富樫倫太郎のレビュー一覧
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シリーズ第7弾。
稀代のシリアルキラー・近藤房子が逮捕されても、さらなるシリアルキラーは出現するし、近藤房子は拘置所の中で、自分の後継者を育てようと画策したり、まだまだSROメンバーの安らかな日々は訪れそうにもない。
房子が逮捕されてから、確か2、3作出ているはずだが、そんなに時間は経っていない設定らしく、今作でやっと麗子の包帯が外れたところ。
ある日、亀戸で発見された少年の遺体から、少年少女が連続殺人事件に関わっていることに気付く。
彼らを追う山根たちだったが、房子も密かに反撃の機会を伺っていた…
児童虐待の子供たちを、犯罪に利用する大人や、房子の担当の看護師の美和子が殺人に手を染めてしまう -
Posted by ブクログ
近藤房子は想像していた以上に最凶のシリアルキラーだった。
直接山根のもとに連絡してきた房子は、東京へ戻り殺人を続行すると告げる。
SROのメンバーたちは房子の行動には必ず理由があると、行動分析を進めるがどうしても東京に戻った理由がわからない。
やがて、近藤薬局に残されていた大量の薬剤に注目した結果、怖ろしい結論にたどりつく。
自宅を再度捜索した結果、房子が危険をおかしてまで東京に戻ろうとした理由が裏付けられる。
だが、一方では房子の殺人は止まらない。
一般的に悪人と呼ばれるような者たちをターゲットにしながら、ネットカフェなどを渡り歩く。
殺害を繰り返す異常なエネルギーはどこからきているのか。
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Posted by ブクログ
黒い羊とはなにか?
いい人間を演じている・・・仮面「ペルソナ」をつけて生活をしているが、実は「シャドー」と呼ばれる悪い部分を隠しているだけに過ぎない。
表面的には白と白の両親からは白しか生まれないはずが、黒の因子を隠しているだけなら黒の因子を持つ・・・黒い羊が生まれることもある。
同じ両親から生まれたのに、一人は優等生、一人は劣等生という場合。
優等生は白の因子を受け継ぎ、劣等生は黒の因子を引き継いでいるという考え方。
シリアルキラーにもいろいろなパターンがあるのだと知った。
房子のようにモンスター化し隠蔽工作をする型もあれば、今回の犯人のように淡々と自分の欲求のままに殺人を繰り返す型もある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ第1巻「SRO」で逮捕された近藤房子が移送途中に逃亡する。
なので、きちんと内容を把握したい人は最低でも第1巻は読んでおいたほうがいいかと。
連続殺人犯を逃亡させた二人組には、房子を助けなければならない理由があった。
それは思いがけないもので、SROのメンバーにも犯人たちが手助けした意味がわからない。
近藤房子という人間の底知れない怖ろしさがひしひしと迫ってくる。
「怒り」という感情はあるようなので、たぶん他人への共感力がまったく欠落しているのだろう。
他者の痛みや苦しみは、房子にとっては喜びでしかない。
支配し、いたぶり、そして抹殺する。
今回のターゲットは自分を逮捕したSROのメンバーたち -
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たった7名で構成されているSRO(Special Research Office for Extensive Investigations)。
警視長1名、警視正2名、警視1名、警部1名、そして会計などを扱う事務職2名。
アンバランスな人員が配置されている部署だ。
それぞれが裏事情をかかえている。
ある者は出世と引き換えにスパイ行為を強要されている。
ある者は自らスパイ行為を引き受けている。
ある者は不祥事を起こして隔離されるようの移動させられた。
ある者は監視対象として新設部署に押し込められた。
互いに反発しあい、不協和音を奏でながら「ドクター」と呼ばれる連続殺人犯を追っていく。
白骨となっ -
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シリーズ第4段。
今作の事件とその解決は、まあ、置いておくとして・・・。
※法務省役員と医療少年院医官の言動、フリージャーナリストの振る舞い・・・と、(作中の)現実とのギャップは、筆者から現代社会への痛烈な皮肉か?
注:十分に楽しめるエンタテイメントだった。
シリーズ全体の物語の行方に、心を奪われ始めてる。
近藤房子の行方。
坊屋刑事の決心。
心に傷を受けたメンバーの未来。
「黒い羊」を飼っていると自覚した針谷の行く末は?
既刊の残りはたしか、「Ⅴ」と「〇(ゼロ)」だけだったような記憶が・・・。
果たしてどこまで続くのやら。
★4つ、8ポイント。
2016.11.21.古。