町山智浩のレビュー一覧

  • 教科書に載ってないUSA語録

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    短いコラムだが的がぶれずにすっきりして楽しめる文章。で、密度もかなり濃いのがうれしい。マニアックさも程よく混ざり、まさにうんちくを得たい中年おやじの自分にぴったしの本。400pで1000円という安さもうれしいが、意外にこのごわごわ紙がめくりやすい。難点は書店購入時にカバーをつけてもらうときに、サイズが合うものがないのか、派手にはみ出てしまう特殊版だということだろうか(そうでもないサイズにも思えるが)。

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    2012年11月20日
  • 教科書に載ってないUSA語録

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    ネタバレ

    アメリカは『民主党のクリントンが赤字を解消し、共和党のブッシュが戦争しまくって借金をふくれあがらせ、民主党のオバマが借金を減らすために富裕層の増税などを打ち出すが、共和党の議員が「富裕層の増税なんてゆるさん!福祉を切れ!」と反対しまくって法案を通さない』という国であることがよく分かった。借金を半減できなかったのは、ロムニーのお仲間のせいじゃん!
    内田樹さんの「街場のアメリカ論」の解説を書いていらっしゃる町山さんが、日本の報道では垣間見えないアメリカの今を語る。内田さんの語る“アメリカ的なもの”が実態として動き出すとこういうひずみを生んでいくんだなーということが、この2冊を続けて読むとよく分かる

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    2012年11月17日
  • アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない

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    相当どぎつい内容ですが、大真面目かというとさにあらずです。所々、乾いた笑いを提供してくれます。無条件に本書を信じるならば、アメリカって、?なお国柄なんだと思ってしまいます。がんばって追随している日本が哀れですね。

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    2012年09月30日
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判

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    単行本版の3冊を読んでいても、やっぱり面白い。ベスト盤なので話の追加は無いけど、宇田丸さんの解説が追加されている。その内容も二人への尊敬と畏怖と軽い軽蔑?満載でグッと来た。今回もまた同じ箇所で笑ってしまった。。。チャーリーズエンジェルの話が一番笑えるかな。あと、蓮見センセイとのシンクロ率の高さも最高。

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    2012年08月29日
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判

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    ファビュラスバーカーボーイズによる対談形式の映画感想。

    こういうムック的なものが文庫化するとは良い時代だね。

    解説の宇多丸が喝破しているように、映画の評価っていうのは絶対的なものではなく、読者をミスリードしないように敢えて逆のことを言ったり、とぼけて見せたり、こういうの、やはり漫才ユニットというのだろうな。

    楽しめます。

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    2012年06月16日
  • アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない

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    ネタバレ

    やっぱりアメリカやね。バカばっかり?

    それなのに日本はこんなにもアメリカの顔をうかがうのかね。

    日本のほうが教育が優れている。
    何が優れているのかってぇと社会主義的といえばいいのか
    落ちこぼれがとても少ない。

    それが国としていいことなのかどうなのか。

    大人しい人間をつくっていることは確かでしょう。
    それは良いも悪くもなく、
    日本人が望む人間を日本人が作っているだけなのですよね。

    だからアメリカが良いだの悪いだの
    日本が比べてどうだなんてことはどうだってよくて

    じゃぁ私はどうするのかってことなだけ。

    本を読みすぎると考える力が落ちるというデータもあるそうです。
    答えをそこに見出しち

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    2012年04月25日
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判

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    いやあ〜、面白かった!一番印象に残った言葉は「昔の映画は1本観ると確実に少しだけ成長したような気にさせてくれたもんだよ。」
    まさにその通り!
    だから生ぬるいハリウッド超大作や邦画より、韓国のバイオレンス映画を好んで観てしまうんだろうなあ。

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    2012年04月19日
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判

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    映画愛に溢れたすごい大人が二人が真剣にボケる漫才評論が楽しい。まだ完成もしていない「タイタニック」を数年前まで「殺人魚フライングキラー」 でハリボテ作ってた男の感情移入できない大虐殺映画と言い切ってしまう。こんな感じの破壊力のある言動が500ページも続く恐ろしい本。あと宇多丸の解説が的確過ぎて面白い。

