町山智浩のレビュー一覧

  • 映画には「動機」がある 「最前線の映画」を読む Vol.2(インターナショナル新書)

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    『Twin Peaks』と『聖なる鹿殺し』のみ未視聴でしたが、楽しく読めました。いわゆるネタバレ的な内容に踏み込んだ形で書かれていることが大半ですが、映画の全てがオチや結末で語られるものでもないと思いますし、そこに隠された意図や意味を紐解く役割も持つ本書。

    現代はネットの記事も優れたものが多く、メイキングの映像やインタビューも国内向けにシェアされるものも少なくありません。なので、知っている情報もあれば、本書を通して初めて知ったこともあります。特に『Loveless』を観た時のあの救いようのなさ、不毛さ、虚無感の底に隠された意味を知り、観かえしたくもなりました。作り手のこだわり、細部に宿る神

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    2020年07月18日
  • 最も危険なアメリカ映画 『國民の創世』から『バック・トゥ・ザ・フューチャー』まで(集英社インターナショナル)

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    最初は面白く、ぐんぐん読んでいたが後半ダレテきた。著者、内容というより題材の時代背景を知らないのでのめり込めなかったのかもしれない。しかし映像、メディアの恐ろしさを再度認識した。『バック トゥー ザ フューチャー』『フォレスト ガンプ』の解析には驚き! 「フォレスト ガンプ』を見た時の違和感の原因がわかったように思う。 紹介されている映画を観る機会がないのが残念! 【軍産共同体】は、いまだに続いている…。

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    2020年06月06日
  • 町山智浩・春日太一の日本映画講義 時代劇編

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    時代劇というと、かなり昔の映画、というぼんやりしたイメージになりがちでした。しかし作った時期の時代背景、作り手のバックグラウンドを知ることで身近な存在になりました。

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    2020年02月18日
  • 最も危険なアメリカ映画 『國民の創世』から『バック・トゥ・ザ・フューチャー』まで(集英社インターナショナル)

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    アメリカという国は黎明期から深刻な問題を抱えているけれど、戦争はもちろんカルチャー面でも激動の歴史の連続だったのだなと知った。
    映画を手掛かりにアメリカ史が簡潔に書かれているのでわかりやすい。
    撮り手が語っているのを抜き出しての町山氏の考察も、こんな見方もあるんだなと新しい発見だった。

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    2019年12月09日
  • アメリカ炎上通信 言霊USA XXL

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    ネタバレ

    ちゃんと読み込めば今のアメリカの現状が(政治も含めて)
    すごくわかるんだろな。きっと。
    この本の通りだとすると、ほんとトランプはめちゃくちゃ。
    自分に都合がわるい側近はどんどん解雇し、民間人を殺戮した軍人たちは特赦し、自分の発言には責任を持たず言い逃ればかり、セクハラ、ヘイトスピーチは日常茶飯事。
    大丈夫?アメリカ。来期はトランプ以外なら誰でもいいとさえ思えてくる。
    マイケル・ジャクソンの少年に対する性的虐待も筆者の見解だと真実に思えてくる。あーマイケル、なんで?
    永遠の少年なら、愛する少年にあんなことしちゃだめだよ。
    ドキュメンタリー映画”ネバーランドにさようなら”は日本には配信されないのか

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    2019年11月07日
  • 町山智浩・春日太一の日本映画講義 戦争・パニック映画編

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    町山智浩さんのいわゆる外国映画講義は何冊か読んでいるのだけど、不思議なことに日本映画については読んだことがない。映画館で年間100-140作観る私が常に感心するのは、町山さんの映画評だけだ。必ず面白い話が聞けるーそう確信して本書を紐解いた。WOWOWの『町山智浩の映画塾!』の書籍化。

    残念なのか、流石というべきか、戦争・パニック映画を講義して大きく扱うのは7作品だけだ。『人間の条件』『兵隊やくざ』『日本のいちばん長い日(1967)』『激動の昭和史 沖縄決戦』『日本沈没(1973)』『新幹線大爆破』『MIFUNE THE LAST SAMURAI』である。2作は未見だが選択は納得する。

    『人

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    2019年10月13日
  • 町山智浩・春日太一の日本映画講義 戦争・パニック映画編

