名越康文のレビュー一覧
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情報は死んだ(固定した)もの。そして人は、生きている。その違いを認識しておくべきなんだろうな。でも人は人に対してすら、情報を求めがち。なぜかって、その方が楽だから。
人間なんてそうそう変わるもんじゃない、というのもひとつの真理なんだろうけどさ。でも、生きている以上、実はいっしょじゃないよ、という面も気づいていかないとね。
「納得せず疑問を持ち続けることが大切」「実際にどう当意即妙に対処するかというのは、その人の知識の量ではなくて、人としての厚みのようなものに表れます」など、響くことばがいくつもあった。
今の世界の見方というか進み方について、グローバリズムという言い方がある。それに対して、市場は間違えないみたいなノリで、グローバリズムは正しいとか、反対にグローバリズムは悪だなんて見方もあるけどさ。養老氏や名越氏がいうのは、グローバリズム一辺倒で来すぎたものだからフラストレーションがたまるんだ、ときに一般則から離れることも必要。でも、あんまりローカルばっかりだと全体が壊れてしまう、という悪くいえばどっちつかずの言葉を出す。でも大枠で正しいことって、案外どっちつかず、っていうかスパっとわりきれるものではないのかもしれない。だからこその、納得せずに疑問を持ち続けることが大事、になるのだろう。 -
Posted by ブクログ
・精神科医である名越先生が、到達した仏教の教え。そこには、理屈や西洋医学では解決できない問題を解きほぐす言葉にできない身体的な世界があるようです。
表題の問いに対する答えは、読者それぞれが、これまでの人生の中で経験したことによって定義づけられているのではないか、と思いますが、名越先生のもとを訪ねる患者さんはともかく、多くの人は、このような問いを意識しないで、それこそ、ジャックラカンが言うところの他者の欲望を模倣しながら生きているように見えます。仏教は、そのような生き方に問いと答えを投げかけているのかもしれません。
私自身は、「どうせ死ぬのに」という部分を、あえて避けているのかもしれませんけど、「なぜ生きるのか」という疑問が目の前に立ち塞がることはあります。そんな時、自分を納得させる回答は、既に背負ってしまった責任を果たすためであったり、家族とささやかな喜びを噛みしめるためであったり…
いずれにしても「どうせ生きるのなら、明るく生きたい」とするならば、「できれば一日の始まりに近いところで、掛け値なしの爽やかな一瞬をつくっておく」と良いらしです。そして、そのピークはほんの10秒ほどであったとしても、朝の爽やかな自分の方が本来の自分だと感じられるそうです。 -
Posted by ブクログ
内田樹、平川克美、名越文康という気心の知れた三人が、「居場所」というテーマからはじめてさまざまな話題について自由に論じあっている本です。
平川は荏原中延に喫茶店を開き、名越はそこの常連客となっています。一方内田は、自宅を兼ねた道場「凱風館」で武道の指導をおこなってきました。本書では、彼らのこうした「居場所」がそこにいる人びとにとってどのような意味をもっているのかということが語られています。さらに議論が進むにつれて話題はひろがり、グローバリズムの問題やネトウヨの心理、師をもつことの意義など、多岐にわたります。
著者たちの議論にすべて同意することはできませんが、一見したところ極端な主張に見えるような議論であっても、そうしたものの見方があるのか、と気づかされることがしばしばで、たのしみながら読むことができました。 -
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この本の帯を見て、これは読まなければならない、と思いました。2003年に片道1時間半以上の通勤時間を利用して、読書を始めました。年間500冊を目標にして、ただ読む量を増やすことだけを考えていました、そして2007年に、読み放しではいけないと思い、大事だと思った箇所を書き出すようにしました。
令和という新しい時代を迎えたいま、本当は目が見えにくくなってきて今までの読書を続けるのが難しいという事情があるのですが、今のままの読書スタイルで良いのかを考える時期かもしれません。
この本に書いてある「読み方を変える」ことで今までの、量だけに頼った読書を変えるきっかけになれば良いなと思いました。
以下は気になったポイントです。
・読書をする理由、1)アウトプットが必要なので常に情報をインプット&アウトプットして、その質を高めるため、2)読書とは自分に会うため、人間とは何かを考える(p5)
・限界を超える本には、自分の成長につながる様々な効用がある、限界を超える本だけば自分を成長させてくれる、それをすると心が落ち着き、人の話を聞くのが上手になる(p6、9)
・偉い人とは、知識を再構築できる人のこと、年間100冊読めば10冊は会える、最初の20ページで判断する(p37)
・理解とは、翻訳できること、そのときこそが本当の意味での理解できた瞬間である、専門的な話でも色々なジャンルの例をもとに様々な翻訳をして中学生にも理解できるように説明する(p46、95)
・自分が今これに趣味がある、と意識し続けていないと、人生の時間がただなんとなく流れて行ってしまう(p145)
・コツや感覚は、更新されるときこそが楽しい(p142)
2019年5月6日 -
Posted by ブクログ
久しぶりの対談本。
こういう本は単純に1冊で2人の意見が聞けるから面白い。
あの人はいつも話が通じない。
自分がなかなか理解されない。
現代人はわかりたがろうとする。
議論して通じるはずと思い込んでいる。
前に読んだ友達幻想に似ているなと思いました。
なんでも意味で満たすところがありますよね。
最近家にテレビはないんですが、たまにどっか行った時についてるテレビからのニュースやワイドショーを見ていると感じるところはあります。
トランプがまたこんなことを言っている。
じゃあそもそもトランプがなんで大統領に選ばれたんだとか、選ばれたってことは今世の中の人はどういう考え方の人が多くて、何を求めようとしてるのかとか。
根源に持っておかないといけないのは疑問だと思いました。
「意味」とか「結果」ではなく「疑問」とか「違和感」を持つこと。
誰かと会話する時もその人に直接言わないにしてもそういうもんだと片付けるより疑問や違和感を持って考えれば人生という長いスケールで考えれば大きく変わってくるでしょうしね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ3人の対談として読むので軽くていい。
会話の中で流れついていくいろいろな話題が面白い。
以下印象に残ったことなど。
・グローバルという視点の元に、均一の基準で比べられる大学。
個性や理念は問題にされず、
数値化できるもので誰にでもわかるようにならされる。
結果、ランクの低い大学を淘汰し、補助金を分配する対象を減らしていく。
教えることがこんなに見下されているってなんだろうか。
・先生と言うのは誰にでもできるもの、という内田さんの言葉が印象的。
能力のある人にしかできないものだったら、
該当者がいないときに、子供は生きていくすべを学ぶことができず
その集団は一代で滅んでしまう。
・自分の中の演算機能が低いと、複雑な状況を理解することが出来ず
単純な考え(陰謀史観とか)にすがってしまう。深く納得!
・言葉に新たな語義を付け加える権利があるのは母語話者のみ。
・守るものがある人の方が弱い。
どこにも帰属せず面倒を見なくていい立場の人間は
その場限りのネットワークの中で匿名の一刺しで強さを持つ時代。