ヘニング・マンケルのレビュー一覧

  • ファイアーウォール 下
    長かったけれど面白かったです。
    ただ、計画されていた犯罪がどんなものだったのか、
    もっともっと具体的に知りたかったなぁ。
    このシリーズ、初めて読んだのがこの本なので、
    改めて最初の作品から読んでみます。
  • 殺人者の顔
    ミステリとしてはそこそこ。
    けれども、主人公の造形が気に入った。

    父親の介護問題を抱え、別れた妻に未練たらたら、年頃の娘とはしっくりいかない、旧友との仲もぎくしゃく。思いつめて(?)、魅力的な女性検事についセクハラに及ぶ中年刑事。
    そんな等身大(ただし最近お腹が出ている)のアンチ・ヒーローにもただ...続きを読む
  • 目くらましの道 上
    <クルト・ヴァランダー>シリーズ5作目(上)。かなり強烈で陰惨な事件と犯人に少し引きつつ・・・下巻へ続く。 この巻を読みたくてシリーズを手に取ったのでした。
  • 笑う男
    <クルト・ヴァランダー>シリーズ4作目。ヴァランダーようやく再生の巻。相変わらずハードな展開でよれよれの割には不死身すぎだが、主人公の魅力(?)と、登場人物たちがうまく脇を固めている為最後まで一気に読ませてしまう。今回はお疲れ様のご褒美があって良かった。
  • 目くらましの道 上
    菜の花畑の真ん中でガソリンをかぶって焼身自殺を遂げた17歳の少女と殺されて、頭の皮を剥がされた元法務大臣の死という全く関係のなさそうな2つの事件から始まる。かなりスリリングで、グイグイ引き込まれるようなスピード感がよい。
  • リガの犬たち
    警察小生のシリーズの中では、少し異色のもの。殺人事件があり、死体もあるのだが、物語はその謎解きというよりも、それを捜査する人たちの国を超えたドラマになっていく。ベルリンの壁の崩壊前夜の物語。既にソ連ではベレストロイカが始まるあたりのことで、その時代背景も少し織り込まれている。
  • ファイアーウォール 上
    かのマルチン・ベックシリーズを場所をスウェーデン南部の地方都市に移して、その続編を書いてみたふうの警察小説。英米でも高く評価されているだけのことは充分に理由のあることで、国産の出来の良いミステリの三倍くらいの仕掛を盛り込んだ、おもしろさてんこ盛りの作品。タイトルに繋がるキーパーソンが登場するのは、上...続きを読む
  • ファイアーウォール 下
    スウェーデンを舞台にした警察官が主人公のミステリー。
    ミレニアムや湿地と同じく北欧的な霧や暗さ、ジメジメっとした雰囲気がストーリーとリンクしていて物語に引き込まれて行く。

    主人公は50歳?位の犯罪捜査官の責任者。
    離婚を経験し娘はいるが大学進学を機に離れて暮らしているため、生活には孤独感が漂ってい...続きを読む
  • ファイアーウォール 下
    上巻では、ゆったりとした展開が
    下巻では一気にスピードアップ
    「警察は妬みと陰口と裏工作の巣窟だ」
    複雑に絡み合った糸。
    事件は解決し、綺麗な一本の糸になるのか。
    パズルのピースが全てピタリと当てはまらない場合もある?
  • 背後の足音 上
    糖尿病を患いながら、病気を受け止めることができず
    うじうじするところは、
    相変わらずのヴァランダー警部。

    でもなー。
    組織捜査を地道に辛抱強くやってきて、
    どうして最後に暴走しちゃうんだろう。
    そこらへんのキャラクターの一貫性のなさに
    ついていけないんだよなー、と思っていたら、
    解説にも「人物造詣...続きを読む
  • 五番目の女 上
    前回に引き続き、連続殺人物なので、
    似ている感はいなめない。
    でも、まあミステリーっぽい作品であることも
    前作同様なので、許せる範囲か。

    ただ、傭兵とかテロリストとかを持ち出したのが、
    面白い展開に結びついていないというか、
    功を奏していない気がする。

    (下巻に続く)
  • 五番目の女 下
    (上巻より続く)

    このシリーズのかなり重要な登場人物である、
    ヴァランダー警部の父親が、亡くなってしまったのが残念。
    直前のイタリア旅行が大成功だったことが、せめてのなぐさめ。

    女性刑事のフーグルンドが期待され、活躍しているのが良い。
  • 目くらましの道 上
    かなり衝撃的なオープニング。
    さらにミステリーっぽくなってきて。
    社会を反映した内容だと、
    スェーデン素人の私にも感じられるようになったし。

    ヴァランダー警部の私生活も、
    良い方向に動き出した感じでよかった。

    (下巻に続く)
  • 目くらましの道 下
    (上巻より)

    ただ、心理学者のマッツ・エルクホルムが、
    もうちょっと活躍(捜査上だけでなく)してくれると、
    良かった気がする。

    女性署長が就任した、今度の展開に期待したい。
  • 笑う男
    今まで読んできたこのシリーズの中では、一番ミステリーらしい作品。
    主人公がショックから立ち直って動き出す様子も良いし、
    有能な女刑事が登場したのも良い。

    シリーズ冒頭からぐだぐだだった主人公の人生が、
    ようやく持ち直し始めたという感じ。
  • 背後の足音 下
    今回も楽しく読むことできたけど、この小説の出てくる警官たちは、いつも体力ギリギリまで働すぎ。ヴァランダーもバイパと別れ、糖尿病にかかり、常に寝不足で不健康で、気の毒だ。次号は少し幸せになってくれるといいなあ。
  • 背後の足音 上
    刑事ヴァランダー第7シリーズ。同僚が殺されるというショッキングな事件と、三人の若者達の失踪。これらの事柄は関係があるのか?
  • 五番目の女 下
    遠い国であるはずのスウェーデンなのに、若者たちを中心とする閉塞感や、不安を募らせる複雑な犯罪の増加など、日本の事情とかぶって見え、そこがキャラクターの魅力と重なり、読み切ってしまう。次回も楽しみです。
  • 五番目の女 上
    刑事ヴァランダー第6シリーズ。今回は父との楽しいイタリア旅行から帰ったところへ、事件が発生。花屋の失踪、槍で刺されるという残虐な殺人事件とは関係があるのか?という話です。
  • リガの犬たち
    のろのろした警察小説からスパイ小説もどきに進展する様は、
    進展、などといった生易しいものではなく、
    スーツをきた普通のサラリーマンが、
    いきなり歩道で駆け出したかと思ったら、ジャンプして空中で体を二回転半ひねって着地したような違和感と唐突感だ。

    しかも、そこに恋愛までからませるとは、
    そのてんこ盛...続きを読む