感情タグBEST3
Posted by ブクログ
泣けました。
高校生からの10年って激動の変化があります。
自分の理想と現実の落ち着きどころ、、、、そして悲しい。
最後まで読んで、前に返って確認しながら何度も読み返してしまいました。
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事故で、十年間の記憶を失くし、
いきなり、心だけ17才に戻った主人公。
27才の自分が、
嗜好も、性格も、仕事も、違和感だらけ。
孤独しかない大人になってたら・・・
でも、成長するってこういう事かもなぁ、と
しみじみしながら読んでたのだけれど。
空白の十年間で、自分が
何を諦め、何を求めていたのか。
誰を妬み、誰を想っていたのか。
現実の断片を拾い集めるうちに
見えてきたものに、クラッときた。
人生狂わすほど、ヒリヒリした愛がせつない。
タイトルも装丁もたまらない。
Posted by ブクログ
優しい運命に導かれて一人の女性が蘇生してゆく物語。
記憶は失うものではなく忘れるもので、愛情はすべからく人々に備わっているものだよなと改めて感じた。
物語が進むに従ってカンバスに色が載せられて行くように鮮やかになる「わたし」の世界に魅了された。
Posted by ブクログ
久々の狗飼さんの新作。
多感な時期に愛読した、大好きな作家さんの1人。
彼女の感性がすごく好きです。ただ、作品を重ねるごとに尖った感性みたいなものが薄らいできたような気がして、徐々にフェードアウトしていました。
それが、久々に読んだこの作品はすごくすごくよかったです。
彼女の集大成かと思うくらい。
10年分の記憶をなくした27歳の彼女の物語は、ミステリー要素も混ざっており、読み応えがありました。
ヒリヒリするようなこの感覚は、燃えるような恋愛をした時の痛みを思い出すからかもしれない。
彼女の核みたいなものはきっと昔から変わっていないんでしょうね。
それが作中のいたるところに感じられて、嬉しかったです。
感情がともなう恋愛って、やっぱりきっと、どうしても「痛い」んでしょうね。
単純に相手を大事に思うだけで済めばいいのに、
独占欲とか、嫉妬とか、いろんな感情が伴うから難しい。
「彼女」の行動は、わかりすぎるくらいに理解できて、不器用だなあと思うとともに、ちょっと自分と似てるななんて思ったりもして。
狗飼さんの小説は、いつも温度を感じられていい。
今までの作品にも好きなものはたくさんあるけど、この作品が今は一番好きかもしれない。
Posted by ブクログ
大好きな狗飼恭子さんの、久々の新作。しかも、表紙のイラストが遠田志帆さんという、素晴らしい組み合わせに、読む前からうっとり。
事故で十年分の記憶を失い、十七歳の十二月に戻ってしまった朔美。
自分の知らない現在の自分を「彼女」と名付けた朔美は、思い出せない過去を探そうとしますが・・・。
色々な「何故」がわかった時の、「ああ、そうか」という感覚は、少しだけ、ミステリっぽいかも。
でも、とても痛々しくて美しい恋愛小説。
実は、どちらかと言うと、恋愛小説は苦手なものが多いのですが、狗飼恭子さんの書く小説は、いつも、何から何まで、ぴたりと私の心に入り込みます。
ところで、作中に出てくる「春の嵐は何もかもを奪い去る」という台詞が出てくる昔の映画というのは、狗飼恭子さんが脚本で組んだ事のある矢崎仁司監督が昔撮った、『三月のライオン』だったような気がします。
久々にまた観てみたくなりました。
ラストはぼんやり?
一気に読ませられました。最後はなんだかぼやけているなあ、というのが読後すぐの正直な感想。
しかしよくよく考えてみると、記憶をなくした人間が劇的に過去を思い出すなんていうのは、フィクションが過ぎるのかもしれない。ある日突然、知らない自分を生きなくてはならなくなった者にとっては、生きるに纏わるすべてがあいまいになる。実際のところは、少しずつ、断片的に過去を思い出しながら、記憶をなくす前の「彼女」の感情や行動の意味が、ひたひたと染み込んでくるものなのかもしれない。そしてその後の自分は、もはや「彼女」とは違う人間だ。
そういった意味で、この物語は現実を鮮やかに描きだしていて、だからどこかむなしい。
Posted by ブクログ
主人公の人柄がにじみ出る一人称の文章が心地よい。
物語よ読むのではなく「朔美」という人物と話し合っている感覚になる。
その心地よさだけで本書を読んで良かったと思った。
ストーリーは最後が急で伏線も弱く、「きみ」への思いの強さが伝わってこないのが残念。そこがもっと上手ければ傑作だった。
Posted by ブクログ
もし自分が記憶を失い、しかもそれが思い出さない方が幸せだったようだとまわりの反応で察してしまったら…
私だったら記憶がないままの方がいいなぁ…
Posted by ブクログ
交通事故で10年分の記憶をなくした主人公。
本当は27歳なのに、自分の時間は17歳で止まっているため、自分がどんな生活を送り、どんな恋をし、どんな風に人と関わったかがすべて失われたまま、手探りで「27歳」を生きなければいけないという設定がよかった。
後半の展開がやや急すぎた感はあるけれど、余分なものを持たず、すべてをそぎ落としたような生き方を決意する姿がすがすがしい。