名越康文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まるでエッセイのような語り口で書かれた、、ざっくり言えばビジネス書だが、哲学書とも心理学ともとれる思想の勧めが書かれた本。著者は彼の知人である甲野善紀氏や野口裕之氏との交遊にて得た知見、浄土真宗の教えを織り交ぜながら、日々考えた結果である章立てされた4件について著している。
身体感覚というか、日常から切り取られた知恵が記載されており、個人的には共感する部分や、参考になった部分が、多々あったように思う。特に気になった言葉は、以下。
•この世にある全てのことは、本質的に不条理だからです。不条理なことをなくそうとする試みは、宿命的に破綻する。僕等人間は、どうにかして不条理を受け入れなければ生きていけない存在である
•怒りや不安を作り出し、それに苛まれているのは常に自分しかありえないんだけれども、「でも怒らせたのはあいつだ」と、自分の外に理由を求めようとしてしまう。
•自由と幸福は、人間が生きるうえでの二大目標だご、この二つは決して共存することはない。なぜなら、自由は一人で感じるものであり、幸せは他人と共有するものだからである。
•逆にいえば、そういう幸せが壊れる時こそ、本当の意味で、幸せになれる可能性が生まれると思うんです。 -
Posted by ブクログ
精神医学=西洋医学と思っていたので衝撃。 心の東洋医学というか、
オカルトとも取られかねない内容で、事象→原因追及の心理学者より、
器質→事象の印象が強い精神科医としては信頼大丈夫かな?と心配になりました
“守るべきものがある”ってことは、“自己を分散させられる”ということもできるという言葉、
自分のことを考え支えるとき、自分一人ではウエイトが大きすぎるけれど、
誰かに押し付けたり、相手の望まない形で渡すこともできない私にとって響きました
相手にとっても望ましい方法で自分の負担も分散できるのは素晴らしいなと
本の内容の多くは理解が追いつかなかったため、もう一度読み返したいと思います -
Posted by ブクログ
後ろ向きな意味ではなく私たちは本能や真理みたいなものには逆らえないと思う
正解を持っているから教えます、という不遜な態度ではなく、生物や真理というものに寄り添い、どうしたらいいのかなと名越先生自身も考えられているように思いました
特に面白いと思ったところは、
“幸福は絶対に過ぎ去るもの(それは苦悩も同じ)”
→これが受け入れられるとだいぶ楽になるなと思いました
“感情の虜になっている自分を素敵だと大肯定している”
→感情的であることは素晴らしいという讃美にうんざりしがちなので大納得です
“大人になっても「相手の視線から、態度から、潜在的に愛情を得たい」”
→確かにそうだなと 求めるだけではなく与えられる様になれたら素敵
心理を語る人は自分の作った箱に相手を振り分ける傲慢な印象でしたが
名越先生は観念に話が及んでいて、観念的な話はどこか宗教のにおいがします
宗教の本質が徳の理解だとすれば、理由が抜け落ち、形式にすがる姿が
宗教そのものの価値を暴落させているのだな、宗教自体は本質的には面白いもので
人間にとって必要なものなのかもしれないなと思いました -
Posted by ブクログ
ジャンルを何にしようか迷ったけど、一応、自分の中では「哲学」の枠に入るかなーと思いました。
タイトルから推測して、「毎日トクをしている」著者や、著者が触れてきた「毎日トクをしている人」の「秘密」が分かるのかな、なんて考え方で紐解くと、見事に肩透かしを食らいます。そこはそれ、さすがに自分の意見を押し付けることも、自分の論を正解としてゴリ押しすることもない精神科医だなぁという感じです。
「幸せは他人と共有するものであるため、そこには他者への依存性が根本的に含まれる」という見解には、なるほどと納得。これは著者が自分でひねり出した見解ではないですが、そこを押さえられるかどうかで、日々の出来事を「幸せ」と感じるか「不幸」と感じるかはずいぶん変わると思います。
あと、「相談」や「対話」の意味や効用、ありかたを根本的に間違えている人たちが多いという指摘も首肯できたかな。この辺をしっかり踏まえた知的な「お話」ができる人が政治家やらマスコミやらアイドルオタクやら評論家の中に増えてくれれば、もう少し知的で生産的な世界になるのかもしれません。