ヘニング・マンケルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スウェーデンの警察物。
クルト・ヴァランダーが主人公のシリーズ、6作目。
スウェーデン南端のイースタという町はそれほど大きくはないのだが、交通の要衝に当たっているために犯罪は少なくない。
クルトは、父とローマ旅行に行って帰ってきた所。
父は気むずかしく、痴呆が時折出てもいたのであまり上手くいっていなかったが、旅行先では楽しく過ごすことが出来た。
父は長年ほとんど同じ絵を描き続けてきた画家で、イタリアに行くのは生涯の夢だったらしい。
その旅行に同行できた幸せを感じる。
帰国後、妙な事件が相次ぐ。
元自動車販売会社経営の老人エリクソンが行方不明になり、様子を見に行ったヴァランダーは、敷地内の壕に落ちて串刺しになっているのを発見。
周到に用意された犯罪の残酷さに、一斉捜査にかかったメンバーは青ざめる。
花屋の老人ルーンフェルトが海外旅行に行くはずが行っていないという事件も。
一見、孤独がちで無害な彼らには、裏の顔が…
犯人の側からの描写も入るので、大体犯人像はわかっているが、詳細はむろんわからない。
連続殺人のきっかけは、思いがけない。アルジェリアで外国人女性が襲われた事件にあった…
前半は、恐るべき犯人が警察の前に立ちはだかるという印象。
連続殺人でもサイコパスというわけではない、知性と狂気を併せ持つ犯人。意志が強く計画的で、ある意味、軍人のよう?
後半、犯人に迫っていく様子がスリリングに描かれます。
父の死、その前後の家族の気持ちややりとりも。
娘のリンダは独り立ちしていて、なかなか連絡もくれない。クルトは恋人のバイバと結婚を考えているが、両親の離婚を見ていた娘には結婚に向いていない人間と批判される。
バイバになかなか連絡ができず、結婚したい気持ちになっているにしては、仕事優先過ぎ?おいおい、どっちなのよっていう。
感情的で、のめり込みタイプな名物刑事なのよね。
警官仲間とは上手くいっている様子。
シリーズ1作目で妻に出て行かれたものの、諦めきれないでいたみっともなさよりは少しは進歩しているのかな? -
Posted by ブクログ
クルト・ヴァランダーを主人公にした警察小説シリーズ6作目に
あたる本書の事件の幕開けも牧歌的なイメージ色濃い
スウェーデンには到底似つかわしくない残忍な犯行現場。
父とのローマ2人旅の余韻にゆっくり浸る間もないまま
連続殺人事件解決に挑んでゆく。
このシリーズは主人公のキャラクターの魅力に惹かれ、読後事件の
内容は忘れても、家族との会話、同僚や上司、友人刑事たちとの
エピソードが不思議と記憶に残る。
今回も事件解決に忙しい最中、わざわざ遠距離恋愛中の恋人
バイパに電話してもめたり、そうかと思うと2人で暮らすための
新居や飼犬を探してまわるマメでカワイイ中年男の一面も
垣間見れる。またしても次作の翻訳が待ち遠しいのである。 -
Posted by ブクログ
父親の死を乗り越えて、捜査に邁進するヴァランダーらイースター署の刑事たち。しかし、一向に犯人像は浮かび上がってこない。猟奇的な犯行に対抗して市民による自警団が活動を始める。そして・・・。物語の三分の二を過ぎて、ようやく解決に向けて大きく進展が見られます。そこまではひたすら地道な捜査が続きます。その一方で、懸案の愛する女性との同居を考え、葛藤するヴァランダー。人間くさい刑事たちの活躍を楽しみました。それにしても文庫上下巻で2400円を越える価格。ちょっとびっくり。でも続きを読みたいので、東京創元社さん、あとシリーズ4作、何とか出し続けてください!
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Posted by ブクログ
スウェーデンの小さな田舎町の刑事ヴァランダーが、ラトヴィアに飛ぶ。国境を越え、思いも寄らぬ大きな事件に深入りしていくことになる。人気のスウェーデン警察小説、<刑事クルト・ヴァランダー>シリーズの第2弾。この作品の面白さのひとつに主人公ヴァランダーの設定がある。 ・太り気味。ストレス。警察を辞めたい。 ・オペラ好き。 ・味気なく思っている一人暮らし。 ・逃げられた妻にまだ未練がある。 ・娘のリンダとの意思疎通が上手くいかない。 ・年老いた父との確執。 ・ファストフード中心の食生活。 ・深酒しがち。 ・初めて出会った女性に惚れっぽい。さらに、この第2弾では同僚で親友だったリードベリを亡くしていた。仕事に対して真摯であるが、与えられた領分を逸脱するほどではなかった。ところが今回は、ラトヴィア警察から捜査協力を要請され国境を越えることになったのだから意外だった。スーパーヒーローでない、冴えない中年刑事が、一目ぼれの影響も大きく、命を懸けてまでの捜査に向かうのかと驚きつつ、興味を惹かれていた。主人公ヴァランダーの性格は、日本男性のかなり多くが共感を持つかもしれないと思った。
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お〜〜!
