あらすじ
映画を観れば「世界の今」が分かる! アメリカ、ヨーロッパ、アジア諸国の「最前線の映画」を当代一の評論家が鋭く解剖。なにげないシーンやしぐさに秘められた監督の意図、ちょっとした台詞の中に隠された過去の名作・傑作の引用などを次々に読み解いていく――。「町山映画塾」、ますます絶好調!
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『映画の見方がわかる本』等の旧作評論とは趣を変え、『ブレードランナー2049』、『LOGAN/ローガン』といった(刊行当時の)新作映画の評論。作品に込められたメッセージや作り手のドラマツルギーを示しつつ、作品の内容を最初から最後までなぞる(ネタバレ全開!)。
そういえば、Z世代はストーリーを全部知ってから映画を見る「ネタバレ視聴」をする人が多いらしいが、そういう人には最適なガイドかもしれぬ(ただ、映画が面白いかどうかは書いてない)
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【スクリーンの裏側へ】映画評論家として活躍する町山智浩が、『ラ・ラ・ランド』や『インターステラー』など、近年話題となった作品に焦点を当て、隠されたメッセージの読み解きに迫った一冊。映画作品に絡めた時事知識の紹介も豊富に盛り込まれています。
紹介される映画について詳しくなれることはもちろん、町山氏の紹介を通して映画の一つの見方を学ぶことができるのも本書の魅力。映画は娯楽と知的探求が同時に楽しめるメディアなんだと再確認させられました。
〜「本当に深い感情は時空も現実も物理法則も超える」ミュージカルで人が突然踊り出すのはそれなんだと彼は言う。「気持ちが心にあふれた時、天国から九十人編成のオーケストラが降りてきて演奏してくれるんだ。それはバカバカしいかもしれないけど、真実なんだ。少なくとも僕にとって」〜
映画熱にさらに火が付く☆5つ
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"映画を深読みすると・・・・という本。
例えば、猿の惑星は人種開放の物語と重ねてみると・・・のように、映画で語られる物語は、何かのたとえとしてとらえると映画の見方も変わってくる。
ワンダーウーマンは、女性の独立について語られていて、セリフから構成含めてとても良くねられた作品ということに気が付く。
映画の細部、登場した本や、詩などからも深読みするヒントが隠されていることにも気が付く。何度も繰り返し見たくなる傑作とは、作品そのものの構造化が綿密に構築されているものが多いのかもしれません。"
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町山さんが、最新の映画を語る。
惹きこまれるエッセイ、もしくは短編小説を読んでいるような気分になる。
私は紹介されている映画1本も観ていなかったが、読んでいて非常にワクワクした。
それは町山さんの豊富な知識をベースに映画を多面的にとらえ、そして本質をはずさない語り口。
スコセッシの沈黙。
原作が語りたかったカトリックと弱さの関係が見事に二重写しになる。
ワンダーウーマン。
ただのアクションものかと思っていた。思い込み、偏見は禁止ですね。女性監督の深い思いの詰まった、画期的傑作。
どんな映画も映画製作側の思いが多くちりばめられている。それを感じ取れるか否かで、映画の楽しみも何倍にもなるのだなーと。町山さんがうらやましくなった。
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見てない映画の批評を読むとたいてい面白くないのですが、町山さんのは毎度面白い。それをどどどっとまとめた新書。これ、お勧めです。
映画評というのではなく、そういう映画がなぜ作られたのかという文化や社会について語られているのがいいのでしょう。映像の文法の話もちらっと出ますが、そこに眼目がないところがいいんじゃないんでしょうか。面白いです。
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鑑賞後に該当作品を拾って読んだり、作品ガイドとして上映や配信を追いかけたりした。ラジオやネットでの解説とかぶる部分は当然あれど、データや裏話の博覧強記は映画の印象を覆すも促すも、深くしてくれる貴重な本。
もちろん意見として譲れない章もあって、ワンダーウーマンなどは主義主張よりも歴史的な正義の欠落がどうしても納得できなかったりしたものだが、本書ではその監督の主張を手放しで称賛していたりする。ただ鑑賞後に居酒屋で戦わせる議論のような読書感であるため、だから楽しいのだ。
是非年刊でいいのでレギュラー化してほしい。町山師匠の解説する作品はとにもかくにも面白いから。蓮賀なんちゃらとはそこが圧倒的に違う。
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挙げられている映画20本のうち、18本は公開当時に劇場で観ています。と、自慢したいところだけれど、本書を手に取るのはそれ以上の人ばかりかも。残りの1本はDVDで観て、もう1本はこの先も観ないつもりだったホラー。しかし本書を読んだら、そういう解釈があるのかと気になり、観たい気持ちが沸々と。こんな解説書を読むと、知らずに観るよりもいろんな知識を持ったうえで観るほうがより楽しいよなぁと思う半面、何も知らなくても楽しめたらええやんと開き直ったりも。いずれにせよ、「上から」なところ皆無の町山さんの解説、大好きです。
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観た映画は二本だけだったにも関わらず、面白く読んだ。
どれも深い考察とプロならではのリサーチによる情報が満載だ。
「ラ・ラ・ランド」だけは、観てから読もうと未読のまま。
今後観る予定の映画もあったが、予備知識として参考にするつもり。
マーティン・スコセッシ監督の「沈黙ーサイレンスー」など、
映画をみる前に触れておきたいいくつものエピソードがあった。
映画の楽しみ方は人それぞれたくさんあり、
映画を読むという楽しみも、映画を楽しむ方法の一つ。
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町山智浩氏の最新作。
そりゃ、読むでしょうよ。
流石の考察力。
この人のように深く映画を楽しめたら、さぞ映画は素晴らしいものだろうなぁと思う。
浅いところしか分かっていなくとも、映画は楽しいのだから、こんなに深く分かれば、さもありなんといったところだろう。
それにしても、色々なところでキリスト教(あるいは宗教)は、映画に深く根付いているんだなぁと感じた。
宗教観のない、日本人であるところである私には知りえない価値観や考え方があるものだ。
映画は知れば知るほど面白い。
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町山の映画評はラジオなどでよく聞いていたが、著作は初めて。散文的な文章はちょっと鼻につくが、あまり余計な言葉は使わずに簡潔に書かれているし、作品のコンテクストに関して割と詳細に取り上げてくれる批評が多かったのはよかったかな。
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ワンダーウーマン
エイリアン:コヴェナント ●
ブレードランナー2049 ●
セールスマン
マンチェスター・バイ・ザ・シー
哭声/コクソン
イット・フォローズ ●
ドント・ブリーズ ●
シンクロナイズドモンスター
ラ・ラ・ランド ●
ダンケルク ●
サウルの息子
LOGAN/ローガン
メッセージ ●
ベイビー・ドライバー ●
沈黙ーサイレンスー ●
アイ・イン・ザ・スカイ
ムーンライト
エルELLE
ルック・オブ・サイレンス
●視聴済み。
「たまむすび」「映画その他ムダ話」とかぶるが、コンパクトでよい。
Posted by ブクログ
近年の話題作となった映画を中心に、監督が映画に込めた意図や時代背景などがとてもわかりやすく解説されていてあっという間に読み終わってしまった。
やっぱり町山さんの映画知識はすごい。
特に「サウルの息子」「コクソン」は映画を観た時にすごく胸がざわついた記憶があるけれど、なぜそのような気持ちになったのか理由が書かれていてすごくスッキリしました。
観る前に読むもよし、紹介されている観た後に読むと作品の理解が深まってさらに楽しめる、とても勉強になる1冊でした。