町山智浩のレビュー一覧
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『Twin Peaks』と『聖なる鹿殺し』のみ未視聴でしたが、楽しく読めました。いわゆるネタバレ的な内容に踏み込んだ形で書かれていることが大半ですが、映画の全てがオチや結末で語られるものでもないと思いますし、そこに隠された意図や意味を紐解く役割も持つ本書。
現代はネットの記事も優れたものが多く、メイキングの映像やインタビューも国内向けにシェアされるものも少なくありません。なので、知っている情報もあれば、本書を通して初めて知ったこともあります。特に『Loveless』を観た時のあの救いようのなさ、不毛さ、虚無感の底に隠された意味を知り、観かえしたくもなりました。作り手のこだわり、細部に宿る神 -
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ネタバレちゃんと読み込めば今のアメリカの現状が(政治も含めて)
すごくわかるんだろな。きっと。
この本の通りだとすると、ほんとトランプはめちゃくちゃ。
自分に都合がわるい側近はどんどん解雇し、民間人を殺戮した軍人たちは特赦し、自分の発言には責任を持たず言い逃ればかり、セクハラ、ヘイトスピーチは日常茶飯事。
大丈夫?アメリカ。来期はトランプ以外なら誰でもいいとさえ思えてくる。
マイケル・ジャクソンの少年に対する性的虐待も筆者の見解だと真実に思えてくる。あーマイケル、なんで?
永遠の少年なら、愛する少年にあんなことしちゃだめだよ。
ドキュメンタリー映画”ネバーランドにさようなら”は日本には配信されないのか -
Posted by ブクログ
町山智浩さんのいわゆる外国映画講義は何冊か読んでいるのだけど、不思議なことに日本映画については読んだことがない。映画館で年間100-140作観る私が常に感心するのは、町山さんの映画評だけだ。必ず面白い話が聞けるーそう確信して本書を紐解いた。WOWOWの『町山智浩の映画塾!』の書籍化。
残念なのか、流石というべきか、戦争・パニック映画を講義して大きく扱うのは7作品だけだ。『人間の条件』『兵隊やくざ』『日本のいちばん長い日(1967)』『激動の昭和史 沖縄決戦』『日本沈没(1973)』『新幹線大爆破』『MIFUNE THE LAST SAMURAI』である。2作は未見だが選択は納得する。
『人 -
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鑑賞後に該当作品を拾って読んだり、作品ガイドとして上映や配信を追いかけたりした。ラジオやネットでの解説とかぶる部分は当然あれど、データや裏話の博覧強記は映画の印象を覆すも促すも、深くしてくれる貴重な本。
もちろん意見として譲れない章もあって、ワンダーウーマンなどは主義主張よりも歴史的な正義の欠落がどうしても納得できなかったりしたものだが、本書ではその監督の主張を手放しで称賛していたりする。ただ鑑賞後に居酒屋で戦わせる議論のような読書感であるため、だから楽しいのだ。
是非年刊でいいのでレギュラー化してほしい。町山師匠の解説する作品はとにもかくにも面白いから。蓮賀なんちゃらとはそこが圧倒的に違う。 -
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戦後日本で多く作られた戦争・パニック映画から見る映画史。基本的には有名作品がほとんどだが、黒澤明と三船敏郎、小林正樹と仲代達矢、田中友幸と田中収、橋本忍、長坂秀佳ら、人間関係や人間像に焦点化しつつ作品を読み解いていく視点はとても勉強になる。個人的には、『兵隊やくざ』シリーズの勝新太郎にしても、初期黒澤映画の三船敏郎にしても、戦後日本映画は、じつは〈かわいい少年のような純粋な男たち〉を一貫してヒーローとして描いてきたのだ、という発見もあって、面白かった。
かねてから、戦後日本の戦争映画が作ってきた「戦争」の表象と記憶について考えてみたいと思っていたが、本書はその入口として相応しい内容と思う -
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ネタバレ離婚協議中の私が、離婚エッセイを読んでみました。
枡野さんは昔から好きだし。
離婚はつくづく十人十色。
結婚よりずっとバリエーションが豊富だよね。「豊富」と言うと、自分でもなんだか悲しく響くけど、でも実際子ども有無からバリエーションは無数にあって、私と誰かの離婚が同じなんてあり得ないんだろうなー。
お子さんと会えなくなった枡野さんは本当にかわいそうで、読んでいる私もその場にうずくまりそうになったくらいだったけど、こうして公の場に晒される元奥様やお子さん達にもやはり同情してしまう。
そして、解説の映画評論家の町山さんが厳しい。鋭い。
町山さんもおもしろい方だな。町山さんの著作もちゃんと読み -
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ネタバレ妻に離婚を迫られているAV監督速水の物語だが、中に挟まれる書評は実在の本について。
どこまでホント?とか思いつつ読み進めると、後ろ三分の一は「あとがき」として枡野浩一の実際の状況と、枡野に加え、穂村弘と長嶋有の特別寄稿。そして枡野の短歌30首。最後に映画評論家、町山智浩の解説、という変わった本。
最後の解説で、一気に読者のひっかかりがクリアになる感じ。穂村弘の指摘もするどい。
枡野浩一について、本人が一番わかっていないっぽい。
一言で言ってしまえば、だから奥さんがあのような形を取ってでも離婚したんだね、ってこと。
この人の短歌は嫌いじゃないけど、人としてはね~。
むしろ、発達障害系空気読めない -
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相変わらず町山さんらしい映画紹介本。
映画の造詣の深さがさく裂しつつ、するする読める。
今回は、映画と本(原作だったり、映画に出てくる本だったり)の関係をテーマにしている。
前半は割と本と映画との関係が色濃いのですが、中盤かは「本」との関係が色濃くもなく、本の紹介というよりは映画がほぼ主役です。
紹介されている映画はどれも面白そうだが、特に興味が湧いたのは。
・あなたを抱きしめる日まで
これが実話だなんて、「事実は映画よりも奇なり 」ですね。
・リンカーン
リンカーンが鬱でいて、無類のジョーク好きだったなんて、まったくイメージになかった。
リンカーンの人間の大きさというかオリ -
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アメリカ在住の映画評論家・コラムニスト町山智浩氏の
『週刊文春』連載「言霊USA」書籍化第4弾の文庫版。
……と言っても、本として纏まった形で読むのは初めて。
内容は2015年3月~2016年3月の約1年分。
表題はドナルド・トランプが演説の際に
ローリングストーンズの曲を使用したことに由来するが、
トランプに直接言及したコラムは少ない。
しかし、トランプが
第45代アメリカ合衆国大統領の座に就いた現在の様相に繋がる
直近のアメリカの情景が切り取られ、
軽妙な語り口で描写されている。
差別や銃や薬物の問題も深刻だが、
一般読者として「へぇ」と思ったのは、
ジョージ・ルーカスの手を離れた
新『ス