり。
    認知症気味の父親とのぎこちないやりとりや、その父親の今後を姉と相談するシーンなどは、駄目なわけではないが、高齢者福祉社会に住む中年男の悲哀感もたっぷりで、妙なところに親近感がわく。

    でも仕事になると、猛烈に働くねんなぁ。決して天才肌の名探偵で

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    2020年08月19日
  • ファイアーウォール 上

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    これでヴァランダー刑事との付き合いは4作目になる。題名を見て、ITに疎い所はどうするのかと思った。同僚の刑事達が何とかするのだろう。まぁ読んでみよう。
    そして見事に外れた。

    ヴァランダーは理解できない世界に迷い込んでしまう。

    こんなことが起きるなんて、分からない。どうなっているのだ。
    それぞれにどんな繋がりがあるのだ。ITの宇宙とはなんだ。

    少女が変電所の高圧線の上に放り投げられて焼死した残虐な事件、少女たちはタクシー運転手を惨殺していた。
    その後ATMの前で男が突然死した。ITのプロらしいこの男は二箇所に仕事場を持っていたが、手がかりは残されたパソコンだけだった。
    突然死で彼はデータを

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    2020年01月11日
  • 目くらましの道 下

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    <上巻とあわせて>

    はじめての北欧ミステリー。

    初めは聞きなれない地名や人の名前にとまどったけれど、一文が短くわかりやすく訳されているのでとても読みやすい◎
    翻訳をされている柳沢さんの講演に伺った際、「北欧ミステリー作家は、社会小説家だ」とおっしゃっていたことがよくわかる内容だった。
    特にジェンダー平等について。
    なくならない女性への暴力、人身売買。
    女性上司との関係性、女性同僚へ信頼の置き方の変化など…。

    そんなことを抜きにしても、最後まで面白く読み進めることができる小説だった!
    犯人が分かっているので、犯人と警察の立場から同場面を読めるのが面白い。
    「答え」に迫った後半の怒涛の展開は

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    2019年12月28日
  • 笑う男

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    久し振りのイ-スタ署のヴァランダー警部、冒頭から正当防衛で殺した事件で悩んでいる。転地しても効果がなくうつ状態は深まるばかり。
    そこに友人の弁護士が尋ねてくる、父親が交通事故で死んだが、腑に落ちないので調べて欲しいと言う。ヴァランダーは警官を辞めようかと思っているときであり、断ってしまった。

    帰宅して新聞でその友人が射殺された記事を見る。
    彼は負い目を感じ、やっと前向きに立ち上がれそうな予感がする。
    重い腰を上げて復帰、早速父親の事故から調べ始める。
    暫く空けていた署内は、新人のアン=ブリッド=フーグルンドが配属されていた。女刑事と言うのが気に入らなかったが、頭も切れ、その上美しい彼

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    2019年12月28日
  • 五番目の女 上

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    6作目。
    作品としてのまとまりがあり、登場人物たちになじみもあって入り込みやすい。
    シリーズ物はこーでなくちゃ。

    タイトルや承前が内容とどうからむのかなかなかわからなかったり、
    読者の心をつかむ術が巧み。
    犯罪内容と謎解きが古めかしいのは仕方ない。

    あとがきを読んで本シリーズは10作で終わっていることを知った。
    あとちょっとか。。。

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    2018年11月14日
  • ピラミッド

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    これまで長編ばかり読んできたが、これが初めての短編、中編をまとめたもの。どうかしらと思っていたのだが、期待と予想を大きく裏切る読み応えのある1冊だった。とにかく面白い。

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    2018年09月23日
  • ピラミッド

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    刑事ヴァランダーシリーズ番外編。
    ヴァランダーがまだ新米巡査だったころからシリーズ第一作「殺人者の顔」直前までの中短編五編。
    新米巡査なのに刑事の真似事をして、禁じられている単独行動の末に撃たれてるし、その後、念願の刑事になっても相変わらず単独行動を繰り返しては時に銃撃戦になったり揉み合いになったりで、ヴァランダーさんはずっとこんな感じだったんだなぁと改めて思う。
    ただヴァランダーの単独行動はスタンドプレーというよりは、自分の推理が独りよがりのものなのかの確認だったり、部下や同僚たちを巻き込んではいけないと考えてのことなので、厭な感じはない。またやっちゃったか、という感じ。

    モナとの関係は恋

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    2018年07月20日