【感想・ネタバレ】映画と本の意外な関係!(インターナショナル新書)のレビュー

あらすじ

映画のシーンに登場する本や言葉は、映画を読み解くうえで意外な鍵を握っている。本書は、作品に登場する印象的な言葉を紹介し、それに込められた意味や背景を探っていく。原作小説はもちろん、思わぬ関連性を持った書籍、劇中で流れた曲の歌詞にまで深く分け入って解説。紹介する作品は、『007』シリーズや『インターステラー』から、超大国の裏側がわかるドキュメンタリー映画まで。全く新しい映画評論!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

映画のシーンに登場する本や言葉は、映画を読み解くうえで重要な鍵を握っている。本書はその作品に登場した本や台詞、歌詞などを、元ネタである文学や詩までに深く分け入って解説。目からウロコの新たな作品解釈を楽しむことができる。明らかにされるのは『インターステラ―』とボルヘス、『ウォール・ストリート』とシェイクスピア、『007 スカイフォール』とテニスンの「ユリシーズ」などの思いもよらぬ関係性。紹介する作品はエンタテインメント作品から超大国アメリカの裏側がわかるドキュメンタリー作品まで多岐にわたっている。映画と本を愛するすべての人に贈る全く新しい映画評論!
青春ホラー映画「イット・フォローズ」に登場するイットの正体のヒントになるのが、ドストエフスキーの「白痴」。「ウォール街」「ウォールストリート」の主人公ゴードン・ゲッコーの「欲は善だ」は、ニーチェの「善とは権力への意思であり、悪とは全ての弱い者」という考え方と新自由主義を結びつけたもの。「スーパーチュースデー正義」とシェイクスピアの「ジュリアスシーザー」に共通するもの。「バードマンあるいは」の主人公の苦悩を読み解くヒントになるのが、レイモンド・カーヴァーの「愛について語る時に我々の語ること」。映画「ゴーンガール」の原作者ギリアン・フリンが「イケてる女」という言葉を思いついたのは「メリーに首ったけ」でキャメロンディアスが演じたメリーが男が求める女の理想像で、ムカついたから。ケイト・ブランシェット主演の「キャロル」は、原作者パトリシア・ハイスミスのデパートで売り子をしている時の経験とハイスミスの恋人の銀行家の妻のこととハイスミスがひとめぼれしたキャサリンが元になっている。「インターステラー」などで引用されたディラン・トマスの詩「あの心地よい夜に穏やかに身を任せるな」が、心熱くさせる理由など、映画をより深く楽しむための必読書です。

0
2022年12月13日

Posted by ブクログ

"映画に登場する本棚の本であったり、原作本と映画の違いや、映画の中で語られる詩であったり、映画の冒頭に本の一節が語られることもある。
そんな映画と書物の関係を探ってくれているのが本書。
007のボンドガールの名前解説が印象に残る。
古典的名作や聖書をよく知っているだけで、映画を見る時に、また違った視点で眺めることができたりする。シェークスピアは本書に登場しないが、詩人では、英国の詩人サミュエル・テイラー・コールリッジさんやウェールズの詩人ディラン・トマスさんや、ウォルト・ホイットマンさんなど読んでおきたいと思った。"

0
2018年11月24日

Posted by ブクログ

みたい映画と読みたい本が増えた。色々つながっていくのが面白くて、さくさく読めた。『インターステラー』はみたのにボルヘス気がつかなかったし。やっぱり映画は面白い。

0
2017年04月13日

Posted by ブクログ

町山智浩さんは、観たくなる批評する。
「観せる批評」と表現すれば、すごく気が利いていてスマートだろうか。
何をかというと映画を、である。
これまでの著作もそうであった。初めて読んだ「映画の見方がわかる本」から一貫している。

この本において紹介されている、作品群についても同様であり、映画好きだと自負しておきながら未見の作品については、観ねば、いや観たいと思わずにいられない。
ほら、また「観せる批評」に魅せられてしまった。

