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Posted by ブクログ
下巻では「愚行の代償」を読み終えることができ、その後にヨルガオ殺人事件の真相へと続きました。後半になればなるほど、ページをめくるのが早くなった感じです。
作中作の「愚行の代償」は、ひとつの作品として充実していて、探偵アティカス・ピュントに魅せられました。
ヨルガオ殺人事件自体は、後半に次々と思いもよらない真実が明かされ驚かされました。
本の中に自分にしかわからない遊びや皮肉を入れ、事件の真相を隠すというアラン・コンウェイという作家を作り出した、アンソニー・ホロヴィッツ、すごい作家です。
今、放送中のBSドラマは、細かいところまでじっくりみて楽しめそうです。
Posted by ブクログ
『カササギ殺人事件』のときには気づかず、『メインテーマは殺人』のときには強く印象に残った、徹底的な公平さ。
今作のフェアっぷりも突き抜けていた。
あれだけ必要充分な情報を提示していて、冗長にならず、かつ謎解きの余地を残すって、すごい。
加えて今回は、物語内の作家アラン・コンウェイの人となりを知ってから彼の著作に触れているので、読んでいて感心するやら寂しくなるやらだった。
アティカス・ピュントの誠実さとかなしさを生み出した作家の内面。創作物と同じであれというのは勝手極まりない願望だけど、その、例えば優しさとか誠実さとかの解像度の高さを、実生活に利用しない理由は何だろうと思う。何もかもが解ってしまう人の苦しみはどんなものか。露悪的にならざるを得ないものがあるのか。
いずれにしても、全部を書いているのはアランではなく本当の作者なのだけど。
トリッキーな構成と謎解きを楽しんでいたけれど、終盤の、スーザンが他者の現実に直面したときの描写に、自分も目が覚めたような気がした。
展開のために用意された駒など世の中にはいなくて、みんな、後にも先にもそれぞれの人生がある。
物語の中でも。
『まるでクロスワードを解くような気軽さで、わたしがとりくんでしまった事件は、本来ならとてつもなく不当な仕打ちと闘う覚悟が必要だったはずではないか。(中略)わたしはひとりの青年の人生を賭けた闘いに臨んでいたのだ。』
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