狗飼恭子のレビュー一覧

  • 一緒に絶望いたしましょうか

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    日常と非日常が交差する。
    東京都と、京都が交差する。そして世界が。

    久しぶりの狗飼さん。刊行されてから約1年ですが、新刊の存在を知らず、慌てて入手したところです。
    読み終わったら、すぐ2週目に入りたくなること間違いなし。

    何とも不思議な質感の物語です。
    確かに肌で感じられる現実があるのに、どこか夢みたいな、ふわふわした感じ。それでいてヒリリと焼き付くような痛み。
    ああそうか、これが「生きる」ということだ。
    今読むからこそしっくりくる。いや、絶望を味わったことがあるからこそ、かもしれない。形は違えど、絶望はこんなにも身近にあって、それを内包して人は生きているんだ、ということに想いを馳せられる

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    2021年01月16日
  • 一緒に絶望いたしましょうか

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    ネタバレ

    初めて著者の本を読んだ。

    僕が振られたあたりから途端におもしろくなってきた。

    最初は登場人物全員自意識過剰のエゴイストに見えたけど、事情を知ると言葉が急に生き生きし始めた。

    みんな絶望を抱えながらもうまくそれと付き合い自由に生きていてこういうかっこいい大人になれたらいいなと思った。

    最後に物語が繋がっていく感じ、さすが脚本家だなと思う。
    おもしろかったので他の作品も読みたい。

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    2020年08月03日
  • 遠くでずっとそばにいる

    ネタバレ 購入済み

    ラストはぼんやり?

    一気に読ませられました。最後はなんだかぼやけているなあ、というのが読後すぐの正直な感想。
    しかしよくよく考えてみると、記憶をなくした人間が劇的に過去を思い出すなんていうのは、フィクションが過ぎるのかもしれない。ある日突然、知らない自分を生きなくてはならなくなった者にとっては、生きるに纏わるすべてがあいまいになる。実際のところは、少しずつ、断片的に過去を思い出しながら、記憶をなくす前の「彼女」の感情や行動の意味が、ひたひたと染み込んでくるものなのかもしれない。そしてその後の自分は、もはや「彼女」とは違う人間だ。
    そういった意味で、この物語は現実を鮮やかに描きだしていて、だからどこかむなしい。

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    2020年05月16日
  • サイドストーリーズ

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    またあの人たちに会える喜びとまだ知らない人たちの日常を垣間見れるお試し的感覚。
    何作か読みたい本も見つかってとっても得した気分。

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    2016年05月30日
  • サイドストーリーズ

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    アンソロジーは、未読の作家さん探しに持ってこい!
    と、こちら即買い。
    しかし・・・しくじった⁉️
    よくれば、タイトルが、「サイドストーリーズ」
    ということは・・・本編ありきだった(笑)
    既読は、「百瀬〜」と「まほろば駅前〜」のみ。
    いくつか本編読んで、ようやく積読から脱出。
    ドラマ化されてるもの たくさんあって、
    本シリーズ読んでなくても
    イメージ湧いて 十分楽しめました。
    姫川玲子シリーズ、北天の馬シリーズに興味津々

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    2016年05月11日
  • サイドストーリーズ

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    ダ・ヴィンチ編集部編のサイドストーリーズを読みました。

    姫川玲子シリーズ、榎本径シリーズ、さよならドビュッシー、天地明察、まほろ駅前シリーズなどの登場人物たちの「一服ひろば」を題材にしたサイドストーリー短編集でした。
    元のシリーズも楽しんで読んでいたので、これらの短編もおもしろく読みました。

    12編のうち半分は元のシリーズを読んでいないのですが、これを機会に読んでみたいな、と思いました。

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    2015年05月16日
  • サイドストーリーズ

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    タバコが小道具の12のシリーズのサイドストーリー。
    目的は東直己。久しぶりに「俺」に会えた。
    ちょっと、かっこよく描かれていて残念。ススキノ探偵もいいけれど
    探偵畝原に会いたいよ、書いてくれぃ、と思いを募らせた。
    姫川女史も多田と行天のコンビもDr.新条も、面白かった。
    読んでみたい本がまた増えたよ。罪作りな一冊ね。

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    2015年05月15日
  • サイドストーリーズ

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    ただの番外編の短編集だと思って読んでいたら、やけに煙草と一服ひろばが話に出てくる(--;)でも最後まで読んで納得!JTなんですね(^。^)y-~ このサイドストーリーズに出てくるシリーズは「天地明察」と「まほろ駅前」しか読んでいないけれど、どの話も好みで読破したくなった(^^)♪しかし積読、読みたい本をたくさん抱えているから、シリーズ名を控えておいて暇な時にでも読めたら良いかなと…(^-^;)

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    2015年05月14日
  • 薔薇の花の下

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    恋人が自分以外の誰かのものになるのが嫌なので、死んでくれたらいいと思ったことがある‥‥

