町山智浩のレビュー一覧
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トランプ大統領の話題だけでなく、アメリカで起きた事件や話題を扱っていて一部Youtubeでもみた内容もあるが、町山さんが提起する話はいつも面白い。政治ネタだけでなく、あまりに凄惨な刑事犯罪、時事ネタや芸能ネタなど自分が知らない話題も多くて勉強になった。
しかし、アメリカは本当にやることなすこと規模が大きい。事件や特に金回りに関しては他の口や地域ではあり得ない桁違いの額が出ている。いやー、これがアメリカのダイナミズムを表象しているといつも実感。各トピックの最後に時々日本との比較みたいな終わり方もあるが、アメリカと比較すると日本の小粒感、小物感よ・・・。 -
Posted by ブクログ
アカデミー受賞作品「パラサイト」「ジョー
カー」、パルムドール受賞作品「万引き家族」
これらの映画は製作された国は異なりますが、
ある共通点があります。
格差社会をリアルに描いているのです。
日本でも最近問題になっている格差社会は、
世界中で発生し、やはり問題となっています。
「我々はみんなひとつのグローバルな経済の
中に生きている」からです。
その格差社会の中で生きる人々の希望や絶望
を映画では、どのように描かれているのかを
とても丁寧に解説します。
すでにそれらの作品を観た人は納得すると思
います。
まだ観ていない人は必ずそれらの作品を観た
くなる一冊です。 -
Posted by ブクログ
「町山智浩のアメリカの今を知るTV」で放送されたエピソードの中から、トランプ政権が引き起こした「アメリカの分断」というテーマに沿ったものを集めて、銃社会、中絶禁止法、政教分離、移民政策、不正選挙などの切り口で再構成したものだが、コンパクトによくまとまっていて、トランプ~バイデンのここ6,7年のアメリカの出来事の振り返りを気軽に読める。著者が前書きで絶賛しているが、番組で聞き役で出演している藤谷文子さんの、著者の発言を受け取ってその話の要点を整えるような的確な返しが素晴らしいのだが、本書は2人の会話形式で収録されているので、そこがちゃんと楽しめて、そして読みやすさにもつながっている。
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暴走するアメリカ民主主義──その「原型」はハリウッド映画の中にあった!
「トランプ現象」は突然起きたものではない。それは言うなればアメリカ建国のときからの「病巣」であり、それを誰よりも鋭く見抜いていたのが映画人たちだったのだ
いま、映画を語らせれば右に出る者はいない町山智浩がその蘊奥を尽くして語る「映画から見たアメリカの病理」。その深層に触れたとき、あなたはきっと戦慄するであろう。
本書の目次より
人種差別に火を付けた「史上最悪の名画」◆『國民の創生』
「アメリカの大義」に利用された人々◆『滅びゆく民族』
ディズニー・アニメが東京大空襲を招いた?◆『空軍力の勝利』
封印された「 -
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映画のシーンに登場する本や言葉は、映画を読み解くうえで重要な鍵を握っている。本書はその作品に登場した本や台詞、歌詞などを、元ネタである文学や詩までに深く分け入って解説。目からウロコの新たな作品解釈を楽しむことができる。明らかにされるのは『インターステラ―』とボルヘス、『ウォール・ストリート』とシェイクスピア、『007 スカイフォール』とテニスンの「ユリシーズ」などの思いもよらぬ関係性。紹介する作品はエンタテインメント作品から超大国アメリカの裏側がわかるドキュメンタリー作品まで多岐にわたっている。映画と本を愛するすべての人に贈る全く新しい映画評論!
青春ホラー映画「イット・フォローズ」に登場する -
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シリーズの中で今作は今までにないほど激しい意志を感じる。リアルタイムの問題提起だからということもあるが、アカデミー賞をはじめとして全世界的な映画界の潮流が資本主義の矛盾について語りだしているということが、かなりの危機感を持って重く受け止めなければならないのだろう。
「天気の子」で極まったまるで慟哭しているかのような評論が胸に突き刺さる。
ダルデンヌ兄弟作品は予想しうる重たさに怯んでu-next のお気に入りにマークしつつ何年も見ることができなかった。ケン・ローチ作品も「天使の分け前」が軽い傑作だったぶん、そのギャップになかなか手を付けられずにいた。
本作に背中を押されようやく見ることができた。 -
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すごい。今回はすごい。毎回楽しみにしているシリーズだけど今回は本当にすごい。一つ一つのエピソードが映画化可能なぐらい内容が濃い上に、断片化しているように見えて全てがつながっている。しかもどのエピソードも何一つ終わっていない。コロナ禍、BLM、大統領選・・・・。
今まで遠い国の出来事として、それでも興味深く読んでいたが、今回は決して他人事ではない地続きの恐怖や深慮を確かに感じた。大爆笑の裏にではあるが。
澤井健のイラストが文脈とは一見関係のないような日本国内の題材が多いことがそのことを裏付けている(佐伯耕三が最高だ)。
全ては日本に、自分につながっている。
本来ならば1日1エピソードくらいで長い -
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Posted by ブクログ
【スクリーンの裏側へ】映画評論家として活躍する町山智浩が、『ラ・ラ・ランド』や『インターステラー』など、近年話題となった作品に焦点を当て、隠されたメッセージの読み解きに迫った一冊。映画作品に絡めた時事知識の紹介も豊富に盛り込まれています。
紹介される映画について詳しくなれることはもちろん、町山氏の紹介を通して映画の一つの見方を学ぶことができるのも本書の魅力。映画は娯楽と知的探求が同時に楽しめるメディアなんだと再確認させられました。
〜「本当に深い感情は時空も現実も物理法則も超える」ミュージカルで人が突然踊り出すのはそれなんだと彼は言う。「気持ちが心にあふれた時、天国から九十人編成のオーケス -
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週刊文春でのコラムをまとめたUSA語録第1弾。2010年から2012年ぐらいのまとめです。
2019年2月の今読むと懐かしくなるような事柄ばかりであり、もう10年近く前のことがよくわかります(おそすぎる!)
町山智浩さんのコラムはアメリカの政治あり、事件あり、エンターテイメントありと様々なジャンルについての話題なのでアキずに、そしてためになることが書かれている印象です。
あと、フランクな文体が非常にとっつきやすく、政治など一見複雑な話題に関してもすぐに頭に入ってくる感覚。
昔のコラム集を読み返すのも良いですが、現在進行系で読んでいきたい著作です。英語の勉強にもどうぞ(役立つかは別の話で