そんな僕は熱心な映画秘宝読者である。ただのファンだろって?そうだよ。

0
2017年03月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんか映画関係の本が読みたいなと思って本棚を眺めていたら目に入って、いろいろな映画に触れてそうだったので読んでみた。それまで作者を気にしてなかったけど町山さんだった。なるほど。

コラムっぽいなと思ったらコラム。そのせいで区切りよく読めて、読みやすかった。

知識としてはあんま残る感じは無かったけど、そういう映画があるんだなあ、その知識がわかる人にはわかるネタがあるんだなあと実感出来た。007の下ネタひどすぎる。

0
2024年02月06日

Posted by ブクログ

相変わらず町山さんらしい映画紹介本。
映画の造詣の深さがさく裂しつつ、するする読める。

今回は、映画と本(原作だったり、映画に出てくる本だったり)の関係をテーマにしている。

前半は割と本と映画との関係が色濃いのですが、中盤かは「本」との関係が色濃くもなく、本の紹介というよりは映画がほぼ主役です。

紹介されている映画はどれも面白そうだが、特に興味が湧いたのは。

・あなたを抱きしめる日まで
 これが実話だなんて、「事実は映画よりも奇なり 」ですね。

・リンカーン
 リンカーンが鬱でいて、無類のジョーク好きだったなんて、まったくイメージになかった。
 リンカーンの人間の大きさというかオリジナリティに惹かれます。

 「リンカーン うつ病を糧に偉大さを鍛え上げた大統領」って本があるみたいですが、なんかすごい副題のつけ方ですね。

・ニーナシモン 魂の歌
 私はニーナシモンの歌は本当にかっこいいと思ってますが、まさかこんな激しい性格の人と思っていませんでした。どっしりと構えていて強いという印象でしたが、それとは違うんですね。
また境遇、人生も波瀾万丈で。黒人として差別のなかエンターテイメント業界に生きていた人たちは基本的に皆、過酷な人生を送っているともいえますが。

・眼下の敵
 このエッセイは、映画が副で、本(詩人)がメイン。
 自己と肉体を讃えるホイットマン
 内向的なエミリー・ディキンソンの対比。
 エミリー・ディキンソンも名前も知らなかったが、素敵な詩を書く人ですね。弱い者の味方。

・キャロル
 パトリシアハイスミスが別名で発表していた女性の同性恋愛の物語。
パトリシアハイスミスの若い時代は同性を好きになることは精神病として扱われていた。そんな中、パトリシアハイスミスはきちんと自分の性質と向き合い、婚約を解消したという逸話がなんともかっこよい。その時代にそれができるというのは本当に意思が固いのだろうと。

0
2018年12月22日

Posted by ブクログ

映画の奥深さを感じさせる一冊。

この方の知識は、映画界にとどまらない。
味わい尽くしたいと思ったら、映画の世界だけに目を向けていても
だめだろう。歴史、文化、言語など知っていれば深く感じ取ることができる。
作品を知るよりも先に、自分をも知る必要があるだろう。

何より映画を楽しみたいという希求する心を感じされられる一冊。

0
2018年02月15日

Posted by ブクログ

映画と本、っていうよりも、映画の隠れた名セリフ、っていう感じかな。こういう小ネタ系、好きだよ。インディペンデンスデイの「我々は穏やかに夜の中に消えて行きはしない」の元ネタ、初めて知った。