なんだか切ない終わり方。。
今作をもって、しみじみとヴァランダーとお別れ。
なんか世話の焼ける、
めんどくさいけど放っておけない友人と過ごすような、そんなシリーズだった。
最初はヴァランダーのやらかしに苦笑いしたり大笑いしたり、気楽に読んでいたけれど、
今回はヴァランダーの年齢が自分と同じくらいに近づいたこともあって、その失敗を笑えなくなり、
心配すると共に、他人事ではないこの先の自分の在り方というものもひしひしと考えさせられた。
あと二作、短編などがあるようだけど
わたしの中では終わった感。
ありがとうヴァランダー。
おつかれさまヴァランダー!
最後に気になったことを彼に告げたい。
飼い犬、預けすぎ。 -
Posted by ブクログ
ヴァランダー、いろいろ大丈夫か?
心配になってきた、と上巻に書いたけど、
なんだかんだ、ギリギリのところで踏ん張り
がんばっている彼。
今回、犯人に何度か接触するんだけど、
そのたび信じられないようなミスや失態をさらす。
映像を頭に浮かべ、
緊迫したシーンにも関わらずわたしは大笑いした。
50に近い等身大の姿と言えば聞こえは良いけど、
かなりのかっこ悪さです。
そんな彼のこと、嫌いではありません。
今作品も犯人にはほぼスポットライトが当たらず。
こんな事件を起こした真の理由は何なのよ!と問いたくなるけれど、この作品はヴァランダーのための物語なのだから…
もうそこに文句を言ってもしょうがない。
30年余り前に書かれた作品ではあるけれど、
おぞましい犯罪や、それを犯す人々が増えつつあることに対する世の中への不安感は
まさしく今の感覚と同じで繋がっている気がする。
この先我々はどうなるんだろう?
そして警察官の役割とは…
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Posted by ブクログ
ネタバレ前作で人を殺めてしまったヴァランダーは
精神を病み、休職していた。
これまでも刑事という職業に疑問を持ちながら仕事を続けて来た彼は、いよいよ辞める決心をしたのだけど、
今回起こった事件がきっかけとなり
逆にこの仕事以外に道はない、という結論に至る。
前半の地道な捜査の雰囲気がとても良かった反面、
犯人自体はこの人しかいないという中、
中盤以降なかなか進展が見られず
少し間延びした感じに。
このシリーズは事件とか推理といった部分より
ヴァランダーの心情や葛藤する姿を味わうのが良いようだ。
あと、人物紹介の二番目に女性刑事の名前が載ってるのを見た時は、
「ヴァランダー、またか!」とあきれましたよ。
それから相変わらずちまちまとリガに住む未亡人に手紙を書いては破りしてるのも通常モード。
でも今回は自分の予想を裏切る結果だったので
逆に残念。
彼には情けない男を全力で全うしてほしい。
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Posted by ブクログ
長〜〜〜い!
とても長かった、ヴァランダーシリーズ第三弾。
田舎町で失踪した女性の事件から話はどんどんスケールを増し、ちょっと置いてけぼりをくった感。
中盤でだいたいの疑問が解けてしまうと
あとはもう忍耐の読書!という感じだった。
そんな中、特筆すべき点は
同僚であるスヴェードベリ刑事。
これまでの2作では登場しつつもあまり細かな描写はなく、ちょっとやる気なさげなけだるげな人、というイメージしかなかった。
今回はそんな彼の新たな一面が見られ、
ちょっと株が上がった。
ヴァランダーが信頼を置いていたリードベリなき今、
チームのメンバーの支えは大事。
ヴァランダーは相変わらず今の仕事に疑問を持ちながら続けている状態で、
時々その判断に、え?そう行く?大丈夫それ?と思うような行動を取る。
そこから招いた出来事がさらに彼のメンタルを崩壊させ…。この先がちょっと心配。
さて次作はどんな展開に?