名越康文のレビュー一覧
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題名に対する明確な答えは書かれていませんが、読者個人でそれを見つけるためには、少なくとも心が穏やかでなければならない。
その手段として「行」がある、ということだと思いました。
答えをすぐに期待してしまうあたり、僕は浅はかだなぁとも思います。
朝に明るい気持ちに高めていくと、その後1日が穏やかに進むというのは、よく理解できます。
逆に朝から暗いままで、1日を棒に振ることもしばしば…。
掃除などの「行」で気持ちを整えられればと思う、雑然とした我が部屋なのでした。
仕事でも空き時間ができたら、少し掃除してみようかなとも思いました。
少なくとも取り組んでいる間は、様々な懸案や心配事から解放されそ -
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「どうせ死ぬのになぜ生きるのか」まさしく自分が考えていた問いで(中二病のようだが笑)、その答えが得られるとは思わないまでもそのヒントは得られるんじゃないか…とは思って読み始めたのが本書。結論としてはその答えは得られない。ヒントらしきものも(少なくとも自分には)見つからなかった。けれどもだからと言ってこの本は読む価値がないかと言われるとそんなことはない。先の問いに関して言えば、そもそもその答えは「言葉」として表現できるものではない。だから言葉を超えたところでそれを体得していこうとするものが本書の基本姿勢だと言えるだろう。
本書のタイトルにもなっている問い自体は摑みどころのないものだが、紹介され -
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ネタバレ人間が生きる上で不安はつきもの。
お金、人間関係、社会的な地位等、気にかけだすと人間の営み全てが不安や苦しみを生む元凶になってしまう。
これらの苦しみや悩みの根源には、自らがいつか必ず死んでしまうという事実があると著者は述べる。この事実を突き詰める中で、「どうせ死ぬのになぜ生きるのか」という問いが生まれてくるが、この問いにはどのような哲学や人間の理性をもってしても明確な答えを出すことが出来ない。
そのため、どうせ死ぬのに・・・という疑問に答えを出すには、日常において理論ではなく実践的に行動していかなければならない。その方法として、本著では仏教の教えに基づきながら、「行」、「瞑想」、「方便」と -
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もうすぐ子供も14歳になるので読んでみました。内田先生の話は深いので、じっくり読まないと味わえません。その分、自分の中に時折イノベーションが起きたりします。
義務教育は13歳までが良い。
中2の夏休みが節目。
「やればできる」は死語。
記憶は絶えず作り変えられる。
均質性の高い集団は怖い。
父子家庭では父親が母親化する。
叱るのは親の敗北。
等々...
自分の少年時代を思い出してみると、私は教育制度に合わないタイプだったためか、頷く事ばかりです。親として怖いのは、知っていれば何て事ないのに、知らないが故に、何を知らないかにも気づかず、悩み苦しむ事ですね。そんな意味でも、一般的な教育論に加え -
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タイトルだけ見ると、哲学的な思索を綴ったものかと思うが、そうではなく、非常に実践的な「仏教生活入門書」。釈徹宗先生の本に「いきなりはじめる仏教生活」というのがあるが、さらに平易にまず「いきなり」日々の「行」から始めようという提案がされている。仏教的知見を体感から取り入れようということで、わかりやすく面白い。
名越先生が言うように、わたしたちは、何か始めようかという時にどうしても、これにはどんな意味があるかとか、これをするとどんないいことがあるかとか考えてしまう。そうではなく、あれこれ考えず、まずちょっとした「行」をしようというところから始まる。本当にちょっとしたことでいい、ただし、緊張感をも -
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人に見られたら心配されそうなタイトルですが、暗い話ではありません。
仏教を哲学ととらえるとすれば、普通の思想・哲学と違うのは、実践を伴うところ。本で読めるのは「思想」ばかりになりがちな中、「実践」に重きを置いている面白い本でした。精神科医の視点から、専門用語を多用せずさっぱり説明されていて新鮮です。仏教学の先生が「(語弊がありそうだけれど、という前置きして)心をマイナスから0にしてくれるのが心理学、さらにプラスまでもっていけるのが仏教」と自信を持っておっしゃっていた。まだまだ勉強不足ではありますが、人間は本来善なるものだという認識で、すごく根明なのがどうやら仏教みたいです。信じられたらそれはも -
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瞬間瞬間を大切にすることで、心がふっと軽くなる方法をアドバイスする精神科医の先生による一冊。今の時代を生き抜くのに必要な考え方や捉え方が学べるのではないかと読んでみた。本書全体を通して、とにかく「いま、この瞬間」を大切に生きることが大切なのだということ。遠い未来や遥か過去にとらわれすぎてはいけないこと。目の前のことに集中すること。そして、すべては心の中で起こっているということ。それらの大切さを改めて感じることができた。何かとメンタルヘルスが叫ばれる今の時代・社会にあって、目には見えない心のあり方について対話形式で語っていただき、生きるヒントをもらえた気がする。
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ネタバレチェック項目6箇所。サービスを標準化したほうがいいと思っている経営者が多いし、客も判で押したようなサービスを求めるでしょ、でもさ、何だかよくわかんない状況になった時に「どうしましょう?」て訊いた時に、「わかりました、私が何とかします」って即答できるのが、本当のホスピタリティじゃないかな。彼らはミニマムを訊いてくるわけですよ、一番少ない学習努力で単位や卒業証書を手に入れた学生が一番スマートな学生だと思われている。集団をバインドするのは弱者なんだよ、なのに、うっかりさんとか、ドジであるとか、仕事の能率が悪いとか、不器用であるとか、なんだか抜けているとか、そういう人を切り捨てて、効率良くいこうって考
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今のじぶんに必要な本だった。
全体的にすごく感覚的な話で、そこがいい。読みながら腑に落ちたり、ときどき人生観というほど大袈裟なものではないにせよ、考え方を180度変えてしまう出合いがあるけれど、これもそのひとつだった。たまに360度変えるものもあるけれど。
なるほどかわいげ。言葉になる前のものをセンサーとして感じ取れることも、その場その場で選びとる(センス?穂村弘言う所の)も、心身の健康と、パフォーマンスをいちばんいい状態に維持するには、じぶんが機嫌良くいられる環境に身を置くことが何よりも大事だと痛感。逆にそれさえあれば、あとはどうとでもなる場合が多。これはもう、感覚としてわかっている。 -
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まるでエッセイのような語り口で書かれた、、ざっくり言えばビジネス書だが、哲学書とも心理学ともとれる思想の勧めが書かれた本。著者は彼の知人である甲野善紀氏や野口裕之氏との交遊にて得た知見、浄土真宗の教えを織り交ぜながら、日々考えた結果である章立てされた4件について著している。
身体感覚というか、日常から切り取られた知恵が記載されており、個人的には共感する部分や、参考になった部分が、多々あったように思う。特に気になった言葉は、以下。
•この世にある全てのことは、本質的に不条理だからです。不条理なことをなくそうとする試みは、宿命的に破綻する。僕等人間は、どうにかして不条理を受け入れなければ生き