松岡圭祐のレビュー一覧
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ネタバレ万能鑑定士シリーズの最後の作品。
シリーズ通しての敵であったコピアとの対決や小笠原との恋の行方などの決着と、ムンクの〈叫び〉に関わる謎という両輪が上手く回っていて、さらには最後の作品ということもあり他の作品からの客演や今までのシリーズに登場したキャラクターが再登場し物語がどんどん盛り上がっていくのがとても面白かったです。瀬戸内陸の登場は予想できていたものの、まさかの漢那先輩の登場には驚きました。推理劇Ⅱでのあの苦い結末からのこの展開はとても感動しました。そしてコピアとの決着は、まぁそうなるかなぁ、コピアだしなぁと思いつつもまさかの最後のあの行動はとても粋なことすると同時に本当に莉子に負けを認め -
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上巻を読んだあとすぐに読みました。
ほんとにもう最高です!!
教科書ではサラッと記載されてた義和団事件がこんなにも濃密で、大きな事件だったなんて知りませんでした。だからこそ、小説としてのこしていくことって偉大であり大切なことなんだなと思いました。もちろん脚色とかはしてるでしょうけど、それによって人の記憶に事件が残るのであればオールオッケーです!
下巻では櫻井伍長がどんどんどんどんカッコ良くなっていく様子が描かれていて、私はとても満足です。元々責任感のある人でしたが、戦争の経験や戦場においての人との関わりによって、あらゆるものを背負う人間となっていった姿がもう感動ものですよ!人のために行動で -
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ネタバレ松岡さんの小説は「探偵の探偵」シリーズを読んだことがあるのですが、話の盛り上がり・殺伐さの描き方が上手くて色んな意味でドキドキするなあと思いました。
今回「黄砂の籠城」では義和団の人たちがクリスチャンを襲う残虐でドキドキするシーンが最初の方に持ってこられたので、一気に世界に引き込まれました。怖い、でも見たい。そんなスリルを味わいながら読み進めました。
そしてエンタメ性はバッチリな中でも、それぞれの人物に対しての心情の変化などがとても良かったです。皆さんが感想で言及されているように、柴五郎さんは本当に立派な人ですね…。生き様がカッコ良すぎる。
加えて杉山さんも本当に素敵なお方。日本と中国が -
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松岡圭祐『高校事変 XII』角川文庫。
スピンオフ作品が控えているものの、ついに最終巻。10月から読み始めて、足掛け3カ月でようやく最終巻に辿り着いた。
『高校事変』シリーズで優莉結衣の孤闘に感化された高校生たち、警察関係者、元総理大臣を始めとする登場人物が一堂に会し、怒濤の展開が描かれる。
まさか、武蔵小杉高校事変から始まった物語が、これ程の壮大な物語になろうとは。次々と見舞われる危機的な状況を自らの知恵と知識、体力、意思で打開して来た結衣も、ついに……
『探偵の探偵』、『千里眼』とも繋がるシリーズの集大成とも言える作品。
テロを国際的なビジネスに成長させることを目論む優莉架祷斗率 -
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ネタバレ万能鑑定士シリーズの長編。
今回は2010年代に問題となった日中関係の悪化を根元に贋作物をテーマとした壮大なストーリーが展開されていく
今回は表紙に『謎解き』と題されているように途中までに真相を知るまでのヒント・伏線が全て載せられており、最後の真相を明かす前に小笠原がミステリー小説のごとく「読者への挑戦状」がありミステリー小説好きとしてとても面白いと思いました。
事件の真相はとても驚きの物であった。自分と一緒に行動していた人物がまさかの贋作グループの一員に物語の中でなっていたという所がとても驚きで、今までに無い物であると思いました。見方だと思っていた人物が実は敵で、逆に怪しい人物は全く事件に関 -
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松岡圭祐『高校事変 XI』角川文庫。
残るはこのシリーズ第11弾と次の第12弾、スピンオフのみ。シリーズはいよいよ佳境に入った。
シリーズを重ねる度に過激になる暴力描写とうねるように複雑に絡み合ったストーリー。半グレ組織が日本政府を牛耳ろうとする辺りは、今の日本政府と旧統一教会との関係にも似ている。予想も出来ないことが普通に起きる今の世の中。
日本の政治家は金と権力の亡者であり、ばれなければどんな悪事を働いても良いと思っているようだ。そんな半グレ組織と日本政府に優莉結衣はどんな闘いを挑むのか。
冒頭に前作の慧修学院高校襲撃事件後、ホンジュラスに残った優莉結衣に降りかかった危機的な状況の