あらすじ
大村佐知、26歳。友達なし、彼氏なし、定職もなし。現在、実家の喫茶オオムラでアルバイト中。楽しみは店の常連・鈴木さんとのデートだが、最近はなかなか誘ってもらえない。ある日、大学時代の知り合い・桜子が店に来る。「誰の子か分からない」子供を妊娠している彼女は、かつての彼氏たちを次々と店に呼び出すのだった。
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Posted by ブクログ
佐知は母親の営む喫茶店でバイト生活。
昔の男友達から連絡が来たり、その友達の元カノ・桜子が現れたり、平凡な日常にさざ波がたち始め…、というお話。
「喫茶店というものは、いつでも誰のことでも受け入れられる場所でなければならない。」
「彼は彼だから、わたしは好きなんだって。どんな欠点も愛することしかできなくなる。」
「…わたしは好きよ。ずっと好き。一度好きになった人のことは一生好きだと思う。どんなことがあっても、何を言われてもどんなに変わってもきっどずっとずっと。」
「今のわたしで、今の彼で出会えたことを、本当に幸運に思える。」
「別れた恋人同士というものは知り合いでも友達でもなく、別れた恋人以外何者でもない。」
「男とか女とか関係ない。友情っていうのは、同性だろうが異性だろうが、肉体関係のない疑似恋愛のことを言うんだと思う。好きじゃなきゃ大切になんかできない。」
好きな作家さんがひとり、増えた。
Posted by ブクログ
『何でこんな女がモテるのだろう?』
女同士は時として、
妬み嫉みで相手を判断してしまいがちだが、
主人公が素直にその女友達が愛される理由を見い出し、
自分の過去も現在も未来も受容していく様が、
ゆっくりとした空気に流されながら展開していく。
この作者の書く文章には、
いつも体温を感じることができる。
Posted by ブクログ
変なのにモテルだなんてそんな人いるんですかね?私は絶対に桜子とは友達になれないって思う。狗飼 恭子さんの本は大好きなんですが、全体的に少しいやな感じの女の子と少し弱い感じの主人公が恋愛を通して仲良くなっていくみたいのが多くないですか?
Posted by ブクログ
実家の喫茶店で働く友達も彼氏もいない二十六歳の佐知の、常連で五十三歳の鈴木とデートしたり、誰の子かわからない子供を妊娠した昔の知人の桜子に振り回されたりの日々。何故かモテる桜子がかつての彼氏たちと次々会う中、流されていると評される佐知の二つの結論が一方的に思えて、ふわっとした不安定な気持ちになった。
Posted by ブクログ
女流作家の恋愛小説が読みたいんだよねぇー、 と言ったら人に勧められたのがこの人。 オススメコメントのとおり、 女流作家にありがちな なんだかハッキリしないというか擬音が続くというか、 そういうアタシにとってのイライラ要因がなかったのがよかった。 また他のも読んでみよう。
Posted by ブクログ
狗飼恭子の小説は昔よく読んだ。何と言っても恋愛小説。濃い。
「私」は恋愛して相手本位になってしまい流されるままに生きる女性。好きな人との関係も不確かでもやもやとしている。
そこへ昔の男友達の彼女だった桜子というとりわけかわいくも美しくもないのになぜか男性にはもてる、という女性と再会する。
ままならない恋愛に立ち行かない「私」が、桜子と再会することによってゆるゆるとではあるが、温室のようにぬるかった日常が動き出す。
読んでいる途中はこの桜子というキャラクターが好きになれなくて嫌になったが、読み進めていくうちに、「私」が桜子と仲良くなるのと比例して惹き込まれていった。
最後のオチとでも言うところは、何となく予測できた感はあるが、前向きな終わりはさわやかでよい。