名越康文のレビュー一覧
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読書が遅い人のための読書術の本。
もともと本が読むのが遅い私が、気になっていた本そもそも早く読んでも内容が残らない読書はあまり意味がないし、かといってあまりにも遅すぎると内容を忘れてしまう。そういった読書を作者もしてきたといっていたので、何か知れればいいと思ってこの本を読んだ。
本を読んで思ったこと。
まず、作者は乱読に賛成派のひとであった。これに関しては私も賛成だ。一つの専門分野の本ばかり読むのではなく、違う分野の本を読むことで多角的な視点で物事が捉えられる、解釈できるようになるからだ。これに関しては私も実感があるので、乱読に関しては納得できた。本書では、量子論的読書・越境する読書でそ -
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情報は死んだ(固定した)もの。そして人は、生きている。その違いを認識しておくべきなんだろうな。でも人は人に対してすら、情報を求めがち。なぜかって、その方が楽だから。
人間なんてそうそう変わるもんじゃない、というのもひとつの真理なんだろうけどさ。でも、生きている以上、実はいっしょじゃないよ、という面も気づいていかないとね。
「納得せず疑問を持ち続けることが大切」「実際にどう当意即妙に対処するかというのは、その人の知識の量ではなくて、人としての厚みのようなものに表れます」など、響くことばがいくつもあった。
今の世界の見方というか進み方について、グローバリズムという言い方がある。それに対し -
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・精神科医である名越先生が、到達した仏教の教え。そこには、理屈や西洋医学では解決できない問題を解きほぐす言葉にできない身体的な世界があるようです。
表題の問いに対する答えは、読者それぞれが、これまでの人生の中で経験したことによって定義づけられているのではないか、と思いますが、名越先生のもとを訪ねる患者さんはともかく、多くの人は、このような問いを意識しないで、それこそ、ジャックラカンが言うところの他者の欲望を模倣しながら生きているように見えます。仏教は、そのような生き方に問いと答えを投げかけているのかもしれません。
私自身は、「どうせ死ぬのに」という部分を、あえて避けているのかもしれませ -
Posted by ブクログ
内田樹、平川克美、名越文康という気心の知れた三人が、「居場所」というテーマからはじめてさまざまな話題について自由に論じあっている本です。
平川は荏原中延に喫茶店を開き、名越はそこの常連客となっています。一方内田は、自宅を兼ねた道場「凱風館」で武道の指導をおこなってきました。本書では、彼らのこうした「居場所」がそこにいる人びとにとってどのような意味をもっているのかということが語られています。さらに議論が進むにつれて話題はひろがり、グローバリズムの問題やネトウヨの心理、師をもつことの意義など、多岐にわたります。
著者たちの議論にすべて同意することはできませんが、一見したところ極端な主張に見える