0
2018年02月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

必ずしも本と関係ある映画ばかりではなかったのだが(歌詞からの引用とか)、雑誌での連載時タイトル『映画と台詞』で納得。このタイトルのままで良いのでは。

0
2017年08月22日

Posted by ブクログ

あの映画にはこんな意味が隠されていた。

セリフや描写の背景を説明しながら
作品に奥行きを与えていく。

本棚を見れば、その人がわかる。

0
2017年07月12日

Posted by ブクログ

読み終わったあと必ず映画を観に行きたくなりますね。
ダイジェスト版みたいな感じの文章でしたが興味を持つには充分でした。

0
2017年03月15日

Posted by ブクログ

毎度のことながら、知識・情報たっぷりの町山氏の映画関連本。早速、何本かピックアップしたので、見直してみたいと思っています。

0
2017年03月14日

Posted by ブクログ

エッセーかな?
映画もその作品だけで鑑賞してもよいようにできてるし、そういう見方もあると思うけれども、知っているとより面白く見られる、ということが多々あると思います。そういうことを教えてもらえる。10代の少年が「学校の勉強なんて役に立たない」と受験前によく言いますが、知識にしろ知恵にしろ、持っていると世の中はもっと面白くなるのになあ、と思います。
私は、掲載された映画の中では特に007シリーズが大好きなので、やはりそこが一番面白く読みました。
もちろん、読後は映画館に行きたくなります。そして、「お楽しみはこれからだ」(和田誠さん)を読み返したくなります。「お楽しみはこれからだ」の出典明記、そして解説付き、という雰囲気でしょうか。
すぐに読み終えますが、読み終えてからが楽しいのかもしれません。

0
2017年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コアな映画の評論が多い著者だが、この本は比較的最近の作品に焦点をあてていて、なおかつ本との意外な関係を軸に選ばれているので文学的な香りのする作品が多く読み易かった。
パトリシシア・ハイスミス(同性愛者)も初めて知ったし。原作の映画”キャロル”観てみたい。
アメリカが産んだ偉大な詩人”ホイットマン”も多種多様の映画にその詩が引用されていることも。
またまだこのネタは尽きないようなので、続編が楽しみ。

0
2017年02月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2017/1/21 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2018/5/24〜5/25

町山さんの映画と本を結びつけた評論。こういう背景を知って観ると映画の楽しみがもっと深まるんだろうなぁ。

0
2018年05月26日

Posted by ブクログ

おもしろかった。見たい映画と読みたい本がまたまた増えた。わたしは映画をいつもただ漫然と、おもしろいとかおもしろくないとか見ているだけだけど、町山氏のようにちゃんと調べたりすればもっとずっと深く見られるのだろうな、と。関係なさそうな映画も本でつながっていたりとか。
けっこう英米詩の話が多かった印象で、わたしは詩が苦手なのだけど、英米ではだれもがホイットマンとかディキンソンとかの詩になじんでいるんだろうか。基礎的な教養? 学校でたたき込まれる? ホイットマンがいかにもアメリカ的な詩人である、とかはじめて知った。。。

0
2017年01月15日

Posted by ブクログ

久しぶりに定価で新刊で本を買う。

タイトルに「映画と本」とあれば、気にするなという方が無理な話。
私にとって、「映画と本」は「美人と巨乳」と同じくらい気になる存在なのだ。

で、だ。

その上、町山智浩著者とくれば、そりゃ定価で新刊で買うでしょ。

で、だ。

それなりに面白い。

観てない映画の話は、観ないと分からないが、「ゴーン・ガール」の話とかは、興味深く読んだ。

星は3.7くらいか。

たまには本屋さんで本を買わなくちゃ、と思う今日この頃。

0
2025年04月08日

Posted by ブクログ


その本を知っている人にしか伝わらない、本の虫だけに向けられたウインクのようなものだと思います。
映画の本棚 まえがきにかえて より


「もっと黒く歌えないか?」
 そう言われてもキョトンとするだけの四人に、デイヴは必死にソウルの魂を説明する。
「カントリーもソウルも喪失について歌っている。違うのは、カントリーはあきらめて、ただ嘆くだけだが、ソウルはなんとかして失ったものを取り返そうとする。決してあきらめないんだ」
第11章 そこに連れて行くよ


あとがきにも書かれていましたが、もともとは「映画の台詞」という連載をまとめたものらしいです。本が出てこない章もありますが、楽しく読めました。本と言ってもいろいろで、原作本、聖書の引用、詩の一節など様々。そもそも昨今の映画でオリジナル脚本はあまり見ない気もします。何かしらの文学作品の引用や神話や古典を下敷きにしたものが多く、切っても切り離せないものなのでしょう。
知れば知るほど映画の持つ奥深さや異なった色合いを見せるので、映画ならずともテレビシリーズのワンシーンに一瞬映っているような書籍に目を向けるのも一興。
まえがきで紹介されていた『インターステラー』ではボルヘスの『伝奇集』以外にもピンチョンの『重力の虹』やイアンバンクス『蜂工場』、アボットの『フラットランド』など監督のこだわりも垣間見えます。知っている人だけしか受信することのできないメッセージがそこには確かに散りばめられているのかもしれません。

