あらすじ
「不親切な本」こそが、自分を成長させてくれる本。
「不親切な本」とは、今の自分の能力では読むことが難しい本です。本書ではこのような本を「限界を超える本」と呼びます。古典といわれる作品、名著と呼ばれる本など、今の自分の読解力や教養では理解できそうにない本。つまり、さまざまなジャンルの頂点に位置する“頂にある本”です。
これからの人生をよりよく生きるためには、読書は必要不可欠です。しかし、今の自分の能力の範囲内で読める「親切な本」だけを読むとしたらどうでしょうか?自分がラクにできる筋トレをしても筋肉がつかないのと同じように、「親切な本」を大量に読んだとしても本当の成長には結びつきません。
ウンウンうなりながら、1日数ページ、ときには数行しか読み進めることができない「限界を超える本」に挑戦してこそ、人生で経験するさまざまな「限界」や「壁」を乗り越えることができるのです。
「量」だけを追うのはもったいない読書。
人生に資する「良質」な読書をしよう。
本書は、読書が苦手な人にこそ読んでほしい一冊です。なぜなら、著者自身、読書が苦手だからです。本書では、30歳まで本を読まなかった精神科医の著者が、試行錯誤しながら身につけた読書術を紹介します。
たくさん読む、速く読むことが「いい読書」と思われがちですが、本書で紹介する読書術は、まったくその逆です。つまり「量」ではなく「質」にこだわる読書術です。
本を読むことは間違いなくいいことです。ですから、本書で身につけた読み方で、さらに「良質」な読書を楽しんでください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今の自分には読めない、【限界を超える本】を1冊持つ。
声真似して音読すると、頭に残りやすいぞ!
本との出会いも、タイミング。それまで積読しておく。
良書な本って?→50年間〜100年間読まれ続けた本。
Posted by ブクログ
精神科医が教える 良質読書
著:名越康文
読書で「聞く力」が育つ
「限界を超える読書」をすると、思わぬ副産物がある。心が落ち着き、人の話を聞くのが上手になる。他人の話を7割を聞き逃し、3割を誤解しているとすらいわれている。しかし、限界を超える読書をするようになると、相手の話の3割くらいには素直に耳を傾けられるようになる。難しい本を理解しようとする姿勢は、相手の話を理解しようという姿勢につながる。
本書の構成は以下の5章から成る。
①読書嫌いによる読書嫌いのための読書術
②感覚的読書法のすすめ
③頂にある本をめざす
④本との出会いはタイミングがすべて
⑤良質読書歴
本書にある「限界を超える読書」の意味合いはよくわかる。しかし、多くの自分の枠を超えた本は数頁読んだだけで閉じてしまう。
そして、数か月、数年の時を経て、もう一度向き合うと難解ながらも読み進めることができたりと、不思議な感覚を覚えることも多かった。
読めるか読めないかのぎりぎりのラインにある書に対峙する時には、読書とは言えないほどの力を使う。だが得られるものも多い。
著者のように一日に数行を読みながら、色んな本を携帯して、順繰りに回すという方法もなるほど頷ける読み方でもある。
読書にもコンフォートゾーンやストレッチゾーン等の概念をあてはめることが出来る。
自分を高めるには、パニックに近い、ストレッチゾーンにある書に対しても時間を見つけて向き合っていきたい。
Posted by ブクログ
『分かったつもり』って、今まで良い意味で捉えたことがなくて、しかも分かったつもりになってるなーと思うところは多々あって、耳が痛い言葉だったけど、この本では分かったつもりを推奨していて、『「わかってないのにわかった気になる」ことが、知の世界に旅立つ最初の一歩なのです。』
と書かれている。難しくて分からないことでも、ワクワクしながら読んだり聞いたりするとだんだん本当に分かってくるし、知識の飛躍が起きるという。
これは新しい発見。分からなくていいんだ、とちょっと気が楽になった。
著者は『ものすごく魅力的で挑みたいのだけれど、理解できなさそうで自分にはまだ読めない、でも将来的に読めるようになりたい』本を心の糧にしているそうだが、これ、私も大学生の頃からずっと探してる。一生をかけて読むような本に出会いたいと思って読書をしているのに、なかなか見つからない。半ば諦めていたけど、この本を読んで、本気で探してみようと思った。
☆難しくて良質な本を探す。
Posted by ブクログ
著者は、精神科の先生です。
養老孟司さんとの対談「他人の壁」も読みましたが、とてもよかったです。
本書は、「読書の仕方」について考察された本で、ウ〜ンと頭を悩ますような難しい本に挑戦して読むことをすすめられています。
読書が好きな人は、ぜひぜひ読んでみて下さい。
Posted by ブクログ
難しくて思うように進まない本は今の自分には合わない本だと避けてきましたが、そんな本こそ時間をかけて読んでみたいと思いました。
本から受け取るものってこんなにあるのか!と改めて自分の読書について振り返ることができました。
Posted by ブクログ
「質の高い本って難しいじゃん。どうやって読むの?」という質問に対しての、読み方を網羅的に解説されています。
また、本の選び方、読み進め方なども、書かれておりました。
最近テレビによく出ている林修先生も、最近の本は「離乳食」というように、分かりやすく、読みやすい本がよく売れるような大量生産の時代です。再販制度は何のためにあるんでしょうかね。
唯一、うーん、と思ったのは、本に線を引くことをあまりよく思われていなかった点(P103)です。