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    2012年04月07日
  • ベスト・オブ・映画欠席裁判

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    オリジナル版の3冊をかつて読んでいたんだけど、またまたあの毒舌映画批評漫才を読み直したくて購入しちゃいました。

    再読ながらも、当時と同じように楽しめました。再編するにあたって、わりと後半2冊に収録されていたものがメインとなっているようで、一般向けっぽい感じになっています。

    個人的には初期の感じも好きなので、そのあたりが含まれていないのは残念ですが、でも評価には影響しないレベル。

    本当に映画の見る角度に関していろいろと考えさせられるという点では、またまたこのコンビに復活してもらいたいなと思いますね。

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    2012年03月20日
  • アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない

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    読めば読むほど、むちゃくちゃなアメリカ政治。というか、ブッシュ政権。
    アメリカのスタンスは不干渉、モンロー主義という言葉を久しぶりに思い出した。もう、死後です。
    キリスト教原理のネタが満載。避妊完全否定、絶対禁欲教育なんて子供たちの悲劇だけどそこが宗教なんだな。
    ベトナムへの捕虜となり、拷問をうけ36歳で髪は真っ白となるほどの体験をしたにも関わらず、そのベトナムとの国交を回復させたマケイン。
    おまけに息子も海兵としてイラク戦争に志願というとこを読むと、「共和党を元に戻したい」と言った彼こそ、もう一度立ち上がってほしいのだが。

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    2012年02月12日
  • オバマ・ショック

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    他の町山本の例にもれず、内容がスッと入ってくる。
    オバマ本というより、大部分をアメリカ文化、政治システム、宗教に割く。

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    2010年10月28日
  • オバマ・ショック

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    今オバマ本が売れておりますが、その中ではちょっと感じが違うのではないかなぁ、と他のオバマ本を一切読んでないくせに思いました。対談本なのだけど、オバマ大統領就任に至るアメリカのこれまでを歴史的、文化的、映画的に縦横無尽に切っていったって感じで面白く読めました。

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    2009年10月04日
  • オバマ・ショック

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    越智道雄氏と町山智浩氏の対談によるアメリカ現代史の振り返りとそれをもとにしたオバマ評というより、オバマが大統領となる今のアメリカを評した本だ。

    日本のマスコミではあまりにもドメスティックな見方でオバマを見ているので、そこからはなかなか伝わってこないオバマ像、今のアメリカ像が見えてくると思う。

    さて、いよいよ現地時間での20日日本時間で言うと明後日就任式となる。世界の期待を受けての就任となるが、賢い良い大統領になってほしいと思う。

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    2009年10月07日
  • 「最前線の映画」を読む Vol.3 それでも映画は「格差」を描く(インターナショナル新書)

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    最前線の映画を読む、の中でも特に社会的な視点で切られていて面白かった。
    町山さんの本領発揮。

    日本作品にあまり馴染みがなかったので、近年のヒット作が
    意外にもアニメも実写も格差を背景にしているのは嬉しい気づき。

    町山さんが解説すると、どの作品もすごい名作に見えてくる。

    クロエ・ジャオは、近年ローチなどと並ぶ社会派として括られがちだけど、
    むしろ作風はテレンス・マリックのクリスチャン的芸術性、抒情性...というのがすごく腑に落ちた。

    新たな出会いとしては、ベルギーのダルデンヌ兄弟が興味深い。

    『ロゼッタ』での、とられることを嫌がる被写体を追う映画という発想が面白い(第四の壁破りともまた

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    2025年08月21日
  • 独裁者トランプへの道

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    アメリカを分断するのは人種や民族ではなく、貧富の差だった。
    滅茶苦茶で致命的なスキャンダルだらけのトランプがなぜ票を勝ち取れたのかはこれに集約される。
    結局国民は、目の前の自分の暮らしが大事。

    audibleで、こんなに!と驚く量とレベルの様々なゴシップが次々と語られるので聞くに耐えない。
    語り口が軽くて、作者のツッコミもノリが良く全体的にはおもしろく聴ける。
    しかし、トランプを語る上で仕方ないのだけど、女性問題が多く頻繁にセックスという言葉が流れるのは不快だった。

