ヘニング・マンケルのレビュー一覧
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「ピラミッド」
北欧ミステリの帝王ヘニング・マンケルが生んだ刑事、クルト・ヴァランダー。ガラスの鍵賞受賞の第一長編『殺人者の顔』以前の、若き日のヴァランダーを描いた短編集。
クルト・ヴァランダーが初めて登場したのは「殺人者の顔」で本作は9作目。前作「ファイアーウォール」で打ち留めになる所を「殺人者の顔で描かれた1990年より前のヴァランダー刑事(のち警部)を見たい」との読者の声に答えた形で発表されたのが本作「ピラミッド」である。本作では、新米巡査時代からシリーズが始まる直前42歳までのヴァランダーの活躍を描いた5編の短編(とはいっても表題は原書で237ページもあるらしく、それは短編じゃない -
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キナ臭い世界(社会)情勢をテーマにしているもののそうした問題性を映した物語としては凡庸というか残念な作の印象。ルポ(報道)が伝えるところの圧政(暴政)の現状など易く知ることが出来るワケで、そこ(ラトヴィア)に招かれてほとんど旅行客然の主人公の暢気さに対しては、いくらなんでも・・の認識(思慮)の不足がうかがえるように思われた(言い過ぎか?)。しかしそれでも惚れっぽい主人公ヴァランダーの人間臭さの魅力はよくとらえられ、また物語展開の緊張感あるその最中にも巧くユーモアを織りこんだ筆致はよかった。終盤は緊迫感ある展開で惹きこまれはしたのだけれどやはりもう少し物語に厚みが欲しかった。
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30歳になるリンダは、紆余曲折を経て父親と同じ道を選んだ。そんな赴任前の彼女の友人がいきなり失踪する。矢も楯もたまらず勝手に調査するリンダ。だが彼女の行動が強引で、友人の留守宅に入り込むわ、日記は読むわ、車は乗り回すわで、いくら身を案ずるためとは言えなかなかの暴走っぷり。案の定、父クルトは怒りを爆発させるが、それでも娘の想いを汲んで捜査に参加させるのは、警察官としての熱意を買っているのかな。
リンダの視点でストーリーは進むが、彼女が見ているのは事件だけではない。娘の暴走を抑制し、時には厳しく諌める父親を冷静に分析し、そんな父譲りの気難しさを受け継ぐ自分自身についても理解している。これはヴァラ -
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ヴァランダー警部の本。
個人的にヴァランダーさんはあまり好きになれない人だと思いますが事捜査の進め方、発想に関してはピカイチだなとは思います。が。毎回不満なのがラストの捕り物シーン。というか個人プレイが多すぎる気がするんですよね。日本だと必ず二人一組で、ってイメージがあるんですがヴァランダーさんとこは人員不足だかなんだか知りませんが毎回一人で必ず痛い目にあってるのに懲りない。今回も駅で応援頼んどいたら彼女の怪我は防げたんじゃないのかなあ?それが不満です。バイパさんも…なんか本当に彼女が好きというよりは自分が疲れた時に女性に家に居てほしいだけって気がするんですが。
そして表に出されず被害を受け -
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ネタバレ今回は政治小説だ。
スェーデンのことが理解できていないのか、
ヨーロッパのことを理解できていないのか、
もう一つの舞台、南アフリカとの距離感がつかめない。
(地理的物理的な距離感ではなく、文化的社会的距離感)
人や情報のの移動量の問題なのかもしれないが、
たとえば、日本とアメリカは物理的距離は遠いが、
文化的には比較的近い。
南アフリカは、一刑事が人を逃がしてやろうとするぐらい、
スェーデンから近い場所なのだろうか。
前作もそうだったが、
主人公の職務から逸脱が非現実的にしか思えない。
また、主人公の捜査が勘ばかりなのも納得できないし、
犯人への固執にも共感できない。
なんだかな。