名越康文のレビュー一覧
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購入済み
見た目に反してちゃんとしてます
あなたが常識的な人なら、こんな本を買う奴は馬鹿だと思うでしょう。
「あー、こういうの出てくるよね。流行りの作品に載っかったよくある薄っぺらい自己啓発本でしょ?」
って感じの感想を抱いているに違いありません。
しかし、この本は違います。
著者は精神科医の名越康文先生で、サブカルに近いところで活動されているお医者さんです。最近はyoutubeもやってらっしゃいます。
その精神科の先生が、精神分析的な目線で作品を解析しているのがこの本です。
ですから、この本は自己啓発本ではなく作品分析本です。
『傷ついたまま生きるためのヒント』というサブタイは謎ですが、気にしなくて良いと思います。 -
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自分の言葉で語る練習中なので感想を書いてみる。
自分の悩みについて寄り添ってくれる内容が多く、「そうそう、私もこれで悩んでたんだ!」と食いつくように読んでしまった。
この本を読むことで、悩みに対して自分がやっていた対処法が合っていたことを認識できたり、どうしようと現在進行系で悩んでいたことが、こうやってやってみようかなという道筋が見えるくらいまで悩みの解像度を上げることができた。
日々が平坦で刺激がなく、皆忙しく働いているのになぜ私はこんなに暇なのかという悩みがあったが、何もしていなければ成長しないし、失敗したとしても得るものがある。
また、人の話を聞いて自分にはできないなと思ったことも -
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ネタバレするするできるジャンルが、自分の才能の場所。怒りの8割以上は寂しさから来ている。物に対する執着が、恨みをもたらす…人生は長期戦。個人でピークが2年以上なんて、どんな分野でもめったにないから、世間的な成功は羨ましくないと思える。
親切は、自分が困らない程度内で…!本当にいい親切は、無意識に行なっていること。
個性とは、気づいたら出てくるよ!
自分の当たり前は、他人にとっては摩訶不思議かも。
■深い意味での復讐は、相手の奪ったことに対してできるだけ長いスパンで復讐すること…目の前で仕返しではなく長期間で自分が何かを生産することに集中して、幸せになり、リベンジする。
■親切は「自分のスケジュー -
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思想家・内田樹、精神科医・名越康文、そして作家・橋口いくよの三人による『ダ・ヴィンチ』連載の鼎談を書籍化した一冊。(内田センセイの「思想家」という肩書きは初めて見たが、大学教授を退官されたからなんだな。)様々な話題に切り込んで、普段思っていても言葉にできないようなことを巧みな表現で表してくれるのは、気持ちいい。
取り上げられているトピックであちこちに出てくるのは「上から目線」「揚げ足とり」が頻繁に起きるソーシャルメディア上での言葉の使い方。内田センセイをして「ネット上の言葉がもつ断定性・攻撃性をどう抑制するのか、という問いに適切な処方を見いだせない」と言わしめる状況に、鼎談のトーンも一段と上が -
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精神科医でありカウンセラーである名越康文氏が、10年来の外来診療からつかみ取ったある心理モデルについて、具体的なノウハウとして人の悩みから解放されるためのノウハウを打ち立てた本。
名越さん曰く、カウンセリングの経験から、人間がもつ感情(とくに怒りの感情)に振りまわれることが人間の健康にとって脅威であるとのこと。そのような怒りをもってしまう出来事のエピソード分析などはある程度は役に立つけども感情をコントロールする決定打にはならないという。それは、感情というものが、日常の生活のなかで、ぶくぶくと泡のように沸き立っては消えていくものだからだ。このことに注目することの臨床的な意義は大きいという。そして -
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ネタバレこの三人の鼎談とあらば読まずにいられないと手に取り。
最初にこの本を読むに当たって押さえておくべき場所についての解説がありますが、確かにそれを踏まえて読みだした方が入りはスムースかと。
とはいえ正直言うと私は、最初の方「おっさんの内輪話」にしか感じられず(失礼)中々お三人の語りのペースに馴染めませんでした。
しかし何気ない話をしているようであっても自ずと深い話になってゆくのはさすがです。三人とも全然違うようでどこか通じるものがあるというか似ているところがあるように見受けられました。
「政治やメディアの劣化を野放しにしておくことは危険である」とか、「生きる上で当たり前のこと(常識)だから法文 -
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「男はつらいよ」全作品の全肯定。寅さんファン大往生の一冊。
このタイトル、この装丁。寅さんファンしか、買わない・読まない本です。その寅さんファンを幸せな気持ちにさせる、という一点に絞って書かれた本です。
寅さんのファンでいいんだよ。それどころか、もっとファンになっていい、もしかしたらあなたが気が付いていないこんなメッセージ、こんな意味があの場面、このセリフにはあったかもしれない…とにかく、全作品の全肯定。
しかも、信者風にではなく、心理学者としての味付けや、仏教の輪廻観なども柔らかく引用しつつ、すべてを肯定する。寅さんファン大安心、大往生という一冊です。