あらすじ
ギリシャでの生活に区切りをつけ、ロンドンに帰ってきたわたし、スーザン・ライランド。フリーランス編集者として働いていると、予想だにしない仕事が舞いこんできた。若手作家が名探偵〈アティカス・ピュント〉シリーズを書き継ぐことになり、その編集を依頼されたのだ。途中までの原稿を読んだわたしは、書き手が新作に自分の家族関係を反映しているのを感じる。ということはこの作品のように、現実世界でも不審な死が存在したのか? 『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』に続くシリーズ第3弾!
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Posted by ブクログ
『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』の完全な続編。前2作を読んでいないと全く内容は理解できません。逆を言えば、前2作を読んでいる人には無茶苦茶面白い!
クレタ島のホテル経営から足を洗ったスーザン•ライランド。ロンドンに戻ってフリーの編集者として再出発を図る。そこで依頼されたのは、かつて担当した『アティカス•ピュント』シリーズの新作を出版すること。だが、旧知の作家エリオットが書き始めた続編には隠された秘密があることに気づいてしまい…。
相変わらずの“入れ子型”の作品。すごい。しかも、今回は新作として現在進行形で書かれている小説が、20年前の事件を投影しているという手法。非常に面白い。お薦めです。…あ、前2作も含めてね。
Posted by ブクログ
「名探偵ピュント」シリーズ(って言っていいのか「体当たり編集者スーザン」シリーズのほうが適切かうーん)第3弾。
<良かった点>
・現実パートと作中作パートのどっちも怪しくて気を逸らさない、同時並行で別々のジャグリングみたいな離れ業を成立させる作風は今回も健在。ついでに超いいとこで切る焦らし加減も健在。
そもそもピュントシリーズとしては完結済、作者も死亡済、新作の出る幕がないはずなのに続編を書かせるとか、現実的かつその手があったか!な導入が頭いいなーと。
<よくなかった点>
・クレイス家の家系図だけじゃなく、作中作チャルフォント家の相関図も欲しかったところ。自分で読みながら作ったけど、時々○○ってどっちの世界の誰だっけ?って混乱したりするので。あーでも、「エリオット」が「エリィ」とか家族間で愛称が出てくるともっと誰だっけ??が進むので、それがないのはよかった(家族がバラバラ感も醸し出されるし)。
<総評>
第3弾にもなるとダレてくるシリーズとかもあるけど、そんなこともなく面白かった。それって普通にすごいと思う。アンドレアスと別れちゃったのは悲しかったけど、ロンドンに戻ってきて存分に編集業に携われるようになったのはよかった、んだけど、どうもフリーの立場でいいようにこき使われる感がするので後半で出版元の鼻をあかしてほしいなーと思ったり。
Posted by ブクログ
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズよりこっちのほうが好き
ここ数年こっちは出てなかったから待望の一冊
アティカス・ピュントの続編を主人公が因縁浅からぬ新人作家が書くって展開で一冊で2つの物語が楽しめる
本作のタイトルとかにも本編とは関係ないわかる人だけに分かる遊びが仕込んであるんだろうなぁ ミステリマニアじゃないから多分一生わからないけど
下巻が楽しみ さあ今から読むぞ
Posted by ブクログ
現実の人物をモデルに、小説の登場人物を描いているので、人物像が交錯し、家族の証言を聴き進めるほど謎が深まります。ミステリーの中にミステリーがあるの、ホントに贅沢です。編集者のスーザンがエリオットの作品にケチをつけるところが、編集者って大変、著者もひとつの作品を作るのって大変と感じました。
Posted by ブクログ
贅沢だ――!こんなに上質で極上なミステリーが読めるなんて幸せ。
今回も作中作になっているため、一冊で二つの物語を味わえる。
お寿司と焼肉を交互に食べているような感覚。「このウニ、美味しい〜」と感動していたら、次に“最高の厚切り牛タン塩”が出てくるような。そして、その二つが絶妙に絡み合って、何倍にも美味しくなるみたいな!?いや違うかな?
とにかく贅沢で幸せなのは間違いない。
前作の終わり方から、どうやって続編を作るのかと思っていたけど、なるほど、この手があったか!