0
2020年11月14日

Posted by ブクログ

観た映画だということもあって、冒頭のイットフォローズの小解説が良かった。白痴‥つい聞き流してしまうけど、それを元に映画を紐解いていくと、何倍も映画が面白くなる。

エッセンスやモチーフを読み解く審美眼、教養を身につけたいものだ‥

映画を観る目を養うために町山智浩さんの評論を取り敢えず本で読んでみるかーってのには、良いと思う。
けど、全体としてはコラムをまとめた本で、一冊としては纏まりがないと思うから、評価は低め。章立てごとの指標、各章の繋がりとかがあれば良かった。

0
2020年11月14日

Posted by ブクログ

16章ビフォアシリーズについて

自分もビフォアシリーズが大好きでフランスに行ったときシェイクスピア&カンパニーなどビフォア巡りしました

映画も本もたくさん見たいし読みたいと思いました_φ(・_・

2020/2/9 ★3.2

0
2020年02月09日

Posted by ブクログ

映画に出てくる本を紹介してハリウッド映画が文学を踏まえていることを今更ながら色々レクチャーする本。一回ごとが短いのですぐ読める。本連載ではインセプションとインターステラーが何度も出てくる。

0
2018年10月19日

Posted by ブクログ

この本の本筋からはずれるけど「ラブ&マーシー」をとりあげた章の、ブライアン・ウィルソンの歌詞にはぐっときた。

0
2018年01月24日

Posted by ブクログ

映画も好きだし、読書も好きな自分にとってはおもしろそうだと思って読んでみた一冊。映画の中で出てくる本棚の意味とか、いくつもの映画をまたいで受け継がれるセリフとか、映画や本を単体で楽しむのももちろんありだけど、何本も見ていくとわかってくる共通点とか隠された背景とか、そういう楽しみ方もあるんだなぁと改めて思いました。自分の楽しみ方は、いろいろある中での1つだから、他の人の楽しみ方に触れてみるのは新しい発見というか作品の別の側面が見つかっておもしろいすね。

0
2017年12月09日

Posted by ブクログ

映画ガイドとしては価値あるが表題のテーマ掘り下げはより衒学的であってもいいので鋭角に表してほしかった。でも町山最新評論集ではある。年次で定型のものを刊行するようにならないものか。

0
2017年06月26日

Posted by ブクログ

借りたもの。
映画の中に出てくる、あるいはインスパイアされた本――文学や過去の映画作品など――を紹介し、作中にどのような影響を与えたか、関係性をひも解く本。

以外でも無い気がするが、その本や文学、演劇、言語を知っていることで理解できること――映画監督によって隠された、あるいは仕組まれたユーモアが理解できる。
「本棚はその人を表す」というが、映画のシーンで映し出される本棚には、その作品の意図が暗示されている。
字幕で見ていると気付けないそれを丁寧?に指摘。

文学的な話だけでなく、『007』シリーズのボンド・ガールの名前が実は下ネタだったとか、最後は何となく「男女あるある」的な、価値観の違いなどを明るみにしつつ、映画を観る際にちょっと面白い視点が広がる本だった。

人間はやはり、本を読むべきだと思う。
ちょっとしたユーモアをりかいするためにも。

0
2017年06月18日

Posted by ブクログ

映画のストーリーにも既存の本の影響があって、それが透けてみえてくるところを捉える。映画も幅広い読書という背景を持っていてこそもっと楽しめるのだと思いました。

0
2017年05月02日

Posted by ブクログ

映画でもアニメでも本棚が出て来たら一時停止。
背表紙が読めずとも色や大きさであたりをつけるのが好き。
とはいえ本棚分析ではなく、軽い読み物。
前書きの段階で本質的な記述は終わり、あとは例を重ねるばかり。
でも「ビフォア・サンセット」や「バードマンあるいは」など思い出せてよかった。

0
2017年01月15日

「雑学・エンタメ」ランキング