ヘニング・マンケルのレビュー一覧
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スウェーデンの警察ものミステリのシリーズ2作目。
田舎町イースタの警部クルト・ヴァランダーが主人公。
妻に去られ、それなりに落ちついては来たが、警察の仕事に疲れて、転職を考えているのだったが…
今回は、ラトヴィアという異国が主な舞台に。
バルト三国の一つで、ソ連解体の時期に大揺れとなって、荒廃していた。
スウェーデンはそう遠くはないのだが、体制が違うため行き来は滅多にない。
救命ボートで流れ着いた死体は二人が抱き合うように乗せられ、高級なスーツを着ていた。
何の印もないボートがじつはラトヴィアの物だったようなので、合同で捜査することになるのだったが…
たった一人で訪れた警官リエパ中佐は、言葉 -
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50歳目前にして糖尿病になったりと、老いを感じさせる描写がちらほら。本シリーズは単独として読んでももちろん面白いが、登場人物たちの成長や変化は、シリーズを通してじっくりゆっくり描かれる。そんな捜査チームのひとりが悲劇に見舞われるというのが事件の発端。
寝る間なし手掛かりなしというスタイルは今回も同じだが、被害者とヴァランダーとの距離感が根底にあるため、心理的な苦しさや葛藤がやや前面に出ている気がする。仲間を失った自分、老いていく自分、事件を解決できない自分──内面にくすぶる苦悩と対峙できないまま、混乱の中で必死に手掛かりを追うヴァランダーに、不思議なくらい感情移入してしまう。
国内情勢を反 -
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夏至前夜、三人の若者が行方不明になる。そしてその捜索を依頼されたイースタ署の刑事のひとりと連絡がとれなくなり……。
という事件の幕開き。
スウェーデンのクルト・ヴァランダー刑事シリーズの新刊。
相変わらず低調な男です、ヴァランダー刑事。これまでのシリーズも離婚した妻へ未練たっぷりで、年頃の娘のことは心配で、恋人との不仲に悩み、父親との確執にも悩み……、事件の捜査と愚痴に支配されている彼でしたが、ここにきてやっと諸問題に決着がついたかとおもいきや、今回は体調不良に悩まされることになったらしい。(それはメタボですよ、メタボ)
残酷で予測のつかない事件が展開しているのに、飽きもせず、くよくよと考え -
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スウェーデンの小さな町の警察官、クルト・ヴァランダーのシリーズ5作目。
事件の事で思い悩んでいた1秒後には、季節の移り変わりの美しさに目を奪われ、遠距離恋愛中の女性に思いを馳せ、病気が発覚した父親と向かい合おうと考え、ふらっとやってきた愛娘に癒され…とにかく人間くさいおじさんが魅力的。こういうジャンルだと、いつのまにか超人的になっちゃう主人公が多い中、何度も何度も同じ悩みにはまったり、鬱からなかなか抜け出せなかったり。ヨーロッパの片隅の小さな町で、変化していく世界への不安を抱えながら、それでも日常生活のなかに光を見出そうともがいている主人公が、とにかく情けなくてかっこいい。 -
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殺された老人エリクソンの金庫には、傭兵と思われる人物の手記が入っていた。
そして、遺言には、かけ離れた土地の教会への高額の寄付が。
なぜそんな所に?
ヴァランダーは27年前に行方不明になった女性がいたことを調べ始める。
一方、花屋の主人は遺体で発見される。
森の中で…監禁された後に殺されていたのだ。
謎めいた手口の理由とは?
治安の悪化を憂えて市民自警団を作る動きが活発化し、それも警察には頭の痛い問題となる。
マーティンソン刑事の娘が学校でいじめに遭い、父親が刑事だからという理由だったために、真面目なマーティンソンは辞職を考える。
引き留められるのはあなただけと言われるヴァランダー。
ヴァラ -
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スウェーデンの警察物。
クルト・ヴァランダーが主人公のシリーズ、6作目。
スウェーデン南端のイースタという町はそれほど大きくはないのだが、交通の要衝に当たっているために犯罪は少なくない。
クルトは、父とローマ旅行に行って帰ってきた所。
父は気むずかしく、痴呆が時折出てもいたのであまり上手くいっていなかったが、旅行先では楽しく過ごすことが出来た。
父は長年ほとんど同じ絵を描き続けてきた画家で、イタリアに行くのは生涯の夢だったらしい。
その旅行に同行できた幸せを感じる。
帰国後、妙な事件が相次ぐ。
元自動車販売会社経営の老人エリクソンが行方不明になり、様子を見に行ったヴァランダーは、敷地内の壕 -
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クルト・ヴァランダーを主人公にした警察小説シリーズ6作目に
あたる本書の事件の幕開けも牧歌的なイメージ色濃い
スウェーデンには到底似つかわしくない残忍な犯行現場。
父とのローマ2人旅の余韻にゆっくり浸る間もないまま
連続殺人事件解決に挑んでゆく。
このシリーズは主人公のキャラクターの魅力に惹かれ、読後事件の
内容は忘れても、家族との会話、同僚や上司、友人刑事たちとの
エピソードが不思議と記憶に残る。
今回も事件解決に忙しい最中、わざわざ遠距離恋愛中の恋人
バイパに電話してもめたり、そうかと思うと2人で暮らすための
新居や飼犬を探してまわるマメでカワイイ中年男の一面も
垣間見れる。またしても次作 -
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父親の死を乗り越えて、捜査に邁進するヴァランダーらイースター署の刑事たち。しかし、一向に犯人像は浮かび上がってこない。猟奇的な犯行に対抗して市民による自警団が活動を始める。そして・・・。物語の三分の二を過ぎて、ようやく解決に向けて大きく進展が見られます。そこまではひたすら地道な捜査が続きます。その一方で、懸案の愛する女性との同居を考え、葛藤するヴァランダー。人間くさい刑事たちの活躍を楽しみました。それにしても文庫上下巻で2400円を越える価格。ちょっとびっくり。でも続きを読みたいので、東京創元社さん、あとシリーズ4作、何とか出し続けてください!
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スウェーデンの小さな田舎町の刑事ヴァランダーが、ラトヴィアに飛ぶ。国境を越え、思いも寄らぬ大きな事件に深入りしていくことになる。人気のスウェーデン警察小説、<刑事クルト・ヴァランダー>シリーズの第2弾。この作品の面白さのひとつに主人公ヴァランダーの設定がある。 ・太り気味。ストレス。警察を辞めたい。 ・オペラ好き。 ・味気なく思っている一人暮らし。 ・逃げられた妻にまだ未練がある。 ・娘のリンダとの意思疎通が上手くいかない。 ・年老いた父との確執。 ・ファストフード中心の食生活。 ・深酒しがち。 ・初めて出会った女性に惚れっぽい。さらに、この第2弾では同僚で親友だったリードベリを亡くしていた
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お〜〜!
なんだか切ない終わり方。。
今作をもって、しみじみとヴァランダーとお別れ。
なんか世話の焼ける、
めんどくさいけど放っておけない友人と過ごすような、そんなシリーズだった。
最初はヴァランダーのやらかしに苦笑いしたり大笑いしたり、気楽に読んでいたけれど、
今回はヴァランダーの年齢が自分と同じくらいに近づいたこともあって、その失敗を笑えなくなり、
心配すると共に、他人事ではないこの先の自分の在り方というものもひしひしと考えさせられた。
あと二作、短編などがあるようだけど
わたしの中では終わった感。
ありがとうヴァランダー。
おつかれさまヴァランダー!
最後に気になったことを彼に告げ