アンソニー・ホロヴィッツのレビュー一覧
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ホーソーン&ホロヴィッツのシリーズ第3作。
今作の舞台は英国領チャンネル諸島のオルダニー島。
一応二人の共作という形で落ち着いた著作『メインテーマは殺人』の
プロモーションの為、島で初開催される文芸フェスに招かれる。
フェスには一癖も二癖もある作家たちが集まり、島の空気はどこか不穏。
そんな中、フェスのスポンサーであるチャールズ・ル・メジュラーが
自宅の隠れ家で殺害された状態で発見される。
椅子に座らされ、両足と左手はテープで固定されていたが、
右手だけは自由という不思議かつ謎の体勢。
そして喉にはペーパーナイフが突き刺さっていた。
さっそく今回も著作のネタのために捜査に加わるホーソーンとホロヴィッツ。
今回はいわゆるクローズドミステリーの様相を醸し出す雰囲気。
閉鎖的な島社会と文芸フェスという舞台設定をとても上手く活かしていた。
毎度繰り広げられる、誰が嘘をついているのかというミステリーの決まり文句を
この舞台と設定を以て、とても緻密かつ巧妙に描いていた。
アンソニー・ホロヴィッツのここまでの多作っぷりに驚かされてばかりである。
チープではないトリックに複雑かつ重厚な動機。
これを毎年クオリティを下げることなく描く作者に脱帽である。 -
Posted by ブクログ
まさかのカササギ殺人事件の続編。
あの傑作の続きが読めるなんて予想すらしていなかった。
元編集者のスーザンは前作『カササギ殺人事件』での壮絶な体験を経て、
今は恋人のアンドレアスの故郷、ギリシャのクレタ島で暮らしていた。
アンドレアスと共にホテルを経営していたのだが、その雲行きはだいぶ怪しい。
そんな彼女の元に、イギリスから裕福な夫妻訪れスーザンにある依頼をする。
彼らが所有するホテルで8年前に起きた殺人事件の真相をある本で見つけた
──そう連絡してきた直後に娘が失踪したというのだ。その本とは名探偵アティカス・ピュントシリーズの『愚行の代償』
それは、かつてスーザンが編集したミステリだった。
今回においては頭から物語の構造を明かしていくスタイル。
そりゃ続編なのだから当たり前なのだが。
とは言え、一冊で二度おいしいというスタイルは変わらず。
今作はよりアテュカス・ピュントが誕生するまでの裏側が堪能できる。
良くも悪くも、輝かしい物では決してないのだが。
下巻に向けて、良い塩梅で謎が深まっていく。 -
Posted by ブクログ
カササギ殺人事件からの2冊目。
カササギはアガサ・クリスティへのオマージュと紹介に添えられていたけど、今回の作品はシャーロック・ホームズへのオマージュなのかな。
シャーロック役のホーソーンの慇懃無礼さ。ワトソン役ホロヴィッツの人の良さ。小説よりもむしろカンバーバッチさん主演のドラマSHERLOCKに近い感じ。
最初は白黒だったホーソーンがどんどん色彩豊かになり魅力を放っていく。
カササギの時は、小説家の書いたミステリの謎解きと同時に進行するリアルなミステリという構成。
今回は実在の人物、作者であるホロヴィッツが巻き込まれたリアル事件の取材という形で事件が進んでいく。
リアルとフィクションの境目が朧気になる不思議な演出。
ホーソーンの人間像も少しづつ明かされそうで、次作もまた読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
アンソニー・ホロヴィッツが描くコナン・ドイルの世界。コナン・ドイル財団公認。
物語は、シャーロック・ホームズとモリアーティがライヘンバッハの滝で行方不明になった「最後の事件」の直後から始まる。
アメリカの犯罪組織とモリアーティが手を組もうとしているという情報を追ってヨーロッパにやってきたアメリカの探偵社のフレデリック・チェイスと、スコットランド・ヤードの警部アセルニー・ジョーンズ(コナン・ドイルの小説「四つの署名」に登場している警部)が、ライヘンバッハの滝で出会い、モリアーティが手を組もうとしているアメリカ犯罪組織の正体を暴こうと奮闘する物語。
ホームズに心酔し、スマートな暗号解読や推理を披露するジョーンズ警部をホームズ役、アメリカ人探偵者の調査員チェイスがワトソン役(小説上の一人称)となって、事件を追っていくのだけれど、ようやく突き止めた証人や容疑者が次々に殺され、自分たちも命の危険にさらされる、手に汗握る展開は、まるで本物のコナン・ドイルの小説を読んでいるかのよう!
さて、ちょっと冷静になって、その小説を読んでいる私は、というと、直前に読んだ「カササギ殺人事件」と比べながら読んでいました。「カササギ殺人事件」は、アンソニー・ホロヴィッツが描くアガサ・クリスティーの世界。どっちの世界観が好きかと考えたら、アガサ・クリスティーの描く静かな世界のほうが好きかもなぁー、ホームズは好きだけど小説で読むとグロいんだよなぁー、なんて考えてました。
そんなわけで、「面白いんだけど、そもそもコナン・ドイルの小説のスタイルを私は好きなのかな?ホームズって変なやつ過ぎるよねぇ」と、ちょっと懐疑的な気持ちで読み進めていたんですが、最後の最後のどんでん返しで
「してやられたっ!」
と、ニヤニヤが止まらない状態に!
うわー、またこれ、最初から読み返さないといけないパターンではないですか!
途中、いろいろなキャラクターに疑いを向けてはいたんですが、そう来るとはっ。言われてみれば彼が一番怪しいですよね。うんうん。やられたわ。
そんなわけで、ミステリー好きで、ホームズとワトソンとモリアーティというキャラクターが大体わかっている人にはおすすめです。シャーロキアンから見た感想はどうなのかな?
私が、グロいシーンや、あまりにも痛すぎるシーンが好きではないので、最初の方が読み進まなかったぶんを差し引いて★4。でも、頑張って読んだだけの報酬はある小説でした。