作中作ピュントシリーズは、クリスティのような世界観で一気に惹き込まれる。
今回は「館」で起きる一族の揉め事という、まさに私の大好物。
スーザンの物語に切り替わると、「ああ、もっとピュントの方を読みたかったのに!」と思ってしまう。
とはいえ、スーザンのその後も気になっていた。散々痛い目に遭っているのに懲りずに危険な事件へまたもや首を突っ込み、いつも金欠で不運なスーザン。
そんな彼女に「またやってるよ…」と思いつつも、ここまでくるともう何だか憎めない。
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズの方が好きだったけど、カササギシリーズもやっぱり面白い。
クセ強の登場人物たちが、作中作と現実の物語で巧みに絡み合う構成は本当にお見事。
より理解を深めて楽しみたくて、思わず自分で登場人物の相関図を手書きしてしまった。
こんなに贅沢なミステリーを読んでしまったら、しばらく他の作品で楽しめないんじゃないかと不安になってくる。
ホロヴィッツ、どうしてくれるんだ!
そして、上巻でこんなに面白いなら、下巻はいったいどうなってしまうのか。
下巻を早く読みたい気持ちと、読んでしまったらもうしばらく新作ホロヴィッツを味わえない寂しさの間で葛藤している。(きっと我慢できず、すぐに読んでしまうんだろうけど)
日常を読書でこんなにもワクワクさせてくれるホロヴィッツに、心から感謝です。
Posted by ブクログ
はい、今年も来ましたアンソニー・ホロヴィッツの新作
創元社が各種ミステリー賞狙いでこの時期にぶつけてきやがるのよね
そして、今作もエグい
まずはほんとその手があったか!の作中作『アスティカス・ピュント』シリーズを亡くなった作者に代わって、新人作家に引き継がせるっていう
言われてみたら、ありなんだけど、サクッとしれっとやってくる
また、構成も凄いのよ
マジどこぞの敏腕ディレクターか!っての
CMに入るところの切り方が絶妙なのよ
もう一瞬たりともチャンネルを変えさせないぞ!っていう
CM明けちょっとでも見逃したくない!ってところで場面転換ね
上手すぎだよホロヴィッツ!
ほんと目が離せないのよ
あ、CMの話はあくまで比喩ね
本作の途中にCMは挟まっておりません(分かっとるわ!)
Posted by ブクログ
上巻まで
なるほど、読み始めはフワッと、そしてまたどこまでが事実なのか物語なのか不明な気分を味わうのだが、これも物語
上巻終わり近くイライラさせて、早く下巻を、続きを読みたくさせる。
うまいな〜ハマってしまうな〜
Posted by ブクログ
下巻未読。
このシリーズは作中作がとても面白い。作中作単体でも面白いのがすごいしこの構成が面白くてとても楽しく読める。
まだ疑惑止まりで、事件らしい事件は起きてないが、エリオットが何を企んでるのか?クレイス一族にどんな秘密があるのか?気になる展開になっている。
最初に注意書きもある通りカササギ殺人事件からの流れもかなりあるため、読み直してからの方が良かったかなとも思うが、未読でさえなければ問題はなさそう。
Posted by ブクログ
クレタ島からロンドンへ戻ってきたスーザン。
アンドレアスとお別れしちゃったのはちょっと残念。
復縁の可能性は残されてるのかなぁ?とミステリと共にそちらも気になる。
今作ではアランの後を引き継いでエリオットという若手作家がアテュカス・ピュントの新作を書くことに。
エリオットの親族やエレインの登場でスーザンの周りにも不穏な空気が漂ってる気がする。
スーザンの物語もピュントの物語も下巻でどうなっていくのかとっても楽しみ
Posted by ブクログ
だいぶ前の「平成仮面ライダーシリーズ」に「仮面ライダーキバ」という作品があった。主演は瀬戸康史さん。
この作品には他にない複雑な特徴があった。
主人公がいる「現代」と、主人公の父が現役だった頃の「過去」がパラレルに描かれるのだ。
物語が進むうち、「現代」と「過去」は近づいては離れ、離れては近づき、ある時融合する。さらにもうひとつの世界と絡み合い、独特の構造を持つ物語になっていた。過去と現代、もうひとつの世界はいくつかのポイントで接点を持ち、重なる。
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待ちに待ったホロヴィッツ新刊は「カササギ」シリーズの続刊。前作では、名探偵アティカス・ピュントシリーズの過去作が絡む物語だったが、今作では何と"シリーズ新作"が登場するのだ。
えええ?作者のアラン・コンウェイは一作目でいきなり死んでますよね???
