アンソニー・ホロヴィッツのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
シリーズ3作を読んでの感想です。
クリスティが好きなので、オマージュ作品ということで連続して読みました。
最初の作品はとても面白かったのですが、2作目、3作目となるにつれて、主人公が嫌いになりました。
作中作品はどれも面白く、アティカス・ピュントだけの物語だったらいいのに、、とも思いましたが、この作品の素晴らしいところは現実と物語の中にある謎解きのシンクロなので、それでは意味がないんだよな、、と思いました。
もう少しスーザンのことが好きになれれば、楽しく読めたのになぁと思います。
ただ、この主人公に対するもやもや感も作者が狙ったものだとしたら、私はまんまとはめられたのかもしれないです。
ただ、続けてホーソーンの物語も読みましたが、そちらもやはり主人公である作家(アンソニー・ホロヴィッツ)が好きになれなかった。
私が単純に良い主人公が好きなのかもしれないです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ出版社の編集者目線から「カササギ殺人事件」という小説を読むという、ストーリーインストーリーの設定だが、話の中身は現時点ではいたって普通の探偵物という感じ。2つの事件が起き、疑わしい人物が次々と出てきて、名探偵ピュントが事件を調べていく。しかし、特に推理らしきものはストーリー中では展開されず(ピュントは途中で推理を他人に言わない設定らしい)、やっとラストで、1人目の死者である「メアリ」は夫によって殺されたという、少し核心に迫るようなセリフで終わったので、ここから展開があるのではと思う。ピュントが余命わずかであることも気になるし、ストーリーインストーリーになっている意味など、本編のミステリ以外にも仕掛けがありそうなので、下巻を楽しみにしたい。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「実際の殺人事件」であるため著者自身も事件がどう進んでいくのか予想できない、という設定をどう使っていくんだろうと思いながら読んでいた。これが日本のミステリだった場合、より技巧的でメタ的な手法を用いたと思う。それこそ「事実から大幅に改変している」とか。法月綸太郎の「死刑囚パズル」みたいな感じでね(これは作品冒頭に書いてあるからネタバレじゃないよ)。本作では結局「推理小説として最初から構成を練ってるわけじゃないから話の大半は事件の本筋とはまったく無関係だよ」というネタ。思わせぶりに書かれていた「損傷の子」や多くの事件関係者に聞いてまわった10年前の交通事故の因縁とはまったく無関係で、探偵役も「さて」と言って推理を始めることもなく、ワトソン役の著者がちょっとした思いつきであっさり解いてしまう。公然の赤にしん。大胆なことをするなあ、と思う一方で、日本の新本格が好きな手前、メタ的な立場からの読者への嘲笑を含まない本作はどこか物足りない。様々な思わせぶりな要素が全部関係なかった!という脱力的なネタをやるためにもここまでの尺が必要だったということはわかるのだけれど、やはり苦労して読んだ長さに見合うほどの驚きだったとは思えない。
もうひとつの大きなトリックとしては、「夫人はそもそも希死念慮を抱えていた」というものだが、思わず読み流してしまういくつかの描写がしっかりとそれを示唆しているという手並みは鮮やか。ただ、「損傷の子」が綴り間違えだった、など日本の読者からだと知識的に気づくのが難しそうで、うーん……けどこれは小説のせいじゃないし。
ホーソーンが同性愛者を嫌悪している話などもなにかミステリ的な意味を持つのかと期待しながら読んでいたが 、あえて言うなら「これは"フィクション"じゃないからウェルメイドじゃないこともあるよ」的な布石というくらいで、「ポリコレ」への当てこすり以上のなにかではなかったのも残念。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『絹の家』に続く<コナン・ドイル財団公認第二弾!>ということで、ずっと読みたいリストにあった本書をようやく読んだ。
冒頭の聖典『最後の事件』についての激しい突っ込みは、大笑いしながら、文字通りおなかが痛くなるほど笑い転げて読みました。
そう、そう、そうだよねえ!と。そう考えると、ずいぶんまぬけなライヘンバッハの滝事件になってしまうのがまた笑えてねえ。
ホームズの雰囲気もよく出ているし、そして私たち日本人が日本語で読むその翻訳も聖典の翻訳の感じに近く違和感がない良い翻訳なこともあり、全体の空気感がちゃんとホームズに近くなっているのはとても推せます。
そしていわゆる「どんでん返し」には、夜中にもかかわらず、「はあ~っ?!」と変な声が出ました。
ここまでなら私的には本書は★5つです。
ただ、最後がいただけない。
私は、実はそう見せかけて生存してるパターンを期待していたのに、ここにはなんのどんでん返しも用意されていなくてひじょうに残念な最期を迎えてしまったのが後味悪すぎでした。これ、イヤミスなのかよ…、そんな思いが残りました。よって、この終わり方が好きになれず★3つの凡作評価となりました。
====データベース===
コナン・ドイル財団公認第二弾! 読み返したくなる衝撃的ミステリ!
コナン・ドイル財団が初めて公式作品認定をした八十数年ぶりの名探偵シャーロック・ホームズ新作『シャーロック・ホームズ 絹の家』に続く第二弾(とはいえ、前作の続きでは無く、独立した物語として楽しめる)。「今、一番おもしろいミステリ作家」として名高いアンソニー・ホロヴィッツが贈る再読必至のミステリ大作!
本作の書名「モリアーティ」とは、世紀の名探偵ホームズに匹敵する知能を持った悪の権化であり、BBCのドラマ『シャーロック』等でも有名になったホームズの宿敵の名前(映画『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』の最後の最後にも登場)。この邪悪な天才こそが裏で糸を引く形で、ロンドンで起こる犯罪の半分が発生していたのだ(第二短編集『シャーロック・ホームズの回想』内の「最後の事件」より)
一八九一年に起こった、ホームズとモリアーティ教授の対決である「最後の事件」の5日後、その現場を、二人の男が訪れる――ピンカートン探偵社調査員のチェイスと、スコットランド・ヤードのジョーンズ警部だ。彼らは、情報交換の末、モリアーティ教授への接触を試みていたアメリカ裏社会の首領を共に追うことにする。ライヘンバッハ川から上がった死体が隠し持っていた奇妙な紙を手がかりに、捜査が始まるが……めくるめく推理劇の果てに、かつてない衝撃の結末が訪れる!