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    ネタバレ

    ほんとこの人達、映画についてならずーっと何時間でもしゃべっていられそう。
    この中で語られてる映画で視聴済みなおのは「人間の条件」(さすがに全部は見てないけど)と「新幹線大爆発」「日本の一番長い日」の3本。
    観た映画をこんだけ詳細に裏話しや俳優のエピソードなども語ってくれると面白い。
    著者ふたりが声を揃えて、三船敏郎のナンバーワンという「血と砂」岡本喜八監督、(日本のプライベートライアンだそう)是非、観てみたい。

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    2019年10月02日
  • 「最前線の映画」を読む(インターナショナル新書)

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    鑑賞後に該当作品を拾って読んだり、作品ガイドとして上映や配信を追いかけたりした。ラジオやネットでの解説とかぶる部分は当然あれど、データや裏話の博覧強記は映画の印象を覆すも促すも、深くしてくれる貴重な本。
    もちろん意見として譲れない章もあって、ワンダーウーマンなどは主義主張よりも歴史的な正義の欠落がどうしても納得できなかったりしたものだが、本書ではその監督の主張を手放しで称賛していたりする。ただ鑑賞後に居酒屋で戦わせる議論のような読書感であるため、だから楽しいのだ。
    是非年刊でいいのでレギュラー化してほしい。町山師匠の解説する作品はとにもかくにも面白いから。蓮賀なんちゃらとはそこが圧倒的に違う。

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    2019年08月29日
  • 町山智浩・春日太一の日本映画講義 戦争・パニック映画編

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    どの作品の解説もすばらしかったが、特に「日本のいちばん長い日」がよかった。思わずBDを買ってしまったくらい。現場スタッフの証言から、洋画に与えた影響まで、幅広い視点で解説してくれるのはこのコンビならではだなあ。お二人のSNSでのやり取りを見る限りでは次回作はなさそうだが、本当は今後も続けてほしいところ。

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    2019年08月10日
  • 町山智浩・春日太一の日本映画講義 戦争・パニック映画編

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     戦後日本で多く作られた戦争・パニック映画から見る映画史。基本的には有名作品がほとんどだが、黒澤明と三船敏郎、小林正樹と仲代達矢、田中友幸と田中収、橋本忍、長坂秀佳ら、人間関係や人間像に焦点化しつつ作品を読み解いていく視点はとても勉強になる。個人的には、『兵隊やくざ』シリーズの勝新太郎にしても、初期黒澤映画の三船敏郎にしても、戦後日本映画は、じつは〈かわいい少年のような純粋な男たち〉を一貫してヒーローとして描いてきたのだ、という発見もあって、面白かった。

     かねてから、戦後日本の戦争映画が作ってきた「戦争」の表象と記憶について考えてみたいと思っていたが、本書はその入口として相応しい内容と思う

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    2019年08月07日
  • 結婚失格

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    ネタバレ

    離婚協議中の私が、離婚エッセイを読んでみました。
    枡野さんは昔から好きだし。

    離婚はつくづく十人十色。
    結婚よりずっとバリエーションが豊富だよね。「豊富」と言うと、自分でもなんだか悲しく響くけど、でも実際子ども有無からバリエーションは無数にあって、私と誰かの離婚が同じなんてあり得ないんだろうなー。

    お子さんと会えなくなった枡野さんは本当にかわいそうで、読んでいる私もその場にうずくまりそうになったくらいだったけど、こうして公の場に晒される元奥様やお子さん達にもやはり同情してしまう。

    そして、解説の映画評論家の町山さんが厳しい。鋭い。
    町山さんもおもしろい方だな。町山さんの著作もちゃんと読み

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    2019年03月03日
  • 結婚失格

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    ネタバレ

    妻に離婚を迫られているAV監督速水の物語だが、中に挟まれる書評は実在の本について。
    どこまでホント?とか思いつつ読み進めると、後ろ三分の一は「あとがき」として枡野浩一の実際の状況と、枡野に加え、穂村弘と長嶋有の特別寄稿。そして枡野の短歌30首。最後に映画評論家、町山智浩の解説、という変わった本。
    最後の解説で、一気に読者のひっかかりがクリアになる感じ。穂村弘の指摘もするどい。
    枡野浩一について、本人が一番わかっていないっぽい。
    一言で言ってしまえば、だから奥さんがあのような形を取ってでも離婚したんだね、ってこと。
    この人の短歌は嫌いじゃないけど、人としてはね~。
    むしろ、発達障害系空気読めない