そう、現実でも時々あるけど過去の名作シリーズを現代の作家が引き継いで書く、という企画なのだ。もちろん元々の版元はすでになく、刊行しようとしているのは別の出版社。スーザンは結局クレタ島に馴染めず帰ってきてしまっていて、フリーの編集者としてこの本に携わる羽目になる。過去の因縁に蹴りがつかないまま、若い作家の書いた「新作」と伴走することに。
しかし、どうやらこれは単なる創作ではなく、作家本人の体験がベースになっているようなのだ。富豪の頂点に立つ老婦人が突然謎の死を遂げ、彼女を取り巻く家族たちの姿が描かれることになるのだが、それが実際に作家の祖母や親戚たちをモデルにしたと思しき内容になっている。世界的に有名な児童文学作家だった祖母は、作家がまだ子どもの頃に突然亡くなったのだった。普通に病死として埋葬された祖母だったが、物語が事実をなぞっているなら実は殺されたのか…?
病をおして現地に向かう探偵ピュントはどのような結論に辿り着くのか。
作中作は、作家が書いた原稿の途中経過までがスーザンに手渡されるため、物語がどんな方向に進むのかが全くわからない。設定は"いかにも"な邸宅の中で家族や親戚、使用人などいわくありげな人物ばかりが登場し、例によって「全員怪しい」。ほぼ全員が何かを隠しているっぽい。作中作も、現実の事件(?)も、一体どんな展開を迎えるのか。
ほんとにいいところで「下巻に続く」なんだよねぇ…
今作もほんとにわくわくする。ふたつの事件ぶんの登場人物がいるせいで誰が誰だか混乱したりはするけれども。素晴らしい翻訳も相変わらずで、目が引っかかることなく読める、ストレスない日本語に拍手。
それにしても今回はスーザン、大丈夫?なんか作家の一族から煙たがられたりして雲行きが怪しいけど…。
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「キバ」では後半に主人公が自分の本当の出自を知る展開がある。幾重にも重なり合う世界の中で"真実"が見えた時のカタルシスは大きかった。
どうなってるの?どうなるの?何が真実なの?と頭の中がもやもやするほど解決した時の「嵌った」感は大きくなる。
ミステリの魅力はもちろんそこにあるわけだけど、何しろ"一粒で二度美味しい"このシリーズ。果たしてどんな真実が明かされるのか。
Posted by ブクログ
テンポの良さと、このシリーズ固有の構成の出入りが心地よく、バランスよくスラスラ読める!
ここからの下巻での波乱や驚きがどれくらいのものか、大変楽しみにさせてくれる
Posted by ブクログ
プロローグ
あの“アティカス・ ピュント”が帰ってきた!
『カササギ』『ヨルガオ』に続くシリーズ第3弾
ホーソン&ホロビッツシリーズは、
離れて久しいが、ピュントシリーズは別格だ!
また、あのイギリスの50年代に浸れると思うと
子供のように心が弾んだのだった、、、
本章
『マーブル館殺人事件 上』★5
未読の方たち向けて少し説明しよう
アティカス・ピュントと言うのは
カササギシリーズで登場する、アラン・コンウェイというミステリー作家が執筆する1950年代を舞台にした大ヒットシリーズ、
ピュントシリーズに登場する探偵の名前である
この作中作、当然カササギシリーズを読まないと
読めない作中作で、これがまた頗る面白い
そして、本作も面白いので、2重で楽しめるのである
作中作のミステリーに本作のミステリーが相まって
1作で2作分を楽しめる極上のミステリーなのだ!
プロローグ
あ~、なんてピュントは魅力あるキャラクターなんだろう!
あ~、早く続きが読みたい!
作中作の続き、そして本作の続きへ、、、
下巻へ続く
Posted by ブクログ
自分的に、このシリーズはとっかかるまでが大変で、やっぱ登場人物が多くなるし、ミステリを併読している感じだからかな。それに慣れるとめちゃくちゃ面白くなる。下巻へ。
Posted by ブクログ
ホロヴィッツの新作。
編集者スーザンが活躍する
“一粒で二度おいしいシリーズ”(作中作品がいつも素晴らしい)。
アティカス・ピュントの続編を書くことになった若手作家をスーザンが担当することに。
彼は何やら複雑な一族の問題を抱えており…。
わー。
スーザンがまたもや危ない状況に陥りそうな雰囲気がぷんぷん。
気になる台詞満載で、
あとで見返すことができるよう、付箋を付けておく。
さあ、下巻へいざ!
Posted by ブクログ
はいはい、今回も気持ちよく翻弄されました。
死んだ作者の代わりに続編を書くと
売れなかったミステリ作家が言い出して
またスーザンが編集者として関わることに。
だが、その作品には作家自身が
過去に経験した事件への匂わせがあり…。
相変わらず作中作の『ピュント最後の事件(仮)』が
いかにも英国風ミステリで楽しい!
