松岡圭祐のレビュー一覧
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松岡圭祐『高校事変 XII』角川文庫。
スピンオフ作品が控えているものの、ついに最終巻。10月から読み始めて、足掛け3カ月でようやく最終巻に辿り着いた。
『高校事変』シリーズで優莉結衣の孤闘に感化された高校生たち、警察関係者、元総理大臣を始めとする登場人物が一堂に会し、怒濤の展開が描かれる。
まさか、武蔵小杉高校事変から始まった物語が、これ程の壮大な物語になろうとは。次々と見舞われる危機的な状況を自らの知恵と知識、体力、意思で打開して来た結衣も、ついに……
『探偵の探偵』、『千里眼』とも繋がるシリーズの集大成とも言える作品。
テロを国際的なビジネスに成長させることを目論む優莉架祷斗率 -
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ネタバレ万能鑑定士シリーズの長編。
今回は2010年代に問題となった日中関係の悪化を根元に贋作物をテーマとした壮大なストーリーが展開されていく
今回は表紙に『謎解き』と題されているように途中までに真相を知るまでのヒント・伏線が全て載せられており、最後の真相を明かす前に小笠原がミステリー小説のごとく「読者への挑戦状」がありミステリー小説好きとしてとても面白いと思いました。
事件の真相はとても驚きの物であった。自分と一緒に行動していた人物がまさかの贋作グループの一員に物語の中でなっていたという所がとても驚きで、今までに無い物であると思いました。見方だと思っていた人物が実は敵で、逆に怪しい人物は全く事件に関 -
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松岡圭祐『高校事変 XI』角川文庫。
残るはこのシリーズ第11弾と次の第12弾、スピンオフのみ。シリーズはいよいよ佳境に入った。
シリーズを重ねる度に過激になる暴力描写とうねるように複雑に絡み合ったストーリー。半グレ組織が日本政府を牛耳ろうとする辺りは、今の日本政府と旧統一教会との関係にも似ている。予想も出来ないことが普通に起きる今の世の中。
日本の政治家は金と権力の亡者であり、ばれなければどんな悪事を働いても良いと思っているようだ。そんな半グレ組織と日本政府に優莉結衣はどんな闘いを挑むのか。
冒頭に前作の慧修学院高校襲撃事件後、ホンジュラスに残った優莉結衣に降りかかった危機的な状況の -
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松岡圭祐『高校事変 IX』角川文庫。
シリーズ第9弾。武蔵小杉高校事変から始まったダークヒロイン優莉結衣の闘いはまだまだ続く。
平成最大のテロ事件に関わり、死刑となった父親を持つ優莉結衣とベトナムから帰化し、韓国系極悪半グレ集団『パグェ』を操り、武器の密輸に関わっていた父親を持つ田代勇次という2人のアウトロー。
父親の呪縛から逃れようとしながら孤独な闘いに挑む優莉結衣と父親を超える悪の王に君臨使用とする田代勇次の2人の間についに決着の時が来るのか。
前作で激闘が繰り広げられたフェリーから辛くも脱出した田代ファミリーの唯一の生き残り、田代勇次は優莉結衣への復讐の機会を虎視眈々と狙う。これ -
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松岡圭祐『高校事変 VIII』角川文庫。
シリーズ第8弾。武蔵小杉高校事変から始まったダークヒロイン優莉結衣の闘いは続く。
第7弾はイマイチの出来だったが、この第8弾で巧く軌道修正出来たようで安心した。
今回は何と優莉結衣を殺害するために、ついに核兵器を使用する刺客まで現れる。
12人を数えると言われる最凶のテロリスト優莉匡太の子供たち。今回は次女の結衣に、お馴染みの妹の凛香、兄の篤志、双子の智沙子が登場する。そして、病院から姿を消した凛香の母親の市村凛は次回への伏線か。
韓国系極悪半グレ集団『パグェ』を率い、武器兵器の密輸に手を染める田代槇人が優莉結衣に12億円以上もの巨額な懸賞金 -
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松岡圭祐『高校事変 VI』角川文庫。
ダークヒロイン優莉結衣の孤独な闘いを描くシリーズ第6弾。
またもや危険な状況に自らの身を投じる優莉結衣。今回は民間軍事会社との戦争だ。
前作で悪徳公安刑事による暴行の動画が公開され、それまでの世間のイメージを覆した結衣は暫くの間、大人しくしていたのだが……