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    2019年02月05日
  • 映画と本の意外な関係!(インターナショナル新書)

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    相変わらず町山さんらしい映画紹介本。
    映画の造詣の深さがさく裂しつつ、するする読める。

    今回は、映画と本(原作だったり、映画に出てくる本だったり)の関係をテーマにしている。

    前半は割と本と映画との関係が色濃いのですが、中盤かは「本」との関係が色濃くもなく、本の紹介というよりは映画がほぼ主役です。

    紹介されている映画はどれも面白そうだが、特に興味が湧いたのは。

    ・あなたを抱きしめる日まで
     これが実話だなんて、「事実は映画よりも奇なり 」ですね。

    ・リンカーン
     リンカーンが鬱でいて、無類のジョーク好きだったなんて、まったくイメージになかった。
     リンカーンの人間の大きさというかオリ

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    2018年12月22日
  • 最も危険なアメリカ映画 『國民の創世』から『バック・トゥ・ザ・フューチャー』まで(集英社インターナショナル)

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    アメリカ映画の古典的名作といわれている作品から、歴史的背景を読み取り社会にどのような影響を与え合ったのかを考察した一冊。

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    2018年11月24日
  • 実況中継 トランプのアメリカ征服 言霊USA2017

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    トランプがアメリカ大統領選に勝つまでの当時のメディアでの扱いがよくわかる。
    単なるトンでもの泡沫候補として書かれているが、結局圧倒的に指示を集め
    また当選後も数々の非難を浴びながら、退任することなく大統領の職にとどまり続けている。
    政治とは何か、アメリカとはどういった国家なのかということを実際の国民の言動から知ることができる。

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    2018年11月23日
  • さらば白人国家アメリカ

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    2015-2016夏頃までのアメリカ、主に共和党の予備選でのトランプの躍進とその背景について。
    リアルタイムのエッセイなので、当時トランプがどのように人気が出て、他の候補を圧倒していったかが伺える。
    またアメリカの過去の大統領を引き合いに出して、ポピュリズムが過去にどのように発生したか、過去の大統領が如何に同様に酷かったかという話も面白い。

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    2018年11月23日
  • トランプがローリングストーンズでやってきた USA語録4

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    アメリカ在住の映画評論家・コラムニスト町山智浩氏の
    『週刊文春』連載「言霊USA」書籍化第4弾の文庫版。
    ……と言っても、本として纏まった形で読むのは初めて。
    内容は2015年3月~2016年3月の約1年分。
    表題はドナルド・トランプが演説の際に
    ローリングストーンズの曲を使用したことに由来するが、
    トランプに直接言及したコラムは少ない。
    しかし、トランプが
    第45代アメリカ合衆国大統領の座に就いた現在の様相に繋がる
    直近のアメリカの情景が切り取られ、
    軽妙な語り口で描写されている。
    差別や銃や薬物の問題も深刻だが、
    一般読者として「へぇ」と思ったのは、
    ジョージ・ルーカスの手を離れた
    新『ス

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    2018年11月16日
  • 99%対1% アメリカ格差ウォーズ

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    "アメリカの大統領選挙を軸に、アメリカの人たちがどんな行動をとっているがよくわかる。
    共和党と民主党の主張の違い、政治家の品格などを知ることができるのが本書。

    アメリカという国を知る一助となる本でありながら、楽しめる本。"

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    2018年10月28日
  • 結婚失格

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    妻とのケンカ中に読む。著者をモデルにした小説風、書評風。みんな自分は正しいと思うものなのだ。

    (300)

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    2018年10月12日
  • アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない

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    進化論を排斥する人々。キリスト教原理主義者の国アメリカの話題を面白く綴る。でも、読んでいくうちにだんだんとアメリカが怖くなる。この国の経済状況に日本も近づいていくようだ。

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    2018年10月20日