名越康文のレビュー一覧
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出産は得なのだそうだ。
子供を産むと、
母親自身の身体的・知的ポテンシャルは向上するし、
子育ての過程で人間的に成長できるし、
社会的パフォーマンスも上がる。
けれども実際の行政の出産育児を「支援する」という発想は、
「出産は苦痛で育児は苦役」というネガティブな前提でもって語られているため、
まったくインセンティブにはならない。
ふむ、納得できる。
たぶん結婚もそうなのだろう。
結婚は社会的にも人間的にも大きな効用がある。
うーん。
結婚とか恋愛について、
なんか色々考えがめぐるけれど言葉にならないなぁ。
また後で考えるか。
「知性は情緒の豊かさ」と -
Posted by ブクログ
毎日トクしている人の秘密が分かります。
「自由と幸福は、人間が生きるうえでの二台目標だが、この二つは決して共存することはない。なぜなら、自由は一人で感じるものであり、幸せは他人と共有するものだからである。」(P74)には目から鱗。
「思想があるということはどういうことか。それは思想と行動との間に常にぶれが生じ、そこからフィードバックがかかり続けるということです。これ抜きに、ただただ行動や言説が積み重ねられていると雰囲気に流されるし、継続性がどうしても弱くなる。大きな方向性をもち、きめ細かく軌道修正するプロセスをもたない衝動的な行動の積み重ねというのは、やはり単なるナルシズムの増大をもたらすこと -
Posted by ブクログ
タイトルに即した話題は前半だけで、後半は結構脱線。
これだけの知識人二人が2年かけて話したのならそりゃそうか。
別に14歳の子を持つ親じゃなくても、例えば14歳の子が読んでも、大学生が読んでも満足できる内容です。
平易な文で、内田樹の思考に触れられやすいという点でも良書です。
1つの大きなテーマはまえがきの「子どもは何を考えているかわからなくて当たり前」だから、腹を括りなさい、ということ。
子に対して「訳のわかる存在であること」を強要している親が増え、
あいまいな言葉しか持たない子に「要するにあんたは、こうなのね」と言い、端数を切り捨てる。
二人の主張は「曖昧で、いいじゃない!」てこと。
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内田さんは、武道家で哲学者、名越さんは精神科医、橋口さんは小説家。
三人が、原発事故のあとに鼎談。
なんとなく、もやもやした国の雰囲気を、三人とも感じている。
①内田:僕、原発の事故が起きてから今日まで、とにかく自分が変わらなきゃいけないと思ってきた。発想も変えなければいけないし、生き方も変えなければいけないし、身体組成も変えなければいけないって。そうしないと状況に対処できないじゃない。(p95)
②橋口:何かにむかって、他の人のことを祈っているのだけど、自分と自分のまわりの世界がわーとみえてくる。私利私欲だけを見つめているときには得られない感覚なんですね。(p66)
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・人生一寸先は闇。だから、今を生きよう。
「今を生きよう」ということに、もっともっとエネルギーを費やすことです。そうすれば、仕事にも集中できるし、自分も瞬間瞬間で充実する。もっと言うと、おそらくそのことで周りの目も変わってくると思うんです。充実している人が発するポジティブな空気というようなものは、、時にはだれもがキャッチできるくらいの輝きを持ちますから。
・小さいことをちょっと成し遂げる
実は地道さを心がけている人のほうが、近い将来の「賭け」に勝つ確率が高くなる。その小さな勝利を、さらに地道につなげていくことで、ようやく僕たちは初めて自分の夢や理想に近づけるのではないでしょうか。今は非効率でも -
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「14歳」という、とてもセンシティブで微妙な精神状態にある現代っ子の「心の中」を、大人であっても覗き見ることができる画期的良書。
現代の環境(社会的、家庭的)が・・つまり「氏と育ち」で子どもたちの教育を論ずるのは当たり前すぎるくらい当然の考察ではあるが、この二人の切り口はちょっと違う。抽象的になりがちな「精神論」をこれほど納得できる言説ができるのは二人が現代でも卓越した「日本人」だからである。
一番印象的に残った一文は「トラウマ」が話題になったところで
人間は記憶を改ざんしたり、忘れたりすることが前提なのに過去のある一点の出来事・・つまり「トラウマ」が今のこういう自分を作り上げているという -
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教育に関することいろいろ。しかし教育に限ったものでもないし、14歳の子を持つ親に限ったものでもない。誰が読んでも、胸がざわつくところがあるだろうと思う。
うちの長女は公立中に行く予定。子も親も多様な方がいいと思って(&他にもいろいろ思って)の選択である。だから「均質性の高い集団は非常にストレスフル」というくだりを読んだときは、「やっぱり公立、公立。」と思った。が、そんな風に思うこと自体、少し気が弱くなっているのではないかという気がする。自信を持って選択しているはずなのだが。「へえ、受験しないの?まあ女の子だからね。」などと言われて、ちょっと動揺しているようだ。いろいろな意味で不本意…。 -
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名越康文さんは面白い先生だと思っていたけれど、それよりタイトルにぐっときました。14歳近い思春期まっさかりの娘たちのことを、もっとわかりたいと思って読み始めたけれど、彼女たちの理解というより自分自身を振り返ることになりました。
そのするどい洞察にはうなるばかり。
曰く、経済的な意味での二極化より深刻なのは知的な「利口組」「バカ組」の二極化。
曰く、オバサンの真実は情緒が小学校5、6年生か中学2年生で止まっている女性たちのこと。だから情緒の使い方が非常に粗雑で、「むかつく」と「かわいい」しかいえない。
親というのは役割である。ルーティンというのは植木鉢の土。
子育ては個(自分)育てと、改めて考え -
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超えてはいけない一線があるのではなく、「超えてはいけない一線が私たちの内部に実在するということにしませんか。」ともう一度道徳と言うフィクションを再構築しないといけない。
私も親を殺したいと思った。でも殺したら自分の方が損だなと思って、何くそ!と戦ってきた。きっと、子供のころにそんな風に考える人は少なくないのではないか。だから、少年犯罪は、特異なことだと型通りに決めつけるのはおかしい。
だから、子供達がそのような犯罪を犯さないように人を殺してはいけないという道徳を親が教えなおして子供達の心に再構築すればいい。
「ルーティン(躾)は大事」植木鉢の土と同じで練れば練るほどよい花が咲く。「親は役割」母