    前半はトランプとの関連が薄めなゴシップもありよくわからなかったけど、後半に進むにつれて有益な情報が増えた。

    三権分立の上に

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    2025年08月04日
  • 結婚失格

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    意外に面白かった。
    もっと嫌になるかと思ったからだ。

    私は主人公よりもその妻に近いところにいる。
    2人にとっての真実がどこにあるかはわからないから、ここでその是非を問うても意味はないだろう。

    そもそも、人と人との関係において正しさは無力で、正しくても正しくなくても暮らせないものは暮らせない。そして、自分がどうしても子供を失いたくないと思えば、正しくないことだって私ならするなと思った。

    ただ、著者はおそらくとても正直な人で、ここに書かれたことは彼の世界の真実なのだということは信じられる気がした。

    書評という体裁を取っていることは、私には功を奏しているように思えた。ことの顛末についてそのま

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    2025年07月24日
  • 独裁者トランプへの道

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    町山節炸裂。トランプVSバイデン→ハリスの選挙戦。
    耄碌バイデンも酷いが、トランプの放言はもっと酷い。
    これがこのまま大統領になってしまうなんて、、
    関税で好き勝手なことを言う現状は、この選挙戦そのまんま。独裁者、、
    どんな人生を歩んできたんだろう
    彼自身はどうでもいいが、そんな人物を選んでしまうアメリカ。病んでいる。
    まあ日本も大差ないか。排外主義、差別が幅を利かせる。
    排外はまだ「自分は海外勢に仕事を取られた」という、一部勘違いはあるが、
    まだ理屈があって、理解できないでもないが、
    マイノリティを差別するのは、自分が強者だと思っているから。
    変えられない出自で差別は論外。運がいいだけ。

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    2025年07月05日
  • 独裁者トランプへの道

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    2025年1月から大統領として就任したドナルド・トランプ。
    毎日のニュースで、トランプの顔が出てこない日はない。
    あれやこれやと突飛なことを発言し、政界も財界も右往左往させられている(んだろう)。

    なんなの、この人?
    なんでこの人が最終的に大統領になっちゃったの?
    世界はどうなっちゃうの?

    と、日々、暗ーい気持ちにならざるを得ない私です(あー、政治的な発言がしたいわけではないですが、まぁ、私は、トランプさんがあんまり好きではない方の人間です)。

    そんな時に、こんな本が出されていることに気がついて読んでみました。町山さんの発信はXなどでみていたし、アメリカ在住ならではの見方が面白いのではな

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    2025年04月13日
  • 最も危険なアメリカ映画 『國民の創世』から『バック・トゥ・ザ・フューチャー』まで(集英社インターナショナル)

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    『アメリカのめっちゃスゴい女性たち』で町山本にハマりかけた時期があった。アメリカのあらゆる方面に巣食う暗部を克明に、そしてエキサイティングに描き出していて、読んでいる分には本当に面白い。
    本書も「読んでいる分には…」と言える一方で、ちょっぴり笑えない部分もある。一番分かりやすい例で行くと…

    「ロバート・ゼメキス監督の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85年)と『フォレスト・ガンプ』(94年)の楽しさの裏側には、60年代の反戦運動や公民権運動に対する強烈な敵意が隠されている。それが甘い菓子に混ぜられた毒だ」(P 5)

    えぇー…マジすか?フォレストはともかくBTTF好きだし、こないだもロゴ入

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    2025年01月12日
  • 最も危険なアメリカ映画 『國民の創世』から『バック・トゥ・ザ・フューチャー』まで(集英社インターナショナル)

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    実際に観たことがある映画は、
    「Back to the Future」と「Forrest Gump」
    くらいだったが、色んな見方を知ることができて、
    勉強になりました。
    でも、アメリカで映画を作ったら、
    何をどうやっても人種問題と切り離せない、
    となるのでは?とも思う。
    「Back to the Future」なんて、
    ただただ楽しい映画だったと思うんですけどね…

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    2024年12月14日