    恋愛小説家のお話。

    この人が書く話って、どこか病んでるような、異常なような心情描写が多いけど、自分の気持ちにぴったりな言葉が選ばれていて、好きです。

    小説家という病のために、愛する人を捨てるってのはわからないけど。

    ただ、上手くいってないときの方が書くべきことや書きたいことがあるってのはわかるかも。

    私も語るべきもの、語りたいものはあるんだけど、書けないんだなー。

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    2013年05月06日
  • 雪を待つ八月

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    他に好きな人ができた。



    同棲していた年下の彼氏から告げられた優美。


    彼が出ていくまであと一か月。


    それまでに彼の心を取り戻したい。


    高校時代大好きだった作家さん。

    たくさん読んでいたはずなのに、この作品は読んでなかったのかな。

    この人の書く恋愛小説は自分にぴったりとハマるものが多くて、よく読んでいました。


    5年くらいたちますが、ますますこの人の書く女性に似てきたような感じがします。

    最初の一節で、私もかつて似たようなことを付き合っていた人に言ったことがあるなって思い出させられました。

    ストーリーというよりは感情の揺れが細やかに表現されていて、切なさがこみあげてきま

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    2013年03月05日
  • 愛のようなもの

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    正反対の2人の女の子。
    それぞれが「好き」という気持ちを通して本当の自分に気づき、新しい友情が芽生える……。
    全編に散りばめられた「愛したい」「愛されたい」気持ちの表現にきゅんきゅんしました。

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    2013年08月22日
  • 恋の罪

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    登場人物は主な3人だけ、舞台は山の中の一軒家からほとんど動かず、主人公・月美の独白で進められていく物語。
    月美の愛は一般的な目から見ると偏執的で怖いのでしょうが、不思議と共感できました。それは私も恋をしている時に読んだからかなぁ……。
    普通の人間が日常生活の中で正気を失うとすれば、それは恋をしている時だと思うのです。

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    2015年12月28日
  • 遠くでずっとそばにいる

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    主人公の人柄がにじみ出る一人称の文章が心地よい。
    物語よ読むのではなく「朔美」という人物と話し合っている感覚になる。
    その心地よさだけで本書を読んで良かったと思った。

    ストーリーは最後が急で伏線も弱く、「きみ」への思いの強さが伝わってこないのが残念。そこがもっと上手ければ傑作だった。

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    2012年10月03日
  • 冷蔵庫を壊す

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    13年前に読んだものをもう一度。
    中学生が読むには少し背伸びし過ぎだったのかも。
    短編が三作、中でも「月のこおり」が好き。

    「冷蔵庫を壊す」と「月のこおり」。
    狗飼恭子さんの初期の作品なのだけれど、
    最近のものより主人公達が尖っていると感じた。
    綿矢りささんの書く主人公達と少し似ている気がする。
    私はこういう主人公が好きで、
    きっと自分もそういうところがあるんだろうな、と思った。

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    2012年10月03日
  • 雪を待つ八月

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    別れ話からはじまる物語。彼に次のバイト代が入るまでの一カ月、一緒に暮らす。恋の終わりなんてすっぱり切ってしまったほうがいいのにとおもうけれども、思い切れないのもわかる。やさしくみまもりたくなる元恋人たち。

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    2012年08月03日
  • 温室栽愛

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    ネタバレ

    佐知は母親の営む喫茶店でバイト生活。
    昔の男友達から連絡が来たり、その友達の元カノ・桜子が現れたり、平凡な日常にさざ波がたち始め…、というお話。

    「喫茶店というものは、いつでも誰のことでも受け入れられる場所でなければならない。」
    「彼は彼だから、わたしは好きなんだって。どんな欠点も愛することしかできなくなる。」
    「…わたしは好きよ。ずっと好き。一度好きになった人のことは一生好きだと思う。どんなことがあっても、何を言われてもどんなに変わってもきっどずっとずっと。」
    「今のわたしで、今の彼で出会えたことを、本当に幸運に思える。」
    「別れた恋人同士というものは知り合いでも友達でもなく、別れた恋人以

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    2012年04月02日
  • ロビンソン病

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    エッセイとは知らずに読み始めた一冊。30代半ばの女性の素直な日常。なんだか友達とグダグダ語り合ってる気分になって面白かった。

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    2011年11月25日
  • おしまいの時間

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    寝込んだ日に読んだ本。
    すごく、不恰好な現実が淡々と、切々と、いとおしく流れています。
    彼らにとっての日常は私にとっての非日常。
    惹かれてしまうのは、やっぱりここには"ない”世界だからだろうか。

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    2011年07月26日
  • 南国再見

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      私が初めてこれを読んだのは遠距離恋愛をしていた頃でした。
    "逢えなくても、逢いたいと思い続けることができる限り大丈夫だ" という言葉にとても強く励まされたのを覚えています。久しぶりに読んでみると以前よりももっと言葉が染み込んできた気がします。それは、苦しいくらいに。

      普通の小説なら、真夏にコートを着ているなんておかしい人じゃないか。と感じていたかもしれないけど、狗飼さんの言葉から感じたのは、ただひたすらに愛する人を想う気持ちでした。狗飼さんは、なんて丁寧に言葉を紡ぐ人なんだろう。

      強い人は自分と向き合える。私も彼女のように逃げることなく自分と向き合えたらと

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    2011年07月20日
  • 恋の罪

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    狗飼さんの本を読もうと思って掘り出していて一番上にあったので再読。
    久しぶりに読んだら面白かった。
    他の狗飼さんの小説に比べて少し現実感が無い感じと雰囲気がすごく好きです。
    この人の作品はどれも読んでいて胸が痛い。
    寂しくなります;
    自分の余裕の無いときはこの人の作品は読めませんね。

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    2011年05月06日