本に線を引くのは、何も意見に同調・反論するためだけのものではなく、再び読んだ時に、自分がどこに線を引いたか、注目していたかの、ログを残すためにやっています。
そうすることで、前回読んだ時の自分のレベルを知ることもできるからです。
全体的に、かなり良いことが書かれておりますので、お勧めですが、上記に関しては少し違うな、と思いましたので、星4とさせていただきました。
Posted by ブクログ
流石精神科医だけあって自分の読書に関する特性をも巧みに自己分析して、自分に合った読書法を確立している。コメンテーターとしての印象が強くあまり信用できないイメージの著者でしたが、提唱する読書法に関しては信用できるし、真似してみたいと感じた。
Posted by ブクログ
感想
α読みとβ読みを紹介。知の地平を広げるのが読書の役割と考え困難な読書に立ち向かうことを奨励する。ものの見方をできるだけフラットに近づける。
Posted by ブクログ
読書法の本という点に関しては、一般論ではなく、読書を苦手とする著者がどんな読み方をしているかの紹介。なので、既に同じような読み方をしている人も少なからずいると思う。
この本の重要ポイントは、
・真実を知るために読書をする。
・今いる枠組の中だけで安心していたいのが人間だが、自分が正しいと信じることは危ない。正しいと信じ込むのは、一種の依存。
ということを言っている点だと思う。
人間は誰しも自分が作り出したフィルター(=偏見)を通して世界を見ているから、自分が正しいと信じるのは危険。
フィルターを明らかにして取り除き、フラットな視点を持つようにしないと、世界は偏見対偏見の争いになっていくだろう。人が増えれば増えるほど、共通認識を保つのは難しいのだ。
読書をする人が減っているということは、視点をフラットに修正するチャンスが失われているということ。
今の社会、驚くような事件増えたり、モンスター●●と呼ばれる話の通じない人が増えているのは、この辺にも理由があるのではないだろうか。
Posted by ブクログ
読書が遅い人のための読書術の本。
もともと本が読むのが遅い私が、気になっていた本そもそも早く読んでも内容が残らない読書はあまり意味がないし、かといってあまりにも遅すぎると内容を忘れてしまう。そういった読書を作者もしてきたといっていたので、何か知れればいいと思ってこの本を読んだ。
本を読んで思ったこと。
まず、作者は乱読に賛成派のひとであった。これに関しては私も賛成だ。一つの専門分野の本ばかり読むのではなく、違う分野の本を読むことで多角的な視点で物事が捉えられる、解釈できるようになるからだ。これに関しては私も実感があるので、乱読に関しては納得できた。本書では、量子論的読書・越境する読書でその内容が書かれてある。
そして、本に線を入れることに関しては作者は否定派であった。私はちなみに賛成派である。本は何度か読み返したいと考えていて、そのときに線を引いている部分を読むとその本から自分が何を得ようとしていたのかが復習しやすいからだ。
そして最後に当たりをつけながら読む(なんとなく書かれてある内容を予想する)という考えがあった。この考え方は初めて出会ったので今後読むときに取り入れたいと思った。
Posted by ブクログ
思い出しながら書いてますが、「少し読んでピンとこない本は読み続ける必要ない」というようなことを書かれていたのはその通りだと思った。
また、読書が苦手な人は6冊を10分ずつ読めば1時間の読書になると書いてあった。いい方法だと思った。
Posted by ブクログ
自分にはまだ難しい良書をカバンに入れておき、毎日1ページでも数行でも読むことで地力をあげる、というのは参考になった。
価値があまりないと思った本は30分でやめていい
難しい本に飽きたら小説、あきたら難しい本
という風に飽きずに読書を継続させる
Posted by ブクログ
この本の帯を見て、これは読まなければならない、と思いました。2003年に片道1時間半以上の通勤時間を利用して、読書を始めました。年間500冊を目標にして、ただ読む量を増やすことだけを考えていました、そして2007年に、読み放しではいけないと思い、大事だと思った箇所を書き出すようにしました。
令和という新しい時代を迎えたいま、本当は目が見えにくくなってきて今までの読書を続けるのが難しいという事情があるのですが、今のままの読書スタイルで良いのかを考える時期かもしれません。
この本に書いてある「読み方を変える」ことで今までの、量だけに頼った読書を変えるきっかけになれば良いなと思いました。
以下は気になったポイントです。
・読書をする理由、1)アウトプットが必要なので常に情報をインプット&アウトプットして、その質を高めるため、2)読書とは自分に会うため、人間とは何かを考える(p5)
・限界を超える本には、自分の成長につながる様々な効用がある、限界を超える本だけば自分を成長させてくれる、それをすると心が落ち着き、人の話を聞くのが上手になる(p6、9)
・偉い人とは、知識を再構築できる人のこと、年間100冊読めば10冊は会える、最初の20ページで判断する(p37)
・理解とは、翻訳できること、そのときこそが本当の意味での理解できた瞬間である、専門的な話でも色々なジャンルの例をもとに様々な翻訳をして中学生にも理解できるように説明する(p46、95)
・自分が今これに趣味がある、と意識し続けていないと、人生の時間がただなんとなく流れて行ってしまう(p145)
・コツや感覚は、更新されるときこそが楽しい(p142)
2019年5月6日