高校の修学旅行で沖縄に来た優莉結衣はクラスメイトの激しい虐めについに爆発。クラスメイトを徹底的に痛め付けると夜の沖縄に消える。勿論、先々を読んで何らかの仕掛けを施してのことだろう。
結衣は空港からホテルへ向かうバスの中から目にした光景が気になり、那覇市の貧困地区に向かう。貧困ビジネスに手を染め -
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松岡圭祐『高校事変 V』角川文庫。
シリーズ第5弾。
シリーズ全体が複雑に絡み合い、謎が謎を呼び、昨日の友は今日の敵、昨日の敵は今日の友と二転三転四転する展開に大きな魅力を感じる。何度も苦楽を共にした妹の凛香でさえ、結衣の敵となり得るのだ。
冒頭から優莉結衣の忌まわしい過去が描かれ、本編に入ると前作終盤で明らかになった驚愕の事実からの続きが始まる。
今回の優莉結衣は何時にも増して、冷徹な殺戮マシーンと化すが、その計算の高さには目を見張る。
韓国系極悪半グレ集団『パグェ』を陰で率いる田代槇人は警察組織や政府にも介入し、優莉結衣を始めとする優莉匡太の子供たちを抹殺するために悪徳公安刑事を -
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松岡圭祐『高校事変 IV』角川文庫。
シリーズ第4弾。
古本で10巻、新刊で2巻をオトナ買いし、新刊を読む合間に楽しみながら少しずつ読んでいる。
時には非情な殺戮者、時には頭脳明晰な名探偵として、自らの知識と技術であらゆる危機を乗り越える女子高生・優莉結衣の孤独な闘いが描かれる。今回、優莉結衣の前に立ちはだかる新たな敵は韓国系極悪半グレ集団。
再び転校を余儀無くされた優莉結衣に公安から知らされたのは無情にも幼い頃に別れた弟である中学生の健斗の死だった。
毎度ながら非常に面白い。スパイ冒険小説やアクション小説が好きな人には堪らないシリーズである。シリーズが違和感無く繋がっており、次々と -
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ネタバレ探偵の探偵シリーズと万能鑑定士シリーズの後編。
ここまで、追い詰められる主人公がいるのかっていうレベルの追い詰められ方をしているなぁと思いました。同作者の他の登場人物が出てきて莉子を助けようと奮闘していく姿がアベンジャーズのようなかっこよさがあるなと思いました。この話で万能鑑定士Q、スマ・リサーチの幕引きも描かれていてこのシリーズの終わりが見えてきていると感じ、少しさみしいなと思いました。
獅靱会の壊滅を持って須磨と桐嶋の人生の一端の区切りがつく、それは玲奈や琴葉も同様で新たな道へ進む、万能鑑定士側もそれは同様で新たなお店を閉め別の道をそれぞれが歩み始め、その旅立ちの時に現れた最後の敵「コピア -
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ネタバレ万能鑑定士シリーズと探偵の探偵シリーズのコラボ作品の本作。
『人が死なないミステリー』と『人が死にまくるミステリー』という2つがコラボレーションをしているがどちらかというと万能鑑定士シリーズに探偵の探偵シリーズが浸食し、色々と引っかき回しているような状態だった。ただのコラボと思いきや主要キャラである小笠原が出版社を退社することになるなど今後のストーリーに影響を与えていくという所で、シリーズの転換点になっている作品でもあると感じました。
ストーリーもどちらかというと探偵の探偵の探偵シリーズ寄りで、人の死をあまり知らずに生きてきた莉子と人の屍をたくさん見てきた玲奈という対比がとても面白かった。お互 -
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松岡圭祐『高校事変 III』角川文庫。
世間を震撼させる事件と激しい暴力の嵐を呼ぶ女子高生・優莉結衣の活躍を描くシリーズ第3弾。
日本国内で暴れまわった優莉結衣の闘いの場はついに東南アジアへ。第2弾の最後に少しだけ姿を見せた妹の凛香とも本格的に再会するが……
やはり面白い。ここまで思い切った展開とシリーズ第1弾から繋がる伏線は見事。シリーズはまだまだ続く。
平成最大のテロ事件に関わり、死刑となった父親を持つ優莉結衣の元を全寮制の矯正施設・塚越学園の学園長が訪ねて来た。半ば強制的に転入を薦められた結衣は、未明に塚越学園の見学に出発すると謎の武装集団の襲撃を受ける。
記憶を失った結衣が再