名越康文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこの三人の鼎談とあらば読まずにいられないと手に取り。
最初にこの本を読むに当たって押さえておくべき場所についての解説がありますが、確かにそれを踏まえて読みだした方が入りはスムースかと。
とはいえ正直言うと私は、最初の方「おっさんの内輪話」にしか感じられず(失礼)中々お三人の語りのペースに馴染めませんでした。
しかし何気ない話をしているようであっても自ずと深い話になってゆくのはさすがです。三人とも全然違うようでどこか通じるものがあるというか似ているところがあるように見受けられました。
「政治やメディアの劣化を野放しにしておくことは危険である」とか、「生きる上で当たり前のこと(常識)だから法文化していないことを”法律で決まっていないから”とどんどん破っていく」など、今の日本の現状でシビアになってきている点についてがんがん話されています。漠然とは思っていてもそれこそ自分の中では明文化していなかったものがどんどんとこの場では語られており、深く考えさせられます。
家を出るという行動に攻撃性なんて考えたこともなかったですがこう言われると「なるほどなぁ」と大変腑に落ちます。向田邦子のエピソードも、向田邦子ってやっぱりすごいなと思わされました。
でも自分が一番グッと来たのは第4章ですね。
どの章がグッとくるかはおそらく人によって結構分かれると思いますが、自分は何度か涙ぐむほどに感動しました。これは自分が両親を亡くしたせいかなと思いました。身内を亡くした人には染みる一章ではないかと思います。
運命に導かれているべきところに帰着していく…と内田先生はおっしゃっておりますが私は運命というより宿命とそれは呼ぶのではないかな、と思いました。
平川さんの言う強い現実、がイコール宿命かな、と。
これは今だからこそ読まれるべき鼎談ですね。 -
Posted by ブクログ
「男はつらいよ」全作品の全肯定。寅さんファン大往生の一冊。
このタイトル、この装丁。寅さんファンしか、買わない・読まない本です。その寅さんファンを幸せな気持ちにさせる、という一点に絞って書かれた本です。
寅さんのファンでいいんだよ。それどころか、もっとファンになっていい、もしかしたらあなたが気が付いていないこんなメッセージ、こんな意味があの場面、このセリフにはあったかもしれない…とにかく、全作品の全肯定。
しかも、信者風にではなく、心理学者としての味付けや、仏教の輪廻観なども柔らかく引用しつつ、すべてを肯定する。寅さんファン大安心、大往生という一冊です。 -
Posted by ブクログ
内田先生との対談や鼎談でお見かけして、興味があったけど著書を読むのはここが初。移動用に薄いのを選んだけど、読み応えのある興味深い内容でした。拘りはもともと薄いし、環境以外には影響されにくい、寧ろ影響受けたい気はするが、『今、ここ』に集中するっていうのは覚えておきたいな。本当に集中力が無い、というか同時に二個以上のことを考えたりするから集中できないのかも、とわが身を省みる次第。
「自分自身だけしか守るものがない人が、いちばん弱くて傷つきやすい。『守るべきものがある』ってことは、『自己』を分散させられるってことだとも言える。」「落ち着いた心を保つことが、生きる力の強さにもつながる」
「『まずは自分から気分を良くする』ということ。自分が楽にならないと、人を楽にしてあげられない。」 -
Posted by ブクログ
敬意の贈与。
内田樹さん、名越康文さん、橋口いくよさんの3人による対談形式です。価値観再生道場という名前の通り、現代の人々の「価値観」について見直そうとしています。
個人的には名越康文さんは知性と個性が強すぎて、私の勉強不足ですが「何を言っているのか分からない」状態がありましたが、本書の筋で言うとそれが大切ということも書かれていました。
絵に描いたようなやる気のない定食屋さんがなぜ安心出来るのか
本当の豊かさとは何か
分かりやすさの必要性
バッシングはなぜ起きるのか
安心のはずの「定型」による負の連鎖
執着心
愛と敬意の違い
以上のような話が展開されていました。
それぞれの話で共通しているのは、最終章にある「愛と敬意」。
何かを「分かった」つもりになるから、人は偉くなった気分にもなるし、相手を馬鹿にしたくもなる。
分かりやすくしようとすることは良いことなのかもしれないけれど、分かったと思えば良いという問題ではなくて、もっと分かりたいと思わなくてはいけない。
何かを「分かった」と思うのは本当の意味では「分かっていない」という真理が導かれていました。
今は、「これが普通」って分かったつもりになって共通の理解のような定型を安心のためにつくろうとします。
しかし、これによって少しでもズレたら大炎上などを起こす火種となる。
安心したいために作った定型が、不安を生んでいるということです。
皆の中での何かが当たり前に働いていて価値観について触れることが少ない現在、反省した点いくつもありました。
私自身、ツイッターなどで周囲の人と同じように意見や思ったことを発信することに疑問を抱き、躊躇いを感じるようになってきて読んでみました。
少し反論したい話もありましたが、全部ひっくるめて私に大きく影響を与えてくれた1冊です。
本当に良い価値観って何かを考えなおしてみたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
毎日イキイキと楽しそうに過ごしている人にはどのような秘密があるのだろうか。気鋭の精神科医が、不安や悩みの真相をつきとめ、明るく生きていく方法を示唆する。
不安を打ち砕くひとつの方法として「自分のお通夜を想像する」のがよいという。時間的、空間的に俯瞰して客観的に自分を見ることができ、持ち物、プライド、見栄が薄れて消えていくのだ。不安は、自分の内面にはあるけれど、現実には存在しない。そのことに気づけば幸福度数が三段階ぐらいレベルアップして、幸せに近づいている。
ほかにも内容例を挙げると、
◎場の力の大きさを知る
◎気持ち悪さを大事にする
◎冷静な判断力を養うための夜道を歩くトレーニング
◎自分の心を整理するための相談する力
◎15秒息を吐く深呼吸を摺る等々。
当たり前のことを当たり前に行い、小さな「徳」を積み重ねながら、少し「得」したな、と楽しい気分で毎日過ごす秘密が詰まっている。「今ここ」を生きる心理学です。