この中に現実のほうの事件のヒントが
あるとか、もう、考えないことにして楽しむ。
そしてこちらも相変わらず
現実の世界線で登場するキャラはどうもねぇ。
スーザンにしたって、わりと毎回ひどい目にあうが
結構、自業自得な気も。
それを知っていても、あまりある謎解きと
それぞれの解決編を読むワクワク感が
やっぱりページをめくらせてしまうのでした。
Posted by ブクログ
シリーズ一作目のカササギ事件に大きく関わっているので、そちらを先に読むのがおすすめ。作風も似ていて、現在起こっていることと、作家の書いた小説の内容とが場面転換して出てくる。両方に似たタイプの人が出てくるので、名前がわからなくなって混乱した。アティカス・ピュントシリーズを引き継いで書くエリオットも面倒そうな人物だが、作品内容も面白く完成させてほしい気持ちにはなる。下巻へ続く。
Posted by ブクログ
編集者 スーザン・ライランドが語ることと
若手作家 が語る自身の事と彼が書く物語
それぞれの現実とそれぞれの物語が絡み合い
二種類の登場人物に惑う
今読んでるのはどちらの物語?……
Posted by ブクログ
カササギ殺人事件、ヨルガオ殺人事件に引き続き、この展開はもう慣れてきているけど、
アラン・コンウェイのピュントシリーズよりもエリオット・クレイスが引き継いだ作品の方が読みやすい気がする。
ピュント最後の事件、最後がどうなるかが楽しみです。
Posted by ブクログ
来ました!【アティカスピュントシリーズ】最新作!
【カササギ殺人事件】、【ヨルガオ殺人事件】共に海外ミステリーの中でも群を抜くほど面白かった。
今作も相変わらず謎解きが楽しめる作品で、海外ミステリー苦手方にこそ読んで頂きたいですね〜!
しかし、アンソニー・ホロヴィッツは出す作品がほとんど面白いから恐ろしい!
Posted by ブクログ
#マーブル館殺人事件 上
#アンソニー・ホロヴィッツ
ギリシアからロンドンに戻ったスーザン。
やめておけばいいのに、生活のために、ある若手作家が書き進めているアティカス・ピュントシリーズの続編を担当することに。
今回の作中作品も、読み応えがあり完成度も高そうだが、若手作家が生まれ育ったマーブル館とその家族との関係が見えてくる。果たして彼はどんな悪意を作品に込めたのか。
#読書好きな人と繋がりたい
Posted by ブクログ
アティカスピュント・シリーズ?3作目。最初の1冊目以降、どうしたらシリーズ化できるか、と思いきや、この手があった!そう言えばドラゴンタトゥーもそうだった。
Posted by ブクログ
マーブル館の殺人
久しぶりのピュントシリーズ。作中前回までの内容を含んでいる為、ある程度思い出しつつ。
スーザンの人生も色々あり、フリーランスの編集者として再出発することになる。
過去に関わっていた「アディカス・ピュントシリーズ」について、シリーズが作家を変えて継続される事になり、その編集を依頼される。
若手作家のエリオット・グレイスと関わる様になり、過去の事件関係者達とも改めて向き合う事になる。
スーザンの後悔や罪の意識をわからなくも無いが、加害者の妻が被害者だったスーザンをまるで許すという考え方は全く理解が出来ない。恐らく国ごとに捉え方が違うのだろうが、エレインがイニシアチブをとっている事に疑問がある(もしかしたら後編でひっくり返る可能性もあるのかなぁ)
作中作であるピュントの作品は単純に面白い。
クリスティの作品をオマージュしていると思えるが、古典的な作風で描かれておりとても懐かしい印象がある作品になっている。早速続きが気になってしまい、本編に戻ったさいには少しガッカリしてしまった(笑)ある意味で二つの作品を並行して体験している感覚なので早く次を読みたいという欲求に煽られている。
全体的な感想は後半で。
Posted by ブクログ
まだ上巻なのでなんとも言えないが、とにかく読ませる小説だ。アンソニーのカササギ殺人〜アティカスシリーズは読んでいるが、この作品も多分に漏れず面白い。下巻が楽しみだ。
Posted by ブクログ
シリーズ第3弾。
カササギは読んだが、2弾のヨルガオは読んでなかったけど問題ないのだ。
入れ子構造はちょっと疲れるけれど、登場人物をチキンと把握しなおして、